注文住宅のスケジュールと期間|着工から引き渡しまでの流れや支払いのタイミングを解説
注文住宅づくりではさまざまな工程があり1年前後の期間がかかるため、全体のスケジュールを把握してスムーズに進めることが大切です。
そこで今回は、注文住宅づくりにかかる期間、全体の流れやスケジュールを立てるときの基本的な考え方を詳しく解説します。
理想の注文住宅を建てるためのスケジュールづくりに必要な基礎知識を網羅しますので、ぜひ参考にしてください。
注文住宅の引き渡しまでにかかる期間は?
注文住宅づくりにかかる期間は人によって異なりますが、大まかな目安が分からないと計画を立てることができません。
スケジュールが明確でないと家づくりに余計な時間がかかってしまいますし、引っ越しの予定も立てられません。
まずは、注文住宅の検討準備から着工までにかかる期間、引き渡しが完了するまでの期間の目安をチェックしておきましょう。
準備から着工までにかかる期間 6~11ヶ月
情報収集やモデルハウス見学などの準備、土地探しや間取りづくりをしてハウスメーカーと契約を結び、着工までにかかる平均的な期間の目安は6~11ヶ月前後です。
着工までの工程は人によって進み方が異なり、実際にかかる期間にも幅があります。
引越しのタイミングを考えるとなるべく早く進めたい気持ちもありますが、焦って土地探しや間取りづくりに妥協すると、後悔してしまうリスクも。
次の章でスケジュールの各工程を1つずつ解説しますので、焦らずしっかり理想の注文住宅づくりに取り組みましょう。
※あくまでも目安のスケジュールになります。スケジュールは状況により異なりますので詳しくは店舗に確認しましょう。
着工から引き渡しまでの期間 4~6か月
土地や建物の契約が完了し、着工から引き渡しまでにかかる平均的な期間の目安は4~6か月前後です。
すでに間取りや設備、デザインなどの仕様は決定しているため、着工から引き渡しまでの期間には大きな幅はありません。
しかし、延床面積や土地の状況、建てるハウスメーカーや工務店などさまざまな要素で工事期間は変動します。
また、着工後も地鎮祭や上棟式、施工中の確認や竣工検査など立ち会いが必要なタイミングもあるため、スケジュールを把握しておくことが大切です。
注文住宅検討開始から引き渡しまでの期間 10~15か月
前述した期間を合計すると、注文住宅の検討を始めてから引き渡しまでにかかる平均的な期間の目安は10~15か月となります。
ただし、実際に注文住宅づくりにかかる期間はさまざまな要素で変動し、スケジュールを把握してスムーズに進めることが大切です。
どんな工程があるのか把握し、ゴールを決めて逆算しながらスケジュールを組むことで、スムーズに注文住宅づくりを進めることができます。
次の章から、注文住宅づくりのスケジュールを1つずつ確認していきましょう。
注文住宅づくりのスケジュールと期間
ここからは、注文住宅づくり全体の流れとスケジュール、各工程の平均的な期間を確認していきましょう。
分かりやすい順番で解説しますが、工程が前後したり同時進行したりすることもありますので、参考として覚えておいてください。
①要望の整理
まずは、ご家族で話し合い、どんな注文住宅をいつ頃までに建てたいのか要望を整理しましょう。
住みたい場所、叶えたいライフスタイル、今の住まいに対する不満や改善したいことなど、思いつくことをリストアップするのがおすすめです。
最初に要望を整理しておくと、この後の工程をスムーズに進めることができます。
②情報収集
ある程度要望が固まったら、次にハウスメーカーや工務店について情報収集しましょう。
住宅会社によって、得意なデザインや間取り、構造や性能などは異なるため、要望を叶えられるハウスメーカーや工務店を見つけることが大切です。
気になるハウスメーカーや工務店を見つけたら、まずは資料請求してどんな注文住宅を建てられるのかチェックしてみましょう。
また、住宅展示場などを訪れていろいろなモデルハウスを見学するのも、効果的な情報収集の手段です。
モデルハウスを見学する前に聞きたいことをまとめておくと、より多くの情報を得られるのでおすすめです。
モデルハウス見学で多くの情報を得るコツや準備について、こちらのコラムで詳しく解説しています。
③予算の検討 【ここまでで1~3か月前後】
情報収集と同時進行で、注文住宅にかけられる予算の検討も進めておきましょう。
注文住宅は建物の広さや仕様、ハウスメーカーや工務店によって変動するため、大まかな予算を把握しておくことが大切です。
まずは、世帯年収から無理なく返済できる住宅ローンの借入額を計算するのがおすすめです。
「年収倍率」「返済負担率」などの指標を目安に、住宅ローンを借りられる上限ではなく、余裕のある予算を計算してみましょう。
こちらのコラムで、年収から注文住宅の予算を考える方法について解説しています。
④ハウスメーカー探し
予算が明確になったら、その範囲内で要望の注文住宅を建てられるハウスメーカーを探しましょう。
金額だけ見てハウスメーカーや工務店を比較するのではなく、デザインや得意な間取り、耐震性、断熱性、メンテナンス性などのバランスをチェックすることが大切です。
