平屋にスキップフロアをつくるメリット・デメリット｜後悔を防ぐコツを解説
クレバリーホーム
この記事では、平屋にスキップフロアを取り入れるメリットやデメリット、実際の間取り実例などを紹介します。
スキップフロアは平屋の延床面積や活用方法を広げてくれる反面、プランづくりで注意すべきポイントもあります。
スキップフロアのデメリットや後悔しやすいポイントを把握して対策し、暮らしやすい間取りを考えましょう。
目次
スキップフロアとはどんな間取り？
スキップフロアとは、同じ空間に高さが違う複数のフロアをつくる間取りのことです。「ステップフロア」と呼ばれることもありますが、同じ間取りのことです。
スキップフロアの高さや配置に特定の決まりはなく、半地下や小上がりなどを組み合わせるパターンもあります。
平屋の中に高さが異なる複数の空間をつくることで、ワンフロアでありながら変化があり遊び心を感じる間取りをつくれるのが魅力です。
似たような間取りとしてロフトもありますが、こちらは小屋裏空間を利用して空間をつくる点がスキップフロアとは違います。
ただし、吹抜けや勾配天井などを採用し、同じ空間で1階とロフトをつなげれば、スキップフロアと同じような考え方で取り入れることも可能です。
平屋とロフトの組み合わせについては、こちらのコラムもご覧ください。
平屋スキップフロアの活用方法
スキップフロアで高さを変えたスペースは、さまざまな用途に活用できます。
※スキップフロアの活用例
- キッズスペース
- 家族のコミュニケーションスペース
- 来客スペース
- 書斎や趣味部屋
- ゲストルーム
- 収納スペース
生活の中心となるLDKにつながるスキップフロアをつくれば、お子さまを見守れるキッズスペースや、程よい距離感でコミュニケーションが取れるスペースとして活用できます。
配置に工夫してプライバシー性を高めれば、書斎や趣味部屋、ゲストルームにすることも可能です。
スキップフロアで空間の重なりを活かして、収納スペースを増やすのも1つのアイデアです。
平屋にスキップフロアをつくるメリット
平屋にスキップフロアを取り入れることで生まれる、さまざまなメリットをご紹介します。
役割の違うフロアをゾーニングしやすい
フロアの高さを切り替えることで、それぞれの空間をゾーニングしやすいのはスキップフロアの大きなメリットです。
平屋はすべての部屋が同じフロアに並ぶため、ゾーニングが難しい傾向があります。
スキップフロアで上手にゾーニングすれば、同じ空間の中でもプライバシー性が高いスペースをつくることができます。
高さを活かして変化をつくれる
スキップフロアで複数のフロアをつなぐことで、高さを活かして平屋に変化をつくれるのもメリットの1つです。
例えば、リビングから高い場所のフロアに視線を誘導すれば、視界が広がり実際の延床面積以上の開放感を演出することもできます。
各フロアの配置や素材・カラー選びでデザインのバリエーションが広がり、おしゃれな空間をつくりやすくなるのもうれしいポイントです。
採光性を高めやすい
スキップフロアで高い場所に窓をつくれば、下のフロアまで自然光を届けて平屋全体の採光性を高めることも可能です。
平屋は窓から遠い場所の採光性が低下するケースが多く、スキップフロアでたっぷり自然光を取り入れるメリットは大きいです。
床下を収納にできる
通常のフロアより一段高い部屋の床下を収納として活用できるのも、スキップフロアならではのメリットです。
収納が不足しやすい平屋づくりでは、スキップフロアを活用して居住スペースと収納量を両立できるのは大きなメリットになります。
平屋にスキップフロアをつくるデメリット
さまざまなメリットがある平屋とスキップフロアの組み合わせですが、注意すべきデメリットもあります。
まずはどんなデメリットがあるのか把握して、次の章で対策をチェックしましょう。
完全なバリアフリーにならない
階段がなく効率的な暮らしを送れるのが平屋のメリットですが、スキップフロアをつくると完全なバリアフリーの間取りにならない点に注意が必要です。
若いときは段差の上り下りが問題なくても、老後は負担が大きくなる可能性があります。
音とニオイが広がりやすい
スキップフロアで複数の空間がつながる大空間をつくると、音やニオイが全体に広がりやすいのも注意すべきデメリットです。
吹き抜けなどと同様、テレビの音や話し声、お料理のニオイが平屋全体に広がりやすくなり、ほかの部屋で気になる可能性があります。
空調効率が低下する
前述したようにスキップフロアは1つの空間が広くなることが多いため、冷暖房の空調効率が低下する傾向があるのもデメリットの1つです。
冷暖房を付けてから設定温度になるまで時間がかかり、光熱費が多めにかかる可能性があります。
また、高さのある空間になるため、暖かい空気が上部に溜まり、足元が寒くなるケースも。
コストが多めにかかる
