一戸建ての防犯対策|新築時にできること・住んでからやるべきことを解説

近年、一戸建てを狙った侵入窃盗のニュースが目に付くようになり、新築時の防犯対策について考える方が増えています。
オートロックがあり管理人が常駐するマンションと比べると、一戸建ては防犯上の心配が多く、実際に狙われる可能性も高いです。
これから一戸建てを建てるなら、新築時にしっかりと防犯対策を設計に織り込んでおくことが大切です。
そこでこの記事では、一戸建てで起きやすい犯罪の種類と手口を整理したうえで、新築時に設計・外構・設備の面からできる防犯対策を中心に解説します。
また、入居後にできる対策もあわせてご紹介しますので、これから家づくりを検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
一戸建ての防犯対策が重要になっている理由

近年、一戸建てを狙った空き巣件数の増加や、強盗事件のニュースなどを見て、防犯対策について考える方が増えています。
警察庁のデータによると、侵入窃盗の認知件数は2003年(平成15年)をピークに減少傾向でしたが、2023年以降は増加に転じています。
また近年は、複数人が民家に押し入る強盗事件も目につくようになりました。
かつての空き巣は「留守中にこっそり盗む」というものでしたが、現在は在宅中を狙う「居空き」や「強盗」の発生も珍しくなく、防犯対策の重要性が高まりつつあります。
一戸建てがマンションより狙われやすい理由は、構造上の問題です。
マンションはオートロックや管理人の存在が抑止力になりますが、一戸建ては道路や隣地から直接敷地にアクセスできるため、侵入窃盗などに狙われやすい傾向があります。
だからこそ、一戸建てでは建てた後に対策するのではなく、設計の段階から防犯を意識することが重要です。
次の章から、一戸建てで発生しやすい犯罪の種類や、具体的な対策についてチェックしていきましょう。
一戸建てで起きやすい犯罪の種類と狙われやすいポイント

一戸建てで注意したい犯罪には、主に「侵入犯罪(空き巣・強盗)」「車両窃盗・車上荒らし」があります。
それぞれの特徴と狙われやすいポイントを見ていきましょう。
侵入犯罪
一戸建てで特に発生しやすく注意が必要なのは、住人が留守の間に侵入し金品を盗む「空き巣」です。
| 年 | 空き巣件数(住宅対象侵入盗) |
|---|---|
| 2019年 | 28,936件 |
| 2021年 | 17,283件 |
| 2022年 | 15,692件 |
| 2023年 | 17,469件 |
| 2024年 | 16,000件 |
| 2025年 | 17,152件 |
出典:e-Stat 犯罪統計 令和7年1~12月犯罪統計【確定値】 ※認知件数
こちらは一戸建て・共同住宅を含む全体のデータですが、2025年の空き巣の認知件数は前年度より件数が増加しています。
| 年 | 強盗件数 |
|---|---|
| 2019年 | 1,511件 |
| 2021年 | 1,138件 |
| 2022年 | 1,148件 |
| 2023年 | 1,361件 |
| 2024年 | 1,370件 |
| 2025年 | 1,428件 |
出典:e-Stat 犯罪統計 令和7年1~12月犯罪統計【確定値】 ※認知件数
また、こちらは住宅に限定したデータではありませんが、強盗の認知件数も増加傾向にあります。
近年は、戸建て住宅を狙った空き巣が、在宅中の強盗に発展するケースも増えており、特に注意が必要です。
| 侵入窃盗 | 強盗 | |
|---|---|---|
| 一戸建て | 29.1% | 22.1% |
| 共同住宅(3階建て以下) | 5.7% | 10.3% |
| 共同住宅(4階建て以上) | 3.4% | 9.5% |
出典:警察庁 住まいる防犯110番 2025年の発生場所認知件数を参照
発生場所の割合から住宅のデータをピックアップすると、空き巣を含めた侵入窃盗、強盗ともに一戸建てが多いことが分かります。
| 侵入口 | 件数/割合 |
|---|---|
| 窓 | 7,957件/57.9% |
| 表出入口 | 2,651件/19.4% |
| その他の出入口 | 1,837件/13.2% |
出典:警察庁 住まいる防犯110番 2025年の一戸建住宅の侵入口を参照
一戸建て住宅への侵入経路は窓がもっとも多く、57.9%と狙われる可能性が高いです。
侵入手段としては、鍵のかけ忘れである無締まり、ガラス破りやこじ破り、ピッキングなどさまざまなケースがあります。
車両窃盗
駐車場やカーポートに停めた車を狙う車両窃盗も、一戸建てで起きやすい犯罪です。
| 発生場所 | 認知件数 |
|---|---|
| 一般住宅 | 2,885件 |
| 駐車場 | 1,780件 |
| 道路上 | 200件 |
| その他 | 1,521件 |
出典:警察庁 自動車盗難等の発生状況等について 2025年のデータを参照
車両窃盗の発生場所のデータは、一般住宅が2,885件と最多です。
駐車場・道路上を含めると、敷地内外を問わず車両が狙われていることが分かります。
一戸建ては駐車スペースが道路に面していることが多く、死角の少なさが盗難リスクに影響すると考えられます。
新築時にやるべき防犯対策①|建物設計

