住宅ローンは何歳まで組める?平均年齢や完済タイミングの考え方を解説

家づくりにおける住宅ローン計画を立てる際、年齢と返済期間について不安を感じる方が多いようです。
住宅ローンは長い期間をかけて返済していくため、完済時の年齢や、老後の生活資金との兼ね合いが気にかかるのは当然のことです。
住宅ローンには金融機関が定めている「借入時の年齢」や「完済時の年齢」といったルールがあります。
しかし、大切なのは審査に通るかどうかだけではなく、ライフプランを踏まえて何歳までに完済するのが理想的か現実的なシミュレーションを考えることです。
そこで本記事では、実際に住宅ローンを組んだ方のデータを交えながら、平均年齢や完済タイミングの考え方について分かりやすく解説します。
目次
住宅ローンは何歳まで組める?年齢制限の基本

住宅ローンの審査において、年齢は重要な判断基準の1つです。
| 審査項目 | 審査の際に考慮する金融機関の割合 |
|---|---|
| 完済時年齢 | 98.4% |
| 借入時年齢 | 96.0% |
| 健康状態 | 95.1% |
| 年収 | 93.4% |
| 勤続年数 | 93.2% |
| 返済負担率 | 90.3% |
出典:国土交通省 令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
国土交通省の調査によると、住宅ローンの審査項目に完済時年齢を挙げた金融機関は98.4%、借入時年齢は96.0%と高い割合になっています。
健康状態や年収などの項目より年齢は割合が高く、金融機関が住宅ローン審査の際に重視していることがうかがえます。
| 借入時年齢(上限) | 回答数(複数回答) |
|---|---|
| 75歳未満 | 13 |
| 70歳未満 | 194 |
| 65歳未満 | 247 |
| 60歳未満 | 30 |
| 55歳未満 | 9 |
| その他 | 477 |
出典:国土交通省 令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
住宅ローンの借入時年齢の上限は金融機関によって異なり、前述した調査ではその他を除くと65歳未満が247件で最多、次いで70歳未満が194件でした。
一般的な金融機関では、住宅ローンの借入時年齢の上限は18~70歳未満に設定されているケースが多いです。
| 完済時年齢(上限) | 回答数(複数回答) |
|---|---|
| 85歳未満 | 65 |
| 80歳未満 | 716 |
| 75歳未満 | 42 |
| 70歳未満 | 5 |
| なし | 2 |
| その他 | 184 |
出典:国土交通省 令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
完済時年齢の上限は80歳前後の金融機関が多く、調査結果でも80歳未満が716件で最多でした。
ここまでのデータをまとめると、住宅ローンを組める年齢の上限は、借入時は70歳、完済時は80歳が1つの目安になりそうです。
ただし、この数字はあくまで金融機関が設定した基準であり、何歳まで住宅ローンを組めるかという目安でしかありません。
実際は、年齢による収入の変化なども踏まえて、何歳まで無理なく返済できるか考えることが重要です。
住宅ローンの平均借入年齢

制度上の年齢上限の次は、実際に住宅ローンを組んだ方の借入時の平均年齢についてチェックしてみましょう。
| 住宅の区分 | 平均年齢 |
|---|---|
| 注文住宅 | 48.9歳 |
| 土地付注文住宅 | 41.6歳 |
住宅金融支援機構のフラット35で住宅ローンを組んだ方の平均年齢で、注文住宅は建物のみ、土地付注文住宅は土地と建物をセットで住宅ローンを組んだ場合のデータです。
注文住宅は48.9歳、土地付注文住宅は41.6歳で、土地の有無によって平均年齢に差があります。
| 年齢 | 注文住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 6.7 % | 15.5% |
| 30代 | 23.4% | 35.9% |
| 40代 | 24.2% | 25.1% |
| 50代 | 19.40% | 12.8% |
| 60歳以上 | 26.3% | 10.7% |
年齢別の構成比をみると、注文住宅は60歳以上が26.3%で最多、土地付注文住宅は30代が35.9%で最も多くなっています。
土地借入なしの注文住宅のみの場合、建て替えのケースも含まれるため50代~60歳以上の割合が多く、平均年齢も高い傾向です。
| 年度 | 注文住宅 | 土地付注文住宅 |
|---|---|---|
| 2024 | 48.9歳 | 41.6歳 |
| 2023 | 48.0歳 | 40.8歳 |
| 2022 | 46.2歳 | 39.6歳 |
| 2021 | 45.1歳 | 38.5歳 |
| 2020 | 43.4歳 | 37.6歳 |
| 2019 | 43.3歳 | 37.6歳 |
出典:フラット35利用者調査
平均年齢は、注文住宅・土地付注文住宅どちらもここ数年上昇傾向にあります。
家を建てるタイミングや年齢については、こちらのコラムも参考にしてみてください。
住宅ローンは何歳までに完済すべき?

