オープンクローゼットのメリット・デメリット|後悔しない間取りの考え方と実例

オープンクローゼットのメリット・デメリット|後悔しない間取りの考え方と実例

扉を設けないオープンクローゼットは、近年の注文住宅で注目度が高まっている間取りの1つです。

中の物を出し入れしやすく、スペースを広く使えるという特徴から、間取りの検討段階で候補に挙げる方が増えました。

一方で「ほこりが気になる」「来客時に生活感が出てしまう」といった後悔の声も少なくありません。

これらは扉がない構造そのものに由来するデメリットで、よく考えずに採用すると後悔してしまうリスクも考えられます。

そこでこの記事では、オープンクローゼットのメリットとデメリット両面と、後悔を防ぐ間取りづくりのポイントを詳しく解説します。

設置場所ごとの向き不向きや実例もあわせて紹介しますので、収納計画の参考にしてください。

オープンクローゼットとは、扉のない収納スペースのこと

オープンクローゼット

オープンクローゼットとは、あえて扉を設けない収納スペースのことです。

建具がないため、しまってある衣類や小物が室内側から見える点が特徴です。

レイアウトに決まった型はなく、棚板とパイプだけのシンプルな形状から、引き出しや可動棚を造作した本格的なものまで幅があります。

オープンクローゼットと一口に言ってもバリエーションは複数あり、それぞれ適した設置場所や必要なスペースなどが変わります。

代表的なタイプをピックアップしてみましょう。

 

タイプ 設置場所 広さの目安 主な使い方
壁面型 居室の壁の一部 奥行き60cm前後 寝室や子ども部屋の衣類収納
ウォークイン型 独立した小部屋 2帖程度から 衣類と大型の荷物をまとめる
間仕切り型 部屋と部屋の境界 奥行き60〜90cm 収納と間仕切りを兼ねる

 

