平屋が地震に強いと言われる理由|耐震性を高めるポイント
近年人気が高い平屋ですが、2階建てや3階建てと比較して耐震性が高く、地震に強いことも選ばれる理由の1つとなっているようです。
地震大国である日本では、マイホームづくりにおいて耐震性は重要な性能の1つです。
しかし、なぜ平屋が地震に強いと言われているのか、具体的な理由を知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、平屋がなぜ地震に強いのか、構造や形状など詳しく解説します。
また、平屋の耐震性を高めるための土地探し、プランづくりなどのポイントも紹介しますので、ぜひマイホーム計画にお役立てください。
目次
マイホームの耐震性が重要な理由
多くの活断層がある日本は昔から地震大国と呼ばれており、耐震性は住まいづくりにおける重要な性能として重視されてきました。
実際、世界のマグニチュード6.0以上の大地震のうち約2割が日本で発生していると言われています。
また、首都直下地震、南海トラフ地震などの大地震も30年以内に発生する可能性が高いと言われており、耐震性が高いマイホームを求める方が増えているのです。
参照:内閣府 地震災害
耐震性は住まいの倒壊を防ぐだけではなく、破損リスクを減らして住み続けるためにも必要な性能です。
仮に地震による倒壊を免れても、大きなダメージを受けてしまうと、補修に多額の費用がかかったり、住み続けられなくなったりする可能性があります。
昭和~平成の日本の住宅は30~40年前後で建て替えられることが多かったですが、現在は1つの住まいに長く暮らす方向にシフトしており、耐震性はさらに重要な性能になりつつあるのです。
このような背景があり、耐震性が高いと言われる平屋に注目が集まり、検討する方が増えている状況です。
平屋が地震に強いと言われる理由
平屋が2階建て以上の建物と比べて地震に強いと言われるのは、大きく分けると2つの理由があります。
なぜ地震に強いのか知ることで、より耐震性が高い平屋づくりに役立ちますので、ぜひ覚えておいてください。
建物が低く揺れの影響を受けにくい
平屋は建物の高さが低いため、揺れの影響を受けにくいのが地震に強い理由の1つです。
建物は階数が増えるほど重心の位置が高くなり、上層階ほど地震で揺れやすくなります。
高層ビルやタワーマンション、2~3階建ても上の階ほど地震で揺れやすく、家具の倒壊や破損リスクが高くなる傾向があります。
平屋は重心が低く、上の階の重さの影響を受けないため、地震で揺れにくくなるのです。
シンプルな形状で建てることが多い
ワンフロアのみで構成される平屋は、比較的シンプルな形状で建てることが多いのも地震に強いポイントです。
建物は凹凸が少ない四角形に近いほど、地震の揺れで発生した力を均等に分散しやすくなります。
住まい全体で地震に耐えられるため、一か所に力が集中して破損や倒壊するリスクを下げることができるのです。
地震に強い平屋の構造は?
