注文住宅相場、みんなはいくらで建てている?土地あり・土地なしパターンで解説
注文住宅の価格は間取りや仕様、建てる土地によって変動するため、実際どれくらいの予算で考えれば良いのか分かりにくいと感じる方が多いようです。
そこでこの記事では、注文住宅費用の相場を土地あり・土地なし両方のパターンで詳しく解説します。また、価格帯別に注文住宅の間取り実例も紹介。
注文住宅費用が変動する要素や失敗しない予算の考え方など、覚えておくべきお金のことも分かりやすくまとめました。
目次
みんなはどれくらいの注文住宅を建ててる?
注文住宅は1,000万円前後のローコスト住宅から、ハイエンドな大手ハウスメーカーまでさまざま。まずは全国平均のデータをピックアップして、みんなどれくらいの注文住宅を建てているのか目安を把握しましょう。
注文住宅建築費用 3,866万円
建築費用 | 3,866万円 |
---|---|
延床面積 | 123.5㎡(約37坪) |
平均坪単価 | 約104万円 |
参照元:令和4年度住宅市場動向調査
国土交通省の調査によると、令和4年度の新築注文住宅の全国平均価格は3,866万円でした。延床面積は123.5㎡で、坪単価に変換すると約104万円です。令和4年度の注文住宅建築費用は前年度より377万円高くなっています。
土地取得費用 1,819万円
土地取得費用 | 1,819万円 |
---|---|
敷地面積 | 248.1㎡(約75坪) |
平均坪単価 | 約24万円 |
参照元:令和4年度住宅市場動向調査
全国の注文住宅土地取得費用は1,819万円、坪単価は約24万円でした。土地の取得方法は新たに購入した方が69.1%で、取得時期は1年前が57.5%で最も多くなっています。
注文住宅+土地合計費用 5,685万円
上記の新築注文住宅、土地費用データを合計すると、5,685万円となりました。自己資金率は30.6%で、頭金は平均1,665万円、住宅ローン借入額は平均3,772万円です。
この数字はあくまで全国平均なので、建物や土地などの合計費用によって変動します。しかし一つの目安として覚えておくと、注文住宅の予算とクオリティのバランスを考えるのに役立つかもしれません。
【価格帯別】注文住宅間取り実例
ここからは、価格帯別の注文住宅の間取り実例を見ながら、いくらぐらいでどのようなマイホームを建てられるのかチェックしてみましょう。
詳細ページにお住まい全体の写真や家づくりの経緯なども掲載していますので、理想のイメージに近い実例をチェックしてみて下さい。
1,000万円台の注文住宅間取り実例
1,500万円~1,999万円 延床面積115.01㎡(34.78坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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LDKを回廊のように使う間取りアイデアで、無駄なスペースとコストを抑えた間取り実例です。リビング階段や回遊性の高い動線で、住みやすさもしっかり考えられています。
1,500万円~1,999万円 延床面積127.52㎡(38.56坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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階段下のデッドスペースを活用した土間収納は、コストを抑えつつ住みやすさを高める効率的なアイデア。
2WAY動線のウォークインクローゼットも、おしゃれで使いやすい間取りです。
1,500万円~1,999万円 延床面積114.69㎡(34.68坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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面積効率とコストパフォーマンスに優れる総2階建てを選択し、素敵な間取りアイデアをたくさん盛り込んだおうちです。
リビングの小上がりタタミコーナーは、キッズスペースやお昼寝などさまざまなシーンで活躍。
2階ホールを利用した室内干しスペースも、効率的な間取りアイデアの1つです。
2,000万円台の注文住宅間取り実例
2,000万円~2,499万円 延床面積126.69㎡ (38.31坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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ロフト
日当たりや眺望などさまざまなメリットがある、2階リビングの間取りを採用したお住まいです。
2階のLDKは勾配天井や天窓を採用し、自然光がたっぷり入る開放的な空間に。
お子様の遊び場やピアノの練習に使えるロフトは、秘密基地のようなワクワクするスペースになっています。
2,000万円~2,499万円 延床面積122.55㎡(37.07坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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住まいの中心となるLDKは、開放感たっぷりの吹き抜けやタタミコーナーで家族みんなが自然と集まる空間に。
吹き抜けの2階ホールも、趣味のピアノを楽しめるスペースとして有効活用しています。
2,500万円~2,999万円 延床面積85.50㎡(25.86坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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3人家族でのびのび楽しく暮らせる平屋の間取りプラン実例です。
平屋の構造を活かした勾配天井は、大きな開放感と梁の立体感をもたらしてくれます。
LDKに隣接する和室はダウンフロアにして、ゆったりリラックスできる空間に。
3,000万円台の注文住宅間取り実例
3,000万円~3,499万円 延床面積154.84㎡(46.84坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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趣味のバイクライフを楽しくするインナーガレージ、家事効率の良い間取りアイデアを採用したお住まいです。
玄関横のシューズクロークで収納力をアップし、ガレージにつながる便利な動線も確保。
