注文住宅の頭金の平均額はいくら?頭金を支払うメリット・デメリット

注文住宅の頭金の平均額はいくら?頭金を支払うメリット・デメリット

注文住宅の資金計画では、頭金をどれくらい用意するのかは重要なポイントです。

頭金が少なすぎると住宅ローンの返済期間や月額負担が大きくなり、多すぎると急な出費に対応できなくなってしまいます。注文住宅の費用総額や貯金額などを踏まえて、バランスの良い頭金を把握することが大切です。

この記事では、注文住宅の頭金の平均金額や具体的な考え方のポイント、支払うタイミングなどを分かりやすくまとめています。

資金計画に必要な知識を網羅しますので、ぜひ注文住宅づくりにお役立てください。

注文住宅の頭金とはどんな費用?

注文住宅の頭金を確認する男性

頭金とは、注文住宅で住宅ローンを組む際、費用の一部に対して支払う現金のことです。注文住宅の費用総額に対し、頭金を差し引いた金額が住宅ローンの借入額となります。

例えば、3,000万円の注文住宅に対して1,000万円の頭金を用意する場合、住宅ローンの借入額は2,000万円ということです。

なお、注文住宅を建てる際は諸費用がかかり、頭金以外の現金支払いも必要になるので注意しましょう。諸費用についてはこちらのコラムをごらんください。

 

注文住宅の頭金の平均はいくら?

注文住宅の頭金の平均額

注文住宅を建てた人がどれくらいの頭金を用意しているのか、平均データをチェックしてみましょう。住宅ローンのフラット35、国土交通省それぞれの調査結果を比較してみます。

 

データ 建築費用 頭金
フラット35利用者調査 3,715万円 641万円
住宅市場動向調査 3,866万円 1,023万円

出典:2022年度フラット35利用者調査 令和4年度住宅動向市場調査

 

2つのデータを比較すると、建築費用の差は151万円、頭金の差は382万円となりました。

平均で見ると、建築費用に対して約17~26%前後の頭金を用意しているようです。

ただし、適切な頭金の金額は、注文住宅の建築費用や年収、貯金額などによって変動します。

頭金を多く支払う場合、用意しない場合は、それぞれメリット・デメリットがあります。次の章から詳しく見ていきましょう。

注文住宅の頭金を支払うメリット・デメリット

注文住宅の頭金の計算

注文住宅の頭金を支払うことには、メリット・デメリットの両面があります。

メリット

頭金を支払うと、次のようなメリットが生まれます。

  • 月額負担が減るため生活に余裕が出る
  • 借入金額が減るため審査が通りやすい
  • 利息の支払いを抑えられる

頭金を支払った分借入金額が少なくなり、毎月の返済額が減るため余裕のある生活を送れるのは大きなメリットです。

また、借入金額が減ると審査が通りやすくなるため、金融機関の選択肢が増えるのも有利なポイントです。

返済期間を短くしたり、繰り上げ返済をしたり、利息の支払いを抑える方法も検討しやすくなります。

デメリット

頭金を多く支払い過ぎると、次のようなデメリットが発生する可能性があります。

  • 諸費用の支払いが負担になる
  • 病気や事故など急な出費に対応できない
  • 頭金を溜めているうちに金利が上昇する

注文住宅は現金が必要となる諸費用が発生するため、頭金を払いすぎると資金繰りで困る可能性があります。また、貯金が減るので、返済期間中に病気や事故など突発的な出費に対応できないリスクも。

頭金を溜めている間に金利が上昇した場合、かえって利息の負担が大きくなってしまうケースも考えられます。

住宅ローンの金利が上がる原因やリスクはこちらのコラムで解説しています。

 

注文住宅を頭金ゼロで購入するメリット・デメリット

注文住宅を頭金ゼロで契約する男性

注文住宅の費用や年収によっては、頭金ゼロで住宅ローンを組めるケースもあります。頭金ゼロ、または少なめで注文住宅を購入するメリット・デメリットも把握しておきましょう。

