新築平屋の失敗例と対策|間取り・土地選び・デザインの工夫で後悔を防ぐ
最近人気の新築平屋ですが、メリットだけ見て建ててしまうと、実際に暮らし始めてから失敗に気づく可能性も考えられます。
平屋は2階建てとは住まいづくりのポイントが異なり、予算内で暮らしやすく仕上げるためにはさまざまな工夫が必要です。
そこで今回は、新築平屋で失敗しやすいポイントをピックアップし、対策とセットで分かりやすく解説します。
間取り・土地選び・デザインとジャンル別に失敗例を紹介し、対策や工夫が分かる構成になっていますので、ぜひ理想の平屋づくりの参考にしてください。
目次
新築平屋は失敗しやすい?
階段のないバリアフリーな間取りや効率的な動線などが人気の平屋ですが、実際に建てた方の失敗談を目や耳にすることもあります。
現代の日本は2階建てや集合住宅が主流なため、平屋で暮らした経験のある方は少く、実際に住んでみて失敗に気づくケースもあるのです。
また、ワンフロアにすべての間取りをまとめるため動線が長くなったり、日当たりが悪くなったり、平屋ならではの注意点もあります。
新築平屋の失敗を避けるためには、事前に注意すべきポイントを把握し、適切な対策をすることが大切です。
暮らしやすい平屋を建てるために、失敗しやすいポイントと対策をセットで覚えておきましょう。
新築平屋の間取りの失敗例と対策
平屋は2階建てとは間取りづくりのポイントが異なるため、同じように考えると失敗してしまうこともあります。
新築平屋でよくある間取りの失敗例と対策をチェックしていきましょう。
動線が長くなる
平屋はワンフロアの面積が広くなるため、端から端までの動線が長くなり、生活や家事の効率が低下して失敗するケースがあります。
動線が長くなると移動の負担とかかる時間が増え、不便な平屋になってしまいます。
動線の長さによる失敗を防ぐには、間取り図を見ながら1日の行動をリアルにシミュレーションすることが大切です。
朝起きてから眠るまでの1日の行動をチェックすることで、動線のムダを見つけて対策することができます。
暗い・風通しが悪い
平屋は延床面積が広くなるほど中心に光や風が届きにくくなり、完成してから失敗に気づくケースもあります。
採光や通風は図面だけでは分かりにくい要素のため、特に失敗しやすいポイントです。
広めの平屋で窓から遠く、採光や通風の確保が難しい場所ができそうなときは、天窓の設置や中庭の間取りで対策するのがおすすめです。
窓から遠い場所に天窓を設置すれば、暗さを軽減して明るい平屋をつくることができます。2階のない平屋は天窓を設置しやすいため、採り入れやすいアイデアです。
また、中庭は隣接する部屋の採光と通風を確保でき、平屋の中心部の暗さや風通しの悪さを解消するのに効果的です。
こちらのコラムで中庭のある平屋の間取り実例を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
トイレの位置が遠い
平屋の間取りで意外と失敗が多いのが、トイレの位置が遠く不便なケースです。
例えば、帰宅時やゲストが使いやすいように玄関の近くにトイレを配置すると、寝室から遠くなり就寝時に不便を感じる可能性があります。
特に広い平屋はトイレの位置が遠くなるケースが多いため、2か所に設置することも検討しましょう。
こちらでトイレを2か所に設置した平屋の間取り実例をご紹介しています。
収納が足りない
注文住宅の失敗例として多い収納不足は、平屋の場合特に注意が必要なポイントです。
平屋はワンフロアの中で居住スペースと収納のバランスを取る必要があり、間取りづくりの難易度は高めです。
収納が不足しそうなときは、小屋裏収納やロフトなどの間取りで対策するのが効果的。
小屋裏収納やロフトは延床面積に算入されず、デッドスペースを活かして収納量を増やせる間取りアイデアです。
小屋裏収納やロフトのメリットや考え方については、こちらもご覧ください。
洗濯物を干しにくい
バルコニーがない平屋はお庭に洗濯物を干すことになり、周囲の視線や防犯性が気になり失敗したと感じる方も多いようです。
また、洗濯機置き場から物干しスペースが遠いと、洗濯動線が長くなり効率が低下します。