一戸建ての防犯対策は後で考えるのではなく、設計段階から組み込んでおくことが大切です。
前章で触れたとおり、一戸建てへの侵入経路は窓が多く、次いで玄関などの出入口が続くため、それぞれの対策が必要です。
ここでは、建物本体の設計でできる防犯対策を特に重要度が高いポイントに分けて解説します。
窓
侵入経路になることが多い窓は、新築時の防犯対策に特に力を入れたい部分です。
採光や通風、眺望などにも考慮しつつ、必要以上に窓を設けないことが侵入口を減らすことにつながります。
また、人が入れる大きさの窓や、死角になる場所は、防犯ガラスや面格子、雨戸やシャッターなどで対策しましょう。
1階に寝室を配置する場合は、面格子を付けておくと就寝時に窓を開けて風を取り入れやすくなります。
玄関
表出入口として侵入経路の約2割を占める玄関は、デザイン性と防犯性の両立が必要です。
例えば、採光のために玄関ドア横に大きな窓を設けると、ガラスを割ってサムターンを操作して解錠されてしまうリスクがあります。
採光やデザインのために玄関に窓を設ける場合は、手が届く位置を避けたり、防犯ガラスを選んだりして対策しましょう。
また、鍵を1つだけでなく2つ設置するツーロックにしておくと、解錠にかかる時間が増え、侵入をあきらめさせる効果が期待できます。
ランドリールーム
家事効率を高める間取りとして人気のランドリールームも、一戸建ての防犯対策として効果的です。
道路や隣地から洗濯物が見えると、量や種類から在宅・留守のタイミングを推測されやすくなります。
ランドリールームで室内干しできる間取りなら、外から生活パターンが見えにくくなることで、留守の時間帯を悟られにくくなり抑止効果が期待できます。
また、ランドリールームを設けることで2階のバルコニーをなくし、侵入経路を減らせるのも防犯面のメリットです。
ランドリールームの設置方法やバリエーションについて、こちらのコラムもご覧ください。
ガレージ
車両窃盗や車上荒らしを防ぐために、一戸建てにシャッター付きのガレージを設けるのも防犯対策の1つです。
シャッター付きガレージであれば車両を屋内に完全に収納でき、車上荒らしや車両窃盗のリスクを軽減できます。
注文住宅のインナーガレージについてはこちらのコラムもご覧ください。
新築時にやるべき防犯対策②|外構・敷地計画

一戸建ての防犯対策は、建物本体だけでなく敷地全体の計画も重要です。
土地選びの段階から外構プランまで、敷地まわりでできる防犯対策を解説します。
土地選び
一戸建てを建てる土地の周辺環境は、防犯のしやすさに影響します。
街灯が多く人通りのある道路に面した土地は、不審者にとって人目につきやすく敬遠されやすい傾向があります。
逆に、奥まった旗竿地や、周囲を高い塀や植栽に囲まれた土地は死角ができやすく、注意が必要です。
土地探しの段階から、周辺の街灯の有無や夜間の人通りなども確認しておくのが理想的です。
門扉・フェンス
一戸建ての敷地の境界に設ける門扉やフェンスは、侵入そのものを物理的に防ぐ役割があります。
乗り越えにくい高さのフェンスを選ぶとともに、足がかりになる横桟のないデザインを選ぶことで、よじ登りにくくする工夫も効果的です。
一方で、高すぎる塀や完全に視線を遮るフェンスは、かえって死角をつくり不審者の隠れ場所になることもあるため、見通しを確保できる素材やデザインを選ぶバランスが大切です。
死角や足場をなくす
狙われにくい一戸建てづくりでは、建物や敷地全体の死角や足場をなくすことも大切なポイントです。
庭木や物置、エアコンの室外機などは、配置によって死角や足場になることがあります。
特に2階のバルコニーや窓の近くに足場になるものを置かないこと、隣地や道路からの視線が完全に遮られる植栽を避けることがポイントです。
建物の配置自体も、道路や隣家からの見通しを意識して計画すると、敷地全体で死角や隠れる場所の少ない家になります。
新築時にやるべき防犯対策③|防犯設備・IoT

