狭小地でも平屋を建てることはできる?メリット・デメリットや対策を解説
平屋の新築には広い土地が必要なイメージがありますが、都市部などでは予算内で狭小地しか見つからないケースも少なくありません。
狭小地の平屋は延床面積の確保が難しいと感じるかもしれませんが、工夫次第ではコンパクトでも暮らしやすく仕上げることができます。
今回は狭小地に平屋を建てるメリット・デメリット、間取りの考え方などを詳しく解説します。
狭小地向けのコンパクトな平屋間取りプラン例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
狭小地でも平屋は建てられる?
都市部などの狭小地では、2~3階建ての一戸建てで床面積を確保することが多いイメージがありますよね。
確かに平屋は同じ延床面積の2~3階建てより広い土地が必要になりますが、1人暮らしや夫婦2人暮らしなら、狭小地でも十分暮らしやすい間取りを検討できます。
平屋は階段がないため面積効率が良く、廊下を減らすなど工夫すればコンパクトな間取りでも居住スペースを確保することは可能です。
また、小屋裏収納やロフトなど、デッドスペースを活かして収納量を増やす、平屋ならではの間取りアイデアもあります。
狭小平屋にはさまざまなメリットがあり、デメリットを把握してしっかり対策すれば、暮らしやすい間取りをつくることも可能です。
狭小平屋のメリット
コンパクトな狭小平屋には、次のようにさまざまなメリットがあります。
本体価格と土地取得費を抑えられる
狭小地に小さな平屋を建てることで、本体価格と土地取得費を抑えられるのは大きなメリットです。
平屋は同じ延床面積の2階建てより広い土地が必要になり、建築費用も高額になる傾向があります。
しかし、狭小地なら土地取得費用を抑えることができ、建築費用もコストダウンできます。
市街地に建てやすい
狭小地に平屋を建てる場合、広い土地の確保が難しい市街地も選択肢に入りやすいのもメリットの1つです。
前述したように平屋は広い土地が必要になり、坪単価が高い市街地だと特に取得費用が大きなハードルになります。
また、住宅が密集している市街地だと、平屋を建てるのに十分な広さの土地自体が見つかりにくい傾向もあります。
コンパクトな平屋で狭小地も選択肢に入れると、建てられるエリアが広がり理想の住環境を実現しやすくなるかもしれません。
動線効率が良い
狭小平屋は、部屋同士の距離が短くなるため、効率の良い動線をつくりやすいのもメリットです。
平屋はすべての間取りをワンフロアに納めるため、延床面積が広くなるほど移動距離が長くなる傾向があります。
狭小地に最適化したコンパクトな平屋なら、動線が長くなるのを防ぎ、効率の良い生活を送れる可能性が高くなります。
掃除の手間やランニングコストを抑えられる
狭小地に建てるコンパクトな平屋は、一般的な広さの住まいより普段の掃除の手間やリフォーム時のランニングコストを抑えられるのもうれしいポイントです。
延床面積を減らすと、フローリングや壁紙の張り替え、外壁や屋根の塗装といった将来のリフォーム費用を抑えることができます。
また、狭小平屋で建築費用や土地取得費用を抑えることで、毎年のランニングコストである固定資産税を減らす効果も期待できます。
冷暖房効率を高めやすい
室内の体積や窓の面積が少ない狭小平屋は、冷暖房効率を高めやすく、光熱費の節約効果が期待できるのもメリットです。
各部屋がコンパクトだと暖房やエアコンが効きやすく、熱の出入りが大きい窓が少ないため、室温の維持もしやすくなります。
冷暖房が効きやすいと、暖房器具やエアコンの容量が少なくて済むため、購入費用を抑えられるのも副次的なメリットです。
狭小平屋のデメリット
一般的な平屋より延床面積が狭い間取りには、次のようなデメリットもあるため注意が必要です。
失敗を防ぐための取り組み方は次の章で解説しますので、ここではどんなデメリットがあるのか覚えておきましょう。
部屋数の確保が難しい
狭小地の平屋は確保できる延床面積に限りがあるため、家族の人数によっては部屋数の確保が難しいのがデメリット。
延床面積によりますが、15~20坪前後の狭小平屋で暮らしやすさを考えると、1LDKの間取りになることが多いでしょう。
2LDK以上の平屋を建てたい場合は、狭小地ではなく少し広めの土地が必要になるかもしれません。
圧迫感が出やすい
狭小平屋は各部屋を広くつくるのが難しく、圧迫感が出やすい点にも注意が必要です。
特に、住まいの主役となるリビングが狭いと、圧迫感を覚えて不満に感じる可能性が高くなります。
日当たりとプライバシー性が課題
都市部の狭小地は敷地ギリギリまで家を建てるケースが多く、周囲の建物が近くなり日当たりやプライバシー性が低下する可能性もあります。
特に、1階のみで生活する平屋は日当たりやプライバシー性が課題になることが多く、狭小地の場合は解決するための難易度が高くなります。
外観デザインの自由度が低い
延床面積が狭い平屋はシルエットがシンプルになることが多く、外観デザインの自由度が低い点もデメリットと言えるでしょう。
また、敷地の広さに余裕がないと、外構のレイアウトやデザインに制限が出る可能性もあります。
