ガレージハウスの注文住宅間取り実例｜メリット・デメリットや考え方も解説
クレバリーホーム
車やバイクが好きな方にとって、いつでも愛車を眺めたりメンテナンスしたりできるガレージハウスは憧れですよね。
しかし、ガレージハウスは費用や間取りなどのハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ガレージハウスの注文住宅を建てるメリット・デメリット、間取りづくりのポイントや費用相場などを詳しく解説します。
実際に建てられたガレージハウスの注文住宅間取り実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ガレージハウスとは？
具体的な間取りについて掘り下げる前に、ガレージハウスの基礎知識や、ほかの駐車スペースの選択肢もチェックしておきましょう。
ガレージと住まいが一体になった間取りのこと
ガレージハウスとは、駐車スペースと建物が一体となった間取りのことを指します。
インナーガレージ、ビルトインガレージなどさまざまな呼び方がありますが、基本的には同じ間取りのことを指すのが一般的です。
住まいの中にガレージを組み込むことで、乗り降りの利便性や愛車の防犯性を高められるなどさまざまなメリットがあります。
ただし、ガレージをつくる分居住スペースが減る、シャッターなどのコストが高くなるといったデメリットも。
また、居住スペースとガレージが隣接することで、音や振動が伝わりやすくなるなどの注意点もあり、間取りの工夫が求められます。
具体的なメリット・デメリットや間取りづくりのポイントは後半で詳しく解説します。
注文住宅の駐車スペースの選択肢
注文住宅に駐車スペースをつくる方法は、ガレージハウス以外にも複数あります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、ガレージハウスを含めてどの駐車スペースがマッチするのか考えることも大切です。
| 駐車スペースの種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 青空駐車場 | ・コストを抑えられる
・買い替えや増車に対応しやすい ・メンテナンスが不要 |
・車が雨風にさらされる
・盗難リスクが高い |
| カーポート | ・サイズやデザインのバリエーションが豊富
・比較的コストを抑えられる ・ある程度雨風から車を守れる |
・屋根材や雨どいなどのメンテナンスが必要
・防犯性は高くない |
| 独立ガレージ | ・雨風や盗難から愛車を守れる
・敷地に余裕があれば設置しやすい ・注文住宅の完成後に追加できる |
・ある程度のコストがかかる
・住まいとはつながらないため乗り降りが不便 |
注文住宅のコストをなるべく抑えたい、駐車スペースの優先順位が低い場合は、青空駐車場やカーポートがマッチするかもしれません。
また、乗り降りの利便性よりガレージの独立性を重視する場合は、敷地内に独立ガレージをつくるのも1つの考え方です。
ガレージハウス一択ではなく、ほかの方法も吟味したうえで、予算やライフスタイルに合う駐車スペースを考えてみましょう。
ガレージハウスのメリット
続いて、ガレージハウスの注文住宅を建てるメリットを1つずつ見ていきましょう。
愛車を風雨や盗難から守れる
注文住宅の中にガレージを組み込み、シャッターを付けて屋内空間にすることで、大切な愛車を風雨や盗難から守れるのは大きなメリットです。
カーポートは風が強い日に雨が吹き込んだり、台風で飛来した物が車にぶつかったりするリスクがありますが、ガレージハウスの中なら防ぐことができます。
また、シャッター付きのガレージハウスは外から車が見えないため盗難のターゲットになりにくく、鍵を閉めて防犯性を高めることも可能です。
天候や気温に左右されず車のメンテナンスができる
屋内空間に車を停められるガレージハウスは、雨や強風、暑さ寒さの影響を受けず快適に車のメンテナンスができるのもメリットの1つです。
屋外だと雨の日はメンテナンスができませんし、風の強い日も作業に支障が出ますが、ガレージハウスの中なら影響を受けません。
また、ガレージ内にエアコンやストーブなどを置いて、季節に関係なく快適な環境でメンテナンスすることも可能です。
屋外に出ず車に乗り降りできる動線をつくれる
建物とガレージが一体化することで、屋内から直接車に乗り降りできるのもガレージハウスならではのメリット。
荷物を持っていたり、お子さまを連れていたりするときでも、雨に濡れずに車に乗り降りできます。
また、お子さまが車に乗ってからシャッターを開けることで、飛び出し事故のリスクを防げるため、子育て世代の方にもメリットがあります。
