二世帯住宅はデメリットだらけでやめた方がいい?後悔を防ぐコツや間取り成功例を紹介
二世帯住宅について調べていると、「デメリットだらけで後悔する」「やめたほうがいい」などネガティブな意見を見かけることが多いです。
実際、2つの家族が一緒に暮らす二世帯住宅にはいくつかのデメリットがあり、暮らし始めてから失敗に気づいたり後悔したりする可能性はあります。
しかし、デメリットを把握して事前に対策をすることで、親子世帯がお互いに暮らしやすい二世帯住宅を建てることも可能です。
そこでこの記事では、二世帯住宅で注意すべきデメリットと後悔を防ぐコツ、実際の間取り成功例などをご紹介します。
完全同居型・完全分離型・部分共有型など、さまざまなパターンの二世帯住宅の間取りを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
二世帯住宅はデメリットだらけ?
インターネットやSNSで二世帯住宅について検索すると、デメリットや後悔談などが目立ち、心配になる方も多いようです。
実際、年齢や価値観、生活サイクルが異なる2つの世帯が1つの住まいで暮らすことには難しさやデメリットもあり、後悔するリスクはゼロではありません。
しかし、二世帯住宅のデメリットや、やめたほうがいいと言われる理由を把握すれば、事前の対策で失敗や後悔を回避することもできます。
暮らしやすい二世帯住宅を建てるためには、後悔しやすいポイントを知り、親子世帯それぞれのライフスタイルに合う間取りを考えることが大切です。
次の章から、二世帯住宅はやめたほうがいいと言われる理由や、後悔しやすいポイントについてチェックしていきましょう。
二世帯住宅はやめた方がいいと言われる理由
まずは、二世帯住宅で後悔しやすく、やめたほうがいいと言われる理由について1つずつ解説します。
後悔を防ぐコツは後ほど紹介しますので、ここではまずどんなデメリットやリスクがあるのか把握してください。
プライバシーの確保が難しい
親子世帯が一緒に暮らす二世帯住宅ではプライバシーの確保が難しく、ストレスやトラブルの原因になり後悔するリスクがあります。
特にリビングや水回りなどを共有する完全同居型や部分共有型の間取りだと、プライベートスペースを確保しにくくストレスに感じるケースが多いです。
完全分離型の間取りでも、同じ建物内で暮らすため上の階の足音やテレビの音などが気になり、ストレスを感じるケースもあります。
生活リズムのずれによるストレス
家族の生活リズムが大きくずれる場合、お互いにストレスを感じて後悔するためやめたほうがいいと言われることも多いです。
例えば、起床や就寝時間ずれがある場合、生活音が気になり快適な睡眠が妨げられてしまう可能性があります。
また、完全同居型や部分共有型の二世帯住宅では、食事や入浴のタイミングが異なると、準備や後片付け、追い焚きにかかる光熱費などが問題になるケースも。
子育て方針が合わない
親世帯が子育てに参加する場合、方針の違いで揉めて後悔するケースもあります。
両親が子育てをしていた時代と今では教育や学習スタイルが大きく変化しているため、意見が合わないケースが多いようです。
資金計画や住宅ローンが難しい
二世帯住宅は家を2軒建てるよりは安いものの、一般的な注文住宅より建築費用が高額になることが多く、資金面の難しさもやめたほうがいいと言われる理由の1つです。
親子世帯どちらがどれくらい費用を負担するのか、どのような住宅ローンの組み方をするのかなど、考えるべきポイントは多くなります。
ペアローンを組む場合は、親世帯の収入が減少したときや、亡くなった後の支払い方法なども考えておく必要があります。
光熱費や固定資産税の負担で揉めやすい
二世帯住宅は一般的な広さの住宅より光熱費や固定資産税が高額になる傾向があり、暮らし始めてからの費用負担で揉めやすいのも注意すべきポイントです。
家族の人数が多いと、お風呂の給湯や冷暖房などにかかる光熱費は高額になり、負担割合で揉めるケースが多いようです。
また、一般住宅より建築費用が多くかかると固定資産税も高くなるため、将来子世帯だけで暮らすことになったときの負担も大きくなります。
将来の売却や賃貸運用が難しい
家族構成やライフスタイルの変化による、将来の売却や賃貸運用が難しい点も、二世帯住宅はやめたほうがいいと言われる理由です。
二世帯住宅はご家族の形に合わせて間取りや設備をカスタマイズするためターゲット層が狭く、買い手や借り手を見つける難易度は高い傾向があります。
建てた直後は問題なくても、将来住まなくなったときの選択肢が狭まる可能性が考えられます。
