注文住宅の書斎間取り実例|おすすめの設置場所や後悔を防ぐポイントも
最近は、マイホームに書斎をつくり、仕事や趣味に打ち込めるスペースとして活用する方が増えています。しかし、日本の住宅事情では、注文住宅に書斎をつくるハードルは高い印象がありますよね。
そこで今回は、注文住宅に書斎をつくるために必要な基礎知識、おすすめの設置場所や考え方を解説します。
注文住宅の書斎間取り実例もご紹介しますので、広さやレイアウト、デザインの参考にもご活用ください。
目次
注文住宅に書斎をつくるメリット・デメリット
どのような間取りにも言えることですが、注文住宅の書斎にはメリット・デメリット両面があります。具体的に書斎を検討する前に、しっかり把握しておきましょう。
注文住宅に書斎をつくるメリット
- 仕事に集中しやすく効率的
- 読書や趣味スペースにもなる
- 重要な資料や趣味の道具を大切に保管できる
専用の書斎は、仕事や趣味に集中しやすい環境をつくれるのが大きなメリットです。例えば、ダイニングテーブルは食事を採るためのスペースなので、デスク作業や趣味には向かないケースも多いです。しかし、書斎があれば仕事のオン/オフを切り替えやすく、効率的に作業でできるでしょう。
また、個室の書斎があれば、オンライン会議や打ち合わせの際も、見られて困る物が写り込んだり、生活音が入ったりする心配がないのも良いですね。仕事の資料も個室書斎に保管しておけば、来客時も目に触れることがないので安心です。壊れやすい趣味の道具も、書斎なら家族やお子さまが誤って壊してしまう心配も少ないでしょう。
注文住宅に書斎をつくるデメリット
- 居住スペースと収納が少なくなる
- 圧迫感を覚えやすい
書斎の床面積を確保することで、居住スペースや収納が少なくなるのは注意すべきポイントです。書斎の使い勝手や開放感を重視して広くつくると、その分リビングや玄関などほかのスペースが狭くなってしまいます。しかし、狭い書斎だと圧迫感を覚えることもあるため、バランスが重要です。
半個室や2階ホールの書斎など、レイアウトの工夫で解決する方法もあります。次の章から、書斎レイアウトの種類やおすすめの設置場所など1つずつチェックしていきましょう。
注文住宅の書斎の種類
注文住宅の書斎は、大きく分けると3つのレイアウトがあります。それぞれメリット・デメリットがありますので、住まい全体の床面積やライフスタイルに合わせて選びましょう。
個室
壁とドアで区切られた個室の書斎は、プライバシー性が高く集中しやすい環境をつくれるのがメリットです。在宅ワークはもちろん、趣味に集中できるスペースが欲しい方に向いています。
一方、個室のためある程度の広さが必要になり、窓や空調などを設置するために費用が多めにかかるのがデメリット。また、壁に囲まれて圧迫感が出やすいため、窓で視線抜けを良くしたり、広く見える内装色に統一したり、開放感や居住性を高める工夫も求められます。
オープン
壁を設けないオープンタイプの書斎は、設置スペースのハードルが低く、気軽に使いやすいのがメリット。リビングや2階ホールなどの一部を上手く活用すれば、居住スペースや収納を圧迫せず書斎を設けられます。
また、オープン書斎は家族とコミュニケーションを取りやすいので、仕事や趣味と子育てを両立しやすいのも特徴です。
ただし、プライバシー性は低めなので、レイアウトには注意が必要です。家族の動線やテレビとの距離などに配慮し、集中しやすい環境をつくる工夫が求められます。
半個室
壁やパーテーションなどで仕切りつつ、ドアは付けずに個室とオープンの中間的な書斎をつくるケースも増えています。
プライバシー性や開放感のバランスを取りやすいため、幅広い注文住宅に合わせて設置しやすいのがメリット。
ただし、中途半端なスペースになると使いにくい可能性もあるので、用途を明確にしてしっかりレイアウトを考える必要があります。
注文住宅の書斎間取り実例
続いて、クレバリーホームがお手伝いした注文住宅の中から、さまざまなレイアウトの書斎間取り実例をピックアップしてご紹介します。
