【2022年】注文住宅の相場や建築費用状況!予算や節約するコツも解説
注文住宅の購入を検討している方は必見です。
自分の好みにつくり上げられる注文住宅ですが、1から全てを考えていく必要があるので、慎重に検討することが重要です。
住宅展示場などに足を運んだり、オンラインで建築会社に相談したりする前に、この記事を読んで知識をつけ、後悔しない家づくりをしていきませんか?
注文住宅費用の内訳を解説!
注文住宅を建てようと思った時に、実際にはどのような費用が必要になってくるのでしょうか。
住宅を建てようと思った時に必要になってくる費用を、分かりやすく簡単に解説していきます。
土地代
家を建てるには、まず建築ができる土地が必要になります。
既に土地を所有している場合、土地の購入費用は予算に入れる必要はありませんが、土地を持っていない方などはまず土地の購入費用が必要になってきます。
実際にいくらかかるかなどは、住んでいる地域により相場価格が異なり、駅に近い場所や都心部などに近づくにつれて高額になる傾向があるため、ご自身のライフプランと住宅購入の予算に合わせて慎重に場所を選ぶ必要があります。
土地の購入となると不動産屋などに相談するイメージが強いですが、注文住宅を取り扱っている建築会社が代行して探してくれることが多いです。建築のスケジュールと予算に合わせて建築会社に相談することをオススメします。
建築費(建物本体価格)
建物本体の建築費用です。
基礎工事や躯体工事、造作工事、住宅設備工事など、建物本体を建てる上で必要な費用全てのことを指します。
近年ではウッドショックや世界情勢の影響を受けて、住宅価格は高騰しています。2020年から比べると、木材の価格は70%以上上昇しており、住宅価格が大きく値上がりしているケースもあります。
※日本銀行:企業物価指数(2022年5月速報)、国土交通省:不動産価格指数(令和4年)より
依頼する建築会社により、費用が異なるため事前に依頼したい建築会社の建築費用がいくらくらいなのか気になる会社に実際に見積もりを依頼するようにしましょう。
建築費用は坪〇〇万円~といったように建築物1坪あたりの値段で表現されることが多いですが、坪単価に含まれる費用は建築会社によって異なるため、よく内容をチェックするようにしましょう。
例えば坪40万円で50坪の住宅を建てようと思った時の建物本体の値段は40万円×50坪で2,000万円程の金額と予想しても、外構工事費が入っていないなど、後から予算がオーバーしてしまったと気づく例もあります。さらに坪数も建築面積なのか施工面積なのかで最終的な金額が変わってきます。
諸費用、付帯工事費
住宅を建てる際に、その土地と建物の所有者が誰なのかを明記する登記が必要になりますが、登記にかかる費用やその他の諸費用なども必要になってきます。
登記を司法書士に依頼する時の費用や、土地購入をする際に必要な仲介手数料、住宅ローンを利用するのであれば手数料など諸手続きに必要な費用は多数あります。
おおよそ土地代金+建物の建築費用の6%~10%といわれていますが、購入する土地や住宅ローンをどこから借りるかなど条件により上下するため注意が必要です。
その他、外構工事や屋外の給排水の引き込み工事など、建物とは別に必要な工事費用のことを、付帯工事費といいますが、こちらも建築費用とは別に必要となるため注意しましょう。
建築費用の相場についてもチェック!
