建築材料・木、鉄、コンクリート。どれがいちばん強い?

住宅の建築材料として、木・鉄・コンクリートがメジャーです。地震や台風などの災害が起きたときに備えて、住宅にはできるだけ強い建築材料を使って命を守りたいですよね。

本記事では、木・鉄・コンクリートの3つの建築材料のうち、一番「強い」材料はどれなのか、データを交えてご紹介します。

注文住宅を購入するメリット・デメリット、価格相場についてはこちらで紹介しているので参考にしてみてください。
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家は毎日多くの力を受けている!建築材料がとても重要

地震などによる大きな衝撃で、住宅がダメージを受けるということは、比較的イメージしやすいでしょう。

しかし、地震がなくても住宅は毎日たくさんの力を受け、それに耐えています。たとえば、住宅はそれ自体の重さや家具・人の重さなどで、常に上から圧迫されています。また、道路を通る自動車から受ける振動積雪重み、地下水の圧力などで横や下からも圧力を受けています。

そのため、安全な家を建てるための建築基準法では、「建築物は自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対し安全な構造でなければならない」と規定されています。

具体的に建築材料を考えたとき、こうした圧力に耐えるためには、とくに「引っ張る力」「押す力」への強さが大切です。

建築材料に使われる主な4種類とは

建築材料として主に使われるのは、「集成材」「無垢材」「下地材」「仕上げ材」の4種類です。これらの建築材料の特徴について解説します。

建築時の取り扱いが簡単な集成材

「集成材」は、複数の木材を接着剤で張り合わせた建材です。 集成材は、加工性に優れていることや、割れ・反り・変形などが起きにくいことが特徴です。そのため、後述する無垢材では難しい複雑な加工ができるうえに、耐久性にも優れています。なお集成材には、住宅の柱や梁などに使う「構造用集成材」と、カウンターや階段などの内装に使う「造作用集成材」の2種類があります。

古くから丈夫な建築材料として親しまれている無垢材

「無垢材」は、1本の木材をそのまま使う建材です。無垢材は天然の木材特有の香りや温もりを味わえるため、寺社仏閣などの建造物や、自然の雰囲気を重視する住宅などに活用されています。一方で、割れ・反り・変形などが起きやすく加工が難しいこと、価格が高騰してきていることなどから、コストや加工性などを重視する場合は集成材が選ばれることが多いです。

考慮すべき事項がある場合に用いられる下地材

「下地材」は、家の柱や土台など、人目に触れない部分に使うための建材です。下地材として有名なのが、ベニヤ板のような「構造用合板」や、断熱性・耐火性が高い石膏ボードです。

構造用合板は薄い板を何枚も重ねた建材で、壁や床などに使うと耐震性の強化が図れます。ただし、ベニヤ板は水分に弱いため、洗面所や台所などに使用する際は、耐水合板や耐水ボードを使用するのが一般的です。石膏ボードは、内壁の下地材としてよく使われます。

外壁などによく使われている仕上げ材

「仕上げ材」は、外装や内装などの目に見える部分に使用される建材です。仕上げ材の代表例が、屋根に使う「屋根材」や、壁に使う「外壁材」などです。屋根材には、瓦・スレート・鋼板などがあります。外壁材には、木材・石材・タイル・モルタル・サイディングなど、さまざまな種類があります。

また、内装には木材やタイルのような「壁材」、フローリングや畳などの「床材」、漆喰(しっくい)のような「塗り材」などがあります。いずれの仕上げ材も、見た目や耐久性、コストなどが大きく異なるため、目的によって適切なものを選ぶようにしましょう。

同じ重さの木・鉄・コンクリートの強さを比較!どれが一番強い建築素材?

