付帯工事とは? 相場やもっと安くする方法なども解説


家づくりのお金であまり知られていないのが「建物本体の工事費(本体工事費)以外にもお金がたくさんかかる」こと。水道管やガス管を道路から引き込んだり(→付帯工事費)、銀行からお金を借りたり(→諸費用)するにも資金が必要なのです。今回は「付帯工事費」について押さえましょう。

注文住宅を購入するメリット・デメリット、価格相場についてはこちらで紹介しているので参考にしてみてください。
→ 注文住宅とは?相場やメリット・デメリットをわかりやすく解説します

付帯工事とは?建設業法で定義されている工事

建設業法では、許可のない工事はしてはならないことが定められています。しかし、定められている建物工事以外の工事を一緒にやらなければならないケースも多々あります。そうした工事を付帯工事と呼ぶのです。

建設業法では、付帯工事は「主たる建設工事を施工するために必要な他の従たる建設工事」「主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事」と定義されています。

具体的な例として、付帯工事は「屋外給排水工事」「造成・整地工事」「屋外電気工事」「屋外ガス工事」など があります。これらの工事を行うためには、本体工事費とは別に、付帯工事費という費用が発生します。

付帯工事費とは?費用相場も解説

家づくり総費用=「建物本体工事費」+「付帯工事費」+「諸費用」

雑誌やインターネットで調べたり、ハウスメーカーの人から話を聞いたりすると「建物の費用は大体○○○○万円位」という情報が入ってきます。
でもそういった金額はたいていの場合「本体工事費」のみ。
それ以外にもたくさんのお金がかかるのですが、それが反映されていないことがほとんどなのです。

下の、家づくり総費用のイメージ図を見てください。
費用の割合 棒グラフ

本体工事費の他にも、「付帯工事費」「諸費用」があるのがわかりますね。

まず「付帯工事費」とは、建物に付帯(関連)した費用、というほどの意味。
例えば、建物を建てる土地が弱い地盤であれば地盤改良費がかかります。
また、家だけあっても、水が出なかったり電気がつながっていなかったりすると暮らせませんから、電気・ガス・水道などのライフラインを自宅に引き込むための整備費がかかります。
こうした費用を、建物に付帯した費用なので「付帯工事費」といいます。

では「諸費用」とは何か。簡単に言うと、工事以外でかかる費用です。
例えばご存じない人も多いですが住宅ローンを借りる時、手数料が必要です。→住宅ローンの「手数料」は意外と高額! 知っておきたい目安金額
建て替えをする方なら自宅の取り壊し費用、新居に住み始めるまでの仮住まいと引っ越し費用もかかります。
これらが「諸費用」と呼ばれるもので、基本的には「諸費用」は工事費ではないため住宅ローンで借りることができません。自己資金として用意しておく必要があります。
諸費用とは?|知っておきたい「本体工事費」以外に必要な費用②

一般的には「付帯工事費」が総費用の約20%、「諸費用」が約10%、合計で総予算の約30%を占めると言われています。
次からは「付帯工事費」「諸費用」について詳しく見ていきましょう。

「付帯工事費」とは?

「付帯工事費」とは建物本体以外の全ての工事にかかる費用のこと。
先ほども例にした通り、既存建物の解体工事、地盤改良工事、電気・ガス・水道の引き込み工事、外構工事などが該当します。

「付帯工事費」の中でも、特に注目しておきたいのが「地盤改良工事費」です。
地盤には、住宅が安定して建ち続けるだけの固さが必要です。
地盤の強度が不足していると建物が傾いてしまうため、地盤補強が必要です。
補強には杭を打ち込んだり、セメントなどで地面を固めますが、その種類や、改良する深さによっても費は異なります。
しかし、一般的には百万円単位の予算が必要です。→地盤改良の方法とは? 費用はどれくらいかかる?
そのため土地から購入するなら、その土地は地盤改良が必要か、改良が必要ならどの程度の工事になるかを把握しておくのが理想的です。
土地自体の値段がいくら安くても地盤改良に多くの費用がかかってしまうと「かえって高かった」ということになりかねません。