各実例の詳細ページに全体の写真や間取り図もありますので、気になる書斎があったらぜひチェックしてみてください。
実例①
ダイニングにカウンターを設置し、書斎コーナーとして活用できるようにした実例です。パソコンや作業に適した照明や、さわやかなアクセントカラーや窓の配置など、使い勝手や快適性にこだわっています。
実例②
寝室のベッドサイドにカウンターを設けて、チェアを置くだけで書斎コーナーとして使える間取りです。カウンターの幅が広く、パソコンのほかに周辺機器などを置くこともできます。
実例③
主寝室の一角に、趣味の音楽を楽しむための書斎を設置。勾配天井や木目調のクロスで、居心地の良い雰囲気に。
音楽室の隣には、ご主人がテレワークや趣味に使う個室の書斎を設置。モノトーンのカラーコーディネートで、スタイリッシュな印象です。
実例④
2階ホールの一角設けた、1帖弱のコンパクトな個室の書斎です。正面の壁の上部を主寝室とつなげることで、空調を採り入れつつ開放感も高める工夫も。
実例⑤
ダイニングテーブルの隣にカウンターを設置し、長椅子を兼用できるようにした書斎アイデアです。カウンターの上下にコンセントを設け、さまざまな使い方に対応できるようになっています。
実例⑥
リビングの一角にデスクを設置できるようにした、オープンスタイルの書斎です。テレビが視界に入らないレイアウトで、程よく集中できそうなスペースに。
実例⑦
LDKにスキップフロアを設置し、下部スペースを書斎として活用した間取り実例です。
書斎内部は秘密基地のような雰囲気で、在宅ワークやお子さまの勉強などにもぴったり。
実例⑧
キッチンの裏手に、造り付けのカウンターと本棚を設置した半個室の書斎です。コンパクトなスペースでも、正面の窓で開放感を高めておしゃれな空間に。
実例⑨
趣味のゲームを楽しむための書斎を、2階の主寝室や居室から離れたプライバシー性が高い場所に設置。モニターに光が反射しないよう、照明の位置も考えられています。
実例⑩
寝室からのみ入れる場所に、約2.5帖の個室書斎を設置。L字型のカウンターにすることで、作業スペースのほかギャラリーとしても活用できます。
注文住宅の書斎のおすすめの場所
注文住宅に書斎を設置することが多いおすすめの場所ごとに、特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
リビング
住まいの中でも床面積が広いリビングは、比較的書斎を設置しやすい場所です。
キッチンや家族との距離感が近いため、家事や子育てとお仕事、趣味を両立しやすいのが特徴。オープンレイアウトの書斎を、在宅ワークやお子さまの勉強などに共用できるのもメリットです。
一方、生活音や家族の存在が気になるケースもあるので、プライバシー性に配慮する必要があるでしょう。
ダイニング
ダイニングの一角にデスクを設けて、書斎スペースとして活用するケースも多いです。
キッチンに近いので、料理のレシピ検索やほかの家事をこなす場所としても使いやすいです。
生活感が出やすい場所なので、集中できる環境との両立がポイントになります。
2階ホール
2階ホールは比較的プライバシー性が高く、省スペースで書斎を設置しやすい場所です。
居室から切り離すことができ、常に家族が居る場所ではないため、意外と集中できる書斎をつくりやすいのが特徴。
ただし、2階ホールに空調を設置したり、全館空調を導入したりして、快適な環境をつくる必要があります。
収納の中
ウォークインクローゼットなど、収納の中にデスクを設けて書斎として活用するのも1つのアイデア。
書斎と収納の2つの役割を持たせることで、少ないスペースでプライバシー性が高い個室をつくれるのがメリット。
ただし、収納量や使い勝手、開放感や居住性のバランスを考える必要があります。
寝室
プライバシー性が高い寝室も、書斎に向いている場所の1つです。日中は寝室を使うことが少ないので、在宅ワークにも向いています。
寝室の書斎を在宅ワークなどに使う場合は、間仕切りや壁などを設けて、リラックスタイムと仕事モードを切り替えられるようにするのが良いでしょう。
注文住宅の書斎の適切な広さは?
