注文住宅の段取りと流れ|住宅ローンの組み方や支払いタイミングも
初めてのマイホームづくりでは、いつから・何から取り組んで良いのか迷う方が多いです。
そこで今回は、注文住宅の段取りを5つのステップに分けて、一連の流れとやるべきことを詳しく解説します。
注文住宅を建てるまでにかかる期間、費用の支払いタイミングや住宅ローンの組み方など、初めてのマイホームづくりでつまづきやすいポイントも網羅します。
注文住宅を建てるまでの段取りと流れ
実際に注文住宅を建てるときの段取りと流れは、大きく分けると次の5つのステップになります。
多少順番は前後しても問題ありませんが、この段取りで進めるとスムーズに理想の注文住宅を建てやすくなります。
それぞれのステップでやるべきことや流れを1つずつチェックしていきましょう。
ステップ1:準備
まずは、注文住宅の計画を立てるために必要な準備の段取りをチェックしましょう。
- 要望の整理
- 情報収集
- 予算の検討
上記の3つのポイントについて事前に準備することで、理想の注文住宅計画を立てやすくなります。
要望の整理
マイホームを建てたいと思ったら、まずはご家族で要望を出し合って整理することから始めましょう。
早い段階で要望を明確にすることで、この後の予算検討やハウスメーカー探しの段取りを効率よく進めやすくなります。
今のお住まいに対する不満や新しいマイホームで叶えたいライフスタイル、「可愛い家に住みたい」「明るい玄関にしたい」など、大まかなイメージでもOKです。
あまり難しく考えずに、日常生活の中で思いつくことなどもこまめにメモを取ってリストアップしてみてください。
情報収集
次に注文住宅に関する情報収集をして、この後の段取りに備えましょう。
※注文住宅の情報収集方法
- インターネットで気になる情報を検索
- SNSでおしゃれな施工事例をチェック
- ハウスメーカー・工務店に資料請求する
- モデルハウス見学や完成見学会を活用する
- セミナー・相談会に参加する
注文住宅の情報収集は上記のようにさまざまな方法がありますので、一つに限定せずいろいろ試してみるのがおすすめです。
最初はインターネットやSNSで広く情報を集め、気になった会社に資料請求するのが良いでしょう。
モデルハウス見学や完成見学会も家づくりのヒントをたくさん得られるので、どんどん参加してみてください。
予算の検討
ある程度情報を集めると、建てたい注文住宅のイメージと費用相場が分かるので、大まかな予算の目安を検討します。
- 理想の注文住宅を建てるのにいくらぐらいかかるのか
- ムリのない住宅ローン返済額はいくらまでか
予算の考え方は、大きく分けると上記の2つの軸があります。
理想の注文住宅の費用相場とムリのない住宅ローン返済額、両方のバランスを上手に取ることが大切です。
具体的な予算の検討方法はこちらのコラムで詳しく解説しています。
ステップ2:ハウスメーカー・土地探し
注文住宅に対する要望や予算が明確になったら、ハウスメーカーと土地の候補を探して見積もりを依頼します。
ハウスメーカー探し
ステップ1で準備した要望や予算に合わせて、理想の注文住宅を建てられるハウスメーカーや工務店を探しましょう。
資料請求やモデルハウス見学したハウスメーカーの中から、まずは予算の範囲内で建てられる会社をリストアップします。
その中からデザイン・性能・得意とする間取りなど、ハウスメーカーごとの特徴を比較検討して候補を絞り込みましょう。
候補が数社に絞り込めたら、具体的に話を聞いてみて実際に見積もりを依頼するハウスメーカーを決定します。
土地探し
これから土地を購入される方は、この段階で物件探しに取り組むのがおすすめです。
どのような注文住宅を建てるのか明確になってから土地を探すことで、失敗や予算オーバーなどを防ぎやすくなります。
ハウスメーカーと土地探しをすると、さらに効率よく取り組めるのでおすすめです。
ステップ3:間取りプラン・ハウスメーカー決定
ハウスメーカーと土地の候補が見つかったら、注文住宅のプランを具体的に作り込んでいきましょう。
間取りプラン/見積もり作成
ハウスメーカーの候補と土地の2つがそろったら、具体的な間取りプランと見積もり作成を依頼します。
建てたいハウスメーカーが決まっている場合は1社に依頼しますが、2~3社に相談して相見積もりを取る方が多いです。
見積もりの項目や内容はハウスメーカーによって異なるため、相見積もりを取る場合はよく比較検討しましょう。
単純な価格だけでなく、提案内容や住宅性能など総合的に判断してみてください。
住宅ローン仮審査
間取りプランと見積もりが出たら、住宅ローンの仮審査を申し込みます。