注文住宅の建築費用に関して、土地代は地域毎に相場価格が違っており、ご自身が所有する土地が有るか無いかによってかなり変動していきます。
各地域毎に、土地所有の有無による住宅面積の相場、建築費用の相場をまとめました。
相場価格を知り、資金計画の参考にしていきましょう。
注文住宅における地域毎の延床面積と建築費(土地購入なし)
土地の購入が必要か不要かによって建物にかける費用がかなり変わってきますが、土地購入なしの場合では住宅の広さと費用の相場はどうなるのでしょうか。
フラット35利用者の調査報告によると、住宅面積の全国平均は住宅面積が124.4㎡約37坪で建築費用は3,534万円でした。
さらに地方ごとの住宅の延床面積平均と相場価格平均を一覧にしてまとめました。
地域 | 延床面積(㎡) | 建築費用(万円) |
全国 | 124.4 | 約3,534 |
首都圏 | 123.9 | 約3,808 |
東海圏 | 126.5 | 約3,606 |
近畿圏 | 127.4 | 約3,746 |
その他地域 | 123.4 | 約3,356 |
土地の購入が必要ないため、建物を建てる建築費用のみとなり、広さによって多少費用は異なりますが、全国的に大きく差はありません。
しかし、地方によって価格も住宅面積も土地面積などに違いがあるため、地域性があることがわかります。
実際は当初の計画より、住宅購入資金が高くなる傾向にあるため、余裕を持った資金計画をしていく必要があります。
土地購入ありの場合
土地購入ありの場合は、土地と建物両方で費用がかかるため、相場が高くなりますが全国的な相場価格を見てみると土地にかかる費用が地域によって異なるため、相場価格に大きく差が出る結果となりました。
フラット35利用者の調査報告によると、延床面積の全国平均は111.1㎡(約34坪)で約4,397万円です。
各地方の住宅の延床面積平均と土地費用込みでの相場価格を一覧にしてまとめました。
地域 | 延床面積(㎡) | 建築費用(万円) |
全国 | 111.1 | 約4,397 |
首都圏 | 105.8 | 約5,162 |
東海圏 | 114.8 | 約4,412 |
近畿圏 | 111.2 | 約4,540 |
その他地域 | 113.1 | 約3,949 |
土地の価格は地域によって差があるため、全国的に住宅価格の差がかなり広がっています。
例えば土地の価格が1番高い首都圏で注文住宅を建てた人の相場が、平均延床面積105.8㎡と1番小さいのにもかかわらず、金額は約5,162万円と1番高価です。
全国的に土地購入ありの場合、延床面積は約32坪~35坪(105.8㎡〜114.8㎡)となっており、土地購入なしの場合と比べて比較的小さな建物を建てる傾向にあります。
土地購入ありで注文住宅を検討している方は、土地と建物どちらにお金をかけるのかを考えていく必要があるでしょう。予算内で抑えなければいけない以上、土地の価格が決まった時にある程度建物のグレードが決定してしまうため、土地の選定も慎重にする必要があります。
建築費用ごとの特徴
注文住宅はご自身のライフスタイルや予算との兼ね合いが非常に大切です。
注文住宅の場合、要望を全て取り入れてしまうと当初の予算よりオーバーしてしまう傾向にありますが、逆に建売などとは違い、お金をかけても妥協したくない部分や、妥協できるからコストを削りたい部分などメリハリを出せます。
まずはどのような考えで建てるかを、家族で話し合い決める必要があるため、おおよその建築費用ごとに特徴を記載していきます。
1,000万円台
他にお金をかけたいものがあり、支出を抑えたい方や、若いうちにローンを完済してしまいたいと考えている方が多く選ぶ価格帯です。
内観、外観共にシンプルで単価が高くなる外壁材や、内装材は使わずに仕様なども限定されてきてしまいますが、シンプルなつくりや内観のため、家具なども合わせやすく、自分好みのコーディネートが可能です。
もちろん例外もありますが、性能を落として1,000万円台になっているわけではなく、標準設備を限定して大量に仕入れることで価格を抑えたり、設計プランや間取りの種類を制限することで、工期短縮をして経費削減をしたり建築会社の企業努力で1,000万円台の価格で建築することも可能です。
2,000万円台
こだわりたい部分と妥協しなければいけない部分のメリハリを利かせることで、希望の家づくりも可能な価格帯です。
キッチンはこだわってアイランドキッチンにして、その他の内装はシンプルなものにまとめるなど、工夫をすれば予算内で希望をできる限り取り入れた家づくりが可能です。
ただ希望が叶いやすいため、あれもこれも取り入れてしまい最終的に予算オーバーしやすい価格帯でもあるので、メリハリの利かせ方を工夫して妥協できる部分は妥協するなど、優先順位をつけておくことも重要です。
注文住宅|予算「2,000万円」で建てるために知っておきたい考え方
