スギ・ヒノキより強い? 欧州アカマツとは?
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スギやヒノキは日本の家に古くから使われていて、高級感や信頼感がありますね。
しかし強度でみた場合にさらに優れた木材があることは、あまり知られていないようです。
強い家を建てるには、構造に関わる木材も強い方がいいのは当然のこと。
今回は「欧州アカマツ」について紹介します!
このコラムでわかること
- スギやヒノキより強い木材ってあるの?
- 「欧州アカマツ」ってどんな木材?
- 「欧州アカマツ」は強い
- 「欧州アカマツ」は腐りにくい
- 「欧州アカマツ」にもランクがある
目次
スギやヒノキより強い木材ってあるの?
一般住宅の骨組み=構造には、スギやヒノキのほか、マツ類などの針葉樹が多く使われています。
国産のスギやヒノキを使った家は高級なイメージがあり、憧れますよね。
一方で、現在は「地震に強い家」として家の構造に強さを求める人も増えてきました。
強い家を作るには、その材料も強くなければいけません。
スギやヒノキは、古くから日本の住宅建築に使われてきた材料で信頼性は高いのですが、「強度」という点で言えばもっと強い木材があるのです。
その一つの例が「欧州アカマツ」。
集成材をつくるために、無垢材から切り出した板を「ラミナ」と言いますが、その「ラミナ」を比較した場合、強さは以下の図のようになります。(集成材・ラミナについてはこちら→無垢材か集成材か? 強いのはどっち?)
グラフのx軸がラミナの強度を示していて、数字が多いほど強くなります。
スギ・ヒノキと比較して、欧州アカマツの強さが見てわかりますね。
「欧州アカマツ」ってどんな木材?
「欧州アカマツ」はヨーロッパからロシアにかけて分布しているマツです。
その粘り強さ、強度の強さなどから建築用材に使われてきた、ヨーロッパを代表する樹種です。
集成材に利用する外国産の木材は見た目の色で分けられますが、欧州アカマツは赤っぽいため「レッドウッド」と呼ばれることもあります。
一方、同じく集成材に多用されるスプルースは、見た目が白っぽいため「ホワイトウッド」と呼ばれます。
日本の林業は戦後から発展したため、国産木材のメインはおおよそ樹齢60年程度のもの。
一方、欧州アカマツでは樹齢80年から100年のものが主に利用されています。
国産材料に樹齢が高いということは「太い」材であるということ。
手入れがされまっすぐに育っているため、木材として使いやすいという特徴も持っています。
「欧州アカマツ」は強い
欧州アカマツは寒い地方でじっくりと育つのが特徴で、しっかりとした年輪を刻み、強度が高くなります。
同じ長さでヒノキと比較してみたのが下の写真ですが、年輪の密度が高いことがわかります。
輸入材として代表的な「ホワイトウッド」と強さを比較したのが下の表。
比重や曲げ強度、圧縮強度などの点で優っていますね。
「欧州アカマツ」は腐りにくい
さらに欧州アカマツは耐久性が高いのが特徴。
木を腐らせダメにする腐朽菌に対する謡急性実験でも、欧州アカマツの耐性が高いことが証明されています。
また、水にも強くかつては戦艦の部材としても使用されていました。
有名なのがヴァーサ号。
大航海時代にスウェーデンで建造された大戦艦ですが、1961年に引き上げられるまでなんと333年間も海中に沈んでいました。
しかし、欧州アカマツでできた船体は原型の98%をとどめていたのです。
まとめ~「欧州アカマツ」にもランクがある~
と、いいことづくめの欧州アカマツですが、山地によって実は強さなどに差があります。
木材の強さということで言えば、寒い地方でじっくりと育てられたものの方が上。
欧州アカマツには北欧産と南欧産がありますが、北欧産を使っている集成材を選ぶのがポイントです。
クレバリーホームの欧州アカマツ集成材は、もちろん北欧産。
原材料はどこで伐採されたかまでわかるうえ(=トレーサビリティ 詳しくはこちら→「木材トレーサビリティ」とは?そのお家、安心できる?)、たくさんのテストをパスした優れた木材しか使っていません。
強い家をもとめるなら、使われている木材についても信頼できるものかどうか確認しましょうね!
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