注文住宅に必要なコンセントの数と位置を間取り別に解説
注文住宅づくりで、意外と失敗談や後悔が多いコンセント。実際に暮らしてみたら、コンセントが足りず不便、延長コードが必要になり後悔、といったケースが多いです。
そこでこの記事では、注文住宅に必要なコンセントの数と適切な位置の考え方を、間取り別に詳しく解説します。
目次
注文住宅で多いコンセントの後悔
注文住宅において、コンセントの数や配置は暮らしやすさに直結する重要なポイント。
最近はコードレスの家電も多いですが、充電でコンセントが必要になるケースが多いです。また、テレビ回りのスピーカーやオーディオなど、追加の機器でコンセントが不足するパターンも。
欲しい場所にコンセントが無いと不便ですし、延長コードを使うと美観を損ねたり、火災リスクが高まったりする可能性もあります。また、消費電力が大きい家電を使う際、ブレーカーが落ちるケースも。
コンセントの配置計画では、実際の暮らしをシミュレーションしてどこで何を使うのかしっかり考えることが大切です。
注文住宅のコンセントの種類
まずは、注文住宅で使うことが多い基本的なコンセントの種類を覚えておきましょう。
コンセントの種類 | 特徴 |
---|---|
単相100Vコンセント | 一般的な家電を使うためのコンセント。2~3口の物が一般的。 |
単相200Vコンセント | エアコン、IHクッキングヒーターなど、200V用の機器を使うためのコンセント。 |
アース付きコンセント | 洗濯機や冷蔵庫など、アース付きの家電を使うためのコンセント。漏電や感電を防ぐのが目的。 |
テレビ端子付きコンセント | テレビのアンテナ端子が付いているコンセント。 |
屋外用コンセント | 防水用のカバーが付いている、屋外で電気製品を使うためのコンセント。 |
フロアコンセント | 床面に設置でき、使わないときはフラットな状態に収納できるコンセント。 |
スイッチ付きコンセント | プラグを抜かずに電源をオン/オフできるコンセント。待機電力を節約できる。 |
USB端子コンセント | 電源アダプターを使わず、スマートフォンやゲーム機、パソコンなどを充電できるコンセント。 |
抜け止めコンセント | 差し込んでから回すことで、引っ張っても抜けないような構造になっているコンセント。パソコンのような電源が落ちると困る機器に使うのが一般的。 |
マグネットコンセント | 磁力で固定するため、少ない力で抜き差しできるコンセント。コードに引っかかったときも簡単に外れるため転倒事故を防ぎやすい。 |
上記のように、コンセントにはさまざまな種類があり、設置場所や使い方によって選ぶ必要がります。
例えば、スマートフォンやノートパソコンなどを使うデスクの回りには、USB端子コンセントがあると充電器が不要なり、便利でスッキリとまとまります。この後ご紹介する間取りごとに、どのコンセントがマッチするか考えて選びましょう。
キッチンに必要なコンセントの数と位置
キッチンは冷蔵庫や電子レンジなど固定の家電に加えて、調理家電も多くコンセントの重要度が高い間取りです。
※キッチンの固定家電
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- 炊飯器
- ポット
- オーブントースター
キッチンに固定で設置する家電のコンセントは、最低でも5口必要となります。しかし、今後家電が増えることも視野に入れて、余裕を設けておきましょう。IHクッキングヒーターはキッチンの内部に専用回線を設置するので、配置は考えなくても大丈夫です。
冷蔵庫の裏やカップボードなど設置する場所を考えて、近くに配置することが大切です。
また、キッチンは電子レンジやオーブントースターなど消費電力が大きい家電も多いため、ブレーカーが落ちないように電気配線してもらいましょう。
※キッチンで使うことが多い調理家電
- ミキサー/フードプロセッサー
- コーヒーメーカー
- ホームベーカリー
