家を支える「構造」とは? 知らなきゃ危ない、家づくりの基本


今、日本では災害に強い家づくりが注目されています。
地震にも、風にも、水害にも強い。せっかく建てるなら、そういう家にしたいもの。
みなさんは、こういった強い家を支えているしくみをご存知でしょうか。
今回は家づくりで最も重要なこのしくみ=「構造」の基本をお伝えします!

このコラムでわかること

  • 家の「構造」とは?
  • 「構造」にかかる力
  • 日本の住宅で使われている主な構造
  • まとめ

家の「構造」とは?

家の「構造」とは、ごく簡単に言うと「建物を形作っている骨組み」のこと。

キャンプで使うテントを思い出してみてください。
テントの内側からはポールが見えます。
このポールが外側の布をピンと張ることで、テントは自立しています。
大ざっぱにいうと、あの「ポールでできた骨組み」がテントの「構造」です。

家も大きくはテントと同じです。
テント的に考えると、図のように家自体を支える骨組み=構造と、布=それ以外の仕上げ材とに分けられます。

【図】家の構造

仕上げ材は、家の外側ならタイルやサイディングボード、内側ならフローリングやクロスなど。
構造を汚れなどから守るほか、見た目や外見にも影響してきます。

住宅の場合、仕上げ材は建てた後でもほとんどが取り替え可能ですが、骨組み=構造はそうはいきません。
構造は仕上げ材の中に隠れているうえに、建っているその家をまさに「今」支えているものだからです。
テントのポールを一本でも取れば、テントは倒れてしまう。それと同じです。

というわけで、家づくりはこの「構造」を考え、決めるところから始まるのです。

「構造」にかかる力

この構造は、実際にはどれほど強いものなのでしょうか。
実際に日々、家にかかっている力を見てみましょう。

まず、建物自体の重さ、載っているものの重さ(人や物、雪など)があります。

また、家は外に建っているもの。
そのため、常に自然の力――風の圧力、地面の圧力、水圧、そして地震などさまざまな振動や衝撃に耐えているのです。

日本では、新築住宅の全てがこれらの力に十分耐えうる安全な構造でなければならない、と法律で定められています。

【図】家にかかる力

日本の住宅で使われている主な構造

実際に日本の住宅で使われている主な構造も見ておきましょう。
使われる部材から主なものをご紹介します。

まずはなじみ深い「木造」
日本では古来、住宅に使われてきた「木」ですが、今でも住宅材料として最も人気があります。国の統計によると、居住専用住宅の8割以上が木造です。

この木造には、
・かかってくる力を梁や柱などを合わせて作った「軸組」で受けとめる「在来軸組工法」
・かかってくる力を壁で受け止める「枠組壁工法」
という二つの主要な工法があります。

木造以外では、
・鉄筋とコンクリートを一体化させて建物を支える「RC(鉄筋コンクリート)造」
・柱や梁などの主要構造材を鉄や鋼でつくった「鉄骨造」
があります。
→それぞれの特徴についてはこちら地震に強い家はどれ?木造・鉄骨造・RC造の特徴

これらはもちろんテントのポールのレベルではなく、日本の気候、特徴にあった強い家を作れるように進化したもの。
とくに大地震が続く近年は、耐震性の高い構造が選ばれることが多いようです。

まとめ

構造は後から取り換えがきかない、重要なものだとご理解いただけたでしょうか。
工法にはそれぞれ特徴があり、実はコストにも直結します。
ハウスメーカーごとに得意な構造は違いますので、パートナーを決める前にはそれぞれについてしっかり理解しておくと賢い家づくりができます。
次回からは、現在主流の構造についてご紹介していきます。ぜひ合わせてお読みくださいね!

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