平屋の固定資産税はいくら?2階建てより高くなるのか、計算方法を解説

平屋の固定資産税はいくら?2階建てより高くなるのか、計算方法を解説

平屋を建てる際、土地取得費用や建築費用が予算内に収まるかは重要なポイントですが、翌年から課税される固定資産税も気になるところです。

固定資産税は毎年かかるランニングコストであり、平屋は2階建てより高くなるという意見も多いため、負担が大きくなるのではと心配する方も少なくありません。

そこで今回は、一戸建ての土地や建物にかかる固定資産税の仕組みや計算方法などの基礎知識から、税負担を抑えるポイントまで分かりやすく解説します。

30坪の平屋を建てた場合の、土地・建物にかかる固定資産税もシミュレーションします。

※本記事の内容は2024年9月時点の情報を基に作成しています。制度が変更になる可能性もありますので、最新の情報をご確認ください。

平屋の固定資産税は2階建てより高い?安い?

新築平屋の固定資産税

平屋の固定資産税は2階建てより高くなると言われることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。

同じ延床面積で平屋と2階建てを比較した場合、土地取得費用や建築費用が高くなり、固定資産税も高額になる可能性は考えられます。

しかし、平屋と2階建てでは住まいづくりの考え方が異なるため、同じ部屋数でも全く同じ広さになるとは限りません。

平屋は階段のスペースが必要ありませんし、小屋裏収納やロフトを活用して延床面積を抑える方法なども豊富です。

土地相場が安い郊外に建てたり、効率の良い間取りアイデアで延床面積を抑えたりすれば、平屋の固定資産税額を抑えられる可能性もあります。

平屋の固定資産税について考える際は、基本的な仕組みや計算方法を把握し、税額が高くなる原因や安く抑える方法について覚えておくことが大切です。

次の章から、固定資産税の基礎知識からシミュレーション方法まで、1つずつチェックしていきましょう。

固定資産税とは?

平屋の固定資産税のイメージ

固定資産税は地方税の一種で、土地や家屋といった「固定資産」に対して課税される税金です。

固定資産の種類
土地 田んぼ、畑、住宅地、池沼、山林、鉱泉地(温泉など)、牧場、原野などの土地
家屋 住宅、お店、工場(発電所や変電所を含む)、倉庫などの建物
償却資産 会社等(事業者)が所有する構築物(広告塔やフェンスなど)、飛行機、船、車両や運搬具(鉄道やトロッコなど)、備品(パソコンや工具など)など

出典:総務省 固定資産税

 

具体的には上記のようなものが固定資産になり、戸建て住宅の土地と建物も対象です。

毎年1月1日時点の所有者として登記簿に記帳されている人が、固定資産税の納税義務者になります。

毎年4~6月ごろに市町村から納税通知書が届き、年4回に分けるか、一括で納付する方法が一般的です。

 

課税標準額(固定資産の評価額)×標準税率(1.4%)=税額

 

固定資産税は、土地や建物の資産価値をもとに決められる課税標準額に対し、税率をかけて決定されます。

 

区分 評価方法
土地 ・宅地や農地の地目別(地目とは、それぞれの土地をその用途によって分類したもの。例えば、田や畑、宅地。)に売買実例価格などを基礎として、評価額を計算。なお、宅地については地価公示価格などの7割を目途に評価額を計算。
家屋 ・再建築価格(評価対象となる家屋と同一のものを、評価時点において、その場所に新築するとした場合に必要となる建築費)に経年減点補正率など(家屋の建築後の年数の経過に応じて、生じる減価を基礎として定めた率)に乗じて、評価額を計算。

出典:総務省 固定資産税

 

課税標準額は総務大臣が定めた固定資産評価基準をもとに、各市町村長が算出します。

新築住宅の場合は家屋調査が入り、結果を踏まえて課税標準額を決定する流れです。

土地や建物の資産価値は変動するため、3年に1度評価が見直され固定資産税も変わります。

 

平屋の固定資産税の計算方法

平屋の固定資産税を計算する人

実際に30坪の平屋を建てた場合、どれくらいの固定資産税額になるのかシミュレーションしてみましょう。

尚、平屋も2階建て以上の建物も、基本的な計算方法は同じです。

 

延床面積 30坪(約99㎡)
建築費用 2,000万円
敷地面積 60坪(約198㎡)
土地取得費用 1,000万円

 

具体的には、上記のような条件で、土地と建物の総額3,000万円の平屋の固定資産税としてシミュレーションしてみます。

尚、実際の固定資産税は建物や土地の状況、自治体の基準や判断によって変動しますので、大まかな目安として参考にしてください。

 

土地の固定資産税

平屋を建てる土地の固定資産税を計算するためには、まず土地の評価額を求める必要があります。

土地の評価額は、地価公示価格などの7割を目安として決められます。地価公示は毎年1月1日に発表され、国土交通省の検索サイトや自治体などで調べることが可能です。

参考:不動産情報ライブラリ

 

