70坪・80坪の土地は広すぎる?必要な広さの考え方と間取り実例

70坪・80坪の土地は広すぎる?必要な広さの考え方と間取り実例

「70坪や80坪の土地は、一戸建てには広すぎるのではないか」

郊外で土地を探し始めると、都市部より1区画あたりの面積が大きく、この疑問に行き当たる方は少なくありません。

ただし、70坪や80坪の土地が広すぎるかどうかは敷地面積だけでは決まらず、建てたい家の規模・駐車台数・外構の計画など複数の要素で判断する必要があります。

この記事では、70~80坪の土地での家づくりを検討する方のために、必要な広さを逆算する手順と、実際に建てられた家の間取りを紹介します。

70~80坪の土地はどのくらいの広さか

80坪の広い土地

まずは、70~80坪の土地がどれくらいの広さなのか確認していきましょう。

70坪・80坪の広さを平方メートルと帖数に換算すると、下記のようになります。

 

坪数 平方メートル 帖数
70坪 約231.4㎡ 140帖
80坪 約264.5㎡ 160帖

 

しかし、数字を並べてみても、どれくらいの広さなのか実感しにくいのが正直なところです。

広さの体感の目安として近いのが、テニスコート1面の広さです。

ダブルス用のテニスコートは23.77m×10.97mで約261㎡あり、80坪とほぼ同じ規模になります。

次に、実際に注文住宅を建てた方のデータから、70~80坪の土地の位置づけを確認してみましょう。

住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」から、次の2種類の敷地面積のデータをピックアップしてみます。

 

  • 土地付注文住宅:土地と建物をセットで住宅ローンを組んだ方のデータ
  • 注文住宅:すでに所有する土地に建て、建物のみ住宅ローンを組んだ方のデータ
地域 土地付注文住宅 注文住宅(土地取得なし)
全国 206.1㎡(約62.3坪) 254.7㎡(約77.0坪)
首都圏 152.6㎡(約46.2坪) 171.1㎡(約51.8坪)
近畿圏 159.5㎡(約48.2坪) 193.1㎡(約58.4坪)
東海圏 211.9㎡(約64.1坪) 255.6㎡(約77.3坪)
その他地域 247.2㎡(約74.8坪) 312.1㎡(約94.4坪)

出典:住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」(※敷地面積は外れ値があるため中央値を使用)

 

土地付注文住宅では、三大都市圏以外をまとめた「その他地域」だけが約74.8坪と70坪台に届いています。

一方、すでに土地をお持ちの方が注文住宅を建てるケースでは、東海圏が約77.3坪、その他地域が約94.4坪と、いずれも70坪を超える水準です。

このデータから、70~80坪の土地は都市部では広めでも、郊外では標準的な区画に収まっていることが読み取れます。

土地の広さは建てるエリアによって基準が変わるため、坪数だけで広い・狭いと判断はできません。

70~80坪の土地が「広すぎる」と言われる理由

70坪の土地

インターネット上で、70~80坪の土地が広すぎるという意見が見られるのにはさまざまな原因があります。

ここでは、70~80坪の土地が広すぎる場合に起こりやすい、デメリットやリスクについて解説します。

固定資産税の軽減率が一部で下がる

70坪~80坪の土地では、200㎡を超えた部分だけ固定資産税の軽減率が下がり、税負担が大きくなるのがデメリットです。

住宅が建つ土地には住宅用地の特例が適用され、課税標準額が引き下げられる仕組みがありますが、軽減率は面積によって2段階に分かれています。

 

区分 面積 課税標準額
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 評価額の6分の1
一般住宅用地 200㎡を超える部分 評価額の3分の1

 

200㎡は坪数に直すと約60.5坪です。

70坪なら約31㎡、80坪なら約64㎡が超過分にあたり、この部分だけ軽減の幅が小さくなります。

実際にどの程度の差になるのか、土地の評価額を1㎡あたり8万円と仮定して試算してみましょう。

 

土地面積 200㎡以下の課税標準 200㎡超の課税標準 合計 年間の固定資産税
60坪(約198.3㎡) 約264万円 約264万円 約3.7万円
70坪(約231.4㎡) 約267万円 約84万円 約351万円 約4.9万円
80坪(約264.5㎡) 約267万円 約172万円 約439万円 約6.1万円

※税率1.4%(標準税率)で計算。評価額と税率は自治体によって異なります。

 

60坪から80坪へ20坪広くなると、年間の負担は約2.4万円増えます。

200㎡を超えたとたんに税額が跳ね上がるわけではありませんが、固定資産税は毎年発生するランニングコストのため、長く暮らすほど負担の差は大きくなります。

草むしり・除雪など維持の手間が増える

70~80坪の土地に一般的な大きさの注文住宅を建てる場合、建物が建たない部分の面積が広く、日常的な手入れの負担が増えます。

仮に、延床面積35坪の総2階建てを建てた場合、建物が占めるのは約18坪で、70坪なら残り52坪、80坪なら62坪が屋外の空きスペースとして残る計算です。

この範囲に土のままの部分が多いと、春から秋にかけて草の処理が負担になり、積雪地域では駐車場から道路までの通路を確保する除雪も加わります。

土地が広いことはメリットに感じますが、「将来なにかに使えるだろう」と用途を決めずに家を建てると、空きスペースの維持に手間と費用がかかり続けるリスクがあります。

外構費用が高くなる

70~80坪の土地では、建物の周囲に整備すべき範囲が広く、外構費が予算を圧迫しやすくなります。

外構工事の費用は建築費の10%程度、金額では100万~300万円が一般的な目安と言われていますが、この相場は敷地面積を前提にした数字ではありません。

延床面積35坪の総2階建て(建築面積約18坪)を建てた場合、屋外として残る面積は次のとおりです。

 

