平屋注文住宅の基礎知識|費用相場・坪数や間取り&デザイン実例も
ワンフロアで効率的な暮らしを送れる平屋注文住宅は、若い世代や子育て世帯の方に人気です。
しかし、今までマンションや2階建てで暮らしていた方にとって、間取りや費用など分からないポイントも多いですよね。
そこで今回は、平屋注文住宅づくりに必要となる基礎知識を分かりやすくまとめます。
平屋がご自身のライフスタイルに合うか、予算がどれくらい必要なのかなど、検討時に必要な情報をジャンル別に解説。
平屋に必要な坪数や、間取りづくりのポイント、おしゃれな施工実例もご紹介します。ぜひ理想の平屋づくりにお役立てください。
目次
平屋注文住宅はどれくらい増えている?
最近は平屋の人気が高まっていますが、実際どれくらいの人が建てているのか気になりますよね。
A居住専用住宅の総数 | 平屋の数 | 平屋率 | |
---|---|---|---|
2023年 | 341,295 | 52,090 | 約15% |
2022年 | 371,635 | 51,052 | 約13% |
2021年 | 396,100 | 50,238 | 約12% |
2020年 | 362,803 | 41,616 | 約11% |
2019年 | 401,927 | 43,292 | 約10% |
2018年 | 394,921 | 39,522 | 約10% |
2017年 | 392,250 | 36,582 | 約9% |
2016年 | 393,570 | 33,305 | 約8% |
2015年 | 371,894 | 30,123 | 約8% |
2014年 | 368,549 | 28,550 | 約7% |
2013年 | 428,919 | 31,918 | 約7% |
※建築着工統調査を基に弊社集計
国土交通省の建築着工統計調査によると、木造の居住専用住宅の平屋率は、2023年で約15%でした。
2013年の平屋率は約7%で、ここ10年で2倍以上に伸びています。
新築全体の着工数は少しずつ減少していますが、平屋は逆に増えていることから、人気が高まっていることが読み取れます。
平屋注文住宅のメリット・デメリット
平屋注文住宅にはメリット・デメリット両面があるため、ご自身に合うか確認することが大切です。
平屋のメリット
- 階段の上り下りが無くバリアフリー
- ワンフロアで効率的な動線をつくりやすい
- メンテナンス費用を抑えやすい
- 屋根形状を活かしたロフトなどをつくりやすい
- 2階がないので構造的に強い
階段のない平屋は、ワンフロアでバリアフリー生活を送ることができ、幅広い世代の方にメリットがあります。
階段の上り下りが無いので生活や家事の効率が良く、老後もそのまま暮らしやすいのも人気のポイント。
屋根形状を活かした勾配天井やロフトなど、間取りの選択肢が多いのも魅力的。
また、2階の重量が無いため構造的に強く、耐震性を高めやすいのも平屋のメリットです。
平屋のデメリット
- ある程度の敷地面積が必要になる
- 同じ面積の場合、2階建てより坪単価が高くなりやすい
- 水害の際上の階に避難できない
- 視線対策などプライバシー確保が必要
- 全ての部屋に防犯対策が必要
さまざまなメリットがある一方、広い敷地面積が必要になり、土地取得費用、建築費用が高くなる傾向がある点はデメリットと言えます。
費用総額が高くなると、住宅ローンの審査のハードルが高くなり、毎月の返済額も増えるため負担になる可能性があります。
ただし、平屋は階段がないので延床面積を抑えることができ、工夫次第で初期費用を抑えることも可能です。費用については次の章以降で詳しく解説します。
また、水害や防犯対策、プライバシーの確保も、事前にデメリットを把握していれば対応可能です。
平屋のメリット・デメリットについては、こちらのコラムでさらに詳しく解説しています。
平屋注文住宅の相場は?
平屋は、2階建てと同じ床面積で建てると高くなると言われることが多いです。
確かに、基礎や屋根の面積が広くなるため、材料費や工事費が高くなる可能性はあります。
平屋の費用が高くなる理由についてはこちらのコラムもご覧ください。
しかし、平屋は階段が必要ないので、同じ部屋数を確保する場合でも2階建てより延床面積とコストを抑えることができます。
また、小屋裏収納やロフトなど、空間を有効活用するアイデアも採り入れやすく、コンパクトでも暮らしやすい平屋を建てることは可能です。
こちらのコラムでは、建築費用1,000~2,000万円台の平屋施工実例をご紹介しています。
また、こちらのコラムでは平屋の土地あり・なしそれぞれの費用相場をご紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
平屋注文住宅の本体価格を抑える方法は?
