小屋裏収納のある注文住宅施工実例|メリット・デメリットをチェック
本来天井で隠れているデッドスペースを活用できる小屋裏収納は、マイホームの収納力を大きくアップしてくれる間取りアイデアです。
たっぷり収納をつくったつもりでも、だんだん荷物が増えて足りなくなり、後悔してしまうケースは少なくありません。たくさんの荷物をしまえる小屋裏収納を上手に活用すれば、マイホームの収納不足を防いで暮らしやすい間取りをつくることができます。
しかし、小屋裏収納にはデメリットもあるため、事前に把握してしっかり対策しなければいけません。今回は、小屋裏収納のメリット・デメリットを詳しく掘り下げます。実際に小屋裏収納を採り入れた注文住施工実例もチェックしましょう。
目次
小屋裏収納とは?
小屋裏収納は、天井と屋根の間を活用する収納間取りのことです。「屋根裏収納」「グルニエ」と呼ばれることもあります。
建築基準法では「小屋裏物置等」として規定されており、サイズや用途について次のような制限がかけられています。
※小屋裏収納の基本的な制限
- 床面積は下の階の1/2未満
- 天井高は4メートル以下
- 用途は収納限定
- 必要最小限以外の設備はつけない(エアコン・TVジャックなど)
小屋裏収納は、あくまで余剰空間を利用した「収納」としての利用に限定されています。エアコンや必要以上のコンセント、TVの設置などは基本的に認められません。上記の制限を満たさない場合、収納ではなく居室とみなされます。
また自治体によって小屋裏収納の制限が異なるケースもあります。例えば小屋裏収納の出入り口に、固定階段を選べる自治体と、可動式はしごしか認めていない自治体に分かれます。
小屋裏収納とロフトの違い
天井裏を利用する「ロフト」も同じ間取りのように扱われることがありますが、小屋裏収納とは明確な違いがあります。
- 小屋裏収納 ⇒ 天井裏に隠れていて下の階からは直接見えない
- ロフト ⇒ 下の階とつながっていて直接見ることができる
小屋裏収納は居住スペースと天井で区切られ直接つながっておらず、独立した空間になります。ロフトも天井裏空間を利用する点は同じですが、下の階とつながっていて直接見えるような間取りです。ロフトも収納に使われることが多いですが、書斎や子供部屋として活用するケースもあります。
小屋裏収納をつくるメリット
マイホームに小屋裏収納をつくると、次のようなメリットがあります。
デッドスペースを活かせる
本来デッドスペースとなる小屋裏空間を、収納として有効活用できるのは大きなメリットです。
注文住宅では居住スペースと収納のバランスが難しく、大容量の収納をつくるのは大変です。しかし、小屋裏収納なら居住スペースを犠牲にすることなく、大容量の収納をつくれるのです。
ほかの収納を圧迫しない
小屋裏収納に普段使わない物をしまっておけば、ほかの収納に余裕が出て使い勝手が向上するのもメリットの1つ。
- 扇風機やストーブなどの季節家電
- 衣替え用の洋服
- お子様の工作物やアルバムなど思い出の品
上記のような頻繁に出し入れしないアイテムは、収納場所に困るケースが多いです。クローゼットにしまうと、容量を圧迫されて使い勝手が悪くなります。
トランクルームなどを借りる方も少なくありませんが、小屋裏収納があれば、余計な費用をかけずに自宅内で大切に保管できます。
条件を満たせば延床面積に算入されない
前述した小屋裏収納の条件を満たせば、延床面積に算入されないのも特徴です。注文住宅の延床面積(すべての階の床面積の合計)は、土地の建ぺい率・容積率で上限が決められています。しかし小屋裏収納は延床面積に算入されないため、容積率の上限よりさらに収納スペースを増やすことができるのです。広い土地の確保が難しい市街地などでは、特に大きなメリットになるでしょう。
また毎年発生する固定資産税は延床面積を基に算出されるため、税負担を抑える効果もあります。
小屋裏収納のデメリット
小屋裏収納には次のようなデメリットもありますので、対策とセットでしっかり覚えておきましょう。
夏場は暑くなる