土地面積 屋外に残る面積 60坪との差
60坪(約198.3㎡) 約139㎡
70坪(約231.4㎡) 約172㎡ 約33㎡
80坪(約264.5㎡) 約205㎡ 約66㎡

 

同じ建物を建てても、60坪と80坪では整備する範囲が約66㎡違います。

駐車場の土間コンクリートやアプローチ、境界を囲うフェンスなど、敷地が広くなるほど外構費用も高額になります。

坪単価が比較的安い郊外で取得費用を抑えられたとしても、外構費は面積に応じて増えるという点は変わりません。

建物と外構を合わせた総額で予算を組まないと、予算オーバーになってしまうリスクが高くなります。

70~80坪が自分に合うかは必要面積の逆算でわかる

70坪の土地での家づくり

住まいづくりに必要な土地の広さは、感覚ではなく、建物・駐車場・庭という複数の要素を踏まえて考える必要があります。

ここでは、70~80坪が過不足のない数字かどうかを判断するために、必要な敷地面積を割り出す手順を追っていきます。

必要な部屋数と広さから延床面積を積み上げる

必要な土地の広さの逆算の出発点になるのは、自分たちの暮らしに必要な部屋の数と広さです。

家族構成やライフスタイルによって、必要な延床面積は変わります。

まずは必要な部屋を書き出し、それぞれの広さを当てはめてみましょう。

 

部屋 一般的な広さ 面積
LDK 16~20帖 8~10坪
主寝室 8帖+クローゼット 約5坪
子ども部屋(1室あたり) 6帖+収納 約4坪
玄関・ホール 4帖 約2坪
浴室・洗面・トイレ 5~6帖 約2.5~3坪
階段・廊下 6~8帖 約3~4坪

 

4人家族で子ども部屋を2室設ける場合、合計は28.5~32坪ほどです。

ここに書斎や和室を加えれば32~36坪、ファミリークローゼットやパントリーも設けると35~38坪程度まで延床面積が広がります。

参考として、住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」における住宅面積の全国平均は、土地付注文住宅で110.3㎡(約33.4坪)、注文住宅で118.4㎡(約35.8坪)でした。

積み上げた数字がこの水準から大きく離れる場合は、部屋数や広さの前提を見直すきっかけになります。

以降の計算では、実勢値に近い延床36坪を例として進めます。

建物の形と建築面積を考える

必要な延床面積が分かったら、次に建物の階数や形状と建築面積を割り出しましょう。

建築面積とは、建物を真上から見たときの面積のことです。

同じ延床面積36坪の家でも、階数や形状によって建築面積が変わってきます。

 

建物の形 1階の面積 2階の面積 建築面積
総2階建て 18坪 18坪 18坪
部分2階建て 24坪 12坪 24坪
平屋 36坪 36坪

 

同じ36坪の延床面積でも、上下階の面積が等しい総2階建てと、1階が大きい部分2階建てでは建築面積が変わり、平屋の場合はさらに差が大きくなります。

70坪・80坪の土地にあてはめると、建物以外の部分で残る敷地面積は次のとおりです。

 

建物の形 建築面積 70坪での残り 80坪での残り
総2階建て 18坪 52坪 62坪
部分2階建て 24坪 46坪 56坪
平屋 36坪 34坪 44坪

 

同じ70坪の土地でも、建物以外で残る敷地面積は平屋の場合34坪、総2階建てなら52坪という違いです。

この残りの面積に駐車場と庭を収めていくことになるため、次は必要な台数から駐車スペースの面積を出していきましょう。

駐車スペースに必要な面積を台数から出す

次に、使用する車の台数から駐車スペースの面積を計算し、屋外に残った面積から差し引きます。

普通車1台に必要な区画は、幅2.5m×奥行5mの約12.5㎡が目安になります。

ただし、この寸法は車体を収めるだけの数字です。

ドアを開けて乗り降りする余裕や、車路として使う通路を含めると、1台あたり15㎡前後を見込んでおく必要があります。

台数別に換算すると次のとおりです。

 

駐車台数 必要な面積 坪数
1台 約15㎡ 約4.5坪
2台 約30㎡ 約9坪
3台 約45㎡ 約14坪
4台 約60㎡ 約18坪

 

郊外の場合は通勤や買い物に車を使う家庭が多く、ご夫婦それぞれで2台、来客用を加えて3台の駐車場が必要になるケースも珍しくありません。

また、将来お子さまが免許を取る時期を見込んで、4台分を確保するケースもあります。

カーポートやガレージを設ける場合は、柱や壁、屋根の出幅を含めて広めに計算しておきましょう。

注文住宅の駐車場の広さや考え方について、こちらのコラムで詳しく解説しています。

 