壁面型は、一般的なクローゼットの扉をなくしたシンプルなタイプです。

奥行き60cm前後で成立するため、専用の部屋を確保できない間取りでも導入できます。

ウォークイン型は、個室の収納部屋の出入り口に建具を設けず、開口のまま使う形式を指します。

一般的なウォークインクローゼットと構造は変わらず、扉を付けるかどうかで呼び方が分かれると理解すると整理しやすいでしょう。

間仕切り型は、部屋と部屋の境界に収納を配置し、間仕切り壁の役割を兼ねさせる形式です。

寝室とワークスペースを分ける、リビングと廊下のあいだで視線を遮るといった使い方があります。

オープンクローゼットのメリット

寝室のオープンクローゼット

扉のないオープンクローゼットには、利便性やコストなどさまざまなメリットがあります。

代表的なメリットを順に見ていきましょう。

扉の開閉が不要で物を出し入れしやすい

オープンクローゼットは、扉がないことで開け閉めの手間がなくなり、スムーズに中の物を出し入れできるのがメリットです。

扉付きのクローゼットの場合、開ける、取り出す、閉めるという3段階の動作が必要になります。

手を伸ばすだけで衣類を取り出せることで、忙しい時間の身支度を手早く終えられるのは大きな魅力です。

洗濯物で両手がふさがっているシーンでも、扉を開け閉めせずそのまま収納できます。

小さなお子さまがいるご家庭では、扉に指を挟む心配がない点も見逃せません。

開閉スペースが不要で居室を広く使える

扉が動く分のスペースを確保せずに済み、部屋を広く使えるのもオープンクローゼットならではのメリットです。

比較的開閉スペースが小さい折れ戸でも、扉の前に30cm程度の空間が必要です。

床に物を置いていると開閉時にぶつかってしまうことがありますが、オープンクローゼットなら問題ありません。

また、扉がないことで視覚的な広がりが生まれ、部屋に開放感をもたらします。

中に湿気がこもりにくい

閉め切った収納で起こりがちな湿気の滞留を抑えられる点も、オープンクローゼットの強みです。

衣類は水分を含みやすく、扉を閉じた空間では湿度が上がりやすくなります。

湿度の高い状態が続けばカビの発生条件が整うため、扉付きの収納では除湿剤や定期的な開放が欠かせません。

オープンクローゼットならエアコンや換気の効果がそのまま届き、湿気の滞留やカビを防ぎやすくなります。

見せる収納としてインテリアに取り込める

中身が見えるというオープンクローゼットの特性は、部屋の雰囲気づくりに活かすこともできます。

お気に入りの服やバッグ、帽子を並べれば、ショップのような空間を演出できます。

内部に間接照明を仕込むことで、夜の寝室に落ち着いた表情を生み出すといった工夫も可能です。

また、服が常に視界へ入る状態は、服装のコーディネートを考えるうえでも役立ちます。

建築コストを抑えやすい

オープンクローゼットで扉をなくすことで、建築コストを抑えやすくなるのもメリットの1つです。

クローゼットの建具には本体と枠の価格に加えて、取り付けの工賃がかかります。

複数の居室でオープンクローゼットを採用すれば、削減できる金額も大きくなります。

また、折れ戸のレールが外れるといった建具の不具合が起こらないため、将来の修繕費を抑えやすい点も利点です。

オープンクローゼットのデメリット

オープンクローゼットの衣類

オープンクローゼットのデメリットは、扉が担っていた「隠す」「遮る」という役割がないことによるものが多いです。

良い部分だけでなく、デメリットも把握したうえで、次の章の後悔を防ぐ対策とセットで覚えておきましょう。

中身が見えるので生活感が出やすい

オープンクローゼットは収納物が常に視界へ入るため、片づいていないと生活感が出やすい点がデメリットです。

扉付きなら閉めてしまえば問題ありませんが、オープンクローゼットだと生活感が見えやすく、気になるケースが多いです。

来客が通る場所に設ける場合は、洗濯物や部屋着が目に触れてお互いに気を遣うケースもあります。

見た目を保つためには常に整理整頓する必要があり、負担に感じる可能性があります。

ほこりが溜まりやすい

扉がないオープンクローゼットは、室内で発生したほこりが衣類や収納内部の床に溜まりやすいことも注意すべきデメリットです。

棚に置いた帽子やバッグ、衣類の肩の部分、クローゼット床面の四隅など、掃除すべき箇所が増えていきます。

扉付きのクローゼットと比べると、衣類のメンテナンスや掃除機がけの頻度が多くなり、維持管理の面で後悔するリスクがあります。

衣類が色あせしやすい

窓からの日光や照明の光が直接当たる場所にオープンクローゼットを配置すると、中の衣類が色あせすることがあります。

扉付きなら光を遮れる場面でも、オープンクローゼットは受け続ける状態のため、色あせや劣化が早くなる可能性があるのです。

特に、南向きや西向きの窓から強い自然光が入る場所だと、影響が出るまでの期間は短くなります。

オープンクローゼットの後悔を防ぐ間取りづくりのポイント

洗面所の隣のオープンクローゼット

オープンクローゼットで後悔するかどうかは、扉がない前提でどこまで計画を詰められるかで決まります。

デメリットの多くは間取りの工夫で軽減できるため、次の4つのポイントを押さえておきましょう。

生活動線と来客動線を踏まえて配置を決める

まず、オープンクローゼットを配置する場所について、利便性に関わる生活動線と、来客動線の2つを意識して考えましょう。

例えば、生活動線上にオープンクローゼットを配置することで、移動しながら衣類を出し入れできる利便性の高い間取りになります。

しかし、玄関からリビングへ向かう通路の正面のように、来客動線上にオープンクローゼットを配置すると生活感が見えやすくなるので注意が必要です。

家族しか通らない寝室の奥や、洗面室からつながる場所であれば、生活感が気になるケースは少ないです。

図面だけでは判断しにくいため、日々の生活と来客時の動線をシミュレーションし、中身が見えても困らない位置に配置しましょう。

目隠しできる下地を用意しておく

扉のないオープンクローゼットを採用する場合でも、必要なときに隠せるように下地を入れておくと後悔を防ぎやすくなります。

枠に下地を入れておけば、後からロールスクリーンやカーテンレールを取り付けて目隠しできます。

来客時に中身を隠せるだけでなく、遮光タイプの目隠しなら、日光による色あせも抑えられて一石二鳥です。

建築時に下地を入れておけば目隠しを後付けするときの費用を抑えることができ、実際に取り付けるかどうかは住み始めてから判断できます。

収納するものに合わせて寸法と棚・パイプの配置を決める

オープンクローゼットに限ったことではありませんが、しまうものを具体的に想定して棚やパイプのレイアウトを決めるのも後悔を防ぐポイントです。

例えば壁面型のオープンクローゼットに衣類を収納する場合は、ハンガーの肩幅である約45cmに、衣類の厚みと出し入れするための余裕を設けた奥行き60cm前後のサイズが目安です。

ウォークイン型なら収納部分に加えて人が動く通路として60cm前後、両面から使う間仕切り型では90cm前後の広さを確保しましょう。

また、ハンガーパイプを設ける場合は、シャツやジャケットなら床から160cm程度、コートやワンピースを掛けるなら170cm程度の高さが基準になります。

上下2段に分ける場合は、下段を100cm前後に設定すると短い丈の衣類を効率よく収められます。

棚は固定せず可動式にしておくと、家族構成や持ち物の変化に合わせて位置を変えられるので便利です。

床に物を置かない設計にする

オープンクローゼットのほこり対策としては、床面を空けておく設計がおすすめです。

収納ケースや荷物を床に直接置くと、掃除機をかけるたびに動かす手間が生まれます。

床から15cm程度浮かせた台や棚を設けておけば、部屋と一緒に掃除機をかけられます。

床面を空けておけば、ロボット掃除機を使えるのも便利なポイントです。

オープンクローゼットが向いている場所と間取り実例

オープンクローゼットは、住まいの中のさまざまな場所でメリットを発揮してくれます。

ここでは、オープンクローゼットの設置に向いている代表的な場所ごとの特徴と、実際の間取り実例をご紹介します。

寝室|起床・就寝時の着替えがスムーズ

プライベートな空間である寝室は、オープンクローゼットを採用しやすい場所の1つです。

家族以外が入る機会はほとんどなく、中身が見えても困る場面が生まれません。

設置スペースが大きいベッドを置く寝室では、扉の可動域を確保しなくて済むオープンクローゼットのメリットが大きいです。

オープンクローゼットのある家の間取り図

寝室のオープンクローゼット

こちらのお住まいは、2階の主寝室にウォークインタイプのオープンクローゼットを設置した実例です。

スムーズに中の衣類を出し入れできるだけでなく、壁の上部を開けて湿気や匂いをこもりにくくしています。

▼実例を見る⇒case168

 

