注文住宅土地探しの基本とコツ|良い土地で良い家づくりを
注文住宅の満足度や住み心地は、建てる土地によっても大きく変化します。希望条件に合う土地を上手に見つけられれば、理想のマイホームづくりに大きく近づくでしょう。
今回は注文住宅の土地探しについて、タイミングや相談先など基本的な内容を詳しく解説します。
理想の注文住宅が建つ土地を見極めるためのチェックポイント、失敗しないコツも紹介します。
目次
家づくりと土地探し、どっちが先?
注文住宅を検討するとき、家づくりと土地探しをどのタイミングで始めるべきなのか迷う方が多いです。結論からお伝えすると、注文住宅プランづくりと土地探しは同時に進行するのがおすすめです。
先に注文住宅のプランと見積もりだけ作成しても、選ぶ土地によって費用が変動するため正確な金額を知ることができません。
逆に土地だけ先に購入するパターンだと、建築制限で希望の家を建てられなかったり、地盤改良で追加費用がかかったりする可能性があります。また先に土地をローンで購入する場合、住宅ローンより金利が高い「土地先行融資」「つなぎ融資」などが必要になるのもデメリット。
これから家づくりに取り組む場合は、ハウスメーカー探しと土地探しを同時進行で取り組みましょう。
注文住宅の土地探しはいつから取り組むべき?
土地探しは注文住宅のプランや見積もりにも影響しますので、家づくり計画と同時になるべく早めの段階から取り組むのがおすすめです。具体的には次のようなステップで進めていきます。
- 希望エリアを絞り込む
- 土地価格の相場を調べる
- 現地を確認する
- 候補の土地で注文住宅の見積もりをする
注文住宅の見積もりをするまでに、土地の候補を絞り込んでおく必要があります。希望エリアや条件にもよりますが、見積もりを依頼する1~3ヶ月前までに土地探しを始めるのがおすすめです。注文住宅全体の流れと期間についてはこちらのコラムも参考にどうぞ。
注文住宅の土地探しは誰に頼む?
これから土地探しを始める場合は、家づくりと同時にハウスメーカーに相談するのがおすすめです。ハウスメーカーが建築のプロ目線で土地をチェックしてくれるので、土地選びによる失敗リスクを防ぎやすくなるのです。また土地と注文住宅の総額が分かりやすいので、予算オーバーしにくいのも大きなメリット。ハウスメーカーとの土地探しのメリットは、こちらのコラムもご覧ください。
注文住宅の土地チェックポイント
実際に注文住宅を建てるための土地を探す際は、次のポイントをチェックしてみましょう。
用途地域
物件情報を見るときは、まず用途地域をチェックしてください。
用途地域とはその土地の使い方を決めるルールのことで、「都市計画法」によって住居系・商業系・工業系に分かれています。
例えば第一種低層住居専用地域は小規模な住宅や公共施設が中心なので、静かで快適な住環境が確保できることが多いです。商業地域は住宅以外に大規模な百貨店や飲食店もつくれるため、利便性の高さが期待できます。土地の用途地域についてはこちらのコラムもご覧ください。
形/方角
注文住宅を建てる土地は、一般的にキレイな四角形で東南方向の角地が人気です。しかし現実的にはほかの方角や複雑な形の土地もあるため、予算やエリアの特性に合わせて選ぶ必要があります。
北向きの土地や異形地でも、技術力のあるハウスメーカーなら間取りの工夫で対応するのは不可能ではありません。広い土地を見つけにくいエリアなら、狭小地で購入価格を抑え、その分建物にお金をかけるのも一つの考え方です。
ライフラインの引き込み状況
電気・水道・ガスなどライフラインの引き込み状況は、注文住宅の建築費用に影響する重要チェックポイントです。
水道やガスが引き込みされていない土地は、経路や距離によって追加費用がかかるケースがあります。
一度も家が建てられていない土地はライフラインが用意されていないこともあるので、契約前にチェックしましょう。
建築制限
土地にかかっている建築制限によっては、思うような注文住宅を建てられないこともあるので注意が必要です。
※建築制限の例
- 建蔽率/容積率
- 斜線制限
- 防火地域/準防火地域
建蔽率/容積率は床面積の上限を決める制限で、パーセンテージが小さいと希望の広さの家を建てられないこともあります。
防火地域や準防火地域に建てる場合、建物の構造や建材が指定されるため、建築費用やプランに影響します。特別な建築制限がかかっている土地ではないか、必ずチェックしましょう。
利便性
注文住宅の建物とは直接関係ない部分ですが、土地の利便性は完成後の暮らしに大きく影響する要チェックポイント。通勤の利便性や商業施設の充実度など、毎日の生活に支障がない土地を選びましょう。
また坂や階段が多い高台にある土地は、実際に住んでみると移動の負担が大きい場合などもあります。敷地内のことだけでなく、少し視野を広げて暮らしやすさについてチェックしてみてください。
境界線
隣地との境界線がはっきりしていない土地は、境界の位置をめぐってトラブルになる可能性があるので注意しましょう。境界石・境界杭などの目印が見当たらない土地は、登記書類などで境界の位置を確認したほうが良いかもしれません。
災害リスク
