注文住宅の価格推移と今後の動向をチェック|価格高騰はいつまで?下がる可能性は?

注文住宅の価格推移と今後の動向をチェック|価格高騰はいつまで?下がる可能性は?

決まった形や定価がない注文住宅を建てる際、どれくらいの費用がかかるのかは多くの方が気になるポイントです。

しかし、最近は材料費や人件費の高騰などの原因で住宅価格が上昇しているというニュースを見かけることが多く、動向が気になりますよね。

そこで今回は、実際のデータから注文住宅の価格推移をピックアップし、今後の動向や対策について詳しく解説します。

注文住宅の価格が上がっている?

最近は注文住宅を含む住宅価格全体が上がっているというニュースを良く目にしますが、データから実際の状況を確認してみましょう。

 

不動産価格指数のグラフ

出典:国土交通省 不動産価格指数を基に弊社作成

 

国土交通省が公表している不動産価格指数を見ると、注文住宅を含む戸建て住宅の価格が2020年頃を境に上昇していることが分かります。

大都市を中心に高騰しているマンションに比べると上昇率は穏やかですが、2024年2月時点の戸建て住宅不動産価格指数は、2010年を基準として114に上昇しています。

このデータは建売住宅・注文住宅などを含めた数字ですが、住宅全体の価格が上がっているのは確かな状況と言えるでしょう。

注文住宅の価格推移

続いて、実際に注文住宅を建てた方のデータをピックアップして、価格推移をチェックしてみましょう。

国土交通省が実施している住宅市場動向調査、住宅金融支援機構が実施しているフラット35利用者調査のデータを比較してみます。

それぞれ、土地購入費用を除いた注文住宅の建築費用を見てみましょう。

 

住宅市場動向調査 フラット35利用者調査
2018年度 3,205万円 3,395万円
2019年度 3,235万円 3,454万円
2020年度 3,168万円 3,534万円
2021年度 3,935万円 3,572万円
2022年度 3,549万円 3,717万円

出典:国土交通省 住宅市場動向調査 フラット35利用者調査

 

それぞれのデータで若干の差はありますが、ここ数年の価格推移はほぼ同じような動きを見せています。

住宅市場動向調査では、2021年度に大きく価格が上昇し、2022年度は少し下がったものの、ここ数年より300万円以上高い水準となっています。

フラット35利用者調査はここ数年徐々に価格が上昇していて、2022年度は4年前より300万円高い水準です。

どちらのデータを見ても、注文住宅の価格はここ数年で高くなっていることが分かります。

注文住宅の価格高騰の原因

注文住宅の価格高騰の原因

注文住宅の価格が上がっている原因はいくつか考えられます。今後の価格動向を考えるために、原因を1つずつチェックしていきましょう。

ウッドショック

注文住宅の価格が高騰した原因の1つとして、ウッドショックが挙げられます。

ウッドショックとは、新型コロナウイルスによって世界の木材需要が増加し、価格が高騰した現象のことです。

コロナ過で在宅時間が増えたことを機に住宅需要が高まり、特に外国産の木材の価格が高騰し、注文住宅価格の上昇の一因となりました。

 

輸入木材の平均単価推移グラフ

出典:林野庁 モクレポ

 

2024年現在、ウッドショックのピークは過ぎているものの、木材の輸入価格は以前の水準には戻っていません。ロシアのウクライナ侵攻による建築資材の不足、後述する円安なども影響していると言われています。

また、輸入木材の高騰を受けて国内の木材も価格が高くなっており、外国産の材料を使っていない注文住宅も影響を受けています。

ウッドショックについてはこちらのコラムも参考にどうぞ。

 

円安

2022年に1ドルあたり150円台を記録した歴史的な円安も、注文住宅価格高騰の一因です。

前述した木材を含め、日本の住宅市場は多くの建材を外国から輸入しています。

円安により外国から輸入している建材や設備の価格が上昇し、そのまま注文住宅の建築費用にも反映されます。

2024年現在も円安は続いており、今後の動向についてはさまざまな意見が飛び交っている状況です。

人件費の高騰

注文住宅を建てる現場の人件費が高騰していることも、建築価格上昇の一因となっています。

 

建設工事デフレーターのグラフ

出典:国土交通省 建設工事費デフレーターを基に弊社作成

 

国土交通省が毎月発表している、工事費用の相場を数値化した建設工事費デフレーターは、2020年度を境に大きく上昇しています。

特に2020年のオリンピック開催が工事費高騰の大きな原因と言われていますが、人手不足や働き方改革などの影響もあり、2024年も高い水準を維持しています。

注文住宅の価格は今後どうなる?

注文住宅の価格推移を計算する男性

ここまで見てきたように、注文住宅の価格には世界情勢や建設業の働き方改革などさまざまな要素が影響するため、正確に予測するのは難しいです。

ただし、注文住宅の価格は、今後もしばらく上昇が続くとの予測が主流です。

もちろん、数年後に注文住宅の価格が下がる可能性もゼロではありません。しかし、価格が下がるのを待っている間、今の住まいに対する不満を我慢したり、家賃を払い続けたりするのは、総合的に考えると損になるケースも考えられます。

仮に注文住宅の価格が下がっても、住宅ローンの金利が上がれば、支払総額は増えてしまう可能性もあります。

 

今の予算内で理想の注文住宅を建てられるのであれば、値下がりを待つのではなく、建てたいときに建てたほうが、理想の暮らしを送れるかもしれません。

また、注文住宅の平均価格が上昇しているのは事実ですが、さまざまな工夫でコストダウンする方法もあります。

注文住宅価格上昇対策は?

注文住宅のコストダウンについて打ち合わせ

注文住宅の平均価格が上昇している状況でも、コストダウンして予算内で理想のマイホームを建てる方法はたくさんあります。

例えば不要な窓・ドアなどを減らしたり、延床面積を抑えたりすれば、クオリティを下げずにコストダウンすることは可能です。使いやすさやデザインのバランスをしっかり考え、キッチンやユニットバスのグレードを下げるのもコストダウンに効果的。

地盤改良などが不要で、家を建てやすい土地を選ぶのも費用を抑えることにつながります。住宅会社と一緒に土地を探して、建物との予算バランスを調整するのも予算オーバーを防ぐポイント。

こちらのコラムで、注文住宅のクオリティを下げずに安くする方法やコツを詳しく解説しています。

 

また、注文住宅関係の補助金や減税制度を活用するのも、価格上昇対策の1つです。建築費用や完成後の税金の負担を抑えられる可能性があります。

補助金は国や自治体独自の制度もあり、うまく活用すると大きな額の補助を受けられるケースも。住宅関係の補助金は高い省エネ性能を持つ住宅を対象にしていることが多く、基準を満たすことで光熱費の節約効果も期待できます。

注文住宅に使える補助金・減税制度の内容や活用方法については、こちらのコラムもご覧ください。

 

まとめ

注文住宅の価格はここ数年上昇しており、今後も下がる可能性は低いと言われています。

マイホーム購入のタイミングについてはさまざまな意見がありますが、「高いから後で買う」のではなく、今の状況をしっかり把握して正しく判断することが大切です。

今回ご紹介したように、注文住宅の価格推移にはさまざまな要素が影響するため、住宅市場に詳しいプロのアドバイスを参考にするのもおすすめです。

クレバリーホームは、全国のモデルハウスで注文住宅に関する資金計画についてもご相談を受け付けています。

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