注文住宅が予算オーバーする原因|削れるところ・削ってはいけないポイントを解説

注文住宅が予算オーバーする原因|削れるところ・削ってはいけないポイントを解説

この記事では、注文住宅が予算オーバーする原因を詳しく掘り下げ、対策とセットで解説します。

原因を把握することで予算オーバーを未然に防ぎ、コストパフォーマンスと満足度の高い家づくりができます。

またそれでも予算オーバーしてしまったときの対策として、削れるところ・削ってはいけないポイントや、後悔を防ぐための考え方も解説。

予算はマイホームのクオリティやその後の生活に大きく影響しますので、しっかり準備してから取り組みましょう。

注文住宅予算オーバーの原因と対策

注文住宅の予算計画イメージ

まずは注文住宅が予算オーバーしてしまう主な原因と対策をセットでチェックしていきましょう。

住宅ローン計画を立てていない

頭金、借入限度額、無理のない返済額など、住宅ローン計画を立てずに注文住宅づくりを進めると予算オーバーになる可能性が高いです。

例えばショッピングに出かけるとき、その日の予算を決めておかないと買いすぎてしまうことが多いですよね。

注文住宅も同じで、なるべく早い段階から住宅ローン計画を立てることが予算オーバーの対策になります。

住宅ローン計画を立てる際は、「年収倍率」「返済負担率」などの指標をもとに、無理なく返済できる金額や期間を考えることが大切です。

こちらのコラムで注文住宅の住宅ローン基礎知識をまとめていますので、参考にしてください。

 

優先順位を付けていない

土地・間取り・オプション設備など、注文住宅は選ぶべきポイントが多く、優先順位を付けておかないと予算オーバーの原因になります。

注文住宅はプランの自由度が高い分、希望を盛り込んでいくとその分見積もり金額も高くなります。

あらかじめ優先順位を付けておかないと、見積もり内容がどんどん膨らみ予算オーバーしてしまうことが多いです。

対策としては、具体的にプランを考える前に家族会議をして希望をリストアップし、優先順位を付けておくのが効果的です。

優先順位が明確になることで実現すべきポイント、削るべきポイントが分かり、予算内で満足度の高い注文住宅を建てられる可能性が高くなります。

土地と建物の費用バランスが取れていない

建物との費用バランスを考えず土地を先行購入してしまうと、後で思ったよりお金がかかり予算オーバーになってしまうケースが多いです。

土地の条件を優先してお金をかけすぎてしまうと、建物の費用が足りなくなって予算オーバーしてしまいます。

しかし土地購入費用を削りすぎてしまうと、アクセスや日当たりが悪いなど、住環境に関する不満が出るかもしれません。

土地選びから注文住宅づくりを始める場合は、まず検討エリアの土地購入費用・建築費用の相場を把握しましょう。

相場を把握しておけば、理想の暮らしを実現するための土地・建物の費用バランスが分かりやすくなり、予算オーバーを防げるはずです。

こちらのコラムで土地込み注文住宅の費用相場、土地と建物の費用バランスについて詳しく解説しています。

 

坪単価で予算を組んでいる

ハウスメーカーや工務店を選ぶときは坪単価を参考にするケースも多いですが、それだけで資金計画を立てると予算オーバーするリスクが高くなります。

坪単価は建物本体価格を延床面積で割った金額で、後述する付帯工事費や諸費用は含まれていないのが一般的です。

坪単価に延床面積をかけた金額では注文住宅を建てられず、実際に見積もりをして予算オーバーしてしまうということです。

こちらのコラムで注文住宅の坪単価について詳しく解説しています。

 

付帯工事費・諸費用を把握していない

注文住宅には本体工事価格以外にも付帯工事費と諸費用がかかり、把握していないと予算オーバーの原因になります。

※付帯工事費・諸費用の例

  • 土地購入の仲介手数料
  • 登記費用・確認申請費用
  • 地鎮祭の費用
  • 地盤調査・地盤改良の費用
  • 給排水管・ガス管・電気配線の引き込み費用
  • 外構費用
  • 住宅ローン手数料
  • 水道加入費用
  • 引っ越し費用
  • 家具・インテリア・エアコン購入費用