上記のように、料理スタイルによっては使用する家電が増えます。ミキサーやフードプロセッサーはワークトップで使うことも多いので、キッチン側にも2~3口のコンセントがあると便利です。背面の壁やカップボードにしかコンセントが無いと、振り返ったり延長コードが必要になったりするため不便です。
常設する家電、普段料理で使うことが多い器具をリストアップして、必要なコンセントをバランス良く配置しましょう。
ダイニングに必要なコンセントの数と位置
ダイニングは、テーブル周りにコンセントを付けておくのがおすすめです。
※ダイニングテーブルで使うことが多い家電
- ホットプレート
- タコ焼き機
- お鍋用の卓上電気コンロ
- ノートパソコン
焼肉、たこ焼き、お鍋など、ダイニングテーブルで調理家電を使う際は、近くにコンセントが無いと延長コードが必要になり不便ですし、転倒するリスクも考えられます。カウンターのある対面キッチンや、フロアコンセントなどコードが邪魔にならない場所に配置しましょう。
また、ダイニングテーブルで家計簿をつけたり仕事をしたりする場合も、近くに充電用の電源があると便利です。
リビングに必要なコンセントの数と位置
リビングではさまざまな家電を使うため、必要なコンセントの数も多くなります。
※テレビ回りの家電
- テレビ本体
- 外付けスピーカー
- ブルーレイなどのAV機器
- ゲーム機
テレビボードの裏には、固定の家電だけでも4~5口のコンセントが必要になります。ゲーム機が複数ある場合は必要なコンセントも増えるので、余裕を持って6口程度は確保しておきたいところです。
コンセントやコードが露出しないよう、テレビを置く場所をしっかり決めてから配置を考えましょう。
※リビング全体の家電
- インターネットのモデム&ルーター
- パソコン
- スマートフォンの充電器
- ゲーム機の充電器
- 空気清浄機
- 加湿器
- エアコン
ほかにも、リビングで使う可能性がある家電や電子機器は上記のようにさまざま。
インターネットのモデムやルーター、パソコン、空気清浄機や加湿器などは、設置する場所が決まっているものは、近くにコンセントを用意しましょう。エアコンも、リビング全体の空調計画を踏まえて場所を決めて、専用回線を設置します。
スマートフォンやゲーム機の充電器などは、ソファやローテーブルの周りにコンセントを付けておくと便利です。ソファのサイズや配置が決まっていれば、両端にコンセントを付けて、充電しながら使うこともできます。
リビングはかなり家電の数や過ごし方のバリエーションが多いため、しっかりシミュレーションしましょう。
洗面脱衣所に必要なコンセントの数と位置
洗面脱衣所では、洗濯機や乾燥機など常設の家電のほか、身だしなみ用品や暖房器具などさまざまなアイテムでコンセントを使います。
※洗面脱衣所の設置型家電
- 洗濯機
- 乾燥機
- 暖房機
- 扇風機
新築時は洗濯機だけ設置しても、後で乾燥機を買い足すこともあるため、コンセントは2口以上用意しておきたいところです。
また、冬場は小型の暖房機、夏場は扇風機を設置することも多いので、床の近くにも1~2か所コンセントを設けておきましょう。
※洗面台周りの家電
- ドライヤー
- ヘアアイロン
- 髭剃り
- 電動歯ブラシ
洗面台周りではそのとき使う家電が中心ですが、髭剃りや電動歯ブラシなど充電する物も多く、コンセントが不足しがちです。
洗面台のコンセントだけで足りない場合も考え、同時に使う可能性があるコンセントの数を確保しましょう。収納の中にコンセントを付けておくと、しまったまま充電できるので洗面台回りがスッキリします。
トイレに必要なコンセントの数と位置
トイレは温水便座用のアース付きコンセントを設置するのが定番です。
しかし、冬場は小型の暖房機を使うことも多いので、トイレの奥と手前の2か所コンセントを付けておくと便利です。
温水便座用のコンセントは目立たない位置に、暖房機用のコンセントは抜き差ししやすくコードが目立たない場所に付けましょう。
寝室/子供部屋に必要なコンセントの数と位置
寝室や子供部屋も意外と使う家電が多いため、リストアップして必要な家具と配置を考えましょう。
※寝室/子供部屋の家電