ファミリークローゼット|家族分の衣類をまとめて管理

家族全員の衣類をまとめるファミリークローゼットは、扉のないオープンレイアウトとの相性が良い間取りです。

洗面室やランドリールームと隣接させれば、洗濯物を抱えたまま出入りでき、たたんだ衣類を家族ごとに振り分けて効率的に収納できます。

 

オープンクローゼットの間取り図

オープンクローゼットと洗面の間取り

こちらは、ランドリールームの近くに、オープンタイプのファミリークローゼットを配置した間取り実例です。

 

オープンクローゼットの内部 オープンクローゼットの入り口

扉を設けないことでランドリールームからスムーズに出入りでき、お出かけ前の身支度も1階で完結できるようになっています。

▼実例を見る⇒case164

 

玄関|上着や外出用品の定位置になる

玄関のオープンクローゼットは、外で使うものの定位置になる便利な間取りアイデアです。

コートやレインウェア、帽子を玄関で脱いで掛けられるため、花粉や雨の湿気を居室へ持ち込まずに済みます。

ベビーカーやアウトドア用品、部活動の道具といった大きな荷物も、扉がないためスムーズに出し入れできます。

 

玄関のオープンクローゼットの間取り図1F

玄関のオープンクローゼット
こちらのお住まいでは、玄関の土間部分にコートをかけられるオープンクローゼットを設置しました。

棚の上部には、万が一に備えた防災バッグも置くことができます。

▼実例を見る⇒case170

 

子ども部屋|成長に応じて使い方を変えられる

成長によってライフスタイルや持ち物が変化する子ども部屋も、オープンクローゼットを設置するケースが多い間取りです。

扉がなくスムーズに出し入れできるため、小さなお子さまでも自分で服を選んで片づける習慣を身につけやすくなります。

シンプルなパイプや可動棚のレイアウトにしておけば、お子さまの成長に合わせて使い方を変えられるのもメリットです。

オープンクローゼットの間取り図2F

子供部屋のオープンクローゼット

こちらは、子ども部屋にシンプルなオープンクローゼットを設けた実例です。

棚とパイプのみのシンプルなレイアウトのため、市販の収納アイテムなどを使って使い方を変化させやすくなっています。

▼実例を見る⇒case169

 

オープンクローゼットの間取りでよくある質問

注文住宅のオープンクローゼット

最後に、オープンクローゼットの採用を検討する際によく寄せられる質問をまとめました。

Q.オープンクローゼットで防虫剤は効果がありますか

A.扉付きと比べると効果は下がります

衣類用の防虫剤は成分が空気中に広がり、一定の濃度を保つことで虫を寄せつけない仕組みです。

密閉されていないオープンクローゼットでは成分が拡散してしまうため、期待した効果を得にくくなります。

ハンガーに直接吊るすタイプを衣類の近くで使う、収納ケースに入れて密閉した状態で使うといった方法へ切り替えましょう。

Q.オープンクローゼットには何帖必要ですか

A.収納する量と使い方によって変わります

壁面型であれば帖数ではなく、壁の幅と奥行き60cm前後を確保できるかが判断基準になります。

ウォークイン型なら2帖程度から成立し、1人分の衣類とあわせてスーツケースなどの大きな荷物も収められるでしょう。

家族全員の衣類をまとめるファミリークローゼットの場合、4人家族で3帖前後が目安です。

衣類の量には個人差があるため、現在の持ち物とライフスタイルの変化を見据えて考えましょう。

まとめ

オープンクローゼットは、扉をなくすことで出し入れのしやすさと空間の広がりを得られる収納です。

一方で中身が見える、ほこりが溜まりやすい、衣類が色あせしやすいといったデメリットもあり、扉が担っていた役割を間取りの工夫で補う視点が重要となります。

後悔を防ぐには、来客の動線を避けた配置、いざというとき目隠しできる備え、収納物に合わせた寸法設計などのポイントを押さえておきましょう。

リビングやダイニングから直接見える位置、西日が長く差し込む壁面のように、扉付きを選んだほうがよい場所もあります。

どちらが優れているかではなく、場所ごとに使い分けるという考え方が、住み始めてからの満足度につながります。

クレバリーホームでは、間取りのご相談から収納の細かな寸法まで、経験豊富なスタッフがサポートいたします。

オープンクローゼットの採用でお悩みの際は、ぜひお近くのモデルハウスかWEBからお気軽にご相談ください。

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