相続トラブルの可能性がある
将来親世帯が亡くなったとき、二世帯住宅が相続トラブルの原因になることが多いのもやめたほうがいいと言われる理由です。
二世帯住宅は現金や有価証券のように分割できないため、誰が相続するかでトラブルになるケースが多いです。
複数人で共有する方法もありますが、全員の意見が一致しないと売却や運用ができないため、将来のリスクになり得ます。
将来部屋が余る
親世帯が介護施設に入ったり亡くなったりした際、部屋が余ってしまうのも二世帯住宅のデメリットです。
余った部屋は使わなくても掃除やメンテナンスなどの負担がかかるため、暮らしにくさや後悔の原因になります。
二世帯住宅にはメリットもある
ここまで二世帯住宅のデメリットやリスクについてご紹介してきましたが、次のようにメリットもあります。
※二世帯住宅のメリット
- 両親を近くで見守れる
- 家事や子育てを分担できる
- 離れて暮らすより介護の負担が少ない
- 留守の時間が減るため防犯面で有利
- 補助金を利用しやすい
同じ住まいで暮らすことで親子が助け合い、家事や子育ての負担を軽減できるのは二世帯住宅ならではのメリットです。
また、親世帯が高齢になった際も近くで見守ることができ、離れて暮らすより介護の負担を軽減できます。
自治体によっては二世帯住宅を対象とした補助金を用意していることもあり、費用負担を抑えることも可能です。
このように二世帯住宅にはさまざまなメリットがあり、デメリットにしっかり対策すれば理想の選択肢にもなり得ます。
次の章で、二世帯住宅の後悔を防ぐコツをチェックしていきましょう。
二世帯住宅の後悔を防ぐコツ
二世帯住宅の計画を立てる際は、次のポイントをしっかり確認して後悔を防ぎましょう。
お互いのライフスタイルを確認する
具体的に二世帯住宅の計画を進める前に、まずは親子世帯それぞれのライフスタイルを確認するのが後悔を防ぐ基本的なポイントです。
- それぞれの生活サイクル
- 料理や食事のスタイルや考え方
- 新しい家で叶えたいことや要望
- 子育てへの参加の有無
上記のようなことを事前に確認しておくことで、適切な間取りを考えやすくなり、お互いのストレスを軽減して暮らしやすい二世帯住宅を建てることができます。
なるべく遠慮をせず、一緒に暮らすことを想定して細かな部分まで確認をするのが後悔を防ぐコツです。
間取りの共有・分離を考える
お互いのライフスタイルを把握したら、二世帯住宅の間取りの共有と分離について考えましょう。
間取りの種類 | 概要 |
---|---|
完全分離型 | 玄関やすべての間取りを2つずつ設け、室内で行き来できないように完全に分離するタイプ。 |
部分共有型 | 室内で行き来できるが、必要に応じて玄関や水回りなどを2つつくり分離するタイプ。 |
完全同居型 | 玄関や水回りなどをすべて共有し、1軒の住まいで親子世帯が完全に同居するタイプ。 |
二世帯住宅の間取りは大きく分けると上記の3種類で、それぞれメリット・デメリットがあるためどのタイプがマッチするかは家族によって変わります。
例えば、お互いのプライベートを重視する場合は、玄関と必要な間取りを2つずつ設けて、室内で行き来できる完全分離型の二世帯住宅が向いています。
しかし、完全分離型は延床面積が広くなり、水回り設備なども2つずつ必要になるため建築費用が増加するのがデメリットです。
生活サイクルのずれが少なく、子育てや介護などで連携する場合は、完全同居型の二世帯住宅のメリットが大きくなります。
予算とプライバシー性のバランスを取るなら、必要な間取りだけ2つ設ける部分共有型の間取りにするのも1つの考え方です。
このように、どの間取りを共有・分離した方が良いかは家族によって異なるため、それぞれのタイプの特徴を把握して選ぶことが大切です。
二世帯の間取りタイプについてこちらのコラムで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
生活や費用負担のルールを決める
間取りのことだけでなく、実際に二世帯住宅で暮らすことを想定して、生活や費用負担などのルールを事前に決めておくことも後悔を防ぐコツの1つです。
LDKや水回りなど共有するスペースの使い方、来客時の過ごし方など、実際の生活をシミュレーションしてルールを決めておくことで、お互いにストレスのない生活を送ることができます。
また、キッチンを共有する場合は料理の担当や食事の時間帯、お風呂を共有する場合は入浴タイミングや掃除当番などを決めておくことも大切です。
毎月発生する光熱費や、1年ごとの固定資産税の金額も事前に確認し、費用負担を決めておくのもトラブルを防ぐポイントです。