日本の一戸建ては、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの構造があります。鉄骨造や鉄筋コンクリート造は耐震性が高いイメージがありますが、一般住宅なら木造でも十分地震に強い住まいを建てることができます。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、マンションやアパートなど2階建て以上の建物で採用されることが多いです。また、一般住宅でも、大開口のガレージや壁が少ないLDKなどをつくる場合に、耐震性を確保するために鉄骨造や鉄筋コンクリート造が採用されることもあります。
しかし、木造も耐震性を高めるために日々進化しています。一般的な間取りの一戸建てなら、木造でも十分耐震性が高い住まいを建てることができます。
さらに、平屋は重心が低く2階の荷重がかからないため、耐震性を高めるために鉄筋造や鉄筋コンクリート造を選ぶ必要はないでしょう。
耐震性を高める平屋づくりのポイント
平屋は2階建て以上の建物より耐震性で有利なものの、地震による被害リスクを減らすためにはさまざまなポイントについて考える必要があります。
耐震性を高め長く安全に暮らせる平屋を建てるために、次のポイントをしっかり押さえましょう。
地震に強い土地を選ぶ
平屋の耐震性を高めるためには、まず地震に強い土地を選ぶのが前提となります。
どんなに建物の耐震性を高めても、地盤が弱い土地では地震の被害を受ける可能性が高くなります。
注文住宅では土地を購入した後に地盤調査を行うのが一般的ですが、売主が以前の地盤調査報告書などを保管していれば、確認させてもらえるかもしれません。
また、地元に精通していて土地選びのノウハウがある住宅会社なら、検討しているエリアの地盤についてアドバイスしてもらえる可能性もあります。
自治体によっては地震の揺れやすさなどをまとめた防災マップを公開しているケースもあります。検討中の土地を管轄する自治体が、地震に関する情報を発信していないか確認してみましょう。
参考:渋谷区地震防災マップ(危険度マップ、揺れやすさマップ)
シンプルな形で建てる
なるべく四角形に近いシンプルな形で建てるのも、平屋の耐震性を高めるポイントです。
前述したように、シンプルな形状の平屋は、建物全体で地震の揺れを受け止められるため、破損・倒壊リスクが低い傾向があります。
もちろん、必ず真四角で建てなければならないわけではありませんが、複雑な形状は避けたほうが耐震性で有利です。
敷地の形状や間取りとの兼ね合いも考えつつ、なるべく凹凸が少ない形の平屋を検討してみてましょう。
開口部のバランスを考える
建物を支える壁や柱と、窓やガレージなど開口部のバランスを取ることも、地震に強い平屋づくりのポイントです。
例えば、幅の広い窓をつくると、建物を支える柱や筋交いを入れることができず、地震の揺れが集中して破損や倒壊するリスクが高くなります。
お部屋の開放感やデザイン、利便性なども考慮しつつ、開口部と耐震壁のバランスを考えてみましょう。
耐久性やメンテナンス性にこだわる
耐震性が高い平屋をつくるには、建てた直後のことだけでなく、耐久性やメンテナンスについても考える必要があります。
仮に高い耐震性の平屋を建てても、雨漏りで柱や土台などの構造が腐ってしまうと、本来の性能を発揮できず倒壊や破損のリスクが高くなります。
設計時の耐震性を維持するためには、耐久性が高くメンテナンスしやすい平屋をつくる必要があるのです。
例えば、クレバリーホームが標準仕様としている陶器瓦と外壁タイルは、塗装が不要で耐久性が高い建材です。
点検とメンテナンスで適切な状態をキープできるため、雨漏りやシロアリ被害などのトラブルリスクを下げ、耐震性を長く発揮できるのがメリット。
詳しくはこちらもご覧ください。
耐震等級3に対応できる会社を選ぶ
地震に強い平屋づくりを目指すなら、耐震等級3に対応している工務店やハウスメーカーを選びましょう。
耐震等級とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)で定められている耐震性能の指標で、3段階に分かれています。
耐震等級 | 耐震性能 |
---|---|
等級1 | 震度6〜7の地震で倒壊しない程度 |
等級2 | 震度6〜7の1.25倍の地震で倒壊しない程度 |
等級3 | 震度6〜7の1.5倍の地震で倒壊しない程度 |
1~3の順に耐震性能が高くなります。耐震等級1は建築基準法で定められている最低限の基準で、クリアすれば平屋を建てるのは問題ありません。
しかし、より高い耐震性を求めるなら、耐震等級1の1.5倍の地震に耐えることを想定している耐震等級3に対応できる住宅会社に相談しましょう。
まとめ
平屋は2階建て以上の建物より耐震性で有利な点が多く、地震による倒壊・破損リスクを抑えられるのがメリットです。
数十年以内に大きな地震が起こる可能性があると言われる日本では、耐震性が高い平屋を建てる意味は大きいでしょう。
長く安心して暮らせるマイホームづくりを目指すなら、ぜひ地震に強い平屋を検討してみてください。
クレバリーホームは実物大の住まいによる耐震実験などを実施し、地震に強い住まいづくりを提供しています。
平屋商品「Granshare」をご用意し、おしゃれで暮らしやすい平屋づくりもしっかりサポートいたします。
平屋づくりに役立つ情報をまとめたカタログセットもございますので、ぜひご活用ください。