予算内で理想の平屋注文住宅を建てるためには、本体価格を抑える工夫を上手に採り入れることも大切です。
※平屋注文住宅の本体価格を抑える方法
- 坪数を減らす
- シンプルな間取りやデザインにする
- 不要なオプションを選ばない
- 規格住宅で建てる
例えば、廊下を減らしてLDK中心の間取りにしたり、小屋裏収納で収納力を補ったりすれば、坪数を減らしてコストダウンできます。
また、モダンテイストなどなるべくシンプルな間取りやデザインを採り入れ、不要なオプションを選ばないようにするのも、コストダウンに効果的。
あらかじめ用意された間取りプランから選んで建てる規格住宅も、平屋のコストダウンに有効な選択肢です。
コストパフォーマンスに優れるだけでなく、間取りの失敗リスクが少ないなどメリットも多いため、検討してみてください。
平屋を安く建てる方法についてこちらのコラムでも分かりやすくまとめています。
平屋に必要な広さは何坪?
快適に暮らすために必要な平屋の広さは、家族構成やライフスタイルによって変わります。
国土交通省が公表している基準によると、豊かな住生活に必要な住宅の床面積は、次の計算式で求めることができます。
※一般型誘導居住面積水準
- 単身者の場合:55 ㎡
- 2人以上の家族の場合:25㎡×世帯人数+25㎡
家族構成 | 計算式 | 必要な床面積 |
---|---|---|
1人 | – | 55㎡(約16坪) |
2人 | 25㎡×2+25㎡ | 75㎡(約22坪) |
3人 | 25㎡×3+25㎡ | 100㎡(約30坪) |
4人 | 25㎡×4+25㎡ | 125㎡(約37坪) |
5人 | 25㎡×5+25㎡ | 150㎡(約45坪) |
家族人数別に計算すると、平屋に必要な床面積は上記のようになります。3人家族なら約30坪、4人なら約37坪が目安になるということですね。
こちらのコラムで15~40坪の延床面積別に平屋の間取り実例を紹介していますので、家族構成に合わせて参考にしてみてください。
ただし、これはあくまで目安で、ライフスタイルによって平屋に必要な広さは変わります。
基準よりコンパクトでも暮らしやすい平屋になることもありますし、もっと広い坪数が必要になることもあるのです。
家族の人数を基準に、実際の暮らしをシミュレーションしながら平屋に必要な広さを考えていくことが大切です。
平屋に必要な広さについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
平屋注文住宅の間取り実例&プラン例
クレバリーホームがお手伝いした、平屋注文住宅の間取り実例やプラン例をピックアップしてご紹介します。
ワンルームの平屋間取りプラン例
延床面積20.47坪の、コンパクトなワンルームの平屋間取りプラン例です。
斜めの壁でゆるやかにゾーニングすることで、ワンルームながら1LDKのように暮らせる間取りになっています。
廊下を最小限にして延床面積を抑えつつ、効率の良い動線や収納量もしっかり確保した暮らしやすいプランです。
こちらのコラムで、ワンルームの平屋の間取りづくりのポイントを解説しています。
1LDKの平屋間取りプラン例
19.78坪の延床面積を最大限活用した、1LDKの平屋間取りプラン例です。
コの字で囲まれたウッドデッキは室内の延長として活用でき、中庭のように各部屋に自然光を取り入れることもできるアイデアです。
コンパクトな平屋の間取りですが、シューズクロークや寝室のデスクスペースなど、暮らしやすいアイデアもしっかり盛り込まれています。
こちらのコラムで、ほかの1LDK平屋間取りプラン例や考え方のポイントを解説しています。
2LDKの平屋間取り実例
リビングを中心に、水回りと主寝室、和室を配置した、暮らしやすい2LDK平屋の間取りです。
生活の中心となるLDKは広々としていて、リビングとダイニングキッチンをゆるやかにゾーニング。
水回りや各部屋にもアクセスしやすい動線で、家事や毎日の生活効率にもこだわっています。
こちらのコラムでは、2LDKの平屋間取り実例や考え方について詳しく紹介しています。
3LDKの平屋間取り実例
こちらの平屋は、ご夫婦の主寝室、子供部屋、和室の3LDKの間取りです。
LDKは平屋の屋根形状を活かした勾配天井で、開放感やデザイン性を高めています。隣接する和室は、扉のないオープンレイアウトでさまざまな過ごし方に対応。