住宅ローンの完済時年齢は、制度上80歳まで設定可能ですが、実際にその年齢まで返済を続けるのは現実的とは言えません。
ここでは、現在の雇用制度やライフステージに応じた3つの完済タイミングの考え方を整理します。
老後の家計安定を考えると60歳が理想的
収入がピークアウトを迎える60歳前後で住宅ローンを完済できれば、老後資金を確保しやすくなるため理想的なタイミングです。
住宅ローンを完済すれば自宅の売却や賃貸化、住み替えなども視野に入り老後の選択肢が広がるのもメリットです。
ただし、借入時の年齢が高い場合は毎月の返済負担が大きくなるため、収入や支出とのバランスを取る必要があります。
現実的で無理のないラインは65歳前後
多くの企業で定年となる65歳前後は、住宅ローン完済を考える人が多い現実的なタイミングです。
高年齢者雇用安定法の改正によって定年が引き上げられたため、65歳までは給与収入を維持できる可能性が高く、無理のない返済計画を立てやすいです。
70歳以降は慎重な計画が求められる
定年を過ぎて収入が減ることが多い70歳以降の住宅ローン完済は、制度上可能ですが慎重な計画が求められます。
65歳以降の雇用については努力義務であるため、収入が減少したり年金のみになったりするケースが多いです。
万が一返済が滞るリスクがないように、頭金を増やしたり繰り上げ返済をしたり、対策をしておく必要があります。
年齢別:返済計画の考え方とシミュレーション

最後に、住宅ローンの借入時年齢をいくつかのパターンに分けて、65歳の完済を目指す場合の考え方やシミュレーションをご紹介します。
※条件
- 借入金額:4,000万円
- 金利:全期間固定金利2%
- 返済方法:元利均等
上記の条件で65歳の完済計画を立てる場合、返済期間と返済額がどのように変化するのかチェックしてみましょう。
30代
住宅ローンを組む方が多い30代は、65歳完済でも比較的長期返済計画を立てやすいのが特徴です。
※条件
- 頭金なし
- ボーナス返済なし
| 年齢/返済期間 | 総返済額 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 30歳/35年 | 55,651,862円 | 132,505円 |
| 35歳/30年 | 53,225,058円 | 147,847円 |
30歳なら35年ローンを組みやすく、35歳でも30年で毎月の返済額を抑えることができます。
ただし、30代は突発的な出費やお子さまの教育費などがかかりやすいため、頭金の用意やボーナス返済なども踏まえて毎月の返済額を抑えることも検討しましょう。
※条件
- 頭金500万円
- ボーナス返済20万円
| 年齢/返済期間 | 総返済額 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 30歳/35年 | 48,735,410円 | 82,716円 |
| 35歳/30年 | 46,608,068円 | 96,138円 |
頭金やボーナス返済を入れると、上記のように毎月の返済額を抑えることができます。
想定外の支出や収入の変化にも対応できるように余裕を設けておき、余裕ができたら繰り上げ返済を活用するなど柔軟な計画を立てるのが理想的です。
40代
40代で65歳完済の場合、最長の35年ローンは組むことができないため、毎月の返済額と支出のバランスが重要になります。
※条件
- 頭金なし
- ボーナス返済なし
| 年齢/返済期間 | 総返済額 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 40歳/25年 | 50,862,385円 | 169,541円 |
| 45歳/20年 | 48,564,671円 | 202,353円 |
頭金なしのフルローンだと、上記のように毎月の返済額が多くなるため、頭金やボーナス返済で負担を抑える必要があります。
※条件
- 頭金600万円
- ボーナス返済30万円
| 年齢/返済期間 | 総返済額 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 40歳/25年 | 43,280,833円 | 94,307円 |
| 45歳/20年 | 41,320,375円 | 122,170円 |
40代はお子様の年齢によっては教育費がピークを迎えるケースもあるため、今後の出費と毎月の住宅ローン返済額のバランスをよく考えることが大切です。
50代
50代で65歳完済を目指す場合10~15年前後と返済期間が短くなるため、老後資金とのバランスを取りながら月額負担を抑える計画が求められます。
※条件
- 頭金なし
- ボーナス返済なし
| 年齢/返済期間 | 総返済額 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 50歳/15年 | 46,332,532円 | 257,403円 |
| 55歳/10年 | 44,166,401円 | 368,053円 |
10~15年でフルローンだと、毎月の返済額はかなり多くなるためあまり現実的とは言えません。
※条件
- 頭金1,500万円
- ボーナス返済40万円
| 年齢/返済期間 | 総返済額 | 毎月の返済額 |
|---|---|---|
| 50歳/15年 | 28,999,054円 | 96,526円 |
| 55歳/10年 | 27,633,862円 | 163,691円 |
頭金1,500万円、ボーナス返済40万円でシミュレーションすると毎月の返済額は上記のように抑えられます。
ただし、頭金で現金を使いすぎてしまうと、事故や病気などの突発的な出費への対応が難しくなります。
また、老後への備えも必要になるタイミングですので、頭金と住宅ローン返済額のバランスをしっかり考えることが大切です。
こちらのコラムで頭金の考え方について詳しく解説しています。
まとめ
マイホームの住宅ローンを組むときは、借入時年齢と完済年齢についてしっかり検討し、無理のない返済計画を立てる必要があります。
お子さまの教育費や収入の増減など、返済期間中のライフプランまで想定して資金計画を立てましょう。
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