平屋のメリット・デメリットを解説|人気の理由や2階建てとの比較も

平屋のメリット・デメリットを解説|人気の理由や2階建てとの比較も

たくさんのメリットがある平屋は近年人気が高まっていますが、費用や間取りづくりに関するデメリットが気になる方も多いのではないでしょうか。

理想の平屋を建てるためには、メリット・デメリットを比較して、暮らしやすい間取りを考える必要があります。

そこで今回は、平屋のメリット・デメリットを1つずつ解説し、注意点や対策も詳しく掘り下げます。

最後に、メリット・デメリットを踏まえて、平屋と2階建てどちらが向いているか判断できるようにまとめていますので、ぜひ理想のマイホームづくりの参考にしてください。

平屋が人気なのはなぜ?

外構がおしゃれな平屋の外観

具体的なメリット・デメリットを掘り下げる前に、平屋がどれくらい人気になっているのか確認してみましょう。

 

平屋の数 2階建ての数 平屋の割合
2023年 52,090 259,118 約20%
2022年 51,052 289,270 約17%
2021年 50,238 315,639 約16%
2020年 41,616 292,280 約14%
2019年 43,292 327,449 約13%
2018年 39,522 326,009 約12%
2017年 36,582 327,544 約11%
2016年 33,305 333,883 約10%
2015年 30,123 317,443 約9%
2014年 28,550 315,484 約9%
2013年 31,918 368,360 約8%
2012年 26,526 322,967 約8%
2011年 24,576 312,765 約7%

出典:建築着工統計調査より、木造A住居専用住宅の数を集計

 

上記のように、木造住宅における平屋の割合は年々上昇していて、2023年は約20%です。およそ5軒に1軒の割合で平屋が建てられているということです。

ここ数年までは年1%前後の伸びでしたが、2023年には前年より約3%増えるなど、かなり人気が高まっていることが分かります。

平屋の割合が増えている背景としては、幅広いライフスタイルの方に選ばれるようになったことが挙げられます。

昔は、平屋と言えば老後に1~2人で暮らすための小さなマイホームというイメージが強かったです。しかし最近は、子育て世代の3~4人家族の方が、3~4LDKの平屋を建てるケースも多くなりました。

階段のない平屋は老後に暮らしやすいだけでなく、家事や子育てで忙しい現代のライフスタイルにとっても大きなメリットがあるのです。

こちらのコラムでファミリー向けの3~4LDKの平屋間取りをご紹介しています。

 

また、詳しいメリットは後述しますが、南海トラフ地震のような大地震への備え、断熱性など住宅性能を重視して平屋を選ぶケースも増えています。

平屋のメリット

勾配天井の平屋のリビング

さっそく、平屋ならではのメリットを1つずつチェックしていきましょう。

階段が無くバリアフリー対応しやすい

階段が無い平屋は、2階建てよりバリアフリー対応しやすいのが大きなメリットです。

バリアフリーの間取りは老後に暮らしやすいのはもちろん、子育て世代の方にもメリットがあります。

消費者庁の調査によると、乳幼児の育児を経験した方の約4割が子育て中の落下事故の経験があるとの結果が出ています。特に歩き始めの1歳前後のお子さまが階段等から転落するケースが多いとされており、平屋で安全に子育てするメリットは大きいです。

参照:消費者庁 子どもの転落事故に注意!

効率の良い動線をつくりやすい

全ての生活をワンフロアでこなす平屋は、毎日の生活や家事に関する動線を効率よくまとめやすいのもメリットです。

例えば、2階建ての場合、1階の洗濯機置き場から2階のバルコニーまで洗濯物を運ぶケースが多いですが、平屋なら同じフロアなので効率的です。

水回りを1か所にまとめるなど効率の良い動線をつくれば、共働きでも家事負担を軽減しやすく、子育てとも両立できます。

家族でコミュニケーションを取りやすい

平屋は家族が顔を合わせる機会が多く、自然にコミュニケーションを取りやすいのも魅力的なポイントです。

2階建てで居室とリビングが上下階に分かれてしまうと、距離感が遠くなりコミュニケーションが減ってしまうことも少なくありません。

家族全員が同じフロアで生活する平屋なら、自然とコミュニケーションが生まれる間取りを設計しやすいです。

地震に強い

重心が低い平屋は地震による揺れの影響を受けにくく、倒壊や破損リスクを抑えて長く安全に暮らせる可能性が高いのも特徴です。

2階建てより耐震面で有利なため、多額の費用をかけなくても地震に強いマイホームを建てることができるのが大きなメリット。

こちらのコラムで、平屋が地震に強い理由や耐震性を高める方法について解説しています。

 

光熱費を抑えやすい

ワンフロアのみの平屋は、冷暖房効率が高い間取りをつくりやすく、光熱費を抑えられるのもメリットです。

2階建てで人気のリビング階段や吹抜けは、上下階がつながるため冷暖房効率が低下してしまうことがあります。

平屋はワンフロアで完結するため、暖房で温めた空気が上階に逃げて下の階が寒くなるなど、冷暖房効率が低下する原因が少ないです。

光熱費は毎月発生するランニングコストなので節約効果が高く、冷暖房を付ける機会が多い子育て中は特にメリットも大きいです。

メンテナンスしやすい

階段のない平屋は、同じ部屋数でも2階建てより延床面積を抑えやすく、壁紙やフローリングなどのリフォーム費用も節約できる可能性が高いです。

延床面積を抑えることで壁や床の面積も減るため、張り替え時の材料費と工事費も抑えることができます。

また、2階建てだと屋根や雨どいのメンテナンスのために足場を組む必要がありますが、平屋ならはしごで対応できることもあります。

小屋裏を活用しやすい

2階の床が無い平屋は、小屋裏空間を活用して開放感を高めたり、収納を増やしたりできるのもメリット。

例えば、勾配天井で開放感を高めれば、実際の床面積以上に広々とした空間をつくれます。

こちらのコラムで勾配天井を採用した平屋の施工実例を紹介しています。

 

