平屋をやめたほうがいい理由とは?費用・土地・防犯性など注意点を解説
近年人気が高まっている平屋ですが、やめたほうがいいという意見を見かけることも少なくありません。
平屋にはさまざまなメリットがある一方で、注意すべき点もあるため、ライフスタイルによっては2階建ての方がマッチすることもあります。
そこで今回は、平屋はやめたほうがいいと言われる理由を1つずつ取り上げ、詳しく解説します。
デメリットに対策する方法、平屋に向いている人・向いていない人の傾向もまとめますので、ご自身に合う選択肢を見つけてみてください。
目次
「平屋はやめたほうがいい」と言われるのはなぜ?
階段のないバリアフリー生活などメリットがたくさんある平屋ですが、やめたほうがいいという意見もゼロではありません。
確かに、平屋にもデメリットはあるため、状況によっては2階建てや3階建ての方がマッチすることもあります。
例えば、都市部などでコンパクトな土地しか見つからない場合は、平屋だと床面積を確保するのが難しいため、2階建てや3階建ての方が理想のマイホームを建てられる可能性が高くなります。
状況を考えずに憧れだけで平屋を選ぶと、後悔や不満が残るマイホームになる可能性があるのは確かです。
平屋を検討するときは、さまざまな状況を踏まえてご自身にマッチするのか確認し、デメリットに対策できるのか考えることが大切です。
次の章から、平屋はやめたほうがいいと言われる理由について、対策とセットで1つずつチェックしていきましょう。
平屋はやめたほうがいいと言われる理由
インターネットなどで見かけることが多い、平屋はやめたほうがいいと言われる理由を1つずつ取り上げて詳しく解説します。
対策もセットで掘り下げますので、平屋を検討するときのポイントとして覚えておいてください。
建築費用が高い
平屋は2階建てより建築費用が高くなるため、やめたほうがいいと言われることが多いです。
仮に同じ延床面積で比較した場合、2階建てより平屋の方が屋根・基礎の面積が増えるため、建築費用が割高になると言われています。
確かに、総2階建てと平屋を比較すると、基礎と屋根の面積が倍以上になる可能性が高いです。
しかし、平屋は階段が不要でバルコニーもないため、シンプルな設計で2階建てよりコストダウンできるポイントもあります。
また、平屋は小屋裏収納やロフトなどの間取りで収納力を補いやすく、延床面積を減らして建築費用を抑えることも可能です。
単純に2階建てより平屋の方が高くなるとは限らないため、さまざまな条件を踏まえて比較検討するのがおすすめです。
こちらのコラムで、平屋が高くなるケースや建築費用を抑えるコツなどを解説しています。
広い土地が必要になる
同じ延床面積の2階建てと比べて、広い土地が必要になるのも平屋をやめたほうがいいと言われる理由の1つです。
仮に建ぺい率50%、容積率100%の土地で30坪のマイホームを建てる場合、平屋・2階建てで必要な敷地面積は次のように変わります。
最低限必要な敷地面積 | |
---|---|
平屋 | 60坪 |
2階建て | 30坪 |
平屋の場合60坪の敷地面積が必要になりますが、総2階建てなら半分の30坪でも建てることができます。
実際は延床面積や建ぺい率で変わりますが、2階建てより広めの土地が必要になるため、平屋の方がハードルは高いです。
ただし、広めの土地が多く相場も低めの郊外なら、建築費用を抑えてゆとりのある平屋を建てることも可能です。
また、求める平屋に必要な坪数を把握してから土地を探せば、希望条件に合う物件を見つけられる可能性が高くなります。
こちらのコラムで、平屋に必要な土地の広さの確認方法を解説しています。
防犯性・プライバシー性で不利
平屋は2階建てより防犯性やプライバシー性が低いため、やめたほうがいいと言われることもあります。
一戸建て侵入窃盗の侵入口 | 件数/割合 |
---|---|
窓 | 7,448件/55.2% |
表出入り口 | 2,728件/20.2% |
その他の出入り口 | 1,990件/14.8% |
平屋・2階建てを含む一戸建ての侵入窃盗では、窓が侵入口になるケースが55.2%と半数以上を占めています。
平屋はすべての窓が1階に面しているため、空き巣などに狙われるリスクが高くなると言われることが多いのです。
窓からの侵入窃盗については、防犯ガラスや面格子、シャッターなどの採用が代表的な対策です。
また、センサー付きライトや防犯カメラなどを設置して、侵入窃盗自体を抑制するのも効果的と言われています。
1階の窓が多くなることによるプライバシー性の低下は、フェンスや生垣などの外構、間取りの工夫などで対策できます。
日当たりが悪化しやすい
2階建てより日当たりが悪く、暗くなりやすいというのも、平屋をやめたほうがいいと言われるポイントです。
平屋は周囲の建物の影になりやすく、土地自体の日当たりが悪いと、住まい全体が暗くなってしまう可能性があります。
前述したように広めの敷地面積が必要になるため、郊外の広い土地を選んで対策するのが効果的です。
また、延床面積が広い平屋は、中心が窓から遠くなり暗い場所ができやすいのも注意点です。
暗い場所ができそうなときは、中庭の間取りを組み合わせて採光を確保するのがおすすめ。
