縦長・横長の平屋間取りのメリット・デメリット|考え方や間取り実例を紹介
幅広い世代の方に人気の平屋ですが、建てる土地の形によって間取りが縦長・横長になるケースも少なくありません。
東西・南北に細長い平屋の間取りにはそれぞれメリット・デメリットがあり、周辺環境やライフスタイルに合わせて考えることが大切です。
そこでこの記事では、縦長・横長の平屋間取りのメリット・デメリットや、土地選び・動線など考え方のポイントを詳しく解説します。
後半ではさまざまな縦長・横長の平屋間取りプラン例も紹介しますので、ぜひ理想のマイホームづくりの参考にしてください。
縦長・横長の平屋間取りのメリット
平屋の間取りを縦長・横長にすると、次のようにさまざまなメリットがあります。
東西に長い土地は自然光を採り入れやすい
東西方向に長い土地に横長の平屋を建てると、南向きの面が広くなり自然光を採り入れやすいのがメリットです。
リビングやダイニングなどを南向きの明るい場所に配置しやすく、開放的でおしゃれな平屋の間取りをつくることができます。
また、東西方向に横長の平屋は、南北方向の距離が短いため、全体的に暗い場所ができにくいのも特徴です。
奥行きを強調しやすい
縦長・横長の形状を活かして、間取りや外観の奥行きを強調できるのもメリットの1つです。
細長い間取りは視線が奥に抜けるため、圧迫感が少なく居心地の良い空間をつくりやすいです。
また、外観も奥行きを強調することで、平面的な印象になるのを避け、おしゃれに仕上げることができます。
ゾーニングしやすい
真四角より縦長・横長の平屋間取りは、プライベートスペースとパブリックスペースをゾーニングしやすいのも特徴です。
2階建ての場合、1階はパブリックスペースにして、2階に子供部屋や寝室などプライベートスペースをまとめることが多いですよね。平屋の場合はすべてワンフロアになるため、ゾーニングが難しいケースもあります。
細長い平屋の間取りなら、入り口付近は家族やゲストのコミュニケーションスペースにして、奥はプライベートスペースにするなど、はっきりゾーニングすることができます。
シンプルなシルエットでコストパフォーマンスが高い
凹凸の少ないシンプルなシルエットの縦長・横長の平屋なら、余計な部材や作業が発生せずコストパフォーマンスを高めやすいのもメリットです。
同じ延床面積の平屋でも、凹凸が増えるとその分コーナー部分の部材が必要になり、加工などの作業も発生します。
長方形のシンプルなシルエットと間取りなら、最小限の部材と作業で済むため、クオリティを下げずにコストダウンにつながります。
間口が狭い土地も選択肢に入る
細長い平屋なら間口が狭い土地でも建てることができ、希望の条件を満たすマイホームを建てやすくなるのもうれしいポイントです。
正方形に近い平屋を建てるためには、ある程度の間口と敷地面積の土地が必要になり、取得費用が多めにかかる可能性があります。
縦長・横長の間取りで間口が狭い土地も検討すれば、土地の選択肢が広がり、希望条件を満たすマイホームを建てられる可能性がアップするかもしれません。
縦長・横長の平屋間取りのデメリット
一般的な平屋より縦長・横長の間取りには、次のようなデメリットもあるため、注意が必要です。
対策は次の章でご紹介しますので、ここではまずどんなデメリットがあるのか覚えておきましょう。
廊下が長くなることがある
縦長・横長の平屋間取りは、建物の端から端までが遠くなり、廊下が長くなり動線効率が低下しやすいのがデメリットです。
廊下が長くなると、居住スペースや収納を圧迫してしまうため、希望の部屋数や広さの確保が難しくなるケースも。
また、毎日の生活や家事で通る動線が長くなると、暮らしにくい平屋になってしまう可能性もあります。
南北に長い土地は採光性が課題
南北方向に長い土地に縦長の平屋を建てる場合、南向きの面が少ないため採光性が課題になることが多いです。
例えば、リビングは南側に配置することが多いですが、窓が少ないため採光性が低下し暗くなってしまう可能性があります。
また、北側はさらに自然光を採り入れるのが難しくなり、暗く寒い部屋が生まれてしまうケースも考えられます。
プライバシー性が低下しやすい
縦長・横長の平屋はプライバシー性が低下しやすく、外からの視線が気になることもあるため要注意です。
例えば、人通りや交通量が多い道路に間取りの長手方向が面している場合、窓からの視線が気になる可能性が高くなります。
細長い土地に縦長・横長の平屋を建てることが多いため、周囲の建物が近くなりやすいのもプライバシー性が低下する原因に。
縦長・横長の平屋間取りづくりのポイント
前述したメリット・デメリットを踏まえて、縦長・横長の平屋を建てるときに考えるべきポイントを押さえておきましょう。
玄関の位置を踏まえて土地を選ぶ
縦長・横長の平屋は玄関の位置が特に重要になりますので、土地を選びの段階から間取りを想定することが大切です。
例えば、日当たりの良い南玄関は人気ですが、南北に長い土地だと貴重な南側のスペースを居室として活用するのが難しくなります。
間口が狭い土地の場合は、北側やほかの方角に玄関を配置した方が、理想の間取りをつくりやすくなるケースもあるのです。
玄関は土地と道路の位置関係で決まってくるので、土地選びの段階からこだわってみましょう。
