住宅ローン金利が上がるとどうなる?金利が上がる理由と対策をチェック

住宅ローン金利が上がるとどうなる?金利が上がる理由と対策をチェック

マイホームづくりの資金計画に大きく影響する、住宅ローンの金利。

1999年2月のゼロ金利政策から日本は超低金利時代が続いていますが、今後は金利が上がる可能性が高いと見られています。これから住宅ローンを組んでマイホームを取得する際は、政府の金利政策や経済状況を見て、正しい選択をしなければなりません。

そこで今回は、住宅ローン金利が上がる理由や、返済額の変化などマイホームに関する部分を分かりやすく解説します。金利の基本的な仕組みと注意すべきポイントを把握して、確実な資金計画に役立てましょう。

※この記事の内容は2023年11月時点の情報に基づいて作成しています。実際に住まいづくりを検討する際は、最新の情報をご確認ください。

住宅ローン金利が上がるのはなぜ?

住宅ローンの金利があがるのはなぜ?

住宅ローンの金利は、景気動向や日本銀行の金融政策の影響を受けて変動します。

具体的には、固定金利型の利率は「長期金利」、変動金利型は「短期金利」を基準として決められます。

景気向上を目的とした金融緩和政策により、ここ数年の日本は低金利時代が続いていました。しかし、アメリカやヨーロッパ圏の先進国が物価上昇を抑えるために金利を引き上げた影響を受け、日本も金利を引き上げるという流れになっています。

住宅ローン金利が上がるのはいつから?

住宅ローンの金利が上がるのはいつから?

日本銀行は2023年10月の金融政策決定会合で、今まで1%以下に抑え込んでいた長期金利の上限を撤廃しました。具体的な上昇幅については公表されていませんが、今後段階的に長期金利が引き上げられていくと見られています。

この金融政策の転換を受けて、大手銀行5行が10年固定金利の金利を引き上げました。日本銀行は金融緩和政策の基本的な枠組みは維持する方針ですが、金利については柔軟な運用を打ち出しています。今後は徐々に金利が引き上げられ、固定金利だけでなく変動金利も上がる可能性が高いという意見が増えている状況です。

参照元:時事通信 住宅ローン金利、大手5行が上げ 11月、長期金利の上昇反映

参照元:NHK 日銀 金融政策の運用を見直し 長期金利の上限を「1%をめど」

 

住宅ローン金利が上がるとどうなる?

注文住宅の費用シミュレーション

住宅ローンの金利が上がるとどれくらいの影響が出るのか、例を挙げてチェックしてみましょう。

 

※全期間固定金利の場合

  • 借入金額:3,000万円
  • 借入期間:35年
  • ボーナス返済なし
  • 元利均等返済
金利 月返済額 総返済額
1.5% 91,855円 38,579,007円
2.0% 99,378円 41,738,968円

住宅金融支援機構返済プラン比較シミュレーションで試算

固定金利が0.5%上がると、総返済額は約315万円増えました。金利が上がってから住宅ローンを組むと、同じ借入額でも返済負担は大きくなり、借入限度額も低くなります。

 

※変動金利の場合

  • 借入時の金利:0.4%
  • 借入金額:3,000万円
  • 借入期間:35年
  • ボーナス返済なし
  • 元利均等返済
10年目以降の金利 1~10年目返済額 10~35年目返済額 総返済額
0.4%のまま 76,557円 76,557円 32,153,754円
1.4%(+1%) 76,557円 86,373円 35,098,723円
1.9%(+1.5%) 76,557円 91,562円 36,655,620円

住宅金融支援機構返済プラン比較シミュレーションで試算

変動金利は10年後に金利が上昇した場合をシミュレーションしてみました。金利が1%上がると約294万円、約450万円総返済額が増えてしまいます。先ほど試算した固定金利より総返済額は少ないものの、金利上昇による変動の影響は大きいですね。

 

