平屋に必要な坪数の考え方|土地の広さも解説
近年さまざまな世代の方に人気の平屋ですが、どれくらいの坪数が必要になるのか気になる方も多いようです。
平屋で暮らすのは初めての方が多いですから、どれくらいの広さが必要になるのか想像しにくいですよね。また、平屋は2階建てより広い敷地面積が必要になるケースも多いため、土地探しや取得費用のハードルも気になるところ。
今回は、家族構成や部屋数などを軸に、平屋に必要な坪数の考え方を詳しくまとめました。また、平屋に必要な土地の広さを決める建ぺい率も解説します。
平屋の施工実例やモデルハウスを見学するとき、土地探しのときに役立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。
平屋に必要な坪数は人によって違う
まず覚えておきたいのは、平屋に必要な坪数は、家族構成やライフスタイルによって異なるということです。
例えば、同じ家族構成でも、職業や趣味、洋服や生活用品の量などの条件によって必要な広さは変わります。同じ家族構成の間取り成功例をそっくりそのまま真似しても、理想の平屋にはならない可能性があるということです。
しかし、マイホーム計画を立てるにあたり、全く目安がないのも困りますよね。家族構成や部屋数から、平屋に必要な広さの目安を把握することも大切です。ある程度目安を付けたら、ご自身のライフスタイルに照らし合わせて調整するのが、平屋づくりの成功のコツです。
次の章から、平屋に必要な坪数の目安を具体的にチェックしていきましょう。
平屋の平均的な坪数は?
まずは、平屋で暮らす家族の人数ごとに必要な坪数を考えてみましょう。
平均的な延床面積の基準として、国が定める住生活基本法の中に記載されている誘導居住面積水準を参考にしてみましょう。
誘導居住面積水準とは、豊かな住生活を実現し、多様なライフスタイルに対応するために必要な住宅面積のことです。家族の人数に応じて、次のように計算式が定められています。
※一般型誘導居住面積水準
単身者の場合:55 ㎡
2人以上の家族の場合:25㎡×世帯人数+25㎡
家族の人数に応じて計算すると、必要な床面積は次のようになります。
家族の人数 | 計算式 | 必要な床面積 |
---|---|---|
1人 | – | 55㎡(約16坪) |
2人 | 25㎡×2+25㎡ | 75㎡(約22坪) |
3人 | 25㎡×3+25㎡ | 100㎡(約30坪) |
4人 | 25㎡×4+25㎡ | 125㎡(約37坪) |
5人 | 25㎡×5+25㎡ | 150㎡(約45坪) |
誘導居住面積水準によると、1人暮らしの55㎡(約16坪)を基準に、家族1人あたり25㎡(約7.5坪)ずつ必要な床面積が増えていく計算ですね。
家族が1人増えると居室が必要になるだけでなく、共有スペースや収納なども増加します。例えば、リビングを考える場合、3人と4人では快適に過ごすために必要な広さは変化します。ただし、これはあくまで目安であり、4人家族で30坪の平屋で快適に暮らせるケースもあれば、もっと広いスペースが必要になることもあります。
しかし、平屋の間取りを考える最初の基準としては分かりやすいので、人数を軸にどれくらいの坪数が必要なのか目安にしてみましょう。
部屋数から平屋の坪数を考える
家族の人数から大まかな坪数の目安を把握したら、次に部屋数についても考えてみましょう。必要な部屋数を把握すると、具体的に必要な坪数を考えやすくなります。
例えば、4人家族で夫婦の主寝室とお子さまそれぞれの居室を確保する場合、最低でも3LDKの間取りが必要になります。しかし、在宅ワークのための書斎や来客時のゲストルームなどが必要な場合は、もう一部屋追加して4LDKの間取りになるでしょう。
家族の人数が同じでも、3LDK・4LDKでは必要な坪数が変わってきます。
例えば、上の間取り図は夫婦+お子さまの3人家族ですが、お子さまが1人増えても対応できる3LDKの平屋です。延床面積は30坪です。
誘導居住面積水準で3人家族に必要な床面積は30坪なので、ぴったりな広さです。しかし、お子さまが1人増えて4人家族になっても、30坪でのびのび暮らすことができそうですね。シューズクロークや大型のウォークインクローゼットなど、利便性が高いトレンドの間取りアイデアもしっかり採り入れられています。
こちらは4人家族の平屋ですが、間取りは4LDK、延床面積は35.54坪です。
LDKの広さや収納量などが違うため単純比較はできませんが、部屋数が増える分必要な坪数は大きくなります。
しかし、主寝室と2つの洋室以外にリビング横の和室があることで、より幅広いライフスタイルに対応できるようになっています。
また、パントリーやウォークインクローゼットなどの収納、ランドリールームなどの間取りは居室にカウントされませんが、平屋に採り入れる場合は必要な坪数が大きくなります。
平屋の坪数を考えるときは、家族構成ごとの広さを基準にしつつ、必要な部屋数や採り入れたい間取りをリストアップしてみましょう。間取りの要望が明確になれば、施工実例を参考にして必要な広さも見えやすくなるはずです。
こちらのコラムでは、さまざまな広さの平屋成功例をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
平屋に必要な土地の坪数は?