こちらのコラムでも3LDKの平屋間取り実例をご紹介しています。
4LDKの平屋間取り実例
延床面積約35坪の4LDK平屋間取り実例です。
LDKは勾配天井と天窓で、開放感と採光性を高め、気持ち良い空間に。
廊下を無くしてLDK中心の回遊動線にすることで、延床面積を抑えつつ効率的な間取りに仕上がっています。
こちらのコラムでも4LDKの平屋間取りについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
平屋注文住宅で人気の間取り&デザイン
平屋で暮らした経験が無いと、どのような間取りをつくれば良いのか分かりにくいですよね。
おしゃれで暮らしやすい平屋注文住宅を建てるには、先輩たちの間取り成功例をたくさん見て、ご自身にマッチするアイデアを採り入れるのが近道です。
平屋注文住宅で取り入れる方が多い、人気の間取りやデザインをピックアップしてご紹介します。
勾配天井
2階のない平屋は、屋根の形状を活かした高い勾配天井を取り入れることが多いです。
勾配天井にすることでお部屋の開放感やデザイン性が大きくアップし、平屋の魅力や快適性を高めることができます。
こちらのコラムで勾配天井の平屋間取り実例や、考え方のポイントを解説しています。
ロフト
平屋の収納力や居住スペースを増やせるロフトも、人気の間取りアイデアです。
ロフトのつくり方によっては、平屋の開放感やデザイン性を高めることもでき、一定の条件を満たせば延床面積に算入されないのもメリット。
こちらのコラムでロフト付きの平屋間取り実例やメリット・デメリットを詳しく解説しています。
スキップフロア
高さが異なるフロアをつなぐスキップフロアは、おしゃれな平屋づくりで人気の間取りアイデアです。
複数のフロアをつなぐことで開放感を高めやすく、それぞれの空間をゆるやかにゾーニングできるのがスキップフロアの特徴です。
こちらのコラムでスキップフロアを取り入れた平屋の施工実例や、メリット・デメリットを詳しく解説しています。
中庭
採光性やプライバシー性が高い中庭は、平屋のデメリットを解消しておしゃれに仕上げられる間取りアイデアの1つ。
平屋の中心に中庭をつくることで、隣接する部屋に自然光や気持ち良い風を取り入れることができ、開放感の高い住まいになります。
こちらのコラムで中庭のある平屋の間取りプラン例や、考え方のポイントを解説しています。
南玄関
明るく開放的なイメージのある南玄関の間取りも、平屋づくりで人気です。
南玄関は日当たりが良く、おしゃれな内装・外観に仕上げやすいのが魅力的なポイント。
ただし、ほかの方角の玄関にもメリット・デメリットがあるので、敷地や前面道路の状況、間取り全体のバランスなども考えることが大切です。
こちらのコラムで平屋の南玄関の間取り実例や、ほかの方角との比較について詳しく解説しています。
トイレ2つをバランス良く配置
平屋の延床面積によっては、トイレを2つ配置するケースも増えています。
2階建ての注文住宅は上下階それぞれにトイレを設けることが多いですが、平屋も間取りによっては2つあった方が便利です。
こちらのコラムで平屋にトイレを2つつくるメリットやデメリット、間取りプラン例をご紹介しています。
バリアフリーの工夫
階段がなくワンフロアの平屋は、バリアフリーの工夫を盛り込むことでどなたでも暮らしやすい環境をつくることができます。
ただ段差をなくすだけではなく、通路やドア幅を広くしたり、使いやすい収納をバランス良く配置したり、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れることも大切です。
また、間取りだけでなく、断熱性にこだわって室温の差を減らすなど、暮らしやすい環境づくりにもこだわりましょう。
平屋で取り入れたいバリアフリーの工夫について、こちらのコラムで詳しく解説しています。
一体感のあるウッドデッキ
お庭との距離が近い平屋は、室内外の一体感があるウッドデッキを設置するのもおすすめです。
リビングや居室から直接出られるウッドデッキがあれば、室内の延長として活用でき、ライフスタイルが広がります。
一体感のあるウッドデッキが室内の開放感を高め、外観デザインを魅力的に見せてくれるのもうれしいポイントです。
