注文住宅はなぜ高いと言われるのか|建売との比較・高くなる理由と対策
この記事では、注文住宅が高いと言われる理由や対策、建売住宅との平均価格の比較などをまとめています。
間取りやデザインが自由で定価のない注文住宅は、プランを考えていくうちに建築価格が高くなることが多いのは事実です。しかし、土地選びや間取りの工夫で、費用を抑えて理想のマイホームを建てる方法もあります。
今回は、注文住宅の検討や建売住宅との比較時に必要となる知識を分かりやすくまとめますので、ぜひ参考にしてください。
目次
注文住宅はなぜ高いと言われるのか?
注文住宅が高いと言われることが多いのは、決まった形がなく間取りや仕様によって費用が変動するのが主な原因です。
住宅性能を高めたり、オプションを追加したりすると、注文住宅の費用が高くなるケースがあるのは事実です。しかし、シンプルな間取りで必要最小限のオプションを選べば、費用を抑えることは不可能ではありません。
実際、坪単価を抑えて一般的な建売住宅より安く建てられるローコストハウスメーカーも存在します。逆に、性能やデザインにこだわってオリジナリティの高い注文住宅を建てれば、費用は高くなります。
理想のマイホームを手に入れるためには、相場と費用が変動する要素を把握し、ご自身に合う選択をすることが大切です。次の章から、注文住宅の平均価格や高くなる原因、対策を1つずつチェックしていきましょう。
注文住宅と建売住宅はどちらが高い?
まずは、注文住宅の平均価格を、建売住宅と比較してみましょう。
住宅ローンのフラット35を利用して、建売住宅を購入した人、土地付注文住宅を建てた人のデータをピックアップします。
建売住宅 | 土地付注文住宅 | |
---|---|---|
平均価格 | 3,719万円 | 4,694万円 |
延床面積 | 101.9㎡ | 111.5㎡ |
敷地面積 | 136.9㎡ | 201.6㎡ |
全国の平均価格で見ると、注文住宅の費用総額は、建売住宅より975万円高くなっています。
ただし、延床面積・敷地面積ともに建売住宅より注文住宅の方が広いため、表面的な価格だけで比較はできません。延床面積は注文住宅の方が9.6㎡広く、6帖弱の部屋1つ分違います。
また、敷地面積は64.7㎡も注文住宅の方が広く、広めのお庭や駐車場を確保できる可能性が高いです。
仮に建売住宅と同じ敷地面積・延床面積で注文住宅を建てれば、価格差はもっと小さくなるということです。また、注文住宅は耐震性や断熱性にこだわって建てる方も多いため、性能をそろえればさらに価格差が小さくなる可能性もあります。
まとめると、平均価格は建売住宅より注文住宅の方が高いですが、条件をそろえればそれほど大きな差額ではないということです。
注文住宅の相場については、こちらのコラムでさらに詳しいデータを紹介しています。
注文住宅が高くなる理由と対策
続いて、注文住宅が高くなる主な理由と対策をセットでチェックしてみましょう。
高くなる理由を知っていれば、工夫や対策で費用を抑えやすくなります。
土地と建物が別契約になる
注文住宅は土地の購入と建築が別契約になるため、建売住宅より高くなる傾向があります。
建売住宅の場合は住宅会社が土地を一括購入して分譲するため、仲介手数料はかかりません。一方、注文住宅は土地を購入する際に仲介手数料が必要になり、地盤改良などの付帯工事費が別途かかるケースもあります。
しかし、不動産会社ではなく住宅会社に土地探しから頼めば、費用を抑えやすくなるのでおすすめです。土地と建物の契約を住宅会社にまとめれば、仲介手数料を節約できる可能性があります。また、注文住宅を建てやすい土地を見極めやすくなり、付帯工事費のコストダウンにもつながります。
オプションの選択肢が多い
注文住宅は設備や間取りなどのオプションが豊富なため、いろいろ追加したくなり費用が高くなるケースもあります。標準価格が安い住宅会社でも、オプションを追加して予算オーバーになる可能性が考えられます。