書斎の適切な広さは、設置する場所やレイアウト、使い方によって異なります。
オープンや半個室の書斎は、1~3帖程度の広さでも、工夫次第で使いやすく仕上げられます。ただし、コンパクトな書斎は圧迫感が出やすいため、照明や窓の配置などで開放感を高める工夫をしましょう。
個室の書斎の場合、用途にもよりますが2帖以上の広さが欲しいところです。ただし、お部屋の形や窓の配置など、工夫次第ではコンパクトでも圧迫感が少ない書斎をつくれるかもしれません。先ほどご紹介した実例のように、1帖以下でも使いやすい個室書斎をつくれることもあります。
後悔しない注文住宅の書斎づくりのポイント
圧迫感や使いづらさなどで後悔しないように、注文住宅の書斎づくりで覚えておくべきポイントをチェックしましょう。
用途を明確にする
まずは、書斎をどんな用途で使うのか明確にすることが大切です。
仕事や趣味など、書斎の使い方によって必要な広さや適切なレイアウト、収納量は変わります。
用途を明確にせず、何となく書斎を設置すると、使いにくく後悔する可能性もあります。例えば、在宅ワークで使うことが多い場合、リビングのオープン書斎だと集中しづらいケースも。
まずはどんなシーン・用途で書斎を使うのか明確にしてから、具体的に考えるようにしましょう。
プライバシー性とコミュニケーションのバランス
書斎の用途に合わせて、プライバシー性とコミュニケーションの取りやすさのバランスもしっかり考えましょう。
在宅ワークが多く集中しやすい書斎が欲しいなら、リビングや子供部屋から離れた場所でプライバシー性を高めるのが良いでしょう。
逆に、子育てや家事と書斎での時間を両立するなら、リビングやダイニングなど生活スペースと近い場所が良いかもしれません。
空調計画
書斎を1年中使うことを考えて、空調計画にもしっかりこだわりましょう。
個室書斎の場合、エアコン等を使うときのことを考え、電源などを設置する必要があります。
半個室やオープン書斎でも、エアコンとの位置関係によっては、空調が効きにくいケースも考えられます。エアコンの向きやパワーを考えたり、シーリングファンでお部屋全体の空気を均一にしたり、快適な環境をつくりましょう。
収納をしっかり確保する
書斎で使う仕事や趣味の道具をリストアップし、使いやすい収納と十分な量を確保しましょう。
収納が足りないと物があふれて、使いにくい書斎になってしまいます。市販のキャビネットなどを置くと、書斎が狭くなり圧迫感が出ることも。
パソコンや本など、アイテムに合わせて造り付けの使いやすい収納を設置しましょう。
収納の考え方はこちらのコラムも参考にしてください。
使用機器に合わせてコンセントを付ける
仕事や趣味で使う道具や家電に合わせて、使いやすい位置にコンセントを付けておくことも書斎づくりの大切なポイント。
書斎を仕事で使うなら、パソコンやスマートフォンの充電、冷暖房器具や空気清浄機などのコンセントが必要になるでしょう。楽器演奏や趣味の道具のお手入れなど、書斎の使い方によっても適切なコンセントの数や配置は変わります。
コンセント配置の考え方については、こちらのコラムも参考にしてみてください。
採光性と開放感を高める
快適で居心地の良い書斎をつくるなら、採光性や開放感にもこだわりましょう。
書斎を使うときは照明を付けることが多いですが、日中は自然光が入る明るい空間の方が気分は良いですよね。
大きな窓を設けるのが難しい場合は、室内窓で隣の部屋の自然光を取り入れるのも1つのアイデアです。
ただし、作業内容によっては、自然光がかえって邪魔になるケースもありますので、ブラインドやシャッターなどで調整できるようにしておくと良いでしょう。
デザイン性にもこだわる
内装のデザイン性にこだわり、ワクワクするような書斎に仕上げるのも大切なポイントです。
壁紙やカウンター、収納などの配置やカラーをコーディネートして、理想の書斎に仕上げてみましょう。
ただし、印象が強いアクセントを使いすぎると、飽きてしまうケースも多いです。トータルコーディネートで統一感を高めて、さりげなくおしゃれなデザインにするのがおすすめ。
内装デザインの基本的な考え方はこちらのコラムで詳しく解説しています。
まとめ
注文住宅に書斎をつくるのはハードルが高いイメージがありますが、省スペースでおしゃれに設置するアイデアもたくさんあります。
間取り全体とのバランスを取りつつ、用途に合った使いやすい書斎を考えてみましょう。
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