- エアコン
- 扇風機/暖房器具
- 空気清浄機
- パソコンやタブレット
- スマートフォン
- テレビやゲーム機
- 趣味の道具
エアコンは各部屋に1台設置することがほとんどなので、寝室/子供部屋どちらも専用回線のコンセントを用意しましょう。
また、扇風機や暖房機などの季節家電、空気清浄機なども使うことが多いです。寝室を書斎として兼用したり、子供部屋でゲームをしたりする場合は、デスク周りにコンセントが必要になります。
また、ベッド回りにコンセントがあると、就寝中にスマートフォンを充電できるので便利です。ニッチやナイトテーブルなどスマートフォンを置く場所を考えて、ちょうど良い高さにコンセントを設けておきましょう。
玄関/階段に必要なコンセントの数と位置
玄関や階段回りもコンセントが重要な間取りです。
※玄関の家電
- 電動自転車のバッテリー
- 芝刈り機や日用工具のバッテリー
- 水槽
- 脱臭機や除湿器
- フットライト
玄関では外で使うアイテムのバッテリーを充電することが多いため、2~3口のコンセントがあると便利です。また、水槽やフットライトなどのインテリアを追加することも多いため、シューズボックスの周辺にもコンセントを設けておきましょう。
シューズクロークを設ける場合、靴やスポーツ用品などの臭いが気になることもあるので、内部に脱臭機や除湿器用のコンセントが必要です。
階段の踊り場も、フットライトや掃除機などでコンセントが必要になることがあります。使わなくても邪魔にはならないため、2口コンセントを設けておくのがおすすめです。
外部に必要なコンセントの数と位置
注文住宅の外回りには、防水型のコンセントを1~2か所付けることが多いです。
しかし、意外と外回りでコンセントが必要になることも多いので、駐車場やお庭の利用シーンを想定して数と場所を考えましょう。
例えば、車や外壁を洗浄する際高圧洗浄機を使う場合、近くにコンセントがあると便利です。また、クリスマスなどの時期にイルミネーションを飾る場合も、コンセントが必要になります。
何となくコンセントを付けておくのではなく、必要な場所の近くに配置してください。
また、電気自動車をお持ちの方、将来買い替える可能性がある方は、外部に充電用の専用コンセントを設けておくのもおすすめです。
注文住宅のコンセントでよくある疑問
注文住宅のコンセントに関して、よくある疑問をまとめました。
後付けはできる?
注文住宅が完成して実際に暮らし始めてからコンセントが欲しくなった場合、後付けすることは可能です。
ただし、コンセントだけ後付けすると費用は割高になりますので、必要な場所にはあらかじめつけておくのがおすすめです。
多すぎると後悔する?
コンセントが多すぎて後悔する可能性は低いです。
仮に付けたけど使わないコンセントがあっても邪魔にはなりませんし、1か所あたりの費用もそれほど高くはありません。
強いて言えば、コンセントを目立つ場所にたくさんつけすぎると美観を損ねる可能性もあるので、使う場所の近くにバランス良く配置しましょう。
一般的な高さはどれくらい?
一般的な注文住宅では、コンセントの高さは25cm前後に設定することが多いと言われています。使い勝手やデザイン性を考えると、25cm前後になることが多いようです。
ただし、デスクやカウンターなどで電気製品を使う場合は、もっと高い場所にコンセントがある方が便利です。逆に、目立たないように低くしたり、床にコンセントを付けたりした方が良いケースもあります。
あくまで目安として、使い方に合わせてちょうど良いコンセントの高さを1つずつ考えましょう。
まとめ
注文住宅のコンセントは、実際に暮らし始めてから失敗に気づくことが多いポイントです。
間取りごとに使う家電や利用シーンをシミュレーションして、適切な数のコンセントをバランス良く配置しましょう。
注文住宅づくりのノウハウが豊富な住宅会社を選び、適切なアドバイスを受けることも大切です。クレバリーホームは全国のモデルハウスで、間取りや設備に関するご相談を受け付けています。ぜひお近くのモデルハウスにご来場ください。