同じ重さで比較した場合、木(木造)・鉄(鉄骨造)・コンクリート(RC造)のどれがいちばん強いのでしょうか。「引っ張り」と「圧縮」に対する強度を、実際の計測データを交えて見ていきましょう。

は鉄の約4倍、RCコンクリートの約35倍も強いことがわかります。つまり、木造住宅は建物が引っ張られるような力に対して、非常に強いということなのです。それでは、押す力つまり「圧縮」に対する強度はどうなのでしょうか。

木材は鉄骨の約2倍、RC(コンクリート)の約9倍も強いことがわかります。つまり、木造住宅は建物が圧縮されるような力に対しても、非常に強いということです。

同じ強度なら木の家が一番軽い

木造住宅は、鉄骨やRC造りの住宅より強いうえに、「重量が軽い」ことも大きなメリットです。先ほどの計測結果から、同じ重量で比較した強度は、1位が木材・2位が鉄骨・3位がコンクリートとなるため、同じ強度なら木造住宅が最も軽いということになります。家が軽くなると、以下2つの大きなメリットがあります。

  • 地盤にしいため、自重による地盤沈下が起きにく
  • 振動エネルギーの影響を受けにくいため、地震に強い

さらに、住宅が軽いということは、それだけ資材の扱いや施工が容易になるということなので、人件費などのコストが安くなることも大きなメリットです。

戸建住宅に使われる木材

一般的な戸建住宅には、建築材料として「木材」がよく使われる傾向があります。最も大きな理由は、鉄筋コンクリートや鉄骨造りだとコストが高くなることです。また、前述したように木材が軽く高強度なことに加えて、断熱性が高いことも木材が使われる理由です。ここでは、どのような木材が使われることが多いのか、それぞれの特徴と合わせて見ていきましょう。

スギ(杉)

スギは国内外の多くの森や林に生息していて、建売住宅に使われることが多い木材です。安価で汎用性が高く、狂いが少なく虫に強いことが特徴です。スギは主に土台や柱の構造材、フローリングや内装・外装材として活用されています。

ヒノキ(檜)

香りの良さで人気があるヒノキは、比較的高価な木材です。ヒノキに含まれている物質「ヒノキチオール」は、細菌や虫などを防ぐ効果があることで知られています。スギは主に土台や柱の構造材、フローリングや浴槽などに活用されています。

アカマツ

アカマツは、クロマツと並び日本の代表的な松の種類です。木材自体の強度が高く、水や摩擦に強いうえに、比較的価格が安いことが特徴です。アカマツは主に土台・柱・梁などの構造材や、扉の敷居などの摩擦材として活用されています。

ヒバ(桧葉)

ヒバは別名アスナロとも呼ばれ、ヒノキによく似た特徴がある木材です。ヒノキチオールが多く含まれているため、細菌や虫に強く、耐久性が高いことが特徴です。ヒバは主に土台や柱などの構造材として活用されています。

クリ

クリは秋の風物詩として有名ですが、その木材は建売住宅の材料として活用されています。クリはタンニンを多く含むため、虫に強いことが特徴です。クリは土台・フローリング・階段などに使われています。

 

なお、クレバリーホームでは「欧州アカマツ」を建築材料として活用しています。トレーサビリティにより産地がわかることや、さまざまなテストをクリアした優良材を厳選していることが魅力です。クレバリーホームの欧州アカマツの特徴については、以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

あわせて読みたい>スギ・ヒノキより強い? 欧州アカマツとは?

木は年々強度が増す建築材料として重宝されている

木材には、「年月を重ねるごとに強くなる」という、他の材料にはない特徴があります。木は伐採されてから組織が結晶化していくため、伐採時の樹齢をめどに強度が増すのです。

他の材料では、経年劣化により強度が落ちていくことはあっても、さらに強くなることはありません。建てる時点でも十分強い住宅が、年月とともにさらに堅牢になっていくのは、木造住宅ならではの魅力だといえるでしょう。

まとめ

統計によると、現在日本の一般住宅で一番選ばれている建築材料は「木材」です。これまでご紹介したデータを見れば、軽さ・強度・価格など圧倒的なメリットがあるため、木造住宅が魅力的なことがわかります。

木材には、そのほかにも多くのメリット・魅力があります。実は、木材は「火に強い」のです。その比較データについてはこちらの記事→木造VS鉄骨 火災に強いのはどっち?でぜひお読みください。

安全で、暮らしやすくて、コストも優れた木造住宅を、ぜひ検討してみてください

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