屋根に近い小屋裏収納は太陽光の影響を受けやすく、夏場は暑くなるのがデメリット。日当たりや構造によっては60℃近くになることもあります。荷物の出し入れが大変になり、熱に弱いアイテムを置いておくのも難しくなります。
小屋裏収納の暑さ対策は、断熱性能と換気にこだわるのが効果的です。性能の高い断熱材を使う事で、屋根面からの暑さ軽減につながります。また空気の出入り口で流れをつくれば、暑い空気が溜まるのを防ぐことができます。
ただし、それでも居室よりは暑くなるので、電子機器や熱に弱いスポーツ用品などは置かないようにしましょう。
設置費用がかかる
本来天井でふさがれる部分を収納にすることで、設置費用がかかる点もデメリットに挙がることが多いです。はしごやフローリングなどの建材・工事費が発生するため、追加費用がかかる可能性が高いです。
なるべくコストをかけずに小屋裏収納をつくりたいなら、壁紙やフローリングを貼らないのも一つのアイデア。普段目にする場所ではないので、石膏ボードや下地ベニヤ仕上げでも問題ないでしょう。
荷物を出し入れしにくい
小屋裏収納の出入り口を可動式のはしごにする場合、大きな荷物を出し入れするのは大変です。固定階段が認められている場合でも、大きく重い物を持って上がるのは簡単ではないでしょう。
小屋裏収納は、出し入れ頻度が低い物をしまう場所として計画するのがおすすめです。夏・冬の洋服やウインタースポーツ用品など、頻繁に出し入れしない物なら負担が少ないでしょう。
小屋裏収納のある注文住宅施工実例
実際に小屋裏収納を上手に採り入れている注文住宅の施工実例をピックアップしました。
実例①
2F
小屋裏収納
2階のホールから常設階段で直接移動できる小屋裏収納の実例です。
13帖の広さで、アルバムや本などの大切な思い出から、季節の衣類などをたっぷり収納できます。
実例②
2F
小屋裏収納
こちらは2階のLDKから出入りできる小屋裏収納の間取り実例。
ラック配置まで考えて間取りを決めることで、効率的な使い方ができる小屋裏収納になっています。
ほかにも小屋裏収納の施工実例がたくさんありますので、こちらもぜひご覧ください。
小屋裏収納の間取りづくりのポイント
本当に必要かどうか?
小屋裏収納は大変便利な間取りですが、ご自身の住まいに必要かどうか一度確認してみてください。
前述したように、小屋裏収納は大型の物や出し入れ頻度の高い物、熱に弱い物の収納には適していません。このようなアイテムを収納するなら、小屋裏収納ではなくほかの間取りで対応した方が良いでしょう。
コンセント・照明の配置は?
小屋裏収納内の使い勝手に直結するコンセントや照明の配置は、荷物をどう置くのかまで含めてしっかり考えましょう。
良く考えずコンセントの配置を決めると、荷物の影に隠れて使えなくなる可能性があります。照明も荷物で影ができてしまうと、小屋裏収納の使い勝手が悪くなってしまいます。
小屋裏収納にしまうアイテムの種類や量、出し入れシーンなどもシミュレーションして、ムダのない配置を考えましょう。
はしごか固定階段か?
小屋裏収納の使い方に合わせて、はしご・固定階段どちらを付けるべきかしっかり考えましょう。はしごは設置費用を抑えやすく省スペースなのがメリットですが、物を出し入れするのは少し大変です。一方、固定階段は使い勝手が良い反面、管轄する自治体によっては設置が認められないケースも。
信頼できる住宅会社に相談して地域の規制を確認してもらい、使い勝手の良い出入り口を考えることが大切です。
クレバリーホームは全国にモデルハウスを構え、住まいづくりのご相談を受け付けています。小屋裏収納を含めた間取りの相談、法規制についての確認など、なんでもお気軽にお声掛けください。
まとめ
小屋裏収納は注文住宅の収納力を大きくアップできる間取りアイデアです。ただし注意すべきデメリットもありますので、施工実績の多い住宅会社と一緒に効率的な間取りをしっかり考えましょう。他の収納間取りも含めて比較検討し、理想のマイホームを目指してください。
クレバリーホームは多くの実績で培ったノウハウを基に、お客様にとって理想の間取りアイデアをご提案しています。実例セレクションや住宅商品カタログなど、家づくりに役立つ資料もたくさんご用意していますので、ぜひご活用ください。