注文住宅づくりでは複数の住宅会社にプラン作成を依頼する相見積もりが一般的ですが、2~3社がおすすめです。
注文住宅の見積もりについてこちらのコラムで詳しく解説しています。
⑤土地探し 【ここまでで2~6か月前後】
見積もりを依頼するハウスメーカーや工務店が決まったら、注文住宅を建てる土地を探しましょう。
土地探しを先行する考え方もありますが、間取りや予算などさまざまな要素との兼ね合いがあるため、できれば相談するハウスメーカーを決めてから並行するのがおすすめです。
土地選びと建物のプランづくりを並行すると予算オーバーを防ぎやすく、より理想の注文住宅を建てられる可能性が高くなります。
こちらのコラムで注文住宅の土地探しについて詳しく解説しています。
⑥間取りプラン/見積もり作成
候補の土地が見つかったら、ハウスメーカーや工務店と間取りプランをつくり見積もりを作成してもらいましょう。
間取りプランや見積もりは契約前なら変更できますが、なるべくこの段階で大きな変更が無いように煮詰めておくのがおすすめです。
ここまで準備してきた要望や予算などの情報をしっかり伝えて、理想の暮らしを実現できる間取りプランと見積もりをつくってもらいましょう。
こちらのコラムで注文住宅の間取りの決め方、暮らしやすいアイデアや成功例を紹介していますので、あわせてご覧ください。
⑦住宅ローン仮審査
候補の土地と注文住宅の見積もりがそろったら、住宅ローンの仮審査を申し込みましょう。
予算の目安が付いた時点で仮審査をしておくことで、希望の金額を借入できるのか分かるためその後のスケジュールをスムーズに進めることができます。
⑧工事請負契約を締結 【ここまでで3~7か月前後】
間取りプランと見積もりが確定したら、ハウスメーカーと工事請負契約を結びます。
この時点でどんな注文住宅が建つのか確定するため、要望が盛り込まれているかしっかり確認しましょう。
分からないことや追加費用の有無、支払いタイミングなど、契約前に確認しておくべきポイントもあります。
また、注文住宅の契約時に手付金を支払うことが多いため、事前にどれくらいの金額がいつ必要になるのか確認しておきましょう。
注文住宅の手付金の相場や支払いタイミングについては、こちらのコラムでご確認ください。
⑨住宅ローン本審査 1~2週間
工事請負契約を結んだら、金融機関に住宅ローンの本審査を申し込みます。
本審査は工事請負契約書や本人確認書類など、必要な物があるため事前に確認して用意しておきましょう。
住宅ローンの本審査にかかる期間は1~2週間が一般的ですが、金融機関やタイミングによって変わるため事前に確認しておき来ましょう。
⑩建築プランの詳細決定 【ここまでで6~11か月前後】
本審査が通ったら、内装や外装のカラー、キッチンやユニットバスなどの設備といった詳細を決定します。
建材のサンプルを見たり、モデルハウスで実物に触れたりしながら、1つずつ決めていきましょう。
⑪着工
プランの詳細や工事スケジュールが決まったらいよいよ着工です。
地鎮祭や上棟式など、お施主様の立ち会いが必要になる工程もあるため、着工前にスケジュールをしっかり確認しておきましょう。
また、着工金や中間金など、引き渡し前に支払いが発生することもあるため、事前確認が必要です。
⑫竣工~引き渡し 【ここまでで10~15か月前後】
建物が竣工したら、住宅会社とお施主様立ち会いのもとで完了検査を行い、問題なければ引き渡しとなります。
設備の初期不良やフローリングのキズなどがあった場合、引き渡し前に住宅会社に伝えて修正してもらいましょう。
引き渡し時に住宅ローンの融資が実行されて残金の支払いが完了し、確認後に鍵や書類を受け取ってすべてのスケジュールが完了します。
こちらのコラムでも注文住宅づくりの流れや段取りについて解説していますので、参考にしてみてください。
注文住宅の支払いタイミング
注文住宅は支払いが複数回に分かれるのが一般的で、現金が必要になるケースもあります。
支払いタイミングを把握してスケジュールに組み込み、事前に準備することが大切です。
タイミング | 支払いが必要になる費用の例 |
---|---|
土地を購入するとき | 手付金・印紙税・仲介手数料土地の購入代金など |
工事請負契約を結ぶとき | 手付金・印紙税など |
住宅ローンを組むとき | 印紙税・事務手数料・保証料・登記費用など |
着工~工事中 | 着手金・中間金・上棟式・地鎮祭費用など |
引き渡し~入居 | 住宅ローンの頭金・引っ越し費用・家具/家電購入費用など |
注文住宅の土地は、購入するタイミングや金融機関によって、費用を住宅ローンに組み込めるかどうか変わります。
また、土地や建物の契約時に必要な手付金や印紙税などの諸費用は、住宅ローンに組み込めず現金が必要になることも多いため要注意。
着工時の着手金や中間金は、住宅会社によって支払いのタイミングや金額が変わるため、事前の確認が不可欠です。