事前に仮審査しておかないと、間取りプランが決まっても住宅ローンが通らず実際に建てられない可能性があります。
金融機関によって申し込み条件や金利が違うため、いくつか仮審査を申し込んでみるのがおすすめです。
ステップ4:契約
間取りプランと見積もり金額が決定したら、注文住宅を建てるハウスメーカーや住宅ローンを組む金融機関と契約を結びます。
ハウスメーカーと工事請負契約を結ぶ
見積もりを比較して一社に絞り、住宅ローンの仮審査も通ったら工事請負契約(本契約)を結びます。
本契約を結んだあとはキャンセル料が発生するため、金額や内容をしっかり確認しておきましょう。
また本契約後の大きなプラン変更で追加費用がかからないように、見積もり内容をしっかり詰めておくことも大切です。
疑問や不安があれば必ず担当者に質問し、解消してから本契約を結んでください。
住宅ローン本審査
工事請負契約をして建築許可が下りたら、仮審査していた金融機関に住宅ローンの本審査を申し込みます。
本審査は数週間かかることも多いため、なるべく早めに着手しましょう。
建築プランの詳細決定
住宅ローンの契約が完了したら、内外装のカラーや設備仕様など建築プランの詳細を決めていきます。
注文住宅の仕上がりを決める大切なステップですので、理想のイメージを確認しながら一つずつ形にしていきましょう。
ステップ5:着工~引き渡し
最後に、注文住宅着工から引き渡しまでの期間中にやるべきことや流れを確認しておきましょう。
着工
ここまでの準備が完了したら、いよいよマイホームの着工です。
地鎮祭や上棟式をしたり、近隣の方へあいさつ回りしたり、着工前に必要な準備も確認してください。
着工後は事前に決定した間取りプラン通りに工事が進みますので、定期的に進捗状況をチェックしましょう。
竣工~引き渡し
建物が竣工して自治体の完了検査を受けたら、ハウスメーカーとお施主様立会いのもと引き渡しを行います。
引き渡し時は設備の不具合や内装のキズなどを確認し、気になる部分があれば修正してもらう必要があります。
見逃してしまい引き渡し後に報告すると、追加費用が発生する可能性があるのでしっかり確認しましょう。
建物に問題がなければ住宅ローンが実行され、登記・鍵や保証書の受け渡し後に引き渡し完了となります。
注文住宅を建てるのにかかる期間
注文住宅を建てるのにかかる期間は人それぞれですが、一般的にはトータルで10~15か月が目安になります。
先ほどご紹介した各ステップごとの期間の内訳をまとめました。
ステップ1:準備 | 1~3ヶ月 |
---|---|
ステップ2:ハウスメーカー・土地探し | 2~6か月 |
ステップ3:間取りプラン・ハウスメーカー決定 | 3~8か月 |
ステップ4:契約 | 6~11ヶ月 |
ステップ5:着工~引き渡し | 10~15か月 |
期間の目安に開きがあるのは、人によって打ち合わせや土地探しなどにかかる時間が違うためです。
理想の間取りや希望条件に合う土地がすんなり見つかれば、短い期間で注文住宅を建てられることもあります。
逆に、土地探しや打ち合わせが難航すると、目安より多く時間がかかるケースも考えられます。
転勤やお子さまの進学、賃貸物件の契約更新などに合わせて引っ越しを計画する場合は、ゴールから逆算して各ステップのスケジュールを立てましょう。
こちらのコラムで注文住宅のスケジュールの立て方についてさらに詳しく解説しています。
注文住宅費用の種類と支払いのタイミング
注文住宅を建てるためにかかる費用は次のように複数の種類があり、支払いのタイミングも複数回に分かれるのが一般的です。
費用の種類 | 概要 |
---|---|
本体工事費 | 建物本体の材料と工事費 |
付帯工事費 | 建物本体以外にかかる工事費 |
諸費用 | 工事以外にかかる費用 |
土地購入費用 | 土地の販売価格と購入の諸費用 |
いつ、どれくらいの支払いが発生するのか把握していないと、いきなり現金が必要になり慌てて用意することになります。
注文住宅づくりの流れの中で、費用の支払いが発生するタイミングをチェックしていきましょう。
①土地の売買契約時:土地の手付金
注文住宅より先に土地を購入する場合、契約時に手付金や申込金が必要になります。
また住宅ローンが実行されるのは建物の引き渡し時になるため、土地購入費用を現金で支払うか、土地先行融資・つなぎ融資などを利用することになります。
つなぎ融資についてはこちらのコラムもご覧ください。
②建物の工事請負契約時:建物の手付金
注文住宅のプランが決定し建物の本契約を結ぶ際は、建築費用の5~10%の申込金、または手付金を支払うケースが多いです。
またハウスメーカーによっては、仮契約の際も申込金が必要になることも。