洪水や土砂崩れといった土地の災害リスクも、必ずチェックすべき項目です。災害リスクは自治体が発行しているハザードマップを確認するのがおすすめ。また国土地理院の古い地図を見るのも、地盤補強が必要な埋め立て地などを確認するのに役立ちます。
参考:国土交通省 国土地理院
近隣の治安
周囲の建物や通勤通学の経路など、近隣の治安状況もしっかりチェックしましょう。空き家が多く人気がない場所、たまり場になっている場所などは注意が必要です。建物側の工夫では回避できない要素なので、見逃さないようにしてください。
失敗しない注文住宅土地探しのコツ
なるべく早くから取り組む
繰り返しになりますが、注文住宅の土地探しはなるべく早めに取り組むのが失敗を防ぐコツです。早くから取り組むことで良い土地に出会える確率が高くなりますし、慌てて判断を間違えるリスクも軽減できます。
希望条件を整理する
実際に土地探しを始める前に、希望条件をリストアップして優先順位を付けておくのもおすすめです。
敷地面積・価格・通勤通学時間、日当たりなど、土地に求める条件をまずは一通りリストアップしましょう。さらに優先順位を付けておくと、複数の土地を比較検討するとき判断しやすくなります。
相場を把握する
希望エリアが絞り込めたら、その地域全体の土地相場をなるべくリアルに把握しましょう。相場を把握しておくと、土地にどれくらい予算を掛けるべきか分かりやすく、資金面の失敗を防ぎやすくなります。市場をチェックしたり、国土交通省が毎年公表している「地価公示」などのデータを参考にしたりするのもおすすめです。
参考:国土交通省地価公示
日時などを変えて何度か確認
最終候補の土地は、実際に契約をする前に条件を変えて何度か足を運んでみるのがおすすめです。時間帯や曜日を変えてチェックすることで見逃しを防ぎやすくなり、土地選びの失敗を回避できます。少し時間と手間がかかりますが、いろいろな生活シーンを想定して現地確認してみましょう。
トータル予算を考える
土地単体で予算を考えると、注文住宅の見積もり段階でお金が足りなくなってしまうケースが多いです。必ず土地と注文住宅両方の、トータル予算を考えるようにしましょう。前述したようにハウスメーカーと土地を探すと、予算オーバーを防ぎやすくなるのでおすすめです。
良い土地が見つからないときはどうする?
不動産市場は流動的なので、希望の条件や金額に合う土地がなかなか見つからないときもあります。良い土地が見つからないときは、次のような取り組み方も試してみてください。
エリアや条件を変えてみる
今探しているエリアや条件で理想の土地が見つからないときは、少し選択肢を広げてみるのも一つの考え方です。
例えば最寄り駅を一つ広げてみるだけでも、選択肢が増えるので良い土地が見つかる可能性はアップします。住みたいエリアが明確に決まっている方も、少し地区を広げるなど条件を変えてみると、今までにない土地が見つかるかもしれません。
古家付き土地も検討してみる
注文住宅用の更地が少ないエリアの場合、古家付き土地も選択肢に入れると良い土地が見つかるケースもあります。
そもそも人気の高いエリアはすでに家が建っている可能性が高いため、更地より中古住宅の方が見つけやすいことも多いです。築年数が経っている中古住宅なら、建物の価値が下がっていてほとんど土地のみの価格で購入できるケースも。既存建物の解体費用と手間はかかりますが、交渉次第で売主に解体してもらえることもあります。
建物側の工夫で土地の希望条件を緩和してみる
南向きで日当たりが良く、十分な広さがあり価格も安い。そのような条件がそろった土地は理想的ですが、見つけるのは難しいです。
そのような場合は土地の条件を緩和して、建物側の間取りの工夫で解決できないか検討してみてください。
例えば日当たりが悪いイメージのある北側道路の土地でも、高窓で採光性を高めるなど、間取りの工夫で暮らしやすくおしゃれな注文住宅を建てることは可能です。広い土地を見つけにくい都市部なら、狭小地を選択肢に入れて3階建てで対応するのも一つの考え方です。
注文住宅土地探しの裏ワザはある?
インターネットなどで土地探しの情報を集めると、「裏ワザ」「未公開物件」といった言葉を目にすることも多いです。しかし注文住宅の土地探しにおいて、簡単に良い物件が見つかるような裏ワザは基本的にありません。
さまざまな理由で、一般公開されない未公開物件も存在します。しかし売主の事情で公開できないケースなどもあり、必ずお買い得な土地というわけではありません。そのような不確定な情報を求めるより、地道に土地探しを続けたほうが良い物件に出会える確率は高くなるでしょう。
大切なのは、信頼できるハウスメーカーを見つけて、理想の家が建つ土地を確実に選ぶことです。
まとめ
注文住宅の土地探しは、マイホームのクオリティを左右する重要な取り組みです。はじめての土地探しは疑問や不安もたくさんありますが、ポイントを押さえてスムーズに進めていきましょう。
クレバリーホームは全国のモデルハウスで、住まいづくりに関するご相談を受け付けています。間取りやデザインのことはもちろん、土地探しについてもサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。