3,000万円台
全国的に3,000万円台は平均的な価格帯であり、平均的なグレードの家を建てられる価格ともいえます。
※住宅金融支援機構:2020年度 フラット35利用者調査より
希望設備はかなり取り入れられますし、家の大きさも広げることが可能なため、希望する設備や家の間取り、広さなど入念な打ち合わせや話し合いが必要になり、プランの決定までに時間がかかる傾向にあります。
予算内でできることがかなり多くなるため、家族でライフスタイルを話し合ったり、お互いの希望を出して打ち合わせに臨んだりすることでスムーズに家づくりを進めていけるため、事前にどのような家づくりをしていきたいか話し合っておきましょう。
4,000万円台
全国平均的な広さである30~40坪の家を建てるには、予算的にかなり余裕のある価格帯になります。
こだわった家づくりをしたい人や、デザイナーに依頼する人も多く、予算内に抑えることより自分達のこだわりにどれだけ近づけるかに重点を置いた家づくりが可能です。
内装や外装も素材にこだわり、設備も高額なものを取り入れられるため、自由に夢を叶えられる住宅を建築することが可能な価格帯です。
マイホームの住宅ローンはいくらまで借りられる?失敗しない組み方とは
予算の決め方
予算に関しては相場とご自身の希望をもとに決めていきますが、住宅ローンを使用した場合に1番大切なのは無理なく返済可能な金額なのかということです。
後悔のないように妥協しないことも大切ですが、最初の予算設定に無理があったり借り入れ可能額を大幅に超えてしまったりすると、後々返済するのが大変になり生活を圧迫しかねません。
予算に関しての考え方を解説していきます。
頭金
頭金がなくても住宅ローンの借り入れはできますが、できれば建築費用の10〜20%程を用意しておくことで、3,000~4,000万円の住宅ローンが組みやすくなります。
ただ頭金に貯金を全額使用してしまうのは非常に危険なため、住宅用の貯金の一部を家具家電用にわけておき、一部を頭金に回すなど余裕を持って頭金を支払うことが大切です。
返済期間
返済期間は一般的に35年ですが、定年退職などの年齢も考えてローンを組むようにしましょう。
35年間で組んでおき資金に余裕ができた時に繰り上げ返済をしていくなど、資金計画を長期的に立て、お子様の学費や車の買い替え時期なども考慮し、無理のない期間で余裕を持って返済していくことがとても大切です。
金利は固定か変動か
返済金額を決めておきたいのであれば固定金利ですが、今後の金利動向によっては比較的金利が低く設定されている変動金利なども視野に入れて考えていくことも大切です。
変動金利か固定金利かという話は住宅ローンを決める上で非常に重要ですが、将来的な金利の上下に関しては誰にもわかりません。そのため、乗り換えなども視野に入れて選ぶようにしておきましょう。
何にこだわりたいのか決めておく
ご自身のこだわりはもちろん、家族間でしっかり話し合っておき事前に、お金をかけるポイントを考えておくことが大切です。
とにかく低価格になるようにするのであれば1,000万円台の金額も可能ですし、妥協せずにこだわるならば予算は大きく膨れ上がります。
土地から考える場合も、立地の良い場所に建てるのであれば土地の代金が高くなってしまい、建物にお金をかけられなくなるため、住む場所選びから事前に全体的な予算のことを考えておく必要があります。
実際にいくらかかったか
実際に家を建ててきた人達の話も参考にさせてもらうことも1つの方法です。
お金を掛け過ぎて返済が大変な人もいますし、妥協せずにお金をかけておけば良かったポイントなど、色々な意見を参考にさせてもらいながら、自分の希望やライフプランに合った計画を建てることが大切です。
相場では3,000万円台の家が多く、希望する家が予算の範囲内に収まるのか見積もりを同じ条件で数社取って比較してみましょう。
建築費用を安くするコツ
自分の希望通りに、設備や家具などを沢山付けていくと最終的に予算オーバーしてしまいますし、妥協してしまうと住み始めてから後悔してしまうことになります。
満足のいくマイホームを手に入れるために、建築費用を安くして、予算に余裕を持った計画を立てていくために、建築費用が安くなるコツをいくつかご紹介します。
仕様や設備にメリハリをつける
1つ1つの金額が大きく意外に値が張るのが設備や仕様です。
例えば、2階のトイレなどお住まいになる家族構成によってはほとんど使われないこともありますし、最近ではベランダの無い家も多くなってきました。
家族で暮らす場合、ほぼ全員が1番利用する場所はリビングになるため、リビングの内装のみ凝ったものにするなど、仕様変更も細かく考えていくことで建築費用の削減に繋がります。
複雑なものにしない
家の形や間取りはシンプルなものにした方がコストもかからず、建築費用も安く済みます。