駐車スペース以外の使い方が広がる
屋内にガレージがあることで、車を停める以外の使い方が広がるのも魅力的なポイントです。
例えば、車を停めていないときにお子さまやペットの遊び場にしたり、家族や友人とBBQをしたり、屋内外の中間的なスペースとして活用できます。
外観のおしゃれなアクセントになる
シャッターのデザインやカラーをアクセントにして、ガレージハウスの外観をおしゃれに仕上げられるのもメリットです。
例えば、シンプルなシルエットの注文住宅も、ガレージの開口部やシャッターの色選びで変化を付けることができます。
狭小地でも駐車スペースを確保しやすい
ガレージハウスは、都市部などの狭小地で駐車スペースを確保する方法として選ばれることが多いです。
敷地面積が狭くても、1階をガレージにして、2～3階をリビングや居住スペースにすれば、駐車場を確保しやすいです。
ビルトインガレージは一定の要件を満たすことで、延床面積の1/5まで容積率の計算から除外できる緩和措置が設けられています。
狭小地でもガレージハウスにすることで、駐車スペースと居住スペースを上手く両立できる可能性があるのです。
ガレージハウスのデメリット
ガレージハウスには注意すべきデメリットもあります。
対策や考え方は後半で解説しますので、ここではどんなデメリットがあるのかチェックしておきましょう。
エンジン音やシャッター音が気になりやすい
ガレージハウスは駐車スペースと居住スペースが隣接するため、車のエンジン音やシャッターの開閉音が気になりやすいのがデメリットです。
早朝や深夜などに車を使う機会が多いと、就寝中の家族が目を覚ましてしまうケースも考えられます。
1階の居住スペースが減る
建物内にガレージを組み込むことで、1階の居住スペースが減り、リビングや居室を2階以上に設置するケースが多くなるのも注意すべきデメリットです。
上下階の間取り配置によっては、階段の上り下りが増えて負担になることもあります。
建築費用が高くなる
ガレージハウスは、一般的な注文住宅より建築費用が高くなる傾向があるのもデメリットと言えます。
シャッターや換気設備の設置、開口部の耐震性確保など、一般的な注文住宅より対策すべき部分が増えるため、費用が多めにかかる傾向があります。
ガレージハウスの注文住宅間取り実例
クレバリーホームが手がけた注文住宅の中から、ガレージハウスの間取り実例をピックアップしてご紹介します。
実例① 延床面積28.66坪
1F
中2階
2F
シャッターのないオープンガレージを設け、限られた広さの土地を有効活用したガレージハウスです。
玄関ポーチの軒を深くすることで、雨の日でも濡れずに車に乗り降りできる間取りになっています。
実例② 延床面積32.43坪
1F
2F
LDKに隣接する場所にガレージを設け、いつでも愛車を眺められる素敵なガレージハウスになっています。
リビングをダウンフロアにしてガレージの高さに合わせ、ホイールから愛車全体が見えるように工夫しています。
ガレージとリビングに一体感が生まれ、それぞれの空間をおしゃれに見せる相乗効果も。
実例③ 延床面積46.84坪
1F
2F
カーポートのほかに、外と屋内両方から出入りできるバイク用のガレージを設けた間取り実例です。
ガレージ内は、ご夫婦のバイク2台をメンテナンスできる広さを確保。
シューズクロークからガレージに出入りできる動線を確保し、利便性も高めています。
実例④ 延床面積 35.39坪
1F
2F
小屋裏収納
縦長の土地を活かし、1階はガレージと主寝室、2階にLDKを配置した間取り実例です。
ガレージは室内からの動線も設けて、乗り降りや荷物の出し入れもスムーズです。
オーバースライダー方式を採用し、開閉時の作動音を抑えているのも工夫の1つ。
実例⑤ 延床面積 50.66坪
1F
2F
小屋裏
オープン・シャッター付きの2つのガレージを設けた注文住宅の間取り実例です。
シャッター付きのガレージは十分な広さや水栓の設置など、自転車やバイクをメンテナンスしやすい間取りに仕上がっています。
ガレージ付き注文住宅で考えるべきポイント
実際にガレージ付きの注文住宅を建てる際は、次のようなポイントを考え、前述したデメリットに対策することが大切です。
ガレージと居住スペースのバランスと動線
注文住宅の中にガレージを組み込む場合、居住スペースとの面積のバランスを取り、効率の良い動線をつくることが大切です。
ガレージハウスは1階が駐車スペースになるため、敷地の広さによっては広いリビングや居室を配置しにくくなります。