申込金や手付金は、建築費用の一部に充てられるのが一般的です。
③着工時:着手金
建物の着工時は、建築費用の30%前後の着工金を支払うケースが多いです。
④工事中:中間金
工事の進み具合に応じて、建築費用の30~40%前後の中間金を設定しているハウスメーカーが多いです。
⑤竣工時:工事の残金
注文住宅が竣工して引き渡す当日、残代金として残りの費用を支払います。
住宅ローンが実行されるのは引き渡し当日になるので、ここまでの費用は現金で支払うか、前述したつなぎ融資を利用することが多いです。
こちらのコラムで、注文住宅立てる際に必要になる現金の目安について紹介しています。
注文住宅の住宅ローンの組み方と流れ
初めて注文住宅を建てる際は、住宅ローンの審査や契約などの段取りに不安を覚える方も多いです。
先ほどの全体の流れでもご紹介しましたが、住宅ローンの段取りについて詳しく解説します。
仮審査(事前審査)
住宅ローンを組むためには、まず仮審査で融資できるかどうかを事前に確認する必要があります。
仮審査では建築プランや見積もり金額が確定している必要はないため、大まかな予算が分かれば早い段階で申し込み可能です。
仮審査のタイミングに決まりはないため、なるべく早めに申し込んで借入可能な金額を明確にすると予算計画を立てやすくなります。
また、仮審査に費用はかからないため、複数の金融機関に申し込んで金利や条件を比較することもできます。
本審査(正式審査)~契約
間取りプランと見積もり金額が確定したら、住宅ローンの正式な手続きとなる本審査を申し込みます。
本審査は仮審査より必要な書類が増え、チェックされる項目も多くなるため、あらかじめ準備しておきましょう。
ハウスメーカーと工事請負契約を結んだ直後に本審査を申し込むのが一般的です。
本審査が通過したら金融機関と住宅ローンの契約を結び、注文住宅の着工に進みます。
融資実行
住宅ローンの融資が実行されるのは、注文住宅が完成して引き渡すタイミングになります。
前述した土地の購入費用や諸費用の支払いについては、住宅ローンとは別のつなぎ融資を利用するのが一般的です。
住宅ローンの段取りや必要書類などについて、こちらのコラムでも詳しく解説しています。
注文住宅スケジュールの注意点
ゴールを決めて逆算する
注文住宅のスケジュールを立てるときは、まずゴールである入居希望日を決め、逆算して各ステップの期日を計算していくことが大切です。
ゴールがあいまいなまま取り組むと、余計な時間がかかったり、急に手続きの期限が来て慌てたりすることが多いです。
前述した全体の流れと期間の目安を把握し、ゴールを決めてムリのないスケジュールを立てましょう。
必要書類を早めに手配
全体のスケジュールが見えたら、各ステップで必要になる書類を早めに手配しましょう。
※注文住宅の必要書類例
- 源泉徴収票・確定申告書
- 住民票
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
源泉徴収票や確定申告書など収入が分かる書類は、住宅ローンの審査などで必要になります。
住民票や印鑑証明書は自治体によってはコンビニなどでも取得できますが、事前登録が必要です。
土日や夜間窓口が無いとなかなか用意できないこともあるので、早めに取得しておきましょう。
他にも必要書類がないか、いつまでに用意すれば良いのか確認してください。
諸費用の額と支払タイミングを把握
前述した手付金や着工金などのほかに、現金が必要になる諸費用もあるので事前にしっかり把握しておきましょう。
※注文住宅諸費用の例
- 土地購入の仲介手数料
- 登記費用
- 地鎮祭・上棟式費用
- 測量・地盤調査
- 住宅ローン手数料
- 建築確認申請費用
- 引っ越し費用
上記のように代表的な諸費用だけでもたくさんの種類があり、それぞれ現金で支払う必要があります。
本体工事費のことだけ考えていると、急に現金が必要になって慌てて資金調達するケースも・・・。
こちらのコラムで諸費用について詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。
まとめ
注文住宅の検討から完成まではさまざまな段取りがありますが、基本の流れを把握しておけばそれほど難しくありません。
全体の流れや期間を把握してスケジュールを立て、スムーズに理想のマイホームを建てましょう。
全国にあるクレバリーホームのモデルハウスでも、注文住宅のスケジュールやご予算のご相談が可能です。
ぜひお気軽にお近くのモデルハウスをご活用ください。
また、間取りプランづくりに役立つ実例集や、要望・予算を整理するのに活用できる家づくりノートなどの資料もご用意しています。