25帖の広々としたLDKは、収納や家事動線にもしっかりこだわり生活感のない素敵な空間になっています。
3,000万円~3,499万円 延床面積134.97㎡(40.82坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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ぐるりと一周できるアイランドキッチン風のレイアウト、ウォークスルークローゼットなど、暮らしやすいアイデアたっぷりの間取りプラン実例です。
対面キッチンでリビングの家族と自然に会話でき、シーンに応じて最短ルートを選べる効率の良い家事動線も確保。
室内干しできるサニタリーとファミリークローゼットを並べて、洗濯を1か所で完結できる間取りに。
3,000万円~3,499万円 延床面積117.50㎡(35.54坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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階段のない平屋のメリットを活かした、暮らしやすくおしゃれな間取りプラン実例です。
玄関は複数人で使いやすいレイアウトで、ベビーカーや遊具もしまえる土間収納を設置。
LDKは勾配天井と天窓で明るく開放感たっぷりに仕上げ、間仕切りで使い分けできる便利な和室を設置。
4,000万円台の注文住宅間取り実例
4,000万円~ 延床面積167.50㎡(50.66坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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小屋裏
約50坪のゆとりある延床面積で、インナーガレージや大容量の収納などを実現した間取りプラン実例です。
シャッター付きのインナーガレージは、趣味のバイクや自転車を整備できるように水栓や作業台も設置。
LDKには「MONOピット」でたっぷり収納力を確保し、上のフロアは隠れ家的な和室に。
4,000万円~ 延床面積204.91㎡(61.98坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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広々とした玄関ホールや中庭など、ホテルのような開放感やおもてなしの雰囲気を持つお住まいです。
坪庭のある広々とした玄関ホールは、ホテルや旅館のような非日常間を味わえる空間です。
中庭に面したLDKは、高級感のあるタイルを内装に使いリゾート感あふれる雰囲気に。
4,000万円~ 延床面積178.86㎡(54.10坪)
※実例の価格は建築当時の建物本体価格になります。
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小屋裏
6人の家族がのびのびと暮らせるように工夫した、おしゃれで快適な二世帯住宅の間取りプラン実例です。
リビング・ダイニングは開放感たっぷりに仕上げ、家族が自然と集まる空間に。
家族で渋滞しないように、サニタリーも一般的な注文住宅より広めの設計となっています。
【土地あり】注文住宅費用相場
既に土地をお持ちの方が、いくらぐらいの注文住宅を建てているのかチェックしてみましょう。
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査のデータから、土地をお持ちの方が多いと思われる、注文住宅のみ借入したケースのデータを参照してみます。
地域 | 建築費用 | 延床面積 |
---|---|---|
全国 | 3,715万円 | 122.8㎡ |
首都圏 | 4,015万円 | 123.4㎡ |
近畿圏 | 3,990万円 | 126.1㎡ |
東海圏 | 3,788万円 | 125.2㎡ |
参照元:2022年度フラット35利用者調査から一部抜粋
全国平均と比較すると、都市部を含む首都圏・近畿圏は建築費用が若干高い傾向があります。延床面積はエリアによって若干差があるものの、120㎡台の広さが平均的です。
全国平均で考えると、30坪の注文住宅は約3,012万円、40坪の場合は約4,016万円が費用相場になります。
【土地なし】注文住宅費用相場
土地購入も含めた注文住宅の費用相場はエリアによって大きく変動するため、いくつか地域を挙げて比較してみましょう。
地域 | 建築費用/延床面積 | 土地取得費用/敷地面積 | 費用合計 |
---|---|---|---|
北海道 | 3,427万円/117.9㎡ | 1,002万円/ 280.3㎡ | 4,429万円 |
東京 | 2,960万円/101.3㎡ | 3,662万円/120.4㎡ | 6,622万円 |
大阪 | 2,997万円/110.8㎡ | 2,052万円/141.1㎡ | 5,049万円 |
山口 | 3,213万円/111.0㎡ | 754万円/290.6㎡ | 3,967万円 |
福岡 | 3,344万円/112.5㎡ | 1,197万円/266.2㎡ | 4,541万円 |
沖縄 | 3,472万円/115.4㎡ | 1,640万円/235.1㎡ | 5,112万円 |
参照元:2022年度フラット35利用者調査から一部抜粋
地域によって敷地面積と土地取得費用に大きな差があり、それに伴って建築費用も変動しています。例えば大都市圏である東京や大阪は敷地面積が小さく土地取得費用は高めで、その分建築費用は少ない傾向があります。一方土地価格が安いエリアが多いほかの地域は、土地取得費用が安く、その分建物に費用をかける傾向があるようです。
地域 | 30坪 | 40坪 |
---|---|---|
北海道 | 3,726万円 | 4,968万円 |
東京 | 6,483万円 | 8,644万円 |
大阪 | 4,520万円 | 6,026万円 |
山口 | 3,545万円 | 4,726万円 |
福岡 | 4,003万円 | 5,337万円 |
沖縄 | 4,394万円 | 5,859万円 |
建築価格と土地取得費用の合計を30坪・40坪の広さに換算すると、上記の金額になりました。土地価格の差が建築費用の総額に大きく影響する傾向がありそうです。しかしこれはあくまで平均で、例えば東京都でも安い土地を見つければ費用を抑えることは可能です。土地と注文住宅をセットで考える場合、予算に応じたエリア選びを心がけてみてください。
注文住宅費用は何で変わる?