リビングや居室を2階に配置する場合は、水回りなどもまとめてコンパクトな動線をつくり、階段の上り下りが負担にならないようにする必要があります。
ガレージハウスの間取りプランができたら、一日の行動をシミュレーションして動線のムダが無いかチェックしましょう。
車の停めやすさ
3方向を壁に囲まれたインナーガレージをつくる際は、敷地の形状や広さ、前面道路との位置関係などを踏まえて車の停めやすさにも注目しましょう。
ガレージハウスに十分なスペースがあっても、周囲の状況によっては車を出し入れしにくいケースもあります。
車をどの方向から出し入れするのかも踏まえて、停めやすいガレージハウスをつくりましょう。
シャッターの有無や種類
ガレージハウスづくりでは、間取りや使い方に合わせてシャッターの有無や種類を選択することも大切です。
例えば、コストを抑えるならシャッターなしのオープンガレージにするのも1つの考え方です。
防犯性や快適性を重視するならシャッターは必要ですが、電動や手動、開閉方式などで利便性や作動音の大きさが変わります。
ガレージの使い方や目的に合わせて、適切なシャッターの種類を選びましょう。
用途に合わせたガレージの広さ
ガレージハウスづくりでは、車のサイズや用途に合わせて駐車スペースの広さを決めることも大切です。
| 車種 | 長さ | 幅員 |
|---|---|---|
| 軽自動車 | 3.6m | 2.0m |
| 小型乗用車（5ナンバー） | 5.0m | 2.3m |
| 普通乗用車（3ナンバー） | 6.0m | 2.5m |
出典：国土交通省 駐車場設計・施工指針について
国土交通省の指針によると、車のサイズによって必要な駐車スペースの広さは上記のように定められています。
ただし、これはあくまで車を停めるための広さで、メンテナンスや乗り降りの際に必要なスペースは状況によって変動します。
例えば、ただ乗り降りするより、荷物を出し入れするときの方が車の周囲に必要なスペースは広くなりますよね。
車の大きさをベースにしつつ、ガレージをどのように活用するのか想定しながら、必要な広さを決めていきましょう。
車の買い替えや増車
ライフスタイルの変化に合わせた車の買い替えや、家族の成長に合わせた増車もガレージハウスづくりで想定すべきポイントです。
例えば、お子さまの成長に合わせて大きな車に買い替える場合、広めのガレージにしておかないと駐車できなくなってしまう可能性があります。
また、将来増車する可能性があるなら、インナーガレージに駐車するのか、外にカーポートを追加するのかなど、対応を考えておく必要があります。
ガレージハウスに数十年暮らすことを考えて、車をどのように使うのか想定しながら間取りを決めましょう。
ランニングコスト
ガレージハウスの設備にかかるランニングコストも、家づくりの段階で把握しておくべきポイントです。
例えば、シャッターの動きが悪くなってきた場合、プロに依頼して分解清掃や注油するメンテナンス費用がかかります。
また、海沿いのガレージハウスは、塩害によって定期的にシャッターの塗装が必要になる可能性も。
空気の入れ替えのためにガレージ内に換気扇を設ける場合は、故障時の修理や寿命による交換費用も想定しておく必要があります。
建てた直後のことだけでなく、長く暮らすことを考えてランニングコストも把握しておきましょう。
ガレージ付き注文住宅の費用相場は？
ガレージ付き注文住宅の費用相場は、ガレージ部分の坪単価が50～80万円と言われています。
ただし、ガレージの広さや設備、仕上げ方によって実際にかかる費用は大きく変わるため、一概には言えません。
例えば、電動シャッターや換気設備などを導入する場合、材料費や工事費が増加します。
また、ガレージ単体の費用だけでなく、ガレージハウス全体で予算を考えることも重要です。
ガレージ部分の建築費用が多めにかかっても、カーポートの設置や月極駐車場の契約が不要になるため、トータルでは大きな負担にならない可能性もあります。
正確な費用を知るためには、車の停めやすさや動線、用途に合わせたガレージの広さを考慮し、実績のあるハウスメーカーに見積もりを依頼することが確実です。
まとめ
愛車を風雨や盗難から守り、いつでも眺められるガレージハウスは魅力ですが、注意すべきデメリットもあります。
間取りの工夫でデメリットに対策し、おしゃれで暮らしやすいガレージハウスをつくりましょう。
クレバリーホームは、多くのガレージハウスづくりで培ったノウハウを活かし、ご予算やライフスタイルに合わせたプランをご提案いたします。
全国のモデルハウスでご相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にご来場ください。