また、小屋裏収納やロフトをつくれば、居住スペースを犠牲にせず収納量を大きくアップすることも可能です。特に、成長とともに荷物が増えるお子さまが居ても、小屋裏収納やロフトがあれば対応しやすいです。

こちらで小屋裏収納やロフトのメリットや考え方について解説しています。

 

屋外スペースを活用しやすい

全ての部屋がお庭に面している平屋は、屋外スペースをさまざまな用途で活用しやすいのも特徴です。

ガーデニングやアウトドア系の趣味、お子さまやペットが遊ぶスペース、親戚や友人を集めてのバーベキューなど、屋外スペースならではのライフスタイルが広がります。

また、ウッドデッキやタイルのテラスなどをつくり、アウトドアリビングとして活用する間取りも人気です。

 

平屋のデメリットと対策

広い土地が必要な平屋の外観

メリットがたくさんある平屋ですが、注意すべきデメリットもあります。

平屋づくりの失敗や後悔を防ぐために、対策とセットで覚えておきましょう。

2階建てより広い土地が必要

平屋は2階建てより広い土地が必要になるため、土地探しと取得費用のハードルが高くなるケースが多いです。

特に市街地では広めの土地自体が少なく、坪単価が高いため取得費用が高額になります。

対策としては、効率的な間取りでコンパクトな平屋を建てるか、坪単価が安めの郊外の土地を選ぶのが効果的です。

また、理想のライフスタイルを実現するために必要な平屋の坪数と、土地の広さを事前に確認しておくことも大切です。

こちらのコラムで平屋に必要な坪数と土地の広さについて解説しています。

 

費用が多めにかかる

平屋は2階建てより費用が多めにかかるというのも、デメリットに挙げられることが多いポイントです。

平屋が高くなる理由としては、前述した土地の広さや、屋根や基礎の面積が広くなることが挙げられます。

平屋が高くなるのを防ぐ対策としては、効率の良い間取りアイデアで坪数を減らすのが効果的です。

例えば、デッドスペースである小屋裏を収納などに活用して坪数を抑えれば、建築費用や土地取得費用を抑えることができます。

こちらのコラムで平屋が高くなる原因や対策を解説しています。

 

居住スペースと収納のバランスが難しい

前述したように平屋は土地の広さや予算などがハードルになることが多く、限られた延床面積の中で居住スペースと収納のバランスを取るのが難しいのも注意すべきポイントです。

収納が不足すると暮らしにくくなり、生活感が出てしまいます。しかし、収納を重視すると居住スペースが減り圧迫感が出て、不満が出る可能性もあります。

対策として、まず必要な収納量を把握してから間取りを考えることが大切です。

どれくらいの収納が必要なのか把握してから間取りを考えて、不足する場合は前述した小屋裏収納やロフトなどで補う方法もあります。

収納の考え方や間取りアイデアについてこちらのコラムで解説していますので、参考にしてください。

 

採光・通風が課題

平屋はワンフロアの面積が広くなるため、中心が窓から遠くなり採光や通風が課題になることも多いです。

特に延床面積が広くなるほど、中心の採光や通風が難しくなり、暗くて風通しが悪い場所ができてしまうこともあります。

間取りを考えていて暗く風通しが悪い場所ができそうなときは、天窓や中庭で採光と通風を補うのがおすすめの対策です。

平屋は2階の床が無いため天窓を採用しやすく、窓から遠い中心部分の採光性を改善することができます。

また、中庭は採光と通風に有利なだけでなく、プライバシー性が高いアウトドアリビングとしても活躍してくれます。

こちらのコラムで中庭のある平屋間取りをご紹介しています。

 

防犯性が心配

全ての窓が1階にある平屋は、防犯性が低下しやすいのも注意すべきデメリットです。

リビングに大きな窓を付けると室内の様子を把握しやすくなり、空き巣に狙われるリスクも考えられます。

また、寝室も1階になるため、就寝時などに窓を開けるのが心配という声も多いようです。

平屋づくりの際は、窓の侵入リスクを下げるシャッターや、就寝時などに窓を開けやすい面格子などの設置で防犯対策しましょう。

また、足音が出やすい防犯砂利を敷く、センサーライトを設置するなど、外構側の対策も効果的です。

平屋と2階建てはどっちがいい?

平屋と2階建ての設計

ここまでご紹介したように平屋にはメリット・デメリットが両方あるため、2階建てとどちらが向いているかは人それぞれです。

平屋と2階建てを比較検討するときは、重視するポイントを明確にして、フラットな目線でメリットが大きい方を選びましょう。

例えば、耐震性を重視するなら、重心が低く揺れに強い平屋の方が有利です。しかし、コンパクトな土地でなるべく広いマイホームを建てたいなら、2階建ての方が理想の間取りをつくれる可能性が高いです。

こちらのコラムで平屋と2階建てをさまざまな観点から比較していますので、ぜひ参考にしてください。

 

まとめ

平屋にはメリットだけでなくデメリットもあるため、両方しっかり把握してから検討することが大切です。

憧れだけで平屋を選ぶと失敗や後悔する可能性もあるため、デメリットに対策できるか考えながら検討しましょう。

また、平屋と2階建て両方の施工実績が豊富なハウスメーカーに相談して、適切なアドバイスを受けることも大切です。

クレバリーホームは2階建て・平屋両方の住宅商品をご用意し、ご予算やライフスタイルに合わせた住まいづくりをサポートしています。

住まいづくりのことなら、どのようなこともお気軽にご相談ください。

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