「高気密な家」と「断熱」「換気」の関係

「高気密な家」「断熱」「換気」
季節の温度に影響されず一年中快適な家。
冷暖房が最小限でよく、省エネな家。
そんな家を建てるためには、「気密性」にも注目する必要があります。
今回は「気密性」を理解するためのキーワードを解説します!

 

このコラムでわかること

  • 「気密性が高い」とは?
  • 快適な家は「気密」と「断熱」の性能が高い
  • 気密性が低いと換気がうまくいかない

「気密性が高い」ってどういうこと?

家づくりを意識しはじめると「気密性が高い・低い」「高気密住宅」という単語が目につくのではないでしょうか。

住宅における「気密性」とは簡単に言えば、家から空気が逃げない性能のこと。
空気が逃げる隙間の多い家は「気密性が低い」、空気が逃げる隙間の少ない家は「気密性が高い」と表現します。

例えば…源氏物語の絵巻物を思い浮かべてみてください。
よく見ると、十二単のお姫様たちは、柱だけがあり壁がほとんどない場所に描かれています。
こういった住宅は「気密性が低い」。
実際に、当時のお部屋の間仕切りは、障子御簾やすだれなどを置く・垂らすといった隙間だらけのもの。
窓や扉などの開口部は障子で、こちらも隙間だらけ。
絵巻物の表現は誇張されてはいますが、当時のお姫様たちは気密性の低い家で相当寒い思いをしていたと想像できます。

お姫様たちの寒い家はイヤ!という気持ちが建築技術を進歩させた…かどうかはともかく、現代では隙間のない気密性が高い住宅を作ることが可能になりました。
高気密は省エネにも結び付くため、気密性の高い住宅が新築の主流となっています。
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「省エネ住宅」と気密性

「省エネ住宅」は現在の家づくりの最重要キーワードのひとつですが、エネルギーを極力使わないためにもこの「気密性」が非常に重要です。
というのは、冷暖房でせっかく快適な温度になった空気がどんどん逃げてしまっては、エネルギーがいくらあっても足りないからです。

ここでは空気を逃がさない「気密性」と同時にもう一点、外部に逃げる熱をシャットアウトする「断熱性」を高めることがとても重要です

(断熱について詳しくは→UA値って何?省エネ住宅手始めは「断熱」!
高気密、高断熱の家は快適に過ごせる=省エネにもなる!ということですね。

計画的な換気には「気密」が重要!

こんなふうに「快適な家づくり」の話題でよく出てくる「気密」ですが、さらに重要な点として「換気」への影響力が挙げられます。

シックハウス症候群のコラムでも触れましたが、現代の住宅は法律によって計画的な換気ができる設備の導入が義務付けられています。
(→「シックハウス症候群」 「VOC」、知らないと危ない!

しかし、こういったシステムも、空気が逃げ放題の、隙間がたくさんある家ではうまく機能しません。
計画的な換気には、空気の出入りする道も管理する意識が重要なのです。
気密と換気

また、住宅建築の歴史では換気性能よりも気密性が先に進化してしまったため、汚れた空気が排出されずシックハウス症候群の被害が多くなってしまったこともあります。

気密性が高ければ高いほど、計画的な換気も重要になってくるということですね。
(換気について詳しくは→住まいの換気システムは4タイプ。高気密住宅にベストなものは?

まとめ

気密性は「快適性」「換気」という二点から重要なポイントだというお話をしてきました。

気密性は「C値」という基準で比べることができます。
「C値(㎠/㎡)」は相当隙間面積というもので家全体の隙間面積(床、壁、天井)の合計(㎠)÷床面積(㎡)で求められるもの。
数字が少なければ少ないほど気密性能が高いということになります。
このC値が5㎠/㎡以下の住宅を「気密住宅」といいます。
さらに2㎠/㎡以下の住宅をとくに「高気密住宅」と呼ぶ場合もあります。

気密性が高いことは現代住宅では必須条件です。
しかし、シックハウス症候群のところでも触れた通り、複数の条件がバランスよく整っているのが「良い家」です。
気密も、断熱も、換気も、構造も、すべての条件が高性能な家を選んで、快適かつ省エネな暮らしを送りましょう!

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