住宅ローン金利上昇の対策

住宅ローンの金利上昇の対策

前述したように住宅ローンの金利上昇の影響は大きいですから、次のように対策して備えましょう。

景気動向や日銀の政策をチェック

前述したように、住宅ローンの金利は世の中の景気動向や日本銀行の経済政策などの影響を大きく受けます。新聞、インターネットニュースなどの媒体をチェックして、景気や金利に関する最新の情報を常にチェックしましょう。正しい情報を把握することで、マイホームの買い時やご自身に合う金利タイプを判断でき、無理のない資金計画を立てることができます。

ローンや資金計画もサポートできる住宅会社に相談して、最新の金利動向を聞いてみるのもおすすめです。

クレバリーホームの全国のモデルハウスでは、住宅ローンや資金計画についても相談できますので、ぜひお気軽にご相談ください。

▼お近くのモデルハウスを探す

 

自治体や国の優遇金利制度を活用する

子育て世帯や二世帯同居などを対象とした、自治体・国の優遇金利制度を活用するのもおすすめの対策です。

例えば、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」は、2024年2月から子どもの人数に応じて金利を引き下げることを発表しています(2023年11月10日)。18歳未満の子どもが1人いると、金利が当初5年間、0.25%引き下げられます。子ども4人で最大1%金利が引き下げられるため、かなり支払総額に影響がありそうです。

また、移住や高性能住宅などを対象に、自治体と連携して金利が引き下げられるケースもあります。マイホームを取得する地域の優遇金利制度をチェックしてみるのがおすすめです。

参照元:住宅金融支援機構 【フラット35】地域連携型

 

固定金利も検討する

金利が上がる可能性を考慮して、変動金利だけでなく固定金利も検討することも大切です。

先ほどのシミュレーション結果のように、多少の金利上昇なら変動金利の方が総返済額を抑えられる可能性は高いです。しかし、金利の変動幅によっては返済額が一気に高くなり、計画が狂って支払いが滞るリスクも。

変動金利・固定金利・固定金利選択など、金利タイプごとの特徴をチェックしてご自身に合うプランを選びましょう。

 

変動金利は上がる想定もして返済計画を立てる

変動金利で住宅ローンを組む場合は、途中で金利が上がるという想定で返済計画を立てましょう。

先ほどのシミュレーションのように、返済期間中に金利が上がると100万円以上返済額が増えるケースもあります。ギリギリの返済計画だと、金利上昇に対応できず、最悪の場合家を失ってしまう可能性もあるのです。

借入額や返済期間を考えるときは、金利を変えて何パターンかシミュレーションしてみてください。

 

繰り上げ返済できる余裕を設ける

変動金利は、金利が上がった際に繰り上げ返済できるようにしておくのも効果的な対策です。

万が一金利が上がっても、繰り上げ返済すれば期間を短縮できるので、影響を軽減することができます。繰り上げ返済の金額が自由で、手数料がかからない、もしくは安い金融機関を選んでおくのも効果的。

繰り上げ返済で金利上昇リスクに対応できるように、こちらのコラムで資金計画の考え方もチェックしておきましょう。

 

コストダウンして借入期間を短くする

注文住宅の間取りや設備に工夫してコストダウンすれば、借入期間を短くできるため金利上昇の影響を軽減できます。

例えば、間取りのムダをなくして延床面積を減らせば、1坪あたり数十万円のコストダウン効果が期待できます。廊下を減らしたり、階段下や小屋裏などのデッドスペースを有効活用したり、効率の良い間取りアイデアを採り入れてみましょう。

ただし、優先度の高い間取りや設備を削ってしまうと、引っ越ししてから後悔する可能性があるのでおすすめできません。また、単純に坪単価が安いローコスト住宅を選ぶと、断熱性などが低く後悔するケースも。

こちらのコラムでクオリティを犠牲にしないコストダウン方法を解説しているので、参考にしてみてください。

 

まとめ

住宅ローンの金利変動は、マイホームの資金計画を左右する重要なポイントです。金利が上がって計画が狂わないように、基本的な仕組みや対策をしっかり覚えておきましょう。

資金計画にもアドバイスできる住宅会社を選び、間取りプラン・建築費用とのバランスを取ることも重要です。

クレバリーホームは全国のモデルハウスで、資金計画も含めた住まいづくりのご相談を受け付けています。住宅ローンのこと、間取りのこと、土地のことなど、何でもお気軽にご相談ください。

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