具体的な相場をチェックする前に、注文住宅の費用を変動させる要素を把握しておくと役に立ちます。仮に同じ広さの土地・延床面積でも、次のような要素で費用が変動します。
ハウスメーカーの価格
注文住宅を建てるハウスメーカーによって価格は変わり、同じ間取りでも建築費用が変動します。一般的に大手ハウスメーカーは価格が高くなり、地域工務店は安い傾向があります。
ただし建物の価格は、耐震性・断熱性・耐久性などの性能とも関係するので、バランスの取れたコストパフォーマンスの良いハウスメーカーを選ぶことが大切です。
また、付帯工事費や諸費用に含まれる範囲や金額も、住宅会社によって異なるためしっかりチェックしましょう。
土地の価格
土地の価格はエリアによって大きく変動し、建物以上に注文住宅の総額に影響を与える要素の一つです。同じ面積の土地でも、市街地と郊外、公共交通機関へのアクセスなどで価格は変わります。注文住宅の土地を探すときは、まず国土交通省の公示価格などを参考にして相場をつかんでおくのがおすすめです。
土地の形や法規制
土地の価格に加えて、形や法規制などの要素も注文住宅費用に影響します。
例えば三角形の土地に合わせて家を建てるためには、建物側の工夫が必要になり建築費用が増える可能性があります。また防火地域・準防火地域に指定されている土地は、耐火性能の高い建材を使う必要があり材料費が高くなるケースも。逆にバランスの良い四角形で法規制が厳しくない土地を選べば、建築費用を抑えられる可能性があるということです。
単純な土地価格で判断するのではなく、建物とセットで費用を考えることが重要になります。
設備やオプション
注文住宅のプランには設備や建材、間取りのオプションが用意されていて、選ぶ内容によって建築価格が変動します。例えばキッチンの食器洗い乾燥機やタッチレス水栓、ユニットバスの暖房機能付き換気扇など、使い勝手や効率がアップするオプションも。
どのようなオプションが必要かは家族構成やライフスタイルによって異なるため、予算に合わせて上手に選ぶことが大切です。
注文住宅予算の考え方
ここまでは費用の目安をご紹介してきましたが、実際の注文住宅予算計画では次のようなポイントを考える必要があります。
部屋数と床面積
注文住宅の予算計画には、家族の人数とライフスタイルに応じた部屋数と広さ(床面積)を決めることが必要です。ここまで見てきたように、30坪と40坪の注文住宅では費用が1,000万円以上変わることが多いです。
今のライフスタイルに加えて、お子様が増えたり巣立ったりすることも考え、必要な部屋数と広さ(床面積)を計算してみましょう。
必要な土地の広さ
建物に必要な広さが分かったら、次にどれくらいの広さの土地を購入すべきなのか考えましょう。例えば30坪で総二階の家なら1階の床面積は15坪、建蔽率50%なら最低でも30坪の敷地面積が必要になります。また駐車場やお庭のレイアウトによっても、必要な土地の広さは変わります。建てたい家の広さと、理想のライフスタイルに応じた土地の広さで予算を考えてみましょう。
家を建てるエリア
前述したように家を建てるエリアによって土地価格が大きく変動するため、予算計画でしっかり考えたいポイントです。
駅前や商業施設の近くなどの人気エリアは、土地価格が高くなるため建築費用も多めにかかります。理想のライフスタイルや通勤通学などの条件と、予算のバランスを取ることが大切です。
年齢/収入/住宅ローンのバランス
現在の年齢や収入からムリなく返済できる住宅ローン額を割り出し、注文住宅の予算上限を逆算することも大切です。理想だけ詰め込んだ注文住宅プランは、実際に住宅ローンの審査が通らずムダになってしまうかもしれません。
住まいづくり計画のなるべく早めの段階で仮審査やシミュレーションをして、予算の上限を把握しておきましょう。
性能/クオリティと価格のバランス
ハウスメーカーによって坪単価/建築価格はさまざまですが、住宅性能やデザインのクオリティと価格のバランスを取ることも大切です。
仮に相場より安い価格で建てられるハウスメーカーでも、耐久性が低い建材を使っている場合、メンテナンス費用が多くかかってしまいます。マイホームは数十年スパンで暮らす大切な場所ですから、安かろう悪かろうになるのは避けたいところです。
単純に坪単価や建築価格だけで比較するのではなく、プランの中身や性能までしっかり把握してハウスメーカーを選んでください。
まとめ
注文住宅は同じ広さ(床面積)でも、建てるハウスメーカーや土地によって価格が大きく変動します。相場を一つの目安として、長く快適に暮せるコストパフォーマンスの良いハウスメーカーを選びましょう。
クレバリーホームは耐久性や省エネ性などのバランスが取れた、長く快適に暮せる注文住宅づくりをお手伝いしています。全国のモデルハウスで実際のデザインや性能を体感できますので、ぜひお気軽にご活用ください。