階段や収納などの造作が増えるため、建築コストが多めにかかるのもスキップフロアづくりで注意すべきポイントです。
スキップフロアをつくることで予算オーバーしたり、ほかの部分に妥協せざるを得なくなったりするリスクが考えられます。
設計の難易度が高い
平面だけでなく高さの要素も考える必要があるスキップフロアは、通常の平屋づくりより設計の難易度が高いのもデメリットと言えます。
実際に暮らし始めてから使いづらさや失敗に気づき、後悔する可能性があります。
平屋のスキップフロアの後悔を防ぐコツ
前述したデメリットを踏まえて、平屋のスキップフロアづくりで後悔しないための考え方や対策をチェックしましょう。
本当に必要かどうか確認する
まずは理想とする平屋でのライフスタイルに、スキップフロアが必要かどうか確認しましょう。
憧れだけでスキップフロアを取り入れると、ライフスタイルにマッチせず実際に暮らし始めてから「やっぱりいらなかった…」と後悔する可能性があります。
例えば、季節家電や衣替えの衣類など使用頻度が低い物をしまう場所が欲しいなら、大容量の小屋裏収納の方が使いやすいケースも考えられます。
スキップフロアは目的ではなく、平屋をおしゃれかつ暮らしやすくするための手段であることを忘れず、必要性についてしっかり考えましょう。
各フロアの用途を明確にする
平屋にスキップフロアをつくる際は、各フロアの用途を明確にすることも大切です。
用途によって求められる環境は異なり、取るべき対策も変わります。
例えば、スキップフロアを在宅ワークスペースとして使うなら、集中できる環境づくりやパソコン用のコンセントなどの工夫が必要です。
一方、小さなお子様が過ごすキッズスペースとして使う場合は、LDKから近く様子が分かるスキップフロアが理想的ですよね。
ライフスタイルに照らし合わせながら、どこでどのように過ごすのか明確にして、理想的なスキップフロアのつくり方を考えましょう。
断熱性・気密性を高める
スキップフロアは複数の空間がつながるため、平屋全体の断熱性・気密性を高めて冷暖房効率の悪化を防ぐことも大切です。
高気密・高断熱の住まいは外気の影響を受けにくいため、スキップフロアで大空間をつくっても冷暖房効率が悪化しにくいです。
温度差が少ない快適な環境や省エネにもつながりますので、断熱性・気密性が高いハウスメーカーを選びましょう。
階段を使わず生活を完結させる
水回りやLDKなどメインの間取りはワンフロアにまとめて、階段を使わずに生活できるようにするのもスキップフロアの後悔を防ぐポイントです。
毎日の生活や家事に関わる間取りを同じ高さにそろえれば、平屋ならではのメリットを活かしつつ、スキップフロアで＋αの間取りを追加することができます。
長く暮らすことを考えて、老後も快適に過ごせる間取りづくりを心がけましょう。
設計力が高いハウスメーカーを選ぶ
スキップフロアのデメリットに対策して暮らしやすい平屋をつくるためには、実績があり設計力が高いハウスメーカーを選ぶことが大切です。
実際にスキップフロアの平屋をつくったことがあるハウスメーカーなら、適切なアドバイスや提案が期待でき、暮らしやすい間取りをつくれる可能性が高くなります。
次の章でスキップフロアのある平屋の間取り実例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
スキップフロアの平屋間取り実例
最後に、クレバリーホームがお手伝いした平屋から、実際にスキップフロアを取り入れた間取り実例をご紹介します。
延床面積33.31坪、4人家族で暮らす平屋にスキップフロアを取り入れた間取り実例です。
リビングとロフトを階段でつないだスキップフロアは、上部を子供部屋、下部を収納として活用できる間取りになっています。
同じ空間内で上下のスペースを有効活用でき、居住空間と収納スペースを増やせる間取り構成です。
スキップフロアの上部は4.5帖の子ども部屋になっています。リビングとつながっているため家族の気配を感じられるスペースですが、目隠しパネルでプライバシー性もしっかり確保。
スキップフロアの下部は収納として使えるだけでなく、好きなことに集中できる趣味スペースとしても活躍します。
まとめ
スキップフロアは平屋のライフスタイルを広げてくれる素敵な間取りアイデアですが、注意すべきポイントもあります。
実際に暮らし始めてから後悔しないために、メリット・デメリットを踏まえて、スキップフロアを取り入れるかどうか検討してみてください。
また、平屋づくりの実績が豊富で、高い設計力や提案力が期待できるハウスメーカーを選ぶことも大切です。
クレバリーホームは平屋商品「Granshare」をご用意し、スキップフロアを含めたさまざまなアイデアで理想の平屋づくりをお手伝いしています。平屋の間取りづくりに役立つカタログセットもご用意していますので、ぜひ有効活用してください。