また、忘れられがちなのが「外構・造園工事費」


これは、駐車場や庭、門扉、アプローチ、塀などに関係する費用で、これも「付帯工事費」に含まれます。
家づくりでは建物の外観まではイメージしていても、外構は後で検討する、という方が非常に多いです。
工事自体が最終段階で始まるので、打ち合わせ自体が、なんとなく後でいいや…となりがちなのです。
でも、実は外構も間違いなく「家」の一部。
一緒に考えないと理想的な家にはなりません
例えば外構がオープンかクローズかでも大きく費用が変わりますし、カーポートはそれだけでも10万円以上の費用がかることもあるのです。

そのような付帯工事にかける予算をあらかじめ決めておき、何にどれくらいの予算をかけたいか自分で目星をつけることが大切です。自分の理想の家を最初にイメージすることで、実は予算的に厳しいことに気づくこともあるでしょう。どこの工事費用を削るのか、さらにどの程度なら実現できそうかなどを考えておくことはとても重要です。この工程を怠ると工事が進んでいくうちに、予算が足りずに理想の家を建てることが難しくなる可能性があります。はじめから理想とする家のイメージをしっかり持って、検討事項に加えておきましょう。

次は実際の付帯工事の内訳です。

「付帯工事費」の内訳

以下は、付帯工事の費用例です。付帯工事費

一般的な住宅での目安金額が百万円を超すものについては「☆特に高額」と示しています。

◆古屋の解体工事 ☆特に高額

建て替えの場合、古い家屋を解体して廃材を撤去する工事

◆屋外給排水工事

道路から敷地の中まで給排水感を引き込み、建物との接続まで行う工事

◆造成・整地工事 ☆特に高額(になる場合も)

土地を整地したり、高低差のある場所に擁壁を作ったりする工事

◆屋外電気工事

敷地の外から敷地まで電気配線を引き込む工事

◆地盤改良工事 ☆特に高額

軟弱な地盤を固く改良するために、杭などを打ち込んで安定させる工事

◆屋外ガス工事

道路から敷地の中までガス管を引き込み、建物との接続まで行う工事

◆仮設工事

工事のための足場を組んだり、現場の電気・水道を引き込む工事

◆外構・造園工事 ☆特に高額(になる場合も)

駐車場をはじめ、庭や門扉、アプローチ、堀などを作る工事

付帯工事費を安くするには?

付帯工事費にはガスや水道、電気などのインフラをととのえるための工事から解体工事など、多くの費用がかかる工事の費用が含まれています。建築工事費にも多くの費用がかかるので、できれば費用を抑えたいのが付帯工事費でしょう。

そこで、付帯工事費を安くするためのポイントを2つ紹介します。

1つ目は、複数のハウスメーカーなどに相見積もりをとることです。複数のハウスメーカーから見積もりをとることで、会社ごとの価格の違いがわかります。1社だけでは相場の理解が難しいので、複数のハウスメーカーに見積もりをとってみましょう。見積もりの中には建築工事費、付帯工事費、諸費用など多くの費用が細かく書かれています。付帯工事費の安さだけではなく、全体のバランスを見て、工事をどこに依頼するか決めるのがいいでしょう。

2つ目は、庭の整備や家具や 家電の撤去など、自分でできることは自分で行うことです。自分で行えば、付帯工事の内容を減らすことができて、費用も安くなるかもしれません。

 

付帯工事費と相場を理解しよう

「本体工事費」以外にも「付帯工事費」や「諸費用」など、家を建てるのにはさまざまな費用がかかることがお分りいただけたと思います。
なお、諸費用についてはこちらで説明しています。→諸費用とは?|知っておきたい「本体工事費」以外に必要な費用②

イメージ通りの住まいを建てるには「建物だけ」ではなく、それ以外のどこに、どれくらい費用がかかるかを想定し、予算オーバーを防止しましょう。
できれば家を検討する段階で、こうした全体像を掴んでおけると最高です。
クレバリーホームでは、経験豊富なスタッフが家づくり、そこでの生活全体を考えて、それぞれの家庭にぴったりの資金計画もご提案しています。
家のこと、お金のこと、ぜひお気軽にご相談くださいね!

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