注文住宅の固定資産税はいくらかかる?計算方法や安くする方法を解説

注文住宅の固定資産税はいくらかかる?計算方法や安くする方法を解説

注文住宅づくりでは建築費用や土地取得費用も気になりますが、建てた後にかかるランニングコストである固定資産税も重要なポイントです。

初めてマイホームを取得しようとする方にとって、固定資産税がいくらぐらいかかるのかは気になりますよね。

そこでこの記事では、注文住宅の固定資産税の計算方法、どれくらいの税額になるかシミュレーション例をご紹介します。

また、固定資産税を抑える方法や、納付方法など気になるポイントもまとめましたので、ぜひ参考にして下さい。

※本記事の内容は2025年1月時点の情報を基に作成しています。制度が変更になる可能性もありますので、最新の情報をご確認ください。

注文住宅にかかる固定資産税とは

注文住宅の固定資産税のイメージ

固定資産税は地方税の一種で、不動産など固定資産の所有者に対し、毎年課税される税金のことです。

注文住宅の場合、建物と土地それぞれに固定資産税がかかります。

新築住宅は初年度に家屋調査を実施して固定資産税の金額が決定し、土地や建物の資産価値の変動に合わせて、3年に1度見直しが行われます。

戸建て住宅の固定資産税は平均10~15万円が目安と言われていますが、実際の税額は土地の資産価値や建築費用などによって変動するため、一概には言えません。

固定資産税の計算方法や納付時期などを把握しておかないと、思ったより税額が高く家計や住宅ローンの返済に影響するリスクも考えられます。

次の章から、注文住宅の固定資産税の計算方法をチェックしていきましょう。

注文住宅の固定資産税の計算方法

注文住宅の固定資産税は土地と建物で計算方法が異なります。

具体的なシミュレーションは次の章で紹介しますので、ここでは基本的な計算方法を覚えておきましょう。

土地の固定資産税の計算方法

固定資産税がかかる土地

注文住宅の土地の固定資産税は「課税標準額(固定資産税評価額)×税率(1.4%)」の計算式で求められます。

税率は市町村が自由に決めることができますが、基本的には1.4%に統一されています。

固定資産税評価額は市町村から送られてくる納税通知書で確認できますが、これから購入する土地は、「公示価格」の約7割が目安です。

公示価格は国土交通省の不動産情報ライブラリで検索できますので、購入予定の土地の価格をチェックしてみましょう。

また、注文住宅の場合は住宅用地の特例を適用して、課税標準額を減額することができます。

 

小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 固定資産税評価額の1/6
一般住宅用地(200㎡を超える部分) 固定資産税評価額の1/3

 

仮に300㎡の土地に注文住宅を建てる場合、課税標準額を200㎡以下の部分は1/6、200㎡を超える部分は1/3に減額できます。

建物の固定資産税の計算方法

固定資産税がかかる建物部分

注文住宅の建物部分の固定資産税の計算方法も、基本的には土地と同じように「課税標準額(固定資産税評価額)×税率(1.4%)」となります。

建物の固定資産税評価額も正確には納税通知書で確認しますが、新築注文住宅は「再建築価格の5割」が目安と言われています。

また、新築住宅は、完成してから3年間固定資産税を1/2に減額する軽減措置を適用可能です。

注文住宅の固定資産税シミュレーション

注文住宅の固定資産税シミュレーション

先ほどの計算方法に基づき、注文住宅の固定資産税がいくらになるのかシミュレーションしてみましょう。

 

総額4,000万円の例 総額5,000万円の例
土地取得費用 1,000万円 1,000万円
建築費用 3,000万円 4,000万円
  • 延床面積 120㎡(約36坪)
  • 敷地面積 200㎡(約60坪)

 

上記の条件で、同じ土地に対し、建築費用の変化で固定資産税額がどのように変わるのかシミュレーションしてみます。

なお、今回は分かりやすいように「土地取得費用=公示価格」「建築費用=再建築価格」として固定資産税をシミュレーションします。

 

※土地の固定資産税

  • 1,000万円(公示価格)× 70% = 700万円(課税標準額)
  • 700 × 1/6(小規模住宅用地の軽減措置) × 1.4% = 約1.63万円

 

上記の計算で土地の固定資産税は約1.63万円となりました。

 

建物の固定資産税も、建築費用3,000万円・4,000万円の2パターンで計算してみましょう。

 

※建築費用3,000万円の建物の固定資産税

  • 3,000万円(再建築価格) × 50% = 1,500万円(課税標準額)
  • 1,500万円 × 1.4% = 21万円(固定資産税額)
  • 21万円 × 1/2(新築住宅の軽減措置) = 10.5万円(新築から3年間の固定資産税額)

 

※建築費用4,000万円の建物の固定資産税

  • 4,000万円(再建築価格) × 50% = 2,000万円(課税標準額)
  • 2,000万円 × 1.4% = 28万円(固定資産税額)
  • 28万円 × 1/2(新築住宅の軽減措置) = 14万円(新築から3年間の固定資産税額)

 

建築費用が1,000万円違うと、初年度の固定資産税は3.5万円の差が出ます。

 

総額4,000万円の例 総額5,000万円の例
土地の固定資産税 1.63万円 1.63万円
建物の固定資産税 10.5万円 14万円
合計 12.13万円 15.63万円

 

