基礎が大事!「布基礎」と「ベタ基礎」 力強く支えてくれるのはどっち?


地震が起きても、台風が吹いても、しっかりと建ち続ける家を作りたいのなら、その家を支えている「基礎」に注目しましょう。
一般住宅に用いられる「布基礎」「ベタ基礎」、2種類の基礎について簡単に解説します。

注文住宅を購入するメリット・デメリット、価格相場についてはこちらで紹介しているので参考にしてみてください。
→ 注文住宅とは?相場やメリット・デメリットをわかりやすく解説しま

住宅建築における「基礎」とは?

以前の記事では、家を建てる前に「地盤」自体の強さを確保する必要がある、というお話をしました(「地盤」の強さ・弱さとは? 4つの見極めポイント)。
その地盤工事は、あくまで「地盤」という天然物を整えるための工事でしたが、今回のテーマ「基礎」は、いよいよここから人によって家が建つ、という意味で本当の「建築の第一歩」にあたる部分です。
いい家が建つかどうかが決まる、初めの一歩、なのです。

さて、家における「基礎」とは、家の重さ(荷重)を地面に伝える部分のこと。
家自体からかかる、非常に大きな重さを均等に地盤に伝えることで、沈下したり家が重みで損傷したりしない仕組みを指します。
現代日本の木造住宅建築では「布基礎」もしくは「ベタ基礎」が採用されるのが一般的です。
写真はクレバリーホームが採用している「ベタ基礎」のイメージ。
コンクリート部分が「基礎」で、この上に家が建っていきます。

「布基礎」とは

布基礎とは、建物の壁に沿ってコンクリートを打って作る基礎を指します。
縦に伸びる「基礎梁」部分と、横に広がる「フーチング」部分からなる逆T字型となっています。

読み方は文字通りの「ぬのきそ」と呼びます。
日本国語大辞典によると「布」とは、建築で語の上につけて平ら・水平・横・平衡などの意を表す語です。このことから「布基礎」と使われるようになったとも考えられます。決して、基礎の中に布を使用しているということはありません。

メリット

ここでは、布基礎のメリットをご紹介します。

布基礎

●コンクリートの使用量が少ないので低コスト

日本の木造建築住宅では伝統的にこの布基礎が多く採用されてきました。使う鉄筋、コンクリートが後述の「ベタ基礎」に比べて少ないのでため、コストが抑えられることがメリットの1つです。
さらに述べると布基礎は柱や壁部分のみに基礎を配置するので、鉄筋やコンクリートの使用量が少なく材料費や運送費の費用を下げられます。

●基礎が軽く地盤に負担がからない

布基礎は鉄筋やコンクリートの使用量が少ないので、基礎が軽く地盤に負担がかかりにくいです。そのため、軟弱層が薄い地盤にも対応することが可能です。

●箇所によっては強度がベタ基礎を上回る

布基礎は、地面の奥深くまで基礎を打ち込む必要があります。そのため箇所によっては、ベタ基礎よりも高い強度にできます。

日本の木造建築住宅では伝統的にこの布基礎が多く採用されてきました。
使う鉄筋、コンクリートが後述の「ベタ基礎」に比べて少ないため、コストが抑えられることがメリットの一つです。

デメリット

布基礎のデメリットは、どんなものでしょうか。

●耐震性が劣る

布基礎は、柱や壁部分のみに基礎を配置しています。そのため、耐震性が劣ってしまいます。

●湿気がこもる

布基礎は、地面全体をコンクリートで覆う構造ではないので地面からの湿気が上がります。布基礎は床下が低くなるので床下部分の風通しが悪く空気が停滞してしまい、湿気がこもってしまいます。

●シロアリ被害

布基礎は、シロアリ被害が起こりやすいです。地中から侵入してくるシロアリにとって布基礎は、隙間が多いので侵入しやすいです。また、布基礎は湿気がこもりやすくシロアリにとって快適な環境であるので、シロアリ被害に悩まされる可能性があります。

「ベタ基礎」とは

ベタ基礎とは壁部分だけではなく床下全体にコンクリートを打ってつくる基礎のことです。
ベタ基礎
地盤と接している部分が広いため、布基礎に比べ家の荷重がより分散されるので、さらに安定した基礎と言えます。建物自体が重い場合や軟弱地盤ではこのベタ基礎の採用が必須です。
建物の安全性が注目されるようになってからは、構造の安定性の高さから一般木造住宅での採用も増えています。
布基礎ベタ基礎荷重分散

