「耐震基準」は命を守る「最低限の基準」?!
大きな地震が続き、耐震性能が高い家に注目が集まっていますね。
新築の家なら必ずクリアしている「耐震基準」ですが、これが満たされていれば「地震に強い家」と言えるのでしょうか。
実は「耐震基準」は命を守るための最低限の基準でしかありません。
では何を手がかりに「地震に強い家づくり」を進めればよいのか、やさしく解説します!
このコラムでわかること
- 「耐震基準」とは?
- 「耐震基準」は最低限の基準だった!
- 「耐震等級」とは?
- まとめ
「耐震基準」とは?
現在の家づくりで「耐震基準を満たしている」という場合の「基準」とは何か、ご存じでしょうか。
これは「建築基準法」に定められた耐震基準のこと。
「建築基準法」とは住宅を建てる時に必ず守らなくてはならない法律なので、現在新築の家はすべて、この耐震基準を満たしていることになります。
この基準は、ある程度の強さの地震が起きても、倒れたり壊れたりしない建築物を建てるために設定されたもの。
「震度5強程度の地震でほとんど損傷しない」ことに加えて、「震度6強~7に達する程度の地震で倒壊・崩壊しない」ことが定められています。
「耐震基準」は最低限の基準だった!
しかし、震度5で「ほとんど損傷しない」、震度6強~震度7で「倒壊・崩壊しない」ということしか定められていないわけですから、建築基準法の耐震基準を守っていても、必ずしも「地震後も住み続けられる家」が建てられるわけではありません。
そもそも「建築基準法」は、人々の命や健康、財産を守るために「建築物の最低の基準」を定めた法律。
つまり、耐震基準も命を守るための最低基準でしかないと言えます。
また、この法律では、震度5弱程度の地震をまれにしか起きない(数十年に一度程度しか発生しない)「中地震」、震度6強~の地震をきわめてまれにしか起きない(数百年に一度程度発生する)「大地震」としています。
しかし、近年の日本では、震度6を超す地震が多発しています。
このことからも、「耐震基準」さえ満たしていれば大丈夫! とは言い切れないことがわかりますね。
「耐震等級」とは?
一方、「住宅性能表示制度」にも、耐震性についての基準があります。
それが「耐震等級」と呼ばれるもので、表にまとめると下記のようになります。
「住宅性能表示制度」とは建築基準法とは違う法律で定められたもので、住宅の性能を統一基準ではっきり示すことによって、家を建てる人や買う人が住宅を比較検討できるようにするための制度です。
耐震等級も、その基準にのっとり、客観的な評価をする第三者機関によって家ごとに判断されます。
地震の最大震度は予測できません。
ですから「どんな地震がきても絶対に倒れない家」は難しい要望です。
しかし、この基準を参考にしながら「大地震があっても住み続けられる家」を目指すことはできます。
最低限度以上の「地震に強い家づくり」を目指すなら、高い耐震等級を目指しているかどうかをハウスメーカー選びの一つの目安に加えてはいかがでしょうか。
まとめ
耐震基準が最低限の基準だということはおわかりいただけたでしょうか。
さらに怖いことに、現在の耐震基準の適用前に建った家は、そもそもこの最低限の基準さえ満たしていない可能性が高いのです。
現行耐震基準が適用される1981年より前に建った家に住んでいる方は、早めに耐震診断を受けて適切なリフォームをするなど、地震対策をされるよう強くおすすめします。
また、「制震」「免震」など、地震力を減らすしくみについてはこちらのコラム(「耐震」「制震」「免震」、どれがいちばん地震に強い?)もご一読を。
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