土地の販売価格と公示価格は状況によって差が出ることもありますが、今回は同じと仮定して固定資産税を計算してみましょう。

 

  • 1,000万円(公示価格) × 70% =700万円(課税評価額)
  • 700万円 × 1/6 = 約116.66万円(小規模住宅用地の軽減措置)

 

尚、200㎡以下の住宅用地は「小規模住宅用地の軽減措置」を受けることができ、課税評価額を1/6に減額できます。上記の計算で土地の課税評価額は約116.66万円となりました。

 

  • 116.66万円 × 1.4% = 約1.63万円(固定資産税額)

 

上記の計算で土地の固定資産税は約1.63万円です。

今回は土地取得費用から大まかな固定資産税額をシミュレーションしていますが、自治体の窓口で固定資産税台帳を閲覧すれば、正確な税額を確認できます。

 

建物の固定資産税

平屋の建物部分の固定資産税も、評価額を基に計算します。

建物の評価額は「再建築価格」の5割が目安と言われています。新築平屋の場合は、おおむね「建築価格=再建築価格」と考えて良いでしょう。

 

  • 2,000万円(再建築価格) × 50% = 1,000万円(課税評価額)
  • 1,000万円 × 1.4% = 14万円(固定資産税額)

 

30坪、建築費用2,000万円の平屋の建物部分の固定資産税は、14万円が目安となります。

また、新築住宅の固定資産税額は3年間1/2に減額されるため、3回目までの税額は7万円になります。

 

土地と建物の固定資産税額を合計すると、新築後3年間の税額は8.63万円です。

あくまでシミュレーションのため変動する可能性がありますが、大まかな目安としてマイホーム計画の参考にしてみてください。

平屋の固定資産税を安くする方法

建築中の平屋の固定資産税

建築費用や土地取得費用を抑えたり、軽減措置を活用したり、平屋の固定資産税を安くする方法もチェックしておきましょう。

尚、2階建て以上の戸建て住宅でも基本的な考え方は同じですので、参考にしてください。

木造で建てる

平屋を一般的な木造で建てることで、建物の資産価値を抑えて固定資産税を安くすることができます。

 

構造 価格
木造 107,000円/㎡
軽量鉄骨造 121,000円/㎡
鉄骨造 130,000円/㎡
鉄筋コンクリート造 166,000円/㎡

出典:東京法務局新築建物課税標準価格認定基準表

 

東京都で固定資産税課税台帳に登録されていない新築住宅の課税標準額の基準は、上記のように構造別に価格が違います。

木造は鉄骨造や鉄筋コンクリート造より基準価格が低いため、建物の評価額や固定資産税も抑えることができるのです。

重心が低い平屋は木造でも十分な耐震性を確保できるため、固定資産税を抑えられる木造で検討するのがおすすめです。

 

土地取得費用を抑える

相場が安い郊外などを選び、なるべく土地取得費用を抑えるのも平屋の固定資産税を安くする方法の1つです。

平屋は2階建てより広い土地が必要になるため、坪単価による取得費用の変動が大きいです。

郊外でリーズナブルな土地を見つければ、都市部の2階建てと変わらない固定資産税額に抑えられる可能性もあります。

延床面積を減らす

効率の良い間取りで延床面積を減らし、建築費用を抑えることで固定資産税も安くすることができます。

リビングを中心とした動線で廊下を減らしたり、小屋裏空間を有効活用したり、平屋の延床面積を減らすアイデアは複数あります。

工夫次第でコンパクトでも暮らしやすい平屋を建てることはできますので、いろいろな施工実例を見てアイデアを取り入れてみましょう。

こちらのコラムでさまざまな広さの平屋実例を紹介していますので、参考にしてください。

 

不要なオプションを選ばない

マイホームに対する要望をしっかり整理して必要なオプションを見極め、追加費用を抑えることも固定資産税の節約につながります。

固定資産税の課税評価額は建材や設備ごとに細かく設定されていて、オプションを選ぶと税額が高くなる可能性があります。

こちらのコラムで注文住宅の代表的なオプションや、必要な物の見極め方を紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

長期優良住宅にする

平屋の耐久性や断熱性などを高めて長期優良住宅の認定を受け、固定資産税の軽減措置を延長する方法もあります。

一般的な平屋は新築から3年間、固定資産税額が1/2に減額されますが、令和8年3月31日までに建てられた長期優良住宅は5年間に延長されます。

また、長期優良住宅の認定を受けることで、住宅ローン減税が優遇されるなどのメリットもありますので、積極的に検討してみましょう。

参照:国土交通省 認定長期優良住宅に関する特例措置

 

まとめ

平屋づくりでは、建てた直後のことだけでなく、毎年かかる維持管理費のことも考えることが大切です。

毎年かかるランニングコストである固定資産税も、しっかり把握しておきたい費用の1つ。

これから平屋を建てる方は、土地取得費用や建築費用から、大まかな固定資産税の税額をシミュレーションしてみてください。

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