吹き抜けのある間取りの特徴|デメリットの対策方法も紹介

吹き抜けは開放感があり採光や風通しが良いメリットがあります。しかし冷暖房の効率が悪くなる、音や匂いが伝わりやすいなどのデメリットもあるので、事前に対策を考えておくことが重要です。この記事では吹き抜けのある間取りで快適に暮らす方法を中心に解説します。

吹き抜けのある間取りのメリット

吹き抜けとは建物の2つ以上の階層を床を設けずに1つにつなげた空間のことをいいます。吹き抜けのある間取りのメリットを以下に解説します。

開放感がある

吹き抜けは上階の天井や屋根まで開けた空間になり、開放感があり、家の中全体が広く感じられる点が魅力といえるでしょう。とくに狭い空間を広く見せたい場合や、リビングなど広く開放的な空間を演出したい場合におすすめです。

また、吹き抜けはデザイン性が高く、おしゃれに見せたい場合にも有効です。

採光や風通しが良い

吹き抜けを取り入れると、採光と風通しが良くなります。外からの自然光を取り入れることができるため、日中であれば照明を利用しなくても明るい状態を保てます。さらに窓やシーリングファンを設置することで、1階、2階など空間がつながっているので家全体に新鮮な空気を届けることも可能です。

家族のコミュニケーションが取りやすい

吹き抜けは家族のコミュニケーションを円滑にする効果も期待できます。主にリビングで活用されるケースが多いため、1階と2階がつながり、階段を使わずに上下階での声をかけ合うことが可能になり、家族の気配も感じられる住まいになります。

吹き抜けのある間取りのデメリット

注文住宅などで人気のある吹き抜けですが、良い面ばかりではありません。以下に吹き抜けのデメリットを3つ解説します。

冷暖房の効率が悪くなる

吹き抜けを設置すると、冷暖房の効率が悪くなりがちです。暖かい空気は上昇する性質を持っているため、吹き抜けを設置すると、熱が天井まで上がり、いくら1階を暖めてもなかなか暖かくなりません。さらには温度や風量をあげることになり冷暖房費の増加につながってしまう可能性があります。

音や匂いが伝わりやすい

吹き抜けは天井で仕切られていないため、音や匂いが家の中を伝わりやすくなります。リビングに吹き抜けがある場合、1階で調理をするケースやお子様が遊び場にするケースが考えられますが、その際の音や匂いが上階まで伝わる可能性があります。そのため他の部屋で集中して何かに取り組みたい場合、お子様の睡眠の妨げになることもあります。

高所のメンテナンスが難しい

吹き抜けは高所でのメンテナンスが難しい特徴があります。例えば窓や照明器具、シーリングファンを清掃したい場合、脚立を使用しても届かない位置にあることが多く、専用の清掃用具やハシゴを使わなければなりません。建築現場では1m以上の転落事故は危険と判断されます。心配な場合はハウスクリーニングなどに依頼を出すなどして工夫しましょう。高所の清掃は1年に1回程度、清掃業者に依頼する場合は1~3万円程度が目安です。ただし、窓の個数や高さによって費用は増減するほか、業者によって費用が異なるので、複数社に見積もりを取って比較検討することをおすすめします。

吹き抜けを設けるためにかかる費用は?

家に吹き抜けを設置する場合、設置費用のほか、清掃のランニングコストがかかります。以下に2つの費用の目安を解説します。

吹き抜けを作るのに一般的にかかる費用

吹き抜けをつくる場合、吹き抜けの大きさなどにもよるので一概にはいえませんが費用の相場は100~300万円程度です。ただし、ハウスメーカーや工務店によっても異なるので吹き抜けにしたい場合の費用などは都度見積もりをとるようにしましょう。

