床暖房はどうして快適なのか?「輻射熱」とは?

寒い冬でも、足元からぽかぽか! 採用した人からは「想像以上に快適」「絶対おすすめしたい設備」という声があがる床暖房。
そもそも、どんなしくみで家を暖めているのか。そして、なぜ快適なのか。「輻射熱」をキーワードに探ってみましょう。

このコラムでわかること

  • 床暖房とはどんなしくみ?
  • 「輻射熱」って?
  • 床暖房を心地よく感じるのはなぜ?
  • まとめ~導入は「トータルコスト」で考えて~

床暖房とはどんなしくみ?

床暖房とは
①温水や電気ヒーターで床を加熱し
②加熱された床から放射される輻射熱が部屋全体を暖める

暖房システムのこと。
主に住宅で採用されているのは、次の二つです。

・ガス×温水マット式
ガスで沸かしたお湯が床下の温水マットを循環し、床を暖めます。

・電気×パネルヒーター式
電気で床下のパネルヒーターを熱することで床を暖めます。
他にも、床下に暖めた空気を送り込む「温風式」なども床暖房の一種と言えます。

「輻射熱」って?

しかし、「輻射熱」とはなんでしょうか。耳慣れない言葉ですね。

輻射熱とは、空気のあるなしに関係なく、波の形で直接物体に伝わる熱を指します。

具体的な例で、アウトドアで炭火やたき火でするバーベキューを考えてみましょう。
早く焼きたくて、燃え盛る炎に直接肉を差し入れたことはないでしょうか。
実は、この方法ではお肉は美味しく焼けないのです。
炎が発する高い熱に直接触れた外側はすぐに焦げ始める一方、中は冷たい生焼けのまま、という状態になってしまいます。
つまり、お肉を内部まで焼くのは直接触れる「炎」や「空気」の熱(だけ)ではないのです。

今度は炭火で、適度な距離からじっくりあぶります。
すると、今度は中まで火が通り、美味しそうに焼けます。
直接熱源に触れていないのに、不思議ですよね。
これは、炭火から発生した輻射熱が(肉に触れていなくても)内部までダイレクトに入り込み、熱を通してくれるからなのです。
これが、熱が波の形で直接物体に伝わる「輻射熱」の効果です。
(輻射熱について詳しくは→「輻射熱」に注目! 快適な暖房選びのポイント

床暖房を心地よく感じるのはなぜ?

床暖房の場合は、床から輻射熱が出るのはもちろん、その熱が壁や天井に吸収されてさらにそこからの輻射熱として放射されます。
いわばお部屋全体から体を芯まで暖めてくれる「輻射熱」が発生するため、空気の温度(室温)が高くなくても暖かく感じられます

また、室温にムラが出ず、風もないのでハウスダストの舞い上がりも防止します。さらに灯油やガスなどを燃やして暖を取るストーブ、ファンヒーターと違って空気も汚しません。
輻射熱による穏やかな「ぽかぽか」感が味わえ、不快な風も、空気の汚れもない。
だから、赤ちゃんも、若人も、お年寄りも、みんなが「気持ちいい!」と感じるんですね。

まとめ~導入は「トータルコスト」で考えて~

床暖房が快適な理由は「輻射熱」にあることがおわかりいただけたと思います。
一方で「快適なのはわかったけど、コストが心配」という方もいらっしゃいますよね。
床暖房は暖房設備ですから導入にはコストがかかります。
しかし、例えばガス温水式の床暖房を高効率給湯器や燃料電池と組合わせると、光熱費などのランニングコストが低くなり、トータルコストで見るとお得になる場合もあります。
何より、年中快適で健康的に暮らせるということは他の暖房器具にはない、大きなメリットです。
ぜひ、床暖房の導入を検討してみてくださいね!

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