代表的な付帯工事費・諸費用だけでも上記のようにさまざまな項目があり、合計すると百万円単位になることがほとんどです。

中には住宅ローンに含めることができず現金で支払わないといけない費用もあり、貯金を切り崩すなど資金計画を狂わせてしまうことも。

注文住宅の見積もりでは、付帯工事費・諸費用も含めた総額費用をチェックしてください。付帯工事費・諸費用の詳細はこちらのコラムをどうぞ。

 

大きな出費を予測できていない

住宅ローンの支払いは数十年スパンになりますから、将来の予期せぬ大きな出費も予算オーバーの原因になります。

車の故障による買い替えやお子様の学費など100万円単位の急な出費があると、住宅ローンの返済が厳しくなってしまいます。

水回り設備の交換や内装貼り替えなど、リフォーム・メンテナンスも返済を圧迫する原因に。

万が一住宅ローンの返済が滞ると、抵当権によってマイホームを金融機関に差し押さえられてしまう可能性も考えられます。

現在の収入と支出だけで資金計画を立てるのではなく、住宅ローン返済期間中のライフプランも含めて考えるようにしましょう。

注文住宅で予算を削れるところ

注意していても見積もりが予算オーバーしてしまったときは、諦めずに無理なく削れるポイントを探しましょう。

注文住宅で予算を削りやすく、優先的に検討すべきポイントを紹介します。

土地取得費用を抑える

注文住宅の土地探し

土地はエリアや物件による価格差が大きいため、予算を削りやすいポイントです。

例えば駅前や市街地から少し郊外に検討エリアを広げてみるだけで、物件価格をかなり抑えられるケースがあります。

人気の高い南向き・キレイな四角形などの条件を外し、少し条件が悪くても安い土地を選ぶのも一つの方法です。

日当たりや土地の形などが多少悪くても、建物側の工夫で解消できることも多いです。

地盤改良やライフラインの引き込みなどが必要ない土地を選び、付帯工事費を抑えるのも1つのアイデア。

住宅会社と一緒に土地を探して、価格とクオリティのバランスが良い物件を見極めるのも効果的な対策です。

こちらのコラムで注文住宅の土地探しについて詳しく解説しています。

 

建物のシルエットや間取りをシンプルにする

総二階の注文住宅でコストダウン

建物の外観や間取りの形状などをシンプルにして、予算を削る方法もあります。

屋根や外壁、お部屋をなるべく凹凸の無い形状にすると、建材のグレードを下げずにコストダウンできます。

棟や谷がないシンプルな形状の片流れ屋根も、コストダウンに効果的な選択肢の1つです。

凹凸の少ない総2階建ても、材料費と工事費を減らすことでコストダウンしやすいです。

内装をシンプルにする

シンプルな内装でコストダウンした注文住宅

内装もシンプルかつおしゃれにまとめることで、予算を削ることができます。

例えば窓・ドアの数を減らすことで、材料費と工事費を両方コストダウンできます。

造作建具や収納をオーダーしている場合、うまく既製品を使えば安く収まるケースも。

和室は洋室より高くなるケースが多いため、フローリングにしたり、畳コーナーにしたりして予算を削れる可能性もあります。

水回りを近くにまとめる

洗面所とユニットバスをまとめた注文住宅

キッチン・ユニットバス・トイレ・洗面の水回りをなるべく近くにまとめるのも、注文住宅の予算を削るテクニックの1つです。

水回りをまとめることで必要な配管が少なくなり、材料費と工事費を同時に減らすことができます。

2階建てでトイレを2か所設置する場合は、上下階の位置をそろえるのもコストダウンにつながります。

また、家事動線がコンパクトにまとまることで、効率の良い暮らしにつながるメリットも。

延床面積を抑える

リビング階段で延床面積を抑えた注文住宅

間取りを見直して、床面積を減らすのも注文住宅の予算を削るのに効果的な方法です。

例えば、リビング階段をうまく使えば、廊下や階段ホールを省略でき床面積を減らせます。

こちらのコラムで注文住宅の階段の配置について詳しく解説しています。

 