物干しスペースに関する失敗を防ぐには、ランドリールームの設置を検討するのがおすすめです。
ランドリールームなら天気や周囲の視線を気にせずいつでも洗濯物を干せて、作業も一ヵ所で完結できるので効率的です。
ランドリールームのメリットや間取りづくりのポイントをこちらのコラムで解説しています。
プライベートスペースがない
平屋は家族全員が同じ空間で過ごすためコミュニケーションが生まれやすい反面、プライベートスペースが不足して失敗したと感じるケースもあります。
プライベートスペースがないと自室にこもる時間が増えやすくなり、かえってコミュニケーションが減ってしまうリスクがあります。
リビングのタタミコーナーやオープンデスクなど、同じ空間でもそれぞれの過ごし方ができるプライベートスペースを考えて対策しましょう。
また、ウッドデッキにチェアやテーブルを置いて、プライベートタイムを過ごせるアウトドアリビングとして活用するのもおすすめです。
こちらで平屋のウッドデッキ間取りプラン例を紹介しています。
音がうるさい
隣接する部屋の音がうるさくてくつろげないのも平屋で多い失敗例です。
例えば、リビングと寝室が隣同士になると、テレビや話し声が気になり就寝に支障が出る可能性があります。
対策として、家族の生活サイクルを踏まえて、音が気になりそうな部屋はなるべく話して配置するのが効果的です。
子ども部屋や寝室、水回りなどが近くになる場合は、収納や廊下を挟んで音が伝わりにくくすることも大切です。
音は図面だけで分からない要素なので、実際の暮らしを想定して対策しましょう。
暑い・寒い
2階の荷重がかからない平屋は大きな窓をつくりやすいのがメリットですが、広いガラス面を通じて熱の影響を受け暑さ・寒さで失敗するケースもあります。
窓は住まいの中でも特に外気の影響を受けやすい場所で、面積が広くなるほど断熱性が低下します。
特に大きな窓を付ける場合は、サッシや窓ガラスの断熱性にこだわって対策しましょう。
近年主流のペアガラスより断熱性を高めたトリプルガラス、アルミより熱が伝わりにくい樹脂サッシなど、大きな窓でも対策をすることは可能です。
開放感やデザイン性と、快適性のバランスを考えて窓のサイズや仕様を決めましょう。
周囲の視線が気になる
全ての部屋が1階に面している平屋は、周囲からの視線が気になりくつろげず、失敗したと感じるケースも多いです。
リビングなどに大きな窓を付けると、その分外からの視線も入りやすくなり気になる可能性があります。
周囲の視線への対策は、間取りだけでなくフェンスや生垣といった外構側で対策するのが効果的です。
こちらで平屋の外構実例や、プライバシー性の考え方などを解説しています。
新築平屋の土地選びの失敗例と対策
土地選びは住まいのクオリティを左右するポイントですが、平屋は特に重要度が高いです。
広さや日当たり、周辺環境など、土地選びの失敗を防ぐための対策を覚えておきましょう。
思ったような平屋を建てられない
住まいづくりの前に土地選びを先行してしまうと、思ったような広さや間取りの平屋を建てられず失敗してしまうリスクがあります。
例えば、一般的な宅地は建ぺい率で建てられる延床面積の上限が決められているため、敷地面積よっては理想の平屋を実現できないことがあるのです。
このような失敗を防ぐためには、理想の平屋暮らしに必要な部屋数や延床面積を明確にしてから土地を探すことが大切です。
こちらのコラムで平屋に必要な土地の広さの考え方を解説しています。
日当たりが悪い
平屋は土地自体の日当たりが悪いと特に影響を受けやすく、失敗してしまうリスクが高くなります。
中庭や天窓など平屋の採光性を高めるアイデアもありますが、土地自体の日当たりが悪いと対応しきれない可能性も。
時間帯によって日当たりが変わり、建物の影になり暗くなってしまうケースもあります。
日当たりは土地選びにおける重要なポイントですが、平屋の場合は特にこだわってチェックしましょう。
可能であれば、時間帯を変えて何度か訪れてみて、実際の日当たりを確認するのがおすすめです。
予算オーバーしてしまった
平屋は2階建てより広めの敷地面積が必要になるため、土地に予算をかけすぎてお金が足りなくなり失敗してしまうケースも多いようです。