狭小平屋の失敗を防ぐポイント
前述した狭小平屋のデメリットに対策するために、次のポイントについてしっかり考えましょう。
必要な部屋数と延床面積を明確にする
狭小地での平屋づくりを検討する際は、まず必要な部屋数と延床面積を明確にして、実現できるかどうか考えましょう。
同じ家族構成でも、ライフスタイルによって平屋に必要な部屋数と延床面積は変わります。
例えば、1人暮らしや夫婦2人暮らしなら1LDKの間取りでも検討できますが、ライフスタイルによっては書斎やランドリールームなど別の部屋が必要になるかもしれません。
こちらのコラムで平屋に必要な部屋数と延床面積の考え方を解説していますので、参考にしてみてください。
天井高アップで開放感を演出
狭小平屋の圧迫感対策としては、天井高をアップして開放感のある間取りをつくるのが効果的です。
天井高がアップすると視界が広がり、実際の床面積より広く見える効果があります。
2階の床が無い平屋は天井高をアップしやすいため、延床面積が限られる狭小地との相性が良好です。
勾配天井などで開放感を高めると、冷暖房効率が低下する可能性がありますが、住まい全体の断熱性能を高める、シーリングファンを設置するなど対策可能です。
開放感だけでなくデザイン性アップにもつながりますので、費用とのバランスを考えながら検討してみましょう。
こちらのコラムで平屋の天井高をアップするメリットやアイデアを紹介しています。
狭小平屋の実績があるハウスメーカーを選ぶ
実際に狭小地で暮らしやすい平屋の間取りをつくるためには、ハウスメーカーの提案やアドバイスが欠かせません。
狭小平屋づくりの実績があるハウスメーカーを選ぶことで、ノウハウをもとにした適切なアドバイスが期待できます。
施工実例やプラン例などを確認して、なるべく狭小地の住まいづくりに強いハウスメーカーを選びましょう。
土地の日当たりを確認する
平屋を建てる狭小地選びでは、土地自体の日当たりをしっかり確認するのも大切なポイントです。
採光は間取り側の工夫で解決できることもありますが、土地自体の日当たりが悪いと難しくなります。
日当たりは時間帯によって変わりますので、土地の向きや建物との位置関係を確認したり、何度か訪れて見たりするのがおすすめです。
外構でプライバシー性を確保する
周囲の建物が近い狭小地の平屋づくりでは、外構の工夫でプライバシー性を確保することも大切です。
例えば、リビングの大きな窓が外から丸見えの状態だと、カーテンを開けるのが難しく、暗く圧迫感のある部屋になってしまいます。
隣の家や表通りが近い場合は、フェンスや生垣など、外構で視線を遮りプライバシー性をしっかり確保しましょう。
1.5階建ても検討する
狭小地で必要な延床面積を確保するのが難しいときは、平屋に限定せず1.5階建ての間取りを検討してみるのもおすすめです。
例えば、リビングや水回りなどを1階にまとめて、2階部分に寝室をつくる1.5階のような間取りなら、平屋と同じような暮らしを送ることができます。
土地の広さやライフスタイルに合わせて、柔軟に検討してみてください。
狭小平屋の間取りプラン例
クレバリーホームの規格住宅Cleverly D’ees(クレバリーディーズ)の中から、狭小地に対応しやすい間取りプランをご紹介します。
少ない延床面積でのびのびと暮らすためのアイデアに注目してみてください。
① 延床面積18.03坪
都市部に多い、間口の狭い狭小地に対応できる、縦長の平屋間取りプランです。
縦長のLDKは南向きの窓が狭くなりますが、コの字型の中庭で採光を確保し、明るく開放感のある間取りに。
中庭のウッドデッキはプライバシー性が高く、アウトドアリビングとして居住スペースの一部にもなります。
18帖のLDKは天井を高くした吹き抜けにすることで、実際の床面積より広々とした印象に仕上がっています。
リビングから出入りできる小屋裏空間を配置し、収納やアトリエなどさまざまな用途に活用するのも、狭小平屋ならではのアイデアです。
② 延床面積20.47坪
限られた床面積を有効活用するために、ワンルームを完全に仕切らず有効活用する平屋の間取りプランです。
寝室とリビング・ダイニングを中央の壁でゆるやかに仕切り、廊下のない間取りにすることでスペースを有効活用しています。
あえて斜めに間仕切りをつくることで、リビングの角にデスクを配置できるなどさまざまなメリットも。
左右どちらからでも移動できるため、効率の良い動線が暮らしやすさにもつながります。
玄関とリビング直結の間取りですが、直接室内が見えない配置にすることで、プライバシー性もしっかり考えられています。
まとめ
都市部の狭小地では2~3階建てで延床面積を確保することが多いですが、家族構成や工夫次第では平屋を建てることもできます。
建築費用やランニングコストを抑えられるなどのメリットもありますので、1つの選択肢として狭小平屋も検討してみてください。
クレバリーホームは、間取りプランの自由度が高い平屋商品「Granshare」で、お客様のご要望に合わせた平屋づくりをお手伝いしています。
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