「建ぺい率」で、家にどれくらいの土地を使えるかわかる!
これまでのコラムでは「用途地域」について紹介し、全12種類ある地域区分によって住宅や商業施設、工場など、建築可能な建物が定められていることをお話ししました。→「用途地域」とは? 理想の家が建つ土地、建たない土地
実は「用途地域」では、これ以外に「建ぺい率」と「容積率」も定められています。
今回は、この2つのうちの「建ぺい率」について解説します。
目次
- 「建ぺい率」ってなに?
- 「建築面積」ってなに?
- 角地なら「建ぺい率」が10%増しに
- まとめ
「建ぺい率」ってなに?
「建ぺい率」とは建築面積の敷地面積に対する割合のこと。すべて漢字で書くと「建蔽率」です。
「蔽」とは「おおう」という意味。つまり、「その土地を建物が蔽う率」=「その敷地の何%まで建物を建てられるかという割合」のことです。
例えば100㎡の土地を購入したとしましょう。
その土地が「建ぺい率50%」に指定されている場合、建物には敷地の50%=50㎡まで使うことができます。残りの50㎡は庭やカーポートなど、建物以外であれば用いることができます。
■建ぺい率
「建築面積」とは?
図にあるとおり、建ぺい率の式は「建築面積÷敷地面積×100」です。
この「建築面積」とは、建物の外壁や柱の中心線で囲われた水平投影部分のこと。図のオレンジ色の部分です。敷地に対して建物を真上から見た時の面積のことで、建坪(たてつぼ)、とも言います。
ではここで問題です。
先ほどの図と同じ建ぺい率50%の敷地に、建築面積が80㎡の建物を建てたいと考えているときには、何㎡の土地面積が必要でしょうか。
…そう、160㎡の土地を購入する必要があるということになりますね。
これができれば、建ぺい率の理解はバッチリです。
ちなみに建築面積からは除外されるものもあります。
例えば、
・建物から突き出ている分が「1m未満」の庇やバルコニー
・床から30cm以上高く、突き出ている部分が「50cm未満」などの条件を満たした出窓
・柱や壁のない外階段
・地盤から天井までの高さが1m未満などの条件を満たした地下室
などは含みません。
細かくは自治体によって違いますので、気になる土地が見つかったらぜひ調べてみましょう。
角地なら建ぺい率が10%増しに
建ぺい率には緩和規定があり、敷地の条件によっては10%増えることも、ぜひ知っておきたい知識の一つです。つまり、用途地域で定められた建ぺい率よりも1割増しの広い建築面積の建物を建てられるというわけです。
具体的には2種類の緩和規定があります。一つは、敷地が防火地域の場合に耐火構造などの耐火建築物を建てる場合です。ぜひ知っておきたいのがもう一つの緩和規定で、一般に「角地緩和」と呼ばれるものです。
その通称のとおり、敷地の2面が道路に面している角地の場合に、建ぺい率は10%加算することができる、というものです。「よしっ、角地を探すぞ!」と思った方、ちょっと待って下さいね。実は、角地であればどこでも建ぺい率が緩和されるわけではないのです。というのも、「角地」の定義が、建物を建てる都道府県や市区町村によって異なるからです。ですから、角地の敷地を見つけた場合には「角地緩和」が適用されるか、事前に都道府県や市区町村に確認しましょう。
なお、「角地緩和」は、以下の要件でも適用されます(ただし、同様に、都道府県や市区町村に確認が必要です)。
住居系の地域では規制が厳しい!
このシリーズの第二回で詳しく説明した「住居系の用途地域」は、住環境を守るための地域でした。日当たり、静かさなどを守るということは、裏返すと、建物を建てる時の制限が多いということにもなります。
住居系の地域では建ぺい率の上限は30%~60%に対し、商業系の地域では上限80%です。つまり、土地に対してゆったりとした大きさの建物になるのが住居系で、土地の広さいっぱいまで建物を建てられるのが商業地域、と考えてもいいでしょう。つまり敷地面積が同じでも、用途地域によって建てられる家の広さは違ってくるというわけです。こうした知識も、ぜひ土地選びに活用してくださいね。
→理想の家にぴったりの土地、ご一緒に探しましょう。
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