注文住宅に現金はいくら必要?平均や相場、ローンに組み込めるか解説

注文住宅に現金はいくら必要?平均や相場、ローンに組み込めるか解説

注文住宅を建てるときは住宅ローンを組むのが一般的ですが、現金も必要になるため、あらかじめ準備しておく必要があります。

住宅ローンに組み込めない費用もあり、仮にフルローンを組む場合でもある程度の現金は必要です。現金がいくらぐらい必要になるのか把握しておかないと、急にお金が必要になり困ってしまうことも。

そこで今回は、注文住宅を建てるために必要な現金の平均価格や内訳など、詳しく解説します。

注文住宅を建てるには現金が必要

注文住宅の模型と預金通帳

注文住宅では、借入金額や年収などの条件によってはフルローンを組めるケースもありますが、現金が全く必要ないわけではないので注意しましょう。

建築費用についてはフルローンを組めても、細かい諸費用については現金での支払いが必要なものが複数あります。

諸費用は注文住宅本体の見積もりには記載されない項目もあるため、現金を用意しておかないと、急な出費で慌てたり、生活が圧迫されたりする可能性が考えられます。

どのような費用で現金が必要になるのか、いくらぐらいかかるのか、事前に把握して資金計画に組み込んでおきましょう。

注文住宅の現金はいくら必要?平均をチェック

まずは、実際に注文住宅を建てた方のデータから、どれくらいの現金を用意しているのか平均をチェックしてみましょう。

 

データ 平均建築資金 平均自己資金
住宅動向市場調査 3,935万円 1,177万円
フラット35利用者調査 3,715万円 641万円

2022年度 フラット35利用者調査令和4年度住宅動向市場調査から抜粋

国土交通省の住宅市場動向調査、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査から、注文住宅の建築資金と自己資金の平均を抜粋してみました。

実際は建築費用によって変動しますが、平均で考えると、頭金を含めて641~1,177万円の現金を用意する方が多いようです。

住宅ローンに含めることができず、現金での支払いが必要になる諸費用は、建築費用の10%前後が相場と言われています。平均建築資金から考えると、400万円前後の現金が必要になるということですね。実際は、住宅ローンの月額負担などを含めて頭金を検討するため、少し多めに自己資金を用意する方が多いようです。

あくまで平均なので、もう少し自己資金の負担を抑えられる可能性はありますが、資金計画の際の目安にしてみましょう。

また、注文住宅の資金計画では、手持ちの現金をすべて諸費用や頭金に充てるのではなく、半年分の生活費を残しておくのが理想的と言われています。

注文住宅の頭金と貯蓄のバランスについて、こちらのコラムでも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

現金が必要になる費用はどんなものがある?

注文住宅で現金が必要になる項目

前述したように注文住宅を建てるときは、本体工事費の10%前後の現金が必要になりますが、内訳を把握しておくことも大切です。

実際に注文住宅を建てる際、現金での支払いが必要になる費用について具体的にチェックしてみましょう。

手付金

注文住宅を建てる土地を購入するとき、建物の建築請負契約を結ぶときは、手付金を支払うのが一般的です。

手付金は契約代金の5~10%が相場です。本体価格2,000万円の注文住宅を建てる場合、100~200万円の手付金を現金で支払う必要があるということですね。

印紙税

土地の売買契約書、建物の工事請負契約書、住宅ローンの契約書などを交わす際にかかる印紙税は、現金での支払いが必要になります。

印紙税は契約金額によって金額が決められていて、注文住宅の価格帯に多い1,000万円を超え5,000万円以下の場合は1万円です。

地鎮祭の費用

工事の安全を祈願する地鎮祭を行う場合は、依頼する神社や神主に対し現金での支払いが発生します。

お礼として支払う玉串料、お供え物などの購入費、車代などがかかり、総額10~15万円が目安と言われています。地鎮祭は必須ではないため、場合によっては削減できる項目です。