建物や外構の対策に加えて、防犯カメラやセンサー類などの設備を組み合わせることで、防犯効果が期待できます。
設備面でできる一戸建ての防犯対策は、家の中・外などさまざまです。
センサーライト
人や動きを感知して自動点灯するセンサーライトは、夜間の死角対策として効果的です。
玄関アプローチや勝手口、隣地との境界付近など、暗くなりやすく人目につきにくい場所に設置するのがポイントです。
センサーライトの存在で、外から見て防犯意識の高い家だと分かるため、下見の段階で対象から外されやすくなる効果も期待できます。
防犯カメラ
一戸建ての防犯対策として近年増えているのが、防犯カメラの設置です。
防犯カメラは侵入そのものを防ぐというより、存在自体が不審者にとって心理的な抑止力になり狙われにくくする効果が期待できます。
玄関や勝手口、駐車スペースなど死角になりやすい場所を中心に設置場所を検討しましょう。
新築時に配線をあらかじめ通しておくと、見た目もすっきりし、設置後の追加工事も不要になります。
スマートロック
スマートフォンやICカードで施錠・解錠できるスマートロックは、鍵のかけ忘れによる無締まり対策に効果的です。
例えば、外出時にスマートフォンのアプリで施錠を確認・遠隔操作できる製品なら、無締まりによる空き巣リスクを防ぐことができます。
また、工具によるピッキングやサムターン回しなどの侵入を防ぎやすいのも、スマートロックならではのメリットです。
照明タイマー・IoT家電
外出中も照明が自動でついたり消えたりするタイマー機能やIoT家電は、留守であることを悟らせない工夫として有効です。
夕方から夜にかけて在宅しているかのように照明が点灯すれば、長期不在でも外部から気づかれにくくなります。
スマートスピーカーと連携させ、外出先からスマートフォンで照明を操作できるようにしておくのもおすすめです。
入居後にできる一戸建ての防犯対策

ここまでご紹介した新築時の工夫に加えて、住み始めてからの防犯対策を組み合わせることで、リスクをさらに下げることができます。
入居後にできる代表的な防犯対策を紹介します。
戸締まりを徹底する
侵入窃盗のもっとも多い侵入手段である無締まりに対策するため、窓や玄関などの戸締まりを徹底するのは重要なポイントです。
どれだけ防犯性の高い窓や鍵を設置していても、施錠を忘れてしまっては効果を発揮できません。
ゴミ出しや短時間の外出時も必ず施錠する習慣をつけることは、基本的で効果の高い防犯対策といえます。
近所づきあいを増やす
近隣住民との関係が良好だと、見慣れない人の出入りや不審な様子に気づいてもらいやすくなり、地域全体の防犯力が高まります。
あいさつを交わす程度の関係でも、不審者にとっては「人の目がある家」として警戒対象になります。
新築後の入居あいさつなどをきっかけに、日頃から顔の見える関係を築いておくとよいでしょう。
SNS投稿で位置情報や留守を発信しない
旅行や外出の様子をリアルタイムでSNSに投稿すると、留守であることを不特定多数に知らせてしまう可能性があります。
位置情報をオフにする、投稿は帰宅後にする、室内の様子や鍵が映り込んだ写真を避けるなど、何気ない投稿が手がかりにならないよう注意しましょう。
まとめ
一戸建ては、マンションと比べて外部からアクセスしやすい構造上、防犯対策は重要な要素の1つです。
防犯対策は、新築時の建物設計や外構計画に組み込むことで、見た目がすっきりし、防犯効果も高めやすいです。
間取りや外観デザインなどと並行して、家づくりの初期段階から防犯対策についてもしっかり考えておきましょう。
クレバリーホームでは、防犯性と暮らしやすさを両立した家づくりのご提案を行っています。
安心して長く暮らせる新築住宅をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。