二世帯住宅の間取り成功例
最後に、クレバリーホームがお手伝いした注文住宅の中から、二世帯住宅の間取り成功例をご紹介します。
成功例① 完全同居型 延床面積43.32坪
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玄関や水回り、LDKなどをすべて共有する完全同居型の二世帯住宅です。
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玄関には扉で仕切れる大型のシューズクロークを設置し、家族の人数が多くても物があふれずスッキリした空間をキープできます。
リビングは吹き抜けの大空間で、家族が集まってものびのびと過ごせる素適な間取りです。
洗面台も幅広のカウンターで同時に身支度できるようにするなど、完全同居型でも暮らしやすい工夫が盛り込まれています。
成功例② 完全同居型 延床面積44.20坪
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中二階
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1階にLDKや水回りと親世帯の寝室、2階に子世帯の居室を配置した完全同居型の二世帯住宅です。
LDKはキッチンを中心としたL字型のレイアウトで、家事効率や生活感を見せない工夫が盛り込まれています。
キッチンは作業効率の良い二列型を採用し、親子で料理を楽しむこともできる間取りに。
2階の納戸は趣味のアイテムをしまう場所だけでなく、プライベートスペースとしても活用できます。
成功例③ 完全同居型 延床面積36.81坪
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開放感のあるLDKを中心に、タタミコーナーや趣味部屋など、プライベートスペースを充実させた完全同居型の二世帯住宅です。
LDKはタタミコーナーも含めて約24帖の広さを確保し、家族全員が集まってものびのびと過ごすことができます。
リビング階段を採用し、家族が自然と顔を合わせるような間取りに。
趣味部屋には3,000冊の漫画を収納でき、ご主人がプライベートタイムを楽しむ空間として活躍します。
成功例④ 完全分離型 延床面積51.53坪
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玄関を2つ設け、上下階で完全に分離した二世帯住宅です。
1階の親世帯スペースには、ご夫婦で楽器演奏を楽しめる防音室を設置。
2階の子世帯のリビングは、屋根形状を活かした勾配天井や天窓で開放感あふれる空間になっています。
成功例⑤ 部分共有型 延床面積54.10坪
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小屋裏
玄関や水回りは共有し、メインのLDKとは別に親世帯のリビングを設けた部分共有型の二世帯住宅です。
ダイニングは家族全員が食事を取れるように約14帖の広さを確保し、通路幅も広めにして複数人でキッチンに立てるように工夫しています。
親世帯のセカンドリビングも1階に設け、お茶を沸かせるようにミニキッチンも設置。親子それぞれが程よい距離感で暮らせる二世帯住宅になっています。
成功例⑥ 部分共有型 延床面積76.38坪
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玄関は共有して上下階それぞれにLDKや水回りを設け、程よい距離感で暮らせる部分共有型の二世帯住宅です。
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1階は対面キッチンとダイニング替わりのタタミルームを設け、食事だけでなく休憩やコミュニケーションの場としても活躍しています。
2階のLDKはユーティリティやバルコニーにつながり、開放感のある空間になっています。
まとめ
二世帯住宅にはデメリットがあり、実際に暮らし始めてから後悔するからやめたほうがいいと言われることも多いです。
しかし、デメリットを把握してしっかり対策すれば、親子世帯それぞれが快適に暮らせる二世帯住宅を建てることも可能です。
今回ご紹介したポイントを確認しながら、家族全員にとって理想的な二世帯住宅の間取りを考えてみましょう。
クレバリーホームは、全国のモデルハウスで二世帯住宅づくりに関するご相談を受け付けています。
ぜひお近くのモデルハウスにご来場ください。