シロアリは「蟻」じゃない!? 日本のシロアリ基礎知識

家を壊すほどの食害を起こす、とにかく「怖い」印象のシロアリ。
けれどそのイメージが強すぎて、実際の生態について詳しくご存じの方は少ないのではないでしょうか。
シロアリの性質を知っておくと、防除の方法についてもよく理解できるようになります。
今回は日本にすむシロアリについて詳しく見ていきましょう!

 

このコラムでわかること

  • 日本にすむシロアリの種類
  • シロアリの社会=「階級社会」
  • まとめ

日本にすむシロアリの種類

いきなり衝撃の事実…かもしれませんが、実はシロアリは「アリ」ではありません。
あの「ゴキブリ」の仲間なのです。
また、「シロアリ」には「シロアリ」という種類しかいないと思っている方も多いかもしれません。
ところがシロアリは全世界に広く分布する生き物で、たくさんの種類がいます。
そのなかで、日本の家に被害を及ぼしているのは主に下記の二種類です。

まずは全国的に見られる「ヤマトシロアリ」。
ヤマトシロアリのすむ場所は湿っているのが特徴です。
これは、ヤマトシロアリが水を運ぶことができないため。
湿った木材や地中に巣を作り、その周りを網目状に食べながら広げていきます。
そのため、食べられた木はスカスカになってしまいます。
水がないと巣を作れないため、地面と接しているじめじめとした場所や、風呂場やキッチンなどの水回りで被害が多く見られます。
湿っていれば本や段ボール、畳なども食べます。
巣にいるシロアリたちは約2-3万匹とされています。
Reticulitermes_speratus_Colony01ヤマトシロアリ
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。

イエシロアリ」はヤマトシロアリに比べ寒さに比較的弱く、西日本以南でよく見られる種類。
ヤマトシロアリよりも大型で、巣にいる個体数は100万匹にもなります。
そのため、食害のスピード、規模ともにヤマトシロアリより激しいのが特徴です。
さらに、ヤマトシロアリと違い「水を運べる」ので、乾いている場所にもやってきて食べられるものはみな食べてしまいます。
家全体が被害にあうケースも多くなります。

この二種類の他に、最近では外来種の「アメリカカンザイシロアリ」の被害も報告されています。
カンザイとは「乾材」。
乾燥した木材の中で生活していて、ピアノや箪笥など、家具類も食べてしまいます。
身体が大きく、被害も強烈です。

シロアリの社会=「階級社会」

ひとつの巣に数万匹から100万匹もいるシロアリですが、実はこれら全部が一斉に家に加害しているわけではありません。
というのは、シロアリは階級で行動が全く違うから。
この部分では確かにアリとよく似ていて、女王・王アリが卵を産み、最下級の働きアリが食べ物を集めるという、完全分業制になっています。
兵隊アリもいますが、働きアリ以外は自分で食べ物を集める=家に加害することはありません。
とはいっても、巣にいる90%以上が働きアリ。
女王アリがいれば多くの働きアリがいるわけで、まず家の近くに「巣を作らせない」ことが、被害を防ぐ重要なポイントです。

シロアリの食害が家を壊すほど強烈なのは、個体数が多いこともありますが、そもそもその身体のしくみにも原因があります。
シロアリは、ウシのように、複数の胃を持っています。
その胃の中には、木の繊維を分解する微生物がいます。
この微生物の分解能力がたいへん高いため、たくさんの木材を食べられる(分解できる)のです。
このシロアリパワーの源の微生物については、その驚異的な分解能力がバイオ燃料作りに役立つのではと、研究も進められているほどです。
7a1faecaebf240e840198a5e77bbe5d7_mシロアリの食害

まとめ

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とあるように、シロアリを撃退するにはその習性を良く知る必要があります。
実際に、シロアリと水の関係や、階級社会であることなどからそれぞれに効果的な防除方法が研究・開発されています。
シロアリの防除は、新築時に行うとコストが最も低くなります。
家づくりは、しっかりシロアリ対策をしているハウスメーカーと行いましょう!

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