こちらのコラムで中庭のある平屋の間取り実例をご紹介していますので、参考にしてください。
水害のリスクが高い
津波や洪水など水害が発生したとき、2階に避難できないためリスクが高いのも平屋のデメリットに挙げられることが多いです。
床上浸水があった場合、2階建てなら家族や家財を避難させられますが、平屋だと難しいため心配に感じる方が多いようです。
平屋を建てる土地をこれから購入する方は、ハザードマップで水害のリスクをチェックしましょう。
マップ上で水害のリスクが高いエリアを確認できるため、効果的な対策になります。
収納スペースが不足しがち
平屋は限られた延床面積の中で間取りをつくるため、収納スペースが不足して暮らしにくくなるケースも考えられます。
収納不足はマイホームづくりの中でも不満に感じる方が多く、特に注意すべきポイントです。
平屋の収納不足対策としては、小屋裏収納やロフトの間取りを検討するのがおすすめです。
小屋裏のデッドスペースを活用すれば、限られた延床面積の中でも収納量を確保して対策できます。
こちらのコラムで小屋裏収納やロフトの間取りについて詳しく解説しています。
動線効率が悪くなる
ワンフロアが広い平屋は、端から端までの距離が長いため、動線効率が悪くなるという意見も多いです。
例えば、玄関とキッチンが家の両端にあると、買い物から帰ってきて食材をしまうまでの移動距離が長くなってしまいます。
ただし、普段の生活や家事に関する間取りを近くにまとめることで、動線効率の悪化を防ぐことが可能です。
お出かけ前後の準備、炊事・洗濯・掃除などの家事を1つずつシミュレーションして、ムダのない動線を考えてみましょう。
外干しが難しい
バルコニーのない平屋は、洗濯物や布団の外干しが難しいため、やめたほうがいいと言われることも多いです。
お庭に洗濯物を干すと外から見えやすいため、外観に生活感が出たり、盗難が気になったりする可能性があります。
また、外の物干しスペースに屋根を設置するのが難しい場合、外出中に天気が変化して洗濯物が飛んだり濡れたりするリスクも考えられます。
このようなリスクが気になる場合は、ランドリールームの間取りを検討してみましょう。
ランドリールームなら防犯性や天気を気にせず、いつでも洗濯物を干すことができます。
洗濯物を一か所で完結できる間取りなら、家事効率がアップするのもうれしいメリットです。
こちらのコラムでランドリールームのメリットや間取り実例を紹介しています。
固定資産税が高い
平屋は2階建てより固定資産税が高くなるというのも、やめたほうがいいと言われるポイント。
固定資産税は毎年発生するランニングコストなので、税額が高いと長く暮らすほど負担が大きくなってしまいます。
固定資産税は土地や建物の資産価値をもとに計算されるため、2階建てより費用が高くなる平屋の方が、税額も高くなるイメージが強いようです。
逆に言えば、土地取得費用や建築費用を抑えれば、平屋の固定資産税の負担を減らすこともできるということです。
前述した土地選びや間取りの工夫を取り入れて費用総額を抑えて、固定資産税の負担に対策しましょう。
平屋が向いている人、向いていない人の傾向
ここまでご紹介したように、平屋をやめたほうがいいという意見は複数ありますが、デメリットを対策する方法もあります。
平屋と2階建てを検討するときは、どちらがご自身の要望やライフスタイルにマッチするのか考えることが大切です。
平屋が向いている人、向いていない人の傾向をまとめましたので、選ぶときの参考にしてみてください。
平屋が向いている人
- 郊外に住みたい
- 老後もそのまま快適に暮らしたい
- 庭を有効活用したい
広くて日当たりが良い土地を見つけやすい郊外エリアに住みたい方は、平屋のメリットが大きいため向いている可能性が高いです。
郊外なら土地の坪単価も安めなので、費用負担も抑えられます。
また、郊外の平屋なら、広い敷地でお子さまをのびのび育てやすく、スポーツの練習やペットとの遊び場など活用の幅も広がります。
駐車場もつくりやすいため、学校や習い事などの送り迎えの負担も少ないです。
子育てが終わった老後も、長く同じ家に住み続けたい方も、階段のないバリアフリーの平屋が向いているでしょう。
平屋が向いていない人
- 都市部に住みたい
- 部屋数を多く確保したい
土地相場が高い都市部が希望エリアで、家族の人数が多く部屋数が必要な場合は、2階建ても比較検討した方が良いでしょう。
敷地面積を有効活用できる2階建ての方が、予算内で多くの希望を叶えられる可能性が高くなります。
ただし、1~2人暮らしのコンパクトな平屋なら、都市部の狭小地でも十分検討可能です。
詳しくはこちらのコラムもご覧ください。
まとめ
平屋にはメリット・デメリットが両方あり、やめたほうがいいという意見も見受けられます。
しかし、デメリットを事前にしっかり把握しておけば、対策して暮らしやすい平屋を建てることも可能です。
今回ご紹介した注意すべきポイントと対策を踏まえて、理想の平屋を建てられるか検討してみてください。
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