35坪の平屋間取り実例|玄関の方角や土地・建物の費用バランスも解説
最近は幅広いライフスタイルの方に平屋人気が高まっており、家族みんなでのびのび暮らせる35坪の間取りを検討するケースも増えています。
35坪は一般的な注文住宅の平均延床面積に近く、間取りの選択肢が広がり理想の平屋を建てられる可能性も高いです。
しかし、平屋は一般的な2階建ての注文住宅とは間取りづくりのポイントが異なるため、費用バランスや動線などさまざまな配慮が求められます。
そこで今回は、35坪の平屋間取り実例を見ながら、予算内で暮らしやすく仕上げるためのポイントを詳しく解説します。
目次
選択肢が広がる35坪の平屋
初めてマイホームづくりをする方にとって、35坪がどれくらいの広さなのかイメージするのは難しいですよね。
令和4年度住宅市場動向調査によると、注文住宅の平均延床面積は125.9㎡(約38坪)でした。
35坪の平屋だと、一般的な注文住宅の平均より3坪(6帖)狭いということになります。しかし、平屋は階段がないため2階建てより面積効率が良く、コンパクトでも暮らしやすい間取りをつくれることが多いです。
- 一般型誘導居住面積水準=25㎡×世帯人数+25㎡
延床面積の目安 | |
---|---|
3人家族 | 100㎡(約30坪) |
4人家族 | 125㎡(約37坪) |
出典:誘導居住面積水準
国が定めている誘導居住面積水準によると、35坪の平屋は3~4人家族に向いていると言えそうです。3人家族ならかなり延床面積にゆとりがあるため、広々とした居住空間や間取りアイデアを取り入れやすいでしょう。
4人家族だと約37坪と少しオーバーしますが、前述したように平屋は階段がないため、35坪でも十分暮らしやすい間取りを考えられそうです。
35坪の平屋のメリット
一般的な注文住宅と同じ水準の広さの35坪の平屋には、次のようなメリットがあります。
収納と居住スペースのバランスを取りやすい
35坪の延床面積があると、平屋の課題となりやすい収納と居住スペースのバランスを取りやすいのが大きなメリットです。
収納が不足すると住み心地や利便性が低下してしまいますが、増やし過ぎてリビングや居室が狭くなってしまうのも困りもの。延床面積が限られる平屋づくりでは、収納量と居住スペースのバランスが難しいのです。
しかし、一般的な注文住宅と変わらない35坪の延床面積があれば、開放感や居住性と利便性のバランスを取り、理想的な平屋を建てられる可能性が高くなります。
プラスαの間取りアイデアを検討しやすい
少しゆとりのある35坪の平屋なら、ランドリールーム・書斎・中庭など、さまざまな間取りアイデアを取り入れやすいのもメリット。
ギリギリの延床面積だと、家族の個室と生活に必要な間取り以外のアイデアを取り入れるのが難しいです。
プラスαの間取りを取り入れることでライフスタイルの幅が広がり、より暮らしやすく満足度が高い平屋を建てやすくなります。
35坪の平屋の間取り実例
クレバリーホームがお手伝いした平屋の中から、約35坪の間取り実例をピックアップしてご紹介します。
実例① 34.4坪 3LDK
34.4坪の延床面積で、広い玄関やサニタリー、たっぷりの収納などさまざまな間取りアイデアを盛り込んだ平屋実例です。
広い土間と大容量の収納を確保した玄関は、いつでもすっきりした状態をキープして家族やゲストを気持ち良く迎えられる空間に。
住まいの中心となるLDKは勾配天井で開放感をアップし、おしゃれな梁とハンモックでオリジナリティあふれる仕上がりです。
広さ6.3帖のファミリークロークは、家族の衣類を効率よく管理できる人気の間取りアイデアです。
ご家族やゲストがスムーズに使えるように、向かい合うようにトイレを2つ設置しているのも、ゆとりがある35坪の平屋ならではのアイデアです。
実例② 35.54坪 4LDK
4人家族でのびのび暮らせるアイデアがたくさん詰まった、35.54坪の4LDK平屋間取り実例です。
LDKは勾配天井と天窓で採光性や開放感を高め、間仕切りで和室をつなげてさらにひろびろと過ごすこともできます。
リビングに隣接する和室は、洋室とつなげても違和感がないモダンテイストな仕上がり。
室内干しやお子さまのお昼寝、間仕切りを閉めてゲストルームなど、さまざまなシーンで活躍する間取りアイデアです。
キッチンとサニタリーを直接行き来できる間取りにして、LDKを中心とした回遊動線も確保。動線が長くなりやすい平屋のデメリットに対策し、家事効率を高めています。
35坪の平屋の間取りづくりのポイント
一般的な注文住宅と同じぐらいの広さの35坪の平屋ですが、間取りづくりでは2階建てとは異なるポイントを押さえる必要があります。
暮らしやすい平屋をつくるために必要なポイントを覚えておきましょう。
玄関の位置
注文住宅では日当たりの良い南向きの玄関が人気ですが、平屋づくりでは各方角のメリット・デメリットを把握して選ぶことが大切です。
例えば、南玄関は採光性が高く冬でも暖かいのがメリットですが、南側の居住スペースが減ってしまうのがデメリット。南側道路の土地は人気が高く、希望の条件に合う物件を見つけにくいのも注意すべきポイントです。