上棟式や地鎮祭、引っ越しや家具/家電の購入など、見積もりに記載されない費用の支払いも発生するため、金額やタイミングをしっかり把握しておきましょう。
注文住宅づくりで発生する現金の支払いについては、こちらのコラムでも詳しく解説しています。
注文住宅のスケジュールを短縮するコツ
実際に注文住宅のスケジュールを立てるときは、スムーズかつ無理のない計画を考えることが大切です。
次のポイントに注目して、スケジュールを立ててみましょう。
ゴールを決めて逆算する
注文住宅のスケジュールづくりでは、ゴールとなる入居希望日を決めて、いつまでに何をするべきなのか逆算していくことが大切です。
入居日が決まらないままスケジュールを立てても、スケジュールが延びてしまい計画通りに進まない可能性が高いです。
特に、今のお住まいの契約更新など入居したい時期が決まっている場合は、ゴールを明確にして確実にこなせるスケジュールを組まなければいけません。
まずはご家族で話し合い、いつまでに引っ越したいのか目標を決めてハウスメーカーに相談し、実現可能なのかどうかを含めてスケジュールを立てていきましょう。
なるべく早めに相談する
注文住宅づくりではある程度事前準備も必要ですが、スケジュールについてなるべく早めにハウスメーカーに相談してプロのアドバイスも参考にしましょう。
大まかな要望や予算、入居希望日が決まっていれば、ハウスメーカーに相談して注文住宅づくりの方向性やスケジュールの大枠などをアドバイスしてもらえます。
また、ご家族での話合いがうまく進まない場合は、早めにプロに相談した方が良いアイデアをもらえるかもしれません。
モデルハウスや見学会などのイベントでは、住まいづくりのプロにスケジュール以外のことも相談できます。
クレバリーホームも全国のモデルハウスやイベントでご相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にお声がけください。
打合せできる日数を考える
具体的にスケジュールを立てるときは、お仕事やお子さまのイベントなども踏まえて、打ち合わせできる曜日や日数についても考えましょう。
十分余裕を設けてスケジュールを立てたつもりでも、お仕事や用事で家づくりについて考えるのが難しかったり、打ち合わせできなかったりする可能性もあります。
お休みの日でも、ご家族での旅行やお子さまの学校のイベント参加など、家づくりを進めるのが難しい日はありますよね。
注文住宅の打ち合わせ回数には決まりがなく、期間の短縮だけを重視すると見逃しや妥協により後悔する可能性も考えられます。
こちらのコラムで注文住宅の打ち合わせの進め方について解説していますので、参考にしてみてください。
早めに住宅ローンの審査を申し込む
注文住宅のスケジュールを短縮するためには、なるべく早めに住宅ローンの仮審査を申し込んでおくことも大切なポイントです。
予算があいまいなまま注文住宅のプランを考えても、住宅ローンの審査が通らないとつくり直しになり時間のロスが発生します。
仮審査は無料でいつでも申し込めるため、年収から無理のない返済額を考えておきましょう。
こちらのコラムで、住宅ローンの基礎知識を分かりやすくまとめています。
いつまでに何を決めるのか、用意すべき物を確認
具体的なスケジュールを立てたら、カレンダーなどを活用して、いつまでに何を決めるのか、何を用意する必要があるのか日程を確認しましょう。
例えば、住宅ローンの審査ではいくつかの書類が必要になるため、事前に用意しておく必要があります。また、金利のタイプや返済期間など、具体的な資金計画も決めておかなければいけません。
間取り、内装や外観のデザイン、設備など、注文住宅のプランも何をいつまでに決めなければいけないのか明確にしないと、スケジュールが遅れる可能性が高くなります。
なるべく早めに決めること、用意する物を確認し、カレンダーでスケジュールを管理しましょう。
こちらのコラムで、注文住宅の決めることリストを紹介しています。
セミオーダー住宅や規格住宅も検討
注文住宅の検討期間が短いセミオーダー住宅や規格住宅を検討するのも、スケジュールを短縮する手段の1つです。
セミオーダー住宅や規格住宅は、あらかじめ用意されたプランからライフスタイルに合うものを選ぶため、フルオーダーの注文住宅より検討期間を短縮できます。
規格化によってコストパフォーマンスが高いなどさまざまなメリットもありますので、注文住宅の選択肢の1つとして検討してみてください。
セミオーダー住宅や規格住宅については、こちらのコラムで詳しく解説しています。
まとめ
スムーズに理想の注文住宅を建てるためには、全体の流れやスケジュールを把握してから取り組むことが大切です。
いつまでに何をすべきか、支払いや立ち会いのタイミングがいつなのかなど、注文住宅が完成するまでの工程を知り、無理のないスケジュールを組みましょう。
正確なスケジュールを立てるには、住まいづくりのプロのアドバイスも必要です。
クレバリーホームは全国のモデルハウスで、注文住宅づくりに関するさまざまなご相談にお答えしています。
スケジュールのことはもちろん、費用や間取りなどどんなことでもお気軽にご相談ください。