また、小屋裏収納やロフトなど、延床面積に含まれない間取りで収納スペースを確保するのもコストダウンにつながるアイデアです。

 

設備のグレードとオプションを見直す

注文住宅のリビングの電動シャッター

水回り設備や電動シャッターなど、注文住宅のオプションを見直してみるのもおすすめです。

オプションは便利なものが多いですが、ライフスタイルによっては無くても問題ないケースもあります。

優先順位と費用対効果を見直せば、削れるオプションが見つかるかもしれません。

一つひとつの使い方やメリットを改めて考え、削れるオプションを探してみましょう。

こちらのコラムで注文住宅のオプションについて詳しく解説しています。

 

手数料や金利が低い住宅ローンを選ぶ

注文住宅の住宅ローンの見直し

住宅ローンを組む金融機関を選び、手数料や金利を抑えるのもコストダウンのアイデアの1つです。

住宅ローンの手数料は金額が一定の定額型、借入金額で変動する定率型があり、金融機関によっても金額が変わります。

同じ借入金額でも手数料が変わるため、複数の住宅ローンを比較することで費用負担を抑えられる可能性があります。

土地を先行購入する場合は、住宅ローンを一本化できる「分割融資」を扱う金融機関を選ぶことで、つなぎ融資にかかる手数料を抑えられるケースも。

また、金利が低い金融機関を選ぶことで住宅ローンの返済額を抑えることができ、予算オーバーの対策になります。

こちらのコラムで注文住宅の住宅ローンについて詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

 

オープン外構にする

オープン外構の注文住宅

注文住宅の外構も予算を削りやすいポイントの1つです。

フェンスやブロック塀で敷地を囲まないオープン外構にすることで、材料費や工事費用を抑えることができます。

外構は注文住宅が完成してから工事を依頼するケースも多いですが、資金計画に組み込んでおかないと予算オーバーする原因になるので要注意。

こちらのコラムで注文住宅の外構について詳しく解説しています。

 

注文住宅を安くする方法についてこちらのコラムで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

注文住宅で削ってはいけないポイント

注文住宅で削ると後悔するポイント

次のポイントは注文住宅の住み心地や満足度に大きく影響するため、むやみに削ると後悔につながる恐れがあります。

断熱性・気密性

住まいの基本性能である断熱性・気密性は、後悔する可能性が高いため削らない方が良いポイントです。

断熱性・気密性が低い住まいは暑さ寒さの影響を受けやすく、快適性が低下し無駄な光熱費もかかってしまいます。

数十年の暮らしにずっと影響するポイントですから、断熱性・気密性にはしっかりこだわりましょう。

防犯性

空き巣や強盗などのリスクに関わる防犯性も、削るべきではないポイントの一つ。

例えば侵入しやすい場所に大きな窓がある場合、面格子や防犯ガラスを削るとリスクが高くなってしまいます。

安心して暮らせないだけでなく、家財や家族の安全が脅かされるのは大きなデメリットです。

防犯性に関わる設備やオプションは削らないようにしましょう。

優先順位の高い間取りや設備

金額だけを見て優先順位の高い間取りや設備を削ることも、後悔する可能性が高いためおすすめできません。

仮に優先順位の高いオプションを一つ削って予算内に収めるより、優先順位が低いオプションを複数削ったほうが満足度が高くなるケースもあります。

叶えたい理想のライフスタイル、今の家で不満に感じていることなど、優先順位が高いことはなるべく削らないようにしましょう。

収納量

注文住宅全体の収納量も、単純に削ってコストダウンすると後悔しやすいポイントです。

収納量が不足すると物があふれて暮らしにくくなり、生活感が見えて残念な印象になってしまいます。

収納が多すぎるとムダになりますが、少なすぎると大きな後悔につながる恐れがあります。

こちらのコラムで注文住宅の適切な収納量や間取りアイデアについて詳しく解説しています。

 