土地・建物の固定資産税を合計すると、最初の3年間の税額は上記のようになりました。

一般的な相場で考えると建物の固定資産税の方が税額は高く、建築費用の変動による影響も大きくなるようです。

土地と建物の金額が変わっても計算方法は同じなので、予算に合わせて固定資産税の目安を計算してみてください。

注文住宅の固定資産税を安くする方法

固定資産税を節約した注文住宅の工事

注文住宅の固定資産税は毎年かかるランニングコストですから、いろいろな工夫で安くすることも大切です。

特例や減額措置を利用する

計算方法の章でご紹介した住宅用地の特例や新築住宅の軽減措置を活用するのは、固定資産税を安くする基本的なテクニックです。

特例や減額措置には要件があるため、敷地の広さや注文住宅の建て方を調整して適用できるようにしましょう。

例えば、住宅用地の固定資産税の軽減措置の特例では、敷地面積200㎡以下の部分は課税標準額が1/6、200㎡を超える部分は1/3に減額されます。

なるべく敷地面積を小さくした方が、固定資産税を抑えることができるということです。

また、建物の軽減措置にも適用要件があるため、確認して注文住宅のプランを調整しましょう。

延床面積を抑える

建物の固定資産税は、延床面積を抑えることが安くするためのポイントです。

延床面積を抑えることで建築費用を減らすことができ、結果的に固定資産税も抑えることができます。

狭すぎて暮らしにくい注文住宅になるのは避けるべきですが、不要なスペースを省いてコンパクトに建てることで、固定資産税の節税効果が期待できるのです。

評価額が安い土地を選ぶ

固定資産税を抑える方法としては、評価額が安い土地を購入するのも1つの方法です。

土地の固定資産税は建物より税額が少ないものの、年数の経過による補正率が無いため、評価額が高いとトータルの税負担は大きくなります。

郊外など相場が低いエリアを選んで土地取得費用を抑えることで、建物にお金をかけて設備やデザインを充実させられるのもメリット。

こちらのコラムで注文住宅の土地と建物の費用バランスについて解説していますので、参考にしてみてください。

 

必要な設備やオプションを見極める

注文住宅には設備や建材などさまざまなオプションがありますが、必要なものを見極めて不要なものを省くのも固定資産税を安くするポイントです。

例えば、床暖房や全館空調などの設備は便利な反面、注文住宅の評価額が上り固定資産税が高くなるケースがあります。

本当に必要なオプションは取り入れるべきですが、不要なものを選ぶと建築費用と固定資産税が高くなる原因になります。

こちらコラムで注文住宅のオプションの種類や選び方のポイントを解説していますので、あわせてご覧ください。

 

長期優良住宅認定を受ける

省エネ性や耐久性が高い長期優良住宅を建てて認定を受けることで、固定資産税を安くする方法もあります。

前述したように新築住宅の建物部分の固定資産税は3年間1/2に減額されますが、長期優良住宅の認定を受けると5年間に延長されます。

注文住宅は建物部分の固定資産税の負担が大きいため、積極的に検討してみましょう。

参照:認定長期優良住宅に関する特例措置

家屋調査に立ち会う

注文住宅の固定資産税額を決める家屋調査にはなるべく立ち会い、情報を正確に伝えた方が税負担を抑えられる可能性が高いです。

家屋調査は拒否もできますが、平面図などの建築資料だけで再建築価格や評価額を判断するため、実際の金額と差が出る可能性があります。

現場で確認しないと分からないこともあるため、家屋調査を拒否すると固定資産税が高くなってしまうリスクもあるのです。

家屋調査にはなるべく立ち会い、聞かれたことに正確に答えるようにしましょう。

注文住宅の固定資産税の納付方法と時期

注文住宅の固定資産税のコンビニ納付書

はじめてのマイホームでは、固定資産税をいつ、どのように納付するのかも把握しておくべきポイントです。

固定資産税の納付方法と時期をチェックしておきましょう。

固定資産税の納付方法

  • 市町村や金融機関の窓口で直接支払う
  • 口座振替
  • コンビニ納付
  • スマホ決済
  • クレジットカード
  • Pay-easy(ペイジー)

 

上記のように、固定資産税の納付方法は複数用意されており、自由に選ぶことができます。

毎年の支払いを忘れないようにするなら口座振替、ポイントを溜めるならスマホ決済やクレジットカードなど、ご自身に合う納付方法を選びましょう。

固定資産税の納付時期

自治体によって固定資産税の納付時期はさまざまですが、一般的には4~5月に納税通知書が届き、4期に分割して納付するのが一般的です。

 

1期 2期 3期 4期
東京23区 6月 9月 12月 2月
府中市 5月 7月 12月 2月
横浜市 4月 7月 12月 2月

※2025年1月時点の情報を基に作成

上記のように自治体によって納付時期はさまざまです。例えば、同じ東京都内でも23区と府中市では納付時期が違いますね。

固定資産税を払い忘れると延滞金が発生し、最終的には土地や建物を差し押さえられてしまう恐れもあります。

注文住宅を建てる予定の自治体によって納付時期が異なるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

注文住宅の固定資産税は毎年発生するランニングコストなので、いくらぐらいかかるのか事前に把握しておくことが大切です。

建築費用や土地の資産価値によって固定資産税額は変わりますので、予算に合わせて大まかな金額を確認しておきましょう。

また、注文住宅の土地選びやプランづくりに工夫して、初期費用と固定資産税を上手く抑えることも大切です。

クレバリーホームでは全国のモデルハウスで、住まいづくりや予算についてのご相談を受け付けています。

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