ライフスタイルや周辺環境によっては、ほかの方角の玄関の方がマッチするケースもあります。玄関の位置によって平屋全体の間取りも変化しますので、それぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
こちらのコラムで玄関の方角や考え方について解説しています。
土地と建物の費用バランス
35坪の平屋はある程度の敷地面積が必要になるため、土地と建物の費用バランスについてもしっかり考えるべきポイントです。
相場が高い市街地に建てる場合、広めの土地だと購入費用が高額になり、予算を圧迫する可能性が考えられます。
また、平屋を建てるために必要な土地の広さは建ぺい率によって変化し、購入費用にも大きく影響します。
こちらのコラムで平屋に必要な土地の広さの考え方や計算方法を解説していますので、参考にしてください。
断熱性
比較的広い空間をつくりやすい35坪の平屋づくりでは、断熱性もしっかり考えるべきポイントです。
特に大きな窓を配置することが多いLDKは、面積が広くなるほど外気の影響を受けやすくなります。
断熱性が低いと暑さ寒さで快適に過ごしにくくなり、冷暖房効率が低下して余計な光熱費が余計にかかるリスクも。
断熱性が高いハウスメーカーを選ぶことで、広くても快適で過ごしやすい平屋を建てることができます。省エネ性が高くなり光熱費節約にもつながりますので、断熱性能に注目してハウスメーカーを選んでみてください。
採光性
平屋は延床面積が広いほど中心が暗くなりやすいため、採光性もしっかり確保しましょう。
間取り全体のバランスにもよりますが、35坪の平屋は、窓から遠い場所に光が届きにくくなるケースが多いです。
特に広いLDKは奥に自然光が入りにくいため、高窓や天窓などで採光性を確保するのがおすすめ。
また、暗くなりそうな場所の近くに中庭を配置するのもおすすめのアイデア。
中庭は採光性だけでなくプライバシー性も高く、アウトドアリビングとして活用できるのもメリットです。
中庭のメリットや間取りの考え方について、こちらのコラムで詳しく解説しています。
効率的な家事動線
平屋はワンフロアで生活が完結する半面移動距離が長くなりやすいため、効率的な家事動線をつくることも大切です。
35坪の延床面積だと、平屋の端から端までの動線はかなり長くなる可能性があります。掃除や洗濯などに関する間取りがバラバラだと、動線が長くなり家事効率が低下してしまいます。
毎日の家事や生活に関する動線を1つずつチェックして、間取りをまとめることで効率よく暮らせる平屋に仕上げましょう。
開放感の高いリビングをつくる
平屋の主役となるリビングづくりでは、実際の広さだけでなく開放感も意識しましょう。
35坪の延床面積があれば広めのリビングをつくれる可能性が高いですが、間取りや内装のアイデアで開放感を高めることで、さらにひろびろとした空間をつくることができます。
例えば、リビングの天井を高くすると視界が広がり、実際の床面積より開放感を高めることができます。同じ面積でもちょっとした工夫で広く見せることができ、居心地の良い空間になるのです。
こちらのコラムで平屋の天井高について詳しく解説しています。
プライベートスペースを確保
家族みんなが過ごしやすい35坪の平屋を建てるためには、程よい距離感で過ごせるプライベートスペースの確保も重要なテーマです。
例えば、せっかく広いリビングがあっても、ソファしか座る場所がないと過ごし方が限定されてしまいます。しかし、プライベートスペースがあれば、同じ空間に居ながらそれぞれの過ごし方ができ、家族が集まる空間をつくることができます。
リビングのタタミコーナーは、用途が幅広く程よい距離感のプライベートスペースとして人気の間取りアイデアです。
リビングに隣接するウッドデッキやテラスなどの屋外スペースも、平屋で人気が高いプライベートスペースづくりのアイデア。
小屋裏のデッドスペースを活かすロフトも、お子さまの秘密基地や書斎などプライベートスペースとしても活用できます。
防犯性を高める
延床面積が広い平屋は窓や開口部も増えるため、防犯性を高めることも大切です。
リビングの大きな窓は室内の様子を把握されやすく、死角になる場所が増えれば侵入経路として狙われるリスクもあります。
防犯ガラスやシャッターの採用など、空き巣に狙われにくい平屋をつくることが大切です。
足音が出る防犯砂利やセンサーライト・カメラなど、外構側の工夫も採り入れて防犯性を高めましょう。
まとめ
部屋数やスペースにゆとりがある35坪の平屋は、間取りづくりの幅が広がり理想のマイホームを建てられる可能性が高いのがメリット。
ただし、延床面積が広くなるほど平屋のデメリットにも注意が必要になるため、施工実績が豊富なハウスメーカーに相談して適切なアドバイスをもらいましょう。
クレバリーホームは平屋商品「Granshare」をご用意し、おしゃれで暮らしやすい間取りアイデアで理想の平屋づくりをサポートしています。
平屋づくりに役立つ情報をまとめたカタログセットもございますので、ぜひご活用ください。