登記費用

土地や建物の所有権を登記する手続きにも費用がかかり、現金での支払いが必要です。評価額に対し、土地は2%、建物は0.4%の登録免許税がかかります。

また、手続きを司法書士などに代行してもらう場合は別途費用がかかり、依頼先によって費用が変動します。

住宅ローン関係の費用

住宅ローンを組む際にもさまざまな諸費用が発生し、現金での支払いを求められます。

例えば、事務手数料や保証料など、住宅ローンの申し込み段階で発生する費用も。また、土地や建物に抵当権を設定する必要がある場合は、登記費用もかかります。

入居までにかかるその他の費用

実際に注文住宅が完成して入居するまでにも、さまざまな費用が発生し現金の支払いが必要になることがあります。

 

近隣あいさつの手土産 ・注文住宅の工事前は、近隣へのあいさつが必要。手土産を購入するための費用。
引っ越し費用 ・家具や家電などの荷物を新居に運ぶための費用。引っ越し業者に直接支払う。
家具・家電購入費用 ・家具や家電を新規購入、または買い替えるための費用。
インターネット回線の開通費用 ・新居でインターネットの固定回線を使用するための工事費や初期費用。契約するプロバイダに直接支払う。
火災保険料・地震保険料 ・火災や地震で建物が被害を受けた際、補償を受けるための保険料。住宅ローンの要件で火災保険への加入が必須となっていることが多い。

 

代表的なものだけでも、上記のような現金の支払いが発生します。注文住宅づくりで現金を使い切ってしまうと、入居までにお金が足りなくなってしまう可能性も。合計すると大きな金額になりますので、必ず入居までにかかる費用も資金計画に組み込んでおきましょう。

注文住宅の諸費用は住宅ローンに組み込める?

注文住宅の住宅ローンに諸費用を組み込む計算

前述したように、現金での支払いが必要になる諸費用にはさまざまな項目があります。しかし、金融機関によっては、住宅ローンに諸費用を組み込んで現金の費用負担を抑えられるケースもあります。

例えば、印紙代や登記費用、火災保険や地震保険の保険料などを組み込める住宅ローンを使えば、現金の持ち出しを減らすことが可能です。金融機関によっては、土地購入時の仲介手数料や引っ越し費用などの諸費用をまとめて借入できるケースも。

ただし、諸費用を借入できる住宅ローンを扱う金融機関は限られるため、必ず利用できるとは限りません。金利が高かったり、希望の借入額で審査が通らなかったりすると、かえって返済負担が大きくなる可能性も考えられます。

諸費用を組み込めるかどうかもチェックしつつ、金利や借入条件なども踏まえてトータルで住宅ローンを選びましょう。

また、諸費用を住宅ローンに組み込めない場合は、別でローンを組む方法もあります。例えば用途が広いフリーローンなどを活用すれば、手続きや引っ越しにかかる諸費用も借入できるでしょう。

ただし、住宅ローンより金利が高く設定されているケースが多く、月額の費用負担が大きくなる点には注意が必要です。また、仮に諸費用をローンで借入できたとしても、全く現金が必要ないわけではありません。突発的な費用が発生する可能性も考慮して、少し多めに現金を用意しておくのが理想的です。

こちらのコラムで、住宅ローンの基礎知識や、無理のない借入額の考え方などを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

注文住宅を建てる際は、本体工事費だけでなく、現金での支払いが必要になる諸費用もあります。急にお金が必要になり慌てることがないように、どんな費用がいくらぐらいかかるのか把握し、現金を含めた資金計画をしっかり立てましょう。

注文住宅づくりでいくら現金が必要になるかは、依頼する住宅会社や仕様などによっても変動します。資金計画についてもしっかりサポートできるプロに相談することも大切です。

クレバリーホームは、全国のモデルハウスで注文住宅の資金計画や住宅ローンについてのご相談も受け付けています。住まいづくりのプロが無理のない資金計画をサポートしますので、ぜひお近くのモデルハウスにご来場ください。

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