先に土地だけを決めてしまうと、平屋づくりの段階で建築費用が不足してしまうリスクがあります。
基本的には、土地選びと間取りづくりを同時進行で進めて、トータル予算を確認しながら進めるのが失敗を防ぐポイントです。
災害が心配
平屋は津波や洪水などの水害時に2階に避難できないため、実際に暮らし始めてから心配になり後悔するケースもあります。
海の近くの津波だけでなく、最近は集中豪雨による床上浸水なども増えているため、水害のリスクは気になるポイントです。
対策としては、土地選びの段階でハザードマップを確認して、水害リスクが高いエリアを避けるのが基本です。
インターネット上でマップを見ながら災害リスクを確認できるので、候補の土地を見つけたらチェックしてみてください。
広すぎて管理が大変
郊外の広い土地にゆとりのある平屋を建てる場合、敷地が広すぎて管理の手間がかかり、失敗したと感じるケースも。
広い敷地は駐車場やガーデニングなどさまざまな用途に活用できる反面、草むしりや落ち葉掃除など負担の管理は大変になります。
広めの土地に平屋を建てる場合は、掃除やメンテナンスのことも考えて外構計画を立てましょう。
コンクリートやタイルで土の面積を減らして雑草を生えにくくしたり、落葉が少ないシンボルツリーを植えたり、工夫次第でお庭のお手入れ負担を減らすことができます。
新築平屋のデザインの失敗例と対策
外観・内装などのデザインづくりも、平屋ならではの失敗しやすいポイントがあります。
おしゃれな新築平屋を建てるために、失敗例と対策をチェックしておきましょう。
外観が安っぽい
平屋はシルエットがシンプルになることが多く、素材や色によっては外観が安っぽく見えてしまう可能性があります。
外観が安っぽくなるのを防ぐには、屋根の形状にこだわってシルエットを調整するのが効果的な対策です。
例えば、シャープな片流れ屋根は、スタイリッシュなモダンスタイルの平屋と相性が良いです。
シンプルでかわいらしい印象をつくりやすい切妻屋根、落ち着いた印象の寄棟屋根など、目指す外観デザインに合わせて屋根形状にこだわってみましょう。
こちらで平屋の屋根形状の種類や選び方のポイントを解説しています。
また、外壁や屋根に高級感のある素材を選ぶのも効果的な対策です。
クレバリーホームの平屋は、高級感があり耐久性が高い陶器瓦と外壁タイルを標準仕様としています。
同じシルエットやカラーでもグッと魅力的な外観になり、安っぽい印象になるのを防げますので、ぜひ素材にもこだわってみてください。
内装がイメージと違う
初めての平屋づくりでは、内装の仕上がりとイメージが違い、失敗したと感じてしまうケースも多いです。
内装はお部屋の形や窓の配置、内装の素材やカラーなどさまざまな要素で構成されるため、イメージ通りに仕上げるのは難しいですよね。
平屋の内装をおしゃれに仕上げるためには、デザイン実例を見てイメージを固めてから、1つずつ順を追って決めていくのが効果的です。
こちらのコラムでおしゃれな平屋の内装デザイン実例や考え方を解説しています。
圧迫感がある
平屋は限られた延床面積の中で間取りをつくるケースが多く、圧迫感が出て失敗してしまう可能性もあります。
圧迫感があるとデザインの魅力が半減し、居心地の悪い空間になってしまいます。
なるべく、圧迫感を軽減し、広々としたお部屋をつくる工夫を取り入れましょう。
平屋は2階の床がないため、勾配天井で視界を広げて、開放感を高めるのがおすすめです。
天井の位置を高くすることで、同じ面積でも広く見える開放的なお部屋をつくることができます。
こちらのコラムで、平屋の天井を高めるメリットや勾配天井の施工実例を紹介しています。
まとめ
新築平屋には失敗しやすいポイントもありますが、事前に把握していれば対策することが可能です。
今回ご紹介したポイントについてしっかり考え、失敗を回避しておしゃれで暮らしやすい平屋を建てましょう。
クレバリーホームは平屋商品「Granshare」をご用意し、自由なプランづくりで暮らしやすい平屋づくりをお手伝いしています。
平屋のご検討に役立つカタログセットもございますので、ぜひご活用ください。