オプション追加による予算オーバーの対策は、必要なものを見極めることが大切です。注文住宅のオプションは利便性やデザイン性を高めるのに効果的ですが、ライフスタイルによっては必要ないものもあります。
こちらのコラムで注文住宅の代表的なオプションや見極め方のコツを詳しく解説しています。
打ち合わせの人件費がかかる
プランが自由な注文住宅は打ち合わせ期間が必要で、担当者の人件費が含まれているため建売住宅より高くなる傾向もあります。打ち合わせ回数が増えても費用が高くなるわけではありませんが、そのまま購入できる建売住宅より人件費はどうしても多めにかかります。
コストを抑えて注文住宅を建てるなら、規格住宅を選ぶのも1つの手です。
規格住宅はあらかじめ用意されたプランから間取りを選ぶ住宅商品で、打ち合わせにかかる人件費や工事費を削減できるため、コストパフォーマンスに優れているのがメリット。打ち合わせの負担も少なく、専門家が考えた間取りなので失敗のリスクが少ないのも特徴です。
規格住宅についてはこちらのコラムも参考にしてみてください。
敷地面積・延床面積が広くなる
先ほどのデータで見たように、注文住宅は建売住宅より敷地面積や延床面積が広くなるため、土地取得費用や建築費用が高くなる傾向もあります。
逆に言えば、コンパクトで暮らしやすい注文住宅を建てられれば、高くなるのを防ぐこともできるのです。
例えば、屋根裏のデッドスペースを活かして収納やロフトにすれば、延床面積を減らしてコストダウンできます。
勾配天井や吹抜けで開放感を高めれば、実際の床面積より広く見えるのでコンパクトでものびのび暮らせる家をつくれます。
ほかにも効率的な間取りアイデアはたくさんありますので、上手に取り入れてコストパフォーマンスが高い注文住宅を目指してみてください。
注文住宅と建売住宅どっちがいい?
ここまでご紹介してきたように、注文住宅でもコストを抑えることは可能ですが、建売住宅と比較する際はメリット・デメリットをしっかり把握することが大切です。
※建売住宅のメリット
- 土地・建物がセットで総額が分かりやすい
- 購入後すぐ入居できる
- 実物を見て選べる
※建売住宅のデメリット
- 間取りが変更できない
- 断熱・耐震など性能にこだわりにくい
- 周囲とデザインがかぶりやすい
- 建築過程を確認できない
建売住宅は完成した実物を見て選ぶことができ、総額表示なので予算オーバーの心配がないのがメリット。一方、間取りが変更できないため、理想の物件を見つける難易度が高いのはデメリット。また、断熱性能や耐震性能も変更できないため、快適性や耐久性にも注意が必要です。
間取りやデザインにあまりこだわりがなく、早めに入居したい方は建売住宅が向いているでしょう。
※注文住宅のメリット
- 間取りとデザインを自由に変更できる
- 土地の立地や周辺環境を選べる
- 住宅性能にこだわれる
- 建築中の様子を確認できる
※注文住宅のデメリット
- 予算オーバーする可能性がある
- 完成までに時間がかかる
注文住宅は、間取りやデザイン、土地を自由に選ぶことができ、理想のマイホームを建てやすいのがメリット。断熱性能や耐震性能にもこだわれるので、快適性や省エネ性が高い暮らしも実現できます。
一方、定価がないため予算オーバーしやすく、完成~入居までに時間がかかるのがデメリット。しかし逆に言えば、この2点をクリアできる方は、注文住宅の方が向いているでしょう。
それぞれのメリット・デメリット、具体的な選び方のポイントはこちらのコラムで解説しています。
まとめ
注文住宅は高いと言われることが多いですが、理由を把握し対策すれば、予算内で理想のマイホームを手に入れることは難しくありません。表面的な価格だけで住宅を比較するのではなく、性能や耐久性も備えた、本当の意味でコストパフォーマンスが高いマイホームを検討しましょう。
予算内で理想のマイホームを実現するためには、実績が多くノウハウが豊富な住宅会社に相談することも大切です。クレバリーホームは全国のモデルハウスで、間取りやご予算などのご相談を受け付けています。ぜひお近くのモデルハウスをご活用ください。