1分でわかる「フランク・ロイド・ライト」


20世紀を代表する建築家、フランク・ロイド・ライト。本国アメリカ以外で彼の建築が見られるのはなんと日本だけ。日本と縁の深いライトについて、概要をサクッと学びましょう!

20世紀を代表するアメリカ人建築家、フランク・ロイド・ライト

フランク・ロイド・ライトは、1867年生まれの建築家。
世界中の現代建築の源流となったその多数の業績から、アメリカを代表する建築家の一人とされます。

92歳の生涯の中で、72年にもわたり建築家として活躍し、設計した建築物は1200以上。
ライトは日本とも縁が深く、浮世絵をはじめとする芸術を好んだほか、神道を中心とする日本の宗教思想にも通じていました。
旧帝国ホテルなどを設計していた1916年からの6年間は日本にも住み、日本人建築家もライトから大きな影響を受けました。
アメリカ以外でライトが設計した建物が見られるのは日本だけです。

本質を追求した建築家としての業績


ライトは「ロビー邸」を代表とする「プレーリースタイル」で注目を集めました。
ライトが大切にした建築思想のひとつが「空間はその土地に根差したものであるべき」という考え。
アメリカの広大なプレーリー(草原)に建てられたこの一連の建築物は、その広々とした土地を活かし、水平方向に複数の空間が重なり合う・繋がり合う形式で作られています。

それまで様式主義、形式主義的な建築が多かったヨーロッパで、この開放的かつ機能的、また土地の個性を活かした独特の装飾から「プレーリースタイル」は新しい建築として高い評価を受けました。
その後も、自然との調和を図りつつ、本質と美を追求した「エドガー・カウフマン邸(落水荘)」など多数の業績を残したほか、精力的に活動し続けた晩年にもニューヨーク・セントラルパークの「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」などの代表作を数多く残しました。

ライトが目指した「有機的な建築」


設計するにあたり、ライトが大切にしたのは「有機的」であること。
例えば植物は、種が落ちたその土地固有の栄養を吸収しながら育っていきます。
芽吹いたあと、内部から外部へと成長するその有機的な歩みと同じように、建築もその土地、その時代、そしてそこに生きる人々の生活に根差した、内部空間から外部空間へと成長するものであるべきだという思想です。
外部の形式ありきだったそれまでの建築を塗り替えた、革新的な思想でした。
まさにその思想通り、ライトの建築は大部分が家族が住まう、住宅の建築です。
住宅では家具もデザインし、今でもそのデザインが愛されています。

旧帝国ホテルと「スダレ煉瓦」


日本でのライトの代表的な作品を言えば、旧帝国ホテルです。
旧帝国ホテルの建築年は1917年~1923年という長いもの。
当初の予算300万円が900万円、予想工期1年半が5年以上になった大工事でした。
その大幅な予算・工期増は、帝国ホテル全体を装飾している細かい石細工の手間賃、ライトの要望により何度も手直しなどをして理想に近づけた工程などによるものとされます。
ライトの理想を細部まで追求した帝国ホテルの建築は、個性的で類を見ないものとして高い評価を受けました。
旧帝国ホテルは完成直後に関東大震災に見舞われましたが、周囲の被害も大きい中倒壊せずに建ち続けました。
それ以降約46年間営業を続け、1967年、帝国ホテルは一部分を愛知県の明治村に移築され、残りは取り壊されました。

まとめ~ライトの思想を継承する「スクラッチブリックタイル」~


旧帝国ホテルの外観は、一度見たら忘れないオリジナルの煉瓦による重厚で印象的なもの。
このライトが作った煉瓦は一般に「スダレ煉瓦」といわれ、職人の手作業による多数の細い溝が独特な質感を醸すほか、特徴的な黄色が特徴です。
日本におけるフランク・ロイド・ライトの代名詞であり、外装タイル普及のきっかけともなったアイテムです。
このスダレ意匠を現代の住宅用に継承しているのが、2021年にグッドデザイン賞を受賞したクレバリーホームオリジナルのタイル「スクラッチブリックタイル」です。
詳しくはこちら→フランク・ロイド・ライトの思いを受け継ぐ「スクラッチブリックタイル」。2021年度グッドデザイン賞、受賞!
20世紀を代表する偉大な建築家フランク・ロイド・ライト。
彼が日本に残した足跡は、これからも私たちの住まいを豊かにし続けてくれるでしょう。

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