メリット

頭金ゼロでフルローンを組む場合、次のようなメリットがあります。

  • 早めに快適な生活をスタートできる
  • ムダな家賃の支払いを減らせる

頭金を溜める時間がないため、早めに注文住宅を完成させて快適な生活を送れる期間が長くなるのがメリットです。賃貸に住んでいる場合、ムダな家賃の支払いも少なくなるのもうれしいポイント。

デメリット

頭金ゼロで住宅ローンを組む場合、次のようなデメリットもあるので注意しましょう。

  • 審査が通りにくい
  • 金利が高くなり利息の負担が増える
  • 月額負担が大きく生活が苦しくなる
  • 希望額を借りられず選択肢が狭まるリスクがある

頭金ゼロだと借入額が高くなり、年収や借入希望額によっては審査が通りにくくなる可能性があります。仮に審査が通ったとしても、金利が低い金融機関を選べず負担が大きくなるケースも。希望の金額が借りられないと、予算を下げて妥協せざるを得なくなり、不満が残るかもしれません。

また、毎月の住宅ローン返済額も増えるので、せっかく注文住宅を建てても理想の生活を送れない可能性もあります。

注文住宅の頭金の考え方

注文住宅の頭金の考え方

ここまで見てきたように、注文住宅の頭金は多すぎても、少なすぎてもリスクが発生します。

次のような考え方のポイントを押さえて、バランスの良い頭金を割り出しましょう。

半年分の生活費は残すのが安心

頭金は、まず半年分の生活費を残すことを基本に考えましょう。頭金を払って貯蓄がゼロになってしまうと、病気や事故、転職による収入減などに対応できません。

少なくとも半年生活できるお金を残しておけば、突発的な出費にも対応できるでしょう。

諸費用を正確に把握する

注文住宅の頭金を考える前に、現金で支払う必要がある諸費用を正確に把握することも大切です。土地購入時の仲介手数料や地鎮祭などの諸費用は、住宅ローンに含められず現金が必要になるのが一般的。諸費用は注文住宅の本体工事費の10%前後が目安と言われています。

諸費用を把握していないと、現金の持ち出しが発生して前述した半年分の生活費を確保できなくなってしまうので要注意。

こちらのコラムで諸費用について詳しく解説しています。

 

親からの贈与も活用

注文住宅づくりでは、親からの贈与を頭金に充てる方も多いです。基礎控除の110万円を超える資金贈与には贈与税がかかりますが、次のような特例を利用すると非課税となります。

 

 

特例 内容
住宅取得資金贈与の非課税制度 住宅取得のための贈与が一定金額まで非課税になる。

一般住宅:500万円

一定基準を満たす住宅:1,000万円

暦年贈与 1年間の贈与額110万円まで非課税になる。
相続時精算課税 祖父母から子・孫への贈与が2,500万円まで非課税になり、贈与者が亡くなった時点で相続税として納税する。

※2024年2月時点の情報をもとに記載しています。

利用する特例によって非課税枠や贈与の方法が変わるため、用意したい頭金や注文住宅の建築時期に合わせて選びましょう。

 

注文住宅の頭金はいつ払う?

注文住宅の頭金を払うタイミング

注文住宅の頭金を支払うタイミングは住宅会社によって変わります。一般的には、契約時・着工時・引き渡し時に頭金を支払うことが多いです。

契約時に支払う手付金は注文住宅の代金に充当されるのが一般的なので、頭金の一部として考えることができます。また、着工時の中間金を現金で支払う場合も、頭金の一部です。

注文住宅の引き渡し時は住宅ローンが実行され、頭金と合わせて費用総額を決済し、入居できるようになります。

手付金や中間金のタイミングと金額は住宅会社との契約によって異なり、用意すべき頭金も変化するので注意しましょう。

まとめ

注文住宅の頭金は多すぎても、少なすぎてもリスクが発生するため、バランスを考えることが大切です。平均的な頭金の金額を参考にしつつ、注文住宅が完成した後の生活も踏まえて無理のない資金計画を立てましょう。

頭金のバランスについては、注文住宅づくりのプロに相談するのもおすすめです。クレバリーホームは全国のモデルハウスで、注文住宅の資金計画についてもご相談いただけます。間取りやデザインのことはもちろん、気になることは何でもお気軽にご相談ください。

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