こちらのコラムで平屋×ウッドデッキの間取りプラン例をご紹介しています。
外構とトータルコーディネート
おしゃれな平屋を建てるなら、建物と外構をトータルコーディネートするのも重要なポイントです。
シルエットがコンパクトな平屋は、外構によって外観全体のイメージが大きく左右されます。
建物と外構の統一感を意識してトータルコーディネートすることで、よりおしゃれな平屋を建てることができます。
こちらのコラムでおしゃれな外構の平屋施工実例を紹介していますので、参考にしてみてください。
このようなたくさんの間取りアイデアがありますが、最初は難しく考えず、たくさん平屋注文住宅実例をチェックして選択肢を増やしましょう。
次に、実際の暮らしをシミュレーションしながら、ご要望や理想の暮らしにマッチする間取りを絞り込んでいくと分かりやすいです。
こちらのコラムで、平屋注文住宅の間取り成功例をたくさんご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
平屋注文住宅でよくある質問
平屋注文住宅を検討する際、よくある質問にまとめて回答します。
平屋と2階建てどっちが良い?
平屋と2階建てどちらが良いかはケースバイケースです。
費用や暮らしやすさなどをフラットな目線で比較して、どちらがご自身に合うか見極めましょう。
例えば、広くてリーズナブルな土地が多い郊外に建てるなら、平屋のメリットが大きくなることが多いです。
土地が広く周囲の建物と離れている郊外なら、日当たりやプライバシー性など平屋のデメリットを解消して、暮らしやすい平屋を建てやすいです。
逆に、土地相場が高く周囲の建物が近い市街地なら、平屋より2階建てのほうが向いているでしょう。
敷地面積を有効活用でき、コストパフォーマンスの良い注文住宅を建てられる可能性が高くなります。
平屋と2階建てどちらが良いと断言はできませんので、ご自身のライフスタイルに照らし合わせてしっかり比較検討しましょう。
平屋と2階建ての比較ポイントは、こちらのコラムで詳しく解説しています。
狭小地でも建てられる?
平屋は2階建てより広い土地が必要になるイメージが強いですが、都市部などの狭小地でも工夫次第で建てることは可能です。
間取りやデザインに工夫することで、圧迫感を軽減し、コンパクトでも暮らしやすい平屋を建てることはできます。
こちらのコラムで狭小地の平屋づくりのポイントや施工実例にを紹介しています。
1,000万円台で建てるのは可能?
延床面積や間取りによっては、平屋の建築費用を1,000万円台に抑えられる可能性はあります。
ただし、土地込みで総額1,000万円台となると、あまり現実的ではありません。
坪単価が安いローコストメーカーなら不可能ではありませんが、総額1,000万円台だと土地選びやプランづくりにかなり制限が出るため、不満が残る可能性があります。
すでに土地をお持ちの方なら、効率的な間取りで延床面積を抑え、シンプルなデザインにまとめて、建築費用を1,000万円台に抑えることも可能です。
こちらのコラムで建築費用1,000万円台の平屋実例を紹介していますので、参考にしてみてください。
平屋はやめたほうがいいと言われるのはなぜ?
平屋には注意すべきデメリットもあり、「やめたほうがいい」という意見もあります。
土地の広さや周辺環境、予算やライフスタイルによっては、平屋のデメリットが大きいためやめたほうがいいケースも考えられます。
しかし、あらかじめ注意点を把握していれば、対策して暮らしやすい平屋を建てることも可能です。
こちらのコラムで平屋はやめたほうがいいと言われる理由を詳しく解説していますので、ご自身の状況に照らし合わせて考えてみて下さい。
まとめ
おしゃれで暮らしやすい平屋注文住宅を建てるためには、費用相場や間取りの考え方など、基礎知識を把握しておくことが大切です。
今回ご紹介した考え方を覚えておくと、モデルハウス見学や相談会などで役立つ情報をたくさん得ることができます。
クレバリーホームは平屋商品「Granshare」をご用意し、おしゃれで暮らしやすい間取りアイデアや自由なプランづくりで理想のマイホームづくりをサポートしています。
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