高所に設置した窓の清掃ランニングコスト

高所に設置した窓は自分で清掃するのは困難なので、清掃業者に依頼しなければならないケースがあります。

吹き抜けのデメリットの対策方法

吹き抜けのデメリットは対策を講じることで解消できる点も多くあります。以下に具体的な対策方法を5つ紹介しますので、事前にチェックしておきましょう。

シーリングファンを設置する

シーリングファンは部屋の空気を循環させるための設備です。シーリングファンを回すことで暖かい空気と冷たい空気を攪拌できるため、均等に空気が循環します。冷暖房費の節約にもつながります。

また、シーリングファンはインテリアとしても魅力のある設備なので、デザイン性を高め、よりおしゃれな空間を演出したい方におすすめです。

床暖房や全館空調を利用する

暖かい空気は上昇する性質があるため、吹き抜けにするとどうしても1階の暖房効率が下がりがちになります。しかし、床暖房を設置すれば常に床下を暖められるため、暖かい状態を維持することが可能です。

また、全館空調を利用すれば、吹き抜けがあっても家全体を均一に冷暖房することが可能です。なお、クレバリーホームでは全館空調を採用した住宅も対応可能です。吹き抜けのある住宅を検討されている方はぜひご検討ください。

間取りやキッチンの種類を見直す

吹き抜けからキッチンの位置をなるべく離す間取りにしたり、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンは避けるなどするといいでしょう。ただどうしても音やにおいを気にする可能性がある場合は、本当に吹き抜けを設置するべきなのかも考えましょう。

定期的に清掃業者へ依頼する

高所にあるシーリングファンや窓、照明器具などの清掃は危険を伴う関係上、自分で行うのは難しく清掃業者などへ依頼する必要があります。

しかし、汚れが目立つようになってから依頼するスタンスでいると、清掃費用が高額になりがちです。また、吹き抜けの上部にホコリが蓄積していると、何かの衝撃で落下してくる可能性もあるので衛生上好ましくありません。

そのため、汚れが目立つようになる前から、定期的に清掃業者へ高所の清掃を依頼して、綺麗な状態を保つ方法が有効です。

吹き抜けをつくらずに開放感を出す方法

「光を取り入れたい」や「開放感を出したい」という理由で、吹き抜けを設ける方は少なくありません。しかし、都心部などで住宅やビルなどが密集している土地だと、吹き抜けを設けても、光を取り入れることや開放感を出すことが難しいケースもあります。
そのような場合、吹き抜けのメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまう可能性があります。
そのような場合に、吹き抜けを設けずに光を取り入れたり、開放感を出すための方法をご紹介します。

リビングの場所を変更する

吹き抜けをつくらず光を取り入れたり、開放感を出す1つの方法としてリビングの場所を変更するという方法があります。
たとえば、明るく陽の光が降り注ぐリビングがほしい場合は、リビングを1階ではなく2階に設ければ、家族団らんの場所の採光を確保することが可能になる場合もあります。

階段をスケルトンにし、階段を吹き抜けに見立てて光を取り入れるようにする

スケルトン階段とは階段の段板骨組みのみでつくられた階段のことを指します。普通の階段と違い、蹴込み板という段板同士をつなぎ合わせる部分がないため、空間が広がり、蹴込みの部分から光を取り入れられるようになります。
2階に通じる階段をスケルトン階段とし、天窓をや2階ホール部に窓を設けるなどとすることで、吹き抜けのような効果を演出することも可能です。

窓に工夫を凝らし、吹き抜けをつくらない

窓に工夫を凝らすことで、吹き抜けを取り入れなくても明るく開放感のある空間をつくれます。また、単純に窓を増やすだけでなく、天窓、スリット窓など光を取り込みやすいタイプの窓を設置することでより効果を発揮します。
採光計画は難しいので、建築依頼先のハウスメーカーに相談しながら間取りを考えることをおすすめします。

まとめ

吹き抜けのある空間はデザイン性や、採光・通風などの機能性にも優れており、人気の間取りの一つです。
しかし、一度取り入れた場合、後から変更するのは困難なので、デメリットと対策をよく理解して慎重に判断するようにしましょう。
また、家族構成や生活スタイルによって適切かどうかは異なるので、心配な場合はハウスメーカーなどの建築会社に事前に相談してみることをおすすめします。

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