平屋を検討する際、どれくらいの広さの土地が必要になるのかも気になるポイントです。平屋は2階建てより広い敷地面積が必要になると言われることが多く、土地探しや取得費用のハードルが高そうなイメージがありますよね。
平屋を建てるために必要な土地の広さは、そこに建てる建物の大きさと建ぺい率によって変化します。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建ぺい率は土地ごとに上限が指定されていて、建てられる建物の広さが決まります。例えば、60坪で建ぺい率50%の土地は、建築面積の上限が30坪になるということです。
建ぺい率について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもチェックしてみてください。
建ぺい率は用途地域に応じて30~80%の範囲で決められています。20坪・30坪の平屋を建てる場合を想定して、建ぺい率ごとに最低限必要となる土地の広さを計算してみましょう。
建ぺい率 | 20坪の平屋に必要な土地の広さ | 30坪の平屋に必要な土地の広さ |
---|---|---|
30% | 66.66坪 | 100坪 |
40% | 50坪 | 75坪 |
50% | 40坪 | 60坪 |
60% | 33.33坪 | 50坪 |
70% | 28.57坪 | 42.85坪 |
80% | 25坪 | 37.5坪 |
上記のように、建ぺい率が大きくなるほど必要な敷地面積は小さくなるため、土地探しのハードルは低くなります。建ぺい率30%と80%では、必要となる土地の広さは2倍以上違いますね。建ぺい率30%の土地に30坪の平屋を建てる場合は、100坪以上の敷地面積が必要になるため、土地探しや取得費用のハードルはかなり高くなるでしょう。
しかし、建ぺい率が高い土地でも、敷地ギリギリに平屋を建ててしまうと、不具合が発生することもあるので要注意。
例えば、建ぺい率80%の土地で上限いっぱいに平屋を建てると、周囲の建物が近くなります。平屋は周囲の建物の影響を受けやすく、日陰になったり視線が気になったりする可能性があります。
土地の建ぺい率は物件情報で確認できるほか、自治体が公表しているマップなどでも知ることができます。平屋を建てたいエリアの建ぺい率をチェックして、どれくらいの敷地面積が必要になるのか計算しておくと、土地探しの際に判断しやすくなります。
まとめ
平屋に必要な床面積・敷地面積は、家族構成やライフスタイル、建ぺい率などさまざまな要素で変動します。初めての平屋づくりだと難しく感じるかもしれませんが、慌てず1つずつポイントを押さえて考えましょう。今回ご紹介した考え方で大まかな坪数を予測しておくと、モデルハウスなどでより具体的な相談ができますよ。
クレバリーホームは平屋住宅商品「Granshare」をご用意し、理想のマイホームづくりをお手伝いしています。お近くのモデルハウスでも間取りや広さ、土地探しや資金計画についてご相談できますので、ぜひお気軽にご来場ください。