スキップフロアのような特殊なつくりを利用した空間などはお洒落な家づくりでよく見かけますが、コストがかかる場合が多くその分建築費用も高くなりがちです。
ただ自分の希望の間取りや、形、デザインを妥協して後悔することがないように、予算と相談しながら担当者と妥協案や別の方法を探っていきましょう。
水回りを近づける
基本的に水回りは、1階に設置することが多いのですが、これは水回りの配管を2階まで延ばそうとすると費用がかさみ、建築費用が高額になるためです。
家事動線なども考えた時に水回りが集中していた方が家事もしやすいため、よほどの事情がない限り、水回りは集中して配置することをオススメします。
壁を減らす
手間も材料費も下げられるためコストカットに繋がり、建築費用を下げることができます。
部屋数が少なくなりますが、その分広々とした空間ができるため、開放感があり換気など空気の入替もスムーズになります。
兄弟がいる場合の子供部屋なども、子供が小さなうちは一部屋にしておき、将来間仕切りで分けるといった方法もあります。
湿式工事はしない
内装や外装などで、塗料や漆喰のような素材を使うよりクロスなどの乾式工事のみにしてしまう方が作業の手間がなくなり、コストカットに繋がります。
今はクロスの種類も多く、シックハウス症候群の対策などもしっかり取られているため安心ですし、デザインも非常に多く、個性的なものも沢山あるため費用削減したい場合はクロスのような乾式工事をオススメします。
オーダーメイドで造り付けをする家具を避ける
オーダーメイドで職人が1から造り付けをするような家具は、比較的高価になりがちです。
特にこだわりがないのであれば今は、安価な家具屋も多く、今使用している家具を新居でも使うといった方法もあります。
家具などは後々買い替えもできるため、建築費用を減らすために今は我慢することも1つの方法です。
外構工事をしない
外構工事もかなり高額になりがちで、普段家で生活している分には目に入らないため、妥協できる1つのポイントです。
例えばフェンスなど土地いっぱいに、フェンスをつくろうと思うと高額になるため、隣家との境に目隠しのためだけに設置するなどの方法もあります。
自分でできるものは自分でやる
細かな部分ですが、引っ越し作業などを自分で行ったり、エアコンなどの家電製品も今のものを使ったりすることで、建築費用に回せます。
家は一度建ててしまうと、なかなか改築などできませんが家電などは買い換えてしまえば良いため、そのあたりにかかる費用も一度見直していきましょう。
アフターフォローもチェックしよう
家を建てることがゴールではありません。
建てた家に住むことで、今まで以上に快適な暮らしや幸福になることが目的です。そのためには、家を建てるだけでなく、建てた家に住んだ後のことを考えて置く必要があります。
営業が親切なだけではだめ
担当してくれた営業が親切な方で、建築会社を決めたという方は多いですが、担当営業だけではなく建築会社全体で問題がないかを確認しておきましょう。
家は何十年も住み続ける場所のため、住んでいるうちに担当営業が異動や退職するなどして、当初担当営業と話していたことと話が変わっていたなどトラブルに発展したことは少なくありません。
メンテナンスや点検、保証などもチェックしておこう
会社の資料や広告などから、アフターフォローが何年間ついているかなどわかるため、必ず点検、保証の項目は確認しておきましょう。
住宅は建築物のため当然老朽化します。長い目で見ると家を安全に維持していくには、非常に高額な維持費が必要になります。
建築費だけでなく、維持費用も含めて予算やローンを組んでいくようにしましょう。
メンテナンス費用を抑えるために、例えば建築当初から屋根をメンテナンスがほぼ必要のない陶器瓦にすることや、外壁もメンテナンスが比較的楽なタイルにするなど、将来のメンテナンス費用を考えた仕様にする方法も考えられます。
住宅展示場で専門家にいろいろ相談しよう
インターネットなどを使って自分で調べることもとても大切ですが、建築の専門家に相談して色々なアイデアやトレンドを学びながら、注文住宅の計画を立てていきましょう。
ぜひ住宅展示場に足を運んでいろいろ聞いてみましょう。
わからないことや不明点などがあれば、気軽に行えるオンラインのweb相談などもオススメです。
まとめ
今回は注文住宅にかかるお金について説明してきました。
今回説明させて頂いた内容はほとんどの人が人生に一度だけ経験するかしないかといったことなので、知らなくて当たり前のことばかりです。
ご自身のマイホーム計画が失敗しないために希望の住宅を考えていくことも重要ですが、現実をしっかり見て予算計画を立てて、無理のないマイホームづくりをすることもとても大切なことです。
そのためにもまずはご自身やご家族がどんな家に住みたいか、具体的にイメージすることが大切なため、住宅展示場に足を運んでみたり、web相談などで実際に建築会社と話をしてみたりして理想の住宅へ一歩ずつ前進していきましょう。