耐久性

注文住宅の寿命やメンテナンス費用に影響する耐久性も、安易に削るべきではないポイントの1つです。

例えば、単純に価格が安い外壁材や屋根材でコストダウンすると、塗装サイクルが短くなり、メンテナンス費用が増加してしまいます。

また、寿命が短い外壁材や屋根材を使うと、30~40年後に大規模な張り替えリフォームが必要になり、多額の費用がかかることも。

耐久性については初期費用だけでなく、数十年暮らすことを想定してコストパフォーマンスが高いものを選びましょう。

 

外壁タイルの注文住宅のメンテナンス表

例えば、クレバリーホームの外壁タイルと陶器瓦の家は、塗装など大規模なメンテナンスが不要でランニングコストを大きく抑えることができます。

▼クレバリーホームの外壁タイルについて詳しく見る

 

注文住宅の予算オーバーを防ぐコツ

注文住宅の予算オーバーを防止

予算オーバーしてしまっても後から削ることはできますが、できれば事前に対策して予防するのがおすすめです。

一度考えた見積もりを削るのは悲しいですし、「やっぱりつけておけば良かった…」と後悔する可能性もあります。

「予算オーバーしたら削れば良いや」と軽く考えずに、予算内で理想のマイホームを建てる方針で取り組んでみてください。

要望に優先順位を付ける

注文住宅の予算オーバーを防ぐためには、まず家族で話し合い要望に優先順位を付けておくことが大切です。

どんな場所でどのようなライフスタイルを送りたいのかイメージし、優先順位を付けておくことで、予算内で満足度の高い注文住宅を建てやすくなります。

なるべく具体的に要望をリストアップして、1つずつ優先順位を付けておきましょう。

相場を把握する

予算オーバーを防ぐために、注文住宅の相場を把握しておくことも大切です。

そもそもの相場を把握しておかないと、正確な資金計画を建てられず、予算オーバーする原因になります。

実際の費用は注文住宅を建てるエリアや住宅会社によっても変わりますが、まずは平均的な相場をチェックしておきましょう。

こちらのコラムで注文住宅の相場や価格帯ごとの間取り実例を紹介していますので、参考にしてみてください。

 

早めに予算を考える

ある程度の相場を把握したら、収入・支出から予算上限と無理のない資金計画を考えることも予算オーバーを防ぐポイントです。

なるべく早めに正確な予算を把握して住宅会社に伝えることで、予算内で理想の注文住宅を実現できる可能性が高くなります。

いきなりお金の話をするのは抵抗があるかもしれませんが、早めに予算を共有することでスムーズに家づくりを進めることができます。

こちらのコラムで年収から注文住宅の予算を考える方法について解説しています。

 

補助金を活用する

プランづくりの段階で、利用できる補助金制度を把握しておくことも、予算オーバーを防ぐコツの1つです。

ZEHや長期優良住宅など一定の基準を満たす注文住宅を建てることで、国や自治体の補助金を活用して費用負担を抑えることができます。

プランをつくった後だと、補助金の要件を満たすために大規模な変更が必要になるため、どのような制度があるのか把握してから家づくりを進めるのがおすすめです。

こちらのコラムで注文住宅の補助金・助成金情報をまとめていますので、参考にしてみてください。

 

まとめ

注文住宅の予算オーバーはなるべく予防し、コストダウンする場合は後悔しにくいポイントを上手に削るようにしましょう。

安易に予算を削ると後悔するポイントもあるため、クオリティを落とさずにコストダウンする方法を取り入れてください。

クレバリーホームは全国のモデルハウスで、注文住宅の資金計画・予算についてご相談を受け付けています。

実際の間取りや設備を見ながら相場観を養えますので、ぜひお気軽にご活用ください。

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