繰り上げ返済、3つの注意点は「お金」「期間」「精神面」!
前回の記事で、メリットをご紹介した住宅ローンの「繰り上げ返済」ですが、実は気を付けておくべきポイントがあります。
「繰り上げ返済」の注意点をしっかり押さえて、後悔のない住宅ローン返済につなげましょう!
このコラムでわかること
- 「繰り上げ返済」しない方が良い場合も?
- お金面のデメリット
- 期間短縮によるデメリット
- 精神面のデメリット
- まとめ
「繰り上げ返済」しない方が良い場合も?
「繰り上げ返済」のメリットは元金を減らすことで利息を減らせる→結果として総返済額を抑えられる、ということでした。
しかし、その人の借り方や考え方によっては「繰り上げ返済」をしない方が良い場合もあります。
繰り上げ返済の特徴を、今回はあえて「デメリット」ととらえ、ご紹介していきます。
デメリットは「お金面」「期間短縮によるもの」「精神面」の3分野で考えられます。
それぞれ順に見ていきましょう。
お金面のデメリット
・手数料がかかる
繰り上げ返済にも手数料がかかります。
手数料は金融機関によって違います。
最近はネットバンキングを利用すると手数料が無料になるものが多いですが、窓口の手続きでは高いもので数万円かかります。
・「借り換え」の方がお得かも?
とくに過去の高金利時代に借りた方は繰り上げ返済ではなくローンの「借り換え」の方が金銭的なメリットが高い場合があります。
また、借り換えにはローンの残り期間も影響してくるので、繰り上げ返済によって残り期間を減らしたことが借り換えしにくさにつながることもあります。
(「借り換え」についてはこちら→「借り換え」で350万円もの差?! 低金利時代の住宅ローンの考え方)
期間短縮によるデメリット
・住宅ローン減税が利用できなくなるかも?
10年間、住宅ローンの残高の1%が所得税控除になる制度「住宅ローン減税」は最低10年間の償還期間が必要ですので、繰り上げ返済によって返済期間が少なくなり、利用できなくなる場合もあります。
・団体信用生命保険期間が短くなる
民間金融機関の住宅ローンでは加入必須の団体信用生命保険は加入者に万が一のことがあった場合、ローンを全額返済してくれる保険です。
金融機関によっては、その保険料を負担している場合もあります。
家族がいるなど、リスクへの備えとして考えた場合、保険料も無料であれば残した方がよいと判断されることもあります。
・将来のインフレや金利上昇時に投資の機会を失うかも?
誰も予測できないことですが、将来インフレが起きたりや金利が上昇したりした場合、余剰資金を住宅ローン返済ではなく投資に回した方が利益が出た、ということなどが考えられます。
精神面でのデメリット
・かえって家計と心の余裕がなくなることも
「借金をしている」という心理的負担が大きいからと言って、生活資金を削ってまで返済するのはやめましょう。
現金がある程度なければ、とっさのときに新たな借金をしなければならない場合があります。
家計の余裕がない時は住宅ローンの繰り上げ返済は後回しにしましょう。
まとめ
長期間、多額のお金を返済する住宅ローンでは、「早く返す」ことで金銭的なメリットがあるのは事実です。
しかし「繰り上げ返済」は家計に余裕がある時に、計画的に行っていくもの。
「繰り上げ返済」を賢く利用するためには、デメリットになるかもしれない要素も、しっかり考えあわせてくださいね。
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