土地選びは「計画道路」「旗竿状敷地」に要注意!

土地には「接道義務」があること、面する道路によってはセットバックや隅切りをしなければならないこともある…など「道路」の話が続いています。今回も、敷地と道路をテーマに「計画道路」「旗竿敷地」についてお話しします!

この記事でわかること

見えない道路「計画道路」

「計画道路」とは、行政庁による都市計画で将来の新設や変更が予定されている道路のこと。実際に道路がなくても、2年以内に事業が執行予定として指定されていれば、建築基準法の道路として扱われます。いわば、「見えない道路」ですね。

「計画道路」の状況は「計画が決定した段階」と「事業として決定した段階」とに分けられます。
「計画が決定した段階」では、まだ具体的な事業にはなっていません。この段階であれば、どうしても家を建てたい場合、将来の道路の上であっても住居を建てることができます。
ただし、それは将来の立ち退きが前提です。

そのため、原則として建てられるのは木造か鉄骨造二階建てまで。地下階は作ることができません。さらに都市計画法に基づく都道府県知事の許可を得る必要があります。「事業として決定した段階」になると、もう新しい建築物は建てることができません。

土地を購入する際に計画道路がかかっている場合、購入先の業者から重要事項として説明されることになっていますが、気に入った土地を購入する前には、自分でも所管自治体の都市計画図をチェックするようにしましょう。

新しい道路ができれば、町並みや人の流れが変わるのはもちろん、用途地域の変更など土地の資産価値に直接結びつく変化が起きるはずです。このことで、地価が上がったり下がったりするかもしれませんが、それは誰にも予想できないこと。計画道路がらみの土地販売は昔からありますが、「必ず地価が上がる」などという業者がいたら、信用できないと考えるほうが賢明でしょう。

■都市計画(当初)決定後の経過年数
(「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」東京都都市整備局より)

都市計画後、整備されていない道路も多い。図は東京都の例。都市計画(当初)決定後の経過年数

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kiban/tokyo/pdf/iken_kohyo_6.pdfより引用

「旗竿状敷地(路地状敷地)」って?

図のように、細い路地の先に敷地がある形状を「旗竿状敷地」または「路地状敷地」と言います。旗と竿、というイメージなのでこう呼ばれるのですね。
この旗竿状敷地は、とくに前回説明した「接道義務」に要注意です。

接道義務というのは、建築法上の「道路」に2m以上接していなければ家が建てられない、というものですが、旗竿状敷地の場合、路地の途中で2m未満の部分があれば接道しているとみなされません。また、離れた場所で1mずつ接道しているからといって「1m+1m=2m」とはみなされません。

さらに、自治体によっては路地部分が長いと、接道幅も広く求められる場合があります。建物の用途や床面積などに制限があることもあります。こういった土地を選ぶ場合は、特に道路についての入念な事前チェックが必要です。

ちなみに、全く道路に接さない「袋地」と呼ばれる土地もあります。この場合は、隣地の一部を通行する権利「囲繞地(いにょうち)通行権」があります。しかしこれは最低限の人の行き来を保障するだけのもので、通るスペースは建築基準法上の「道路」ではありません。そのため、このままでは家の建て替えはできないということになります。

■旗竿状敷地と袋地

まとめ

分かりやすく整形された土地に比べ、計画道路がある土地や、旗竿地などにはやや複雑な注意点があることがわかりますね。
こういった土地を購入するという場合は、まず必ず自分自身で所管の自治体に道路や土地について確認しましょう。
また、自分一人で考えず、専門家の手を借りることも検討してください。条件が難しい土地に家を建てる時ほど、専門家の経験が役に立ちますよ!

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