こちらのコラムで玄関の位置によるメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
動線を1つずつシミュレーションする
縦長・横長どちらの間取りでも、毎日の生活で通る動線を1つずつシミュレーションすることが大切です。
例えば、洗濯機を置く場所と物干し場が離れていると、洗濯動線が長くなり効率が低下してしまいます。
なるべく一か所にまとめたり、ランドリールームで洗濯を完結できるようにしたりすると、洗濯動線が長くなるのを防ぐことができます。
こちらでランドリールームの間取りについて解説していますので、参考にどうぞ。
ほかの動線も、間取り図を見ながら1つずつシミュレーションすることで、移動効率の低下を防ぎやすくなります。
1日の行動をシミュレーションして、動線のムダを見つけてみましょう。
開放感を高める
細長い間取りは奥行き感を演出しやすい反面、左右の壁の距離によっては圧迫感が出てしまうケースもあります。
なるべくお部屋の開放感を高めて、実際の延床面積より広く見せることも、縦長・横長の平屋づくりのポイントです。
例えば、屋根形状を活かした勾配天井は、視界が広がり開放感を高められるアイデアです。
平屋は2階がないため勾配天井を取り入れやすく、相性も良いのでおすすめ。
勾配天井のメリット・デメリット、間取り実例をこちらのコラムで紹介しています。
採光性を高める
南北に細長い平屋の間取りは暗い場所ができやすいため、窓の配置で採光性を高めることも大切です。
例えば、採光性が低下しやすい北側の部屋は、天窓をつくると明るさを確保しやすいです。
前述した勾配天井と高窓の組み合わせも、周囲の建物などの影になりにくく採光性を確保しやすいアイデア。
こちらのコラムで窓の種類や配置の考え方を解説していますので、参考にしてみてください。
収納量を確保する
縦長・横長の平屋間取りでは、居住スペースとバランスを取りながら収納量をしっかり確保することも大切です。
収納が不足すると物があふれて、細長い部屋や通路に圧迫感が出てしまう可能性があります。
まずは、どれくらいの物があるのかリストアップして、必要な収納量について考えてみましょう。
デッドスペースを活用できる小屋裏収納、家族の衣類を効率良く管理できるファミリークローゼットなど、間取り全体やライフスタイルに合わせたアイデアを取り入れるのもおすすめです。
こちらのコラムで収納量や配置の考え方、人気の間取りアイデアをご紹介しています。
縦長・横長の平屋間取りプラン例
クレバリーホームの規格住宅Cleverly D’ees(クレバリーディーズ)から、縦長・横長の平屋間取りプラン例をピックアップしてご紹介します。
延床面積や間取り全体のバランスなどに注目してみてください。
縦長の平屋間取り① 延床面積18.03坪
コンパクトな縦長の平屋間取りです。
コの字型の中庭を配置し、LDKや北側の寝室にもしっかり自然光が入るように工夫されています。
大きな小屋裏収納でデッドスペースを有効活用し、収納量や利便性もしっかり確保。
縦長の平屋間取り② 延床面積21.04坪
南北に長い間取りの東側に玄関を設けて、各部屋への効率の良い動線を確保した平屋です。
中央に玄関とLDKを配置することで、廊下を極力減らし、効率の良い間取りに仕上がっています。
横長の平屋間取り① 延床面積28.93坪
横長の間取りを活かし、南向きの明るく開放的なLDKを配置した平屋です。
LDKから出入りできるテラスは、北側の主寝室に自然光を取り入れる役割も持っています。
横長の平屋間取り② 延床面積39.32坪(ガレージ含む)
横長の間取りと中庭を組み合わせた、隅々まで自然光と風が届く気持ち良い平屋の間取りです。
中庭を中心にパブリックスペース、プライベートスペースがゾーニングされていて、家族全員が気持ち良く過ごせるようになっています。
雨に濡れずに車に乗り降りできる、ガレージハウスになっているのも便利なポイント。
横長の平屋間取り③ 延床面積41.26坪
横長のLDKを中心にぐるりと一周できる回遊動線をつくり、効率的な暮らしと家族のコミュニケーションを重視した平屋間取りです。
LDKから水回りや玄関、各個室につながる動線があるため、シーンに応じて最短距離で移動しやすくなっています。
横長の平屋間取り④ 延床面積46.09坪(ガレージ含む)
玄関を北側に配置し、日当たりの良い南側を居住スペースとして有効活用した平屋間取りです。
ビルトインガレージを備えていますが、玄関ホールを挟んで居住スペースとゾーニングし、エンジンやシャッターの音が気にならないように工夫されています。
まとめ
縦長・横長の平屋間取りにはそれぞれメリット・デメリットがあり、敷地の状況やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
土地の選択肢が広がり、予算内で理想の平屋を建てられる可能性が高くなるので、縦長・横長の間取りも柔軟に検討してみてください。
クレバリーホームは、平屋商品「Granshare」をご用意し、さまざまな土地やライフスタイルに合わせた平屋づくりをサポートしています。
平屋づくりに役立つ情報をまとめたカタログセットもございますので、ぜひご活用ください。