メリット

ベタ基礎のメリットをご紹介いたします。

●耐震性に優れている

ベタ基礎は、床下一面を鉄筋コンクリートで覆う構造です。
全面を鉄筋で補強してあるので、布基礎よりもかなり頑丈で耐震性能も高いです。

●防湿性に優れている

ベタ基礎は地面全体を鉄筋コンクリートで覆われているので、地面から上がってくる湿気を防げます。

●シロアリに強い

ベタ基礎は地面全体にコンクリートが覆っているので、地中から侵入する特性を持つシロアリを防げます。

デメリット

ベタ基礎のデメリットは、どのようなものでしょうか。

●コストがかかる

ベタ基礎は、床下一面全体に張った鉄筋とそれを覆う大量のコンクリートが必要なので材料費がかかります。また、ベタ基礎は広い面積の掘削作業が入るので多くの残土が発生します。そのため、運搬費や残土の処理費用などにもコストがかかってしまいます。

●寒冷地には向いていない

寒冷地では、地面が凍結する場合があります。地面の凍結によって土が膨張し、土が持ち上がる「凍上」が起きてしまいます。「凍上」が起こると基礎が歪んでしまう恐れがあるので、寒冷地には向いていません。

●鉄筋によって強度が異なる

ベタ基礎で使用しないといけない鉄筋の大きさは建築基準で○mm以上と決まっています。しかし、業者によって使用する鉄筋の大きさは違います。
例えば、15mmの鉄筋使用と10mmの鉄筋使用では強度が異なり、15mmの方が強いです。建築基準は超えているものの、施工業者によって鉄骨の大きさが変わるので確認が必要です。

まとめ 2つの基礎を比較!どちらがいい?

●工期や工程は同じ

実は、工期や工程はほぼ同じです。細かい部分での手間は若干異なりますが、基礎工事をするにあたって、「地盤調査」「掘削工事」「砕石投入」「防湿シートを引き、捨てコンクリート流す」「墨入れ」「基礎作成」と布基礎、ベタ基礎どちらでも工期や工程は同じです。

「布基礎」「ベタ基礎」の特徴をまとめると下記の表のようになります。
基礎比較
一目瞭然で「ベタ基礎」の優位点が多いのですが、場合によっては「布基礎」の採用が適切と考えられる場合もあります。
例えば北海道を例に考えてみましょう。

日本の多くの土地では、冬には地面が凍り、その凍る深さを表す指標を「凍結深度」といいます。
建築基準法では、この凍結深度よりも深い位置に基礎を作らなければならないと決められています。
それは凍った地面が膨張して圧力が強くなるから。
基礎より下が凍ってしまうと、基礎が持ち上げられて家の損傷につながってしまうからです。

北海道の凍結深度は、本州などに比べて当然ですが深いです。
つまり、他の地域より、さらに深い基礎をつくらねばなりません。
一方で、北海道では一部都市部を除いて良好な(固い)地盤が多く、建物が軽い場合などは布基礎でも十分に支えられると考えられています。地盤が良好なら、「深くしなければならない=コストがかかる」という点から考えて布基礎採用が増えるのは当然のことです。
このように、どちらの基礎が適切なのかは地盤の状況や家の荷重を考えあわせて判断されます。

繰り返しになりますが、ベタ基礎は、床一面を鉄筋コンクリートで覆うため、布基礎と比べて耐震性が高く、地面から上がってくる湿気や地中から侵入するシロアリを防ぐことができる、といったメリットがあります。

ベタ基礎の有用性については下記の記事でもご紹介しているので、合わせてご確認ください。
「ベタ基礎」は床下の脅威にも有効!

●木造住宅ではベタ基礎が向いている

木造住宅は力が分散しやすい構造のため、耐震性の優れているベタ基礎が向いています。
また、防湿性に優れているので木材を腐敗させるリスクを回避できる点や、床下一面の鉄筋コンクリートにより地中からシロアリの侵入を抑える点を考慮しても、木材住宅ではベタ基礎が向いているといえます。

●強度の違いは根入れの深さ

強度の違いは、根入れの深さです。根入れとは、地面の下で支えている基礎の深さです。建築基準により、根入れの深さは布基礎が24cm以上、ベタ基礎が12cm以上と定められています。布基礎の方が地中深く基礎が配されているので、部分的な箇所の強度を強められます。

布基礎とベタ基礎、土地の地盤や地域、住宅構造によって変わるので優劣を判断するものではありません。建築条件に見合った基礎を適切に見極めるのが大切です。

そういったことを考え併せ、クレバリーホームの家では地震など災害でも歪みにくい高い剛性の「ベタ基礎」を標準で採用しています。建物の荷重を分散して地面に伝えられるので、軟弱な地盤にも適した基礎構造です。床下一面を鉄筋コンクリートで敷き詰めたベタ基礎は、耐震性、防湿性に優れています。クレバリーホームが標準採用している「ベタ基礎」で、基礎と躯体を強固に結合する「柱脚金物」であなたの住まいを力強く支えましょう!

家はデザイン性なども重要ですが、安全、安心を守る構造が何より大事です。
災害に強い家づくりを目指す、強い構造のクレバリーホームに、お気軽にご相談くださいね!
(「構造」についてはこちら→強い家をささえる「構造」、知らなきゃ危ない?!

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