庭・アプローチの面積を計算

駐車スペースを差し引いた残りが、庭とアプローチに使える面積です。

屋外に必要な面積を用途別に見ていきましょう。

用途 必要な面積
玄関までのアプローチ 約2坪
建物周囲の通路(1m幅) 約9坪
ウッドデッキ(6帖程度) 約3坪
家庭菜園 約3~5坪
物置の設置 約1~2坪
お子さまが遊べる芝生 約10坪以上

自転車置き場やゴミ置き場、エアコンの室外機を置く場所も、それぞれ1坪前後を見込んでおきましょう。

すべてを取り入れると30坪を超えますが、家庭菜園や芝生は暮らし方によって不要になる項目です。

必要なものだけを選んで積み上げると、庭とアプローチで10~25坪ほどの幅に収まります。

積み上げた合計で過不足を判断する

ここまで積み上げた面積を合計すると、70坪・80坪が過不足のない数字かどうかを判断できます。

延床面積36坪の平屋・2階建て、駐車3台のケースを想定して合計を出してみましょう。

 

項目 総2階建て 平屋
建築面積 18坪 36坪
駐車スペース(3台) 14坪 14坪
庭・アプローチ 10~25坪 10~25坪
合計 42~57坪 60~75坪

 

平屋の場合、合計は60~75坪となり、70坪の敷地でも広すぎるということはなく、庭を充実させたい場合は80坪もちょうど良い面積になってきます。

一方、総2階建てでは合計42~57坪に収まるため、70坪なら13~28坪、80坪なら23~38坪が残ります。

空きスペースの用途が明確でない場合は、前述した維持の手間や外構費用の増加などデメリットを感じる可能性が高いです。

駐車台数を増やす、平屋に変更する、延床面積を広げるなど、残る面積の使い道を先に決めておきましょう。

70坪・80坪の土地に建てた家の間取り実例

実際に70坪台、80坪台の土地に建てた注文住宅の間取り実例をご紹介します。

実例①敷地面積70.47坪 延床面積40.68坪

敷地面積70.47坪の家の外観

1F

敷地面積70.47坪の家の間取り図1F

2F

敷地面積70.47坪の家の間取り図2F

約70坪の土地に、延床面積40.68坪の2階建てを建てた間取り実例です。

広めの敷地面積によって部屋数にゆとりが生まれ、暮らしやすい間取りアイデアを多数取り入れています。

 

敷地面積70.47坪の家の玄関 敷地面積70.47坪の家のシューズクローゼット

玄関と隣接するシューズクロークは自転車も置ける広さがあり、引き戸を閉めれば来客時もスッキリした状態をキープできます。

 

敷地面積70.47坪の家の洗面所

脱衣所兼ランドリールームから、洗面所、ファミリークローゼットまでつながる間取りも、家事効率を高める間取りアイデアです。

▼実例を見る⇒case139

 

実例②敷地面積79.99坪 延床面積38.25坪

敷地面積79.99坪の家の外観

1F

敷地面積79.99坪の家の間取り図1F

2F

敷地面積79.99坪の家の間取り図2F

約80坪の敷地面積を活かし、1階が広い部分2階建ての間取りを実現したお住まいです。

 

敷地面積79.99坪の家のリビング

吹き抜けのリビングは、ゆとりのある庭へ視線が抜ける窓を設けることで、さらに開放感を高めています。

 

敷地面積79.99坪の家のランドリールーム

ランドリールームの近くにファミリークローゼットを設け、スムーズな洗濯動線で家事効率も良好です。

▼実例を見る⇒case169

 

実例③敷地面積83.79坪 延床面積34.93坪

敷地面積83.79坪の家の外観

1F

敷地面積83.79坪の家の間取り図1F

2F

敷地面積83.79坪の家の間取り図2F

※本物件は構造計算を行った物件となります。

平屋にすると採光が難しい土地の課題に、一部を2階建てにする間取りで対策したお住まいです。

 

吹き抜けリビング

リビング階段の吹き抜けから自然光が全体に広がり、明るく開放的なLDKになっています。

 

広い敷地を活かした家庭菜園

83.79坪の敷地面積を活かし、家庭菜園で野菜を育てて収穫する暮らしも楽しまれています。

▼実例を見る⇒case170

 

実例④敷地面積88.33坪 延床面積28.93坪

敷地面積88.33坪の平屋の外観

1F

敷地面積88.33坪の平屋間取り図

88.33坪の広い敷地を活かし、開放感がありのびのび暮らせる平屋を建てた実例です。

 

平屋の勾配天井のリビング

リビングは勾配天井で開放感を高め、高窓の組み合わせで採光や通風も確保しています。

 

平屋のリビングの履き出し窓
リビングの大きな掃き出し窓は、眺望を楽しめる立地を活かした間取りアイデアです。

▼実例を見る⇒case148

 

70坪・80坪の土地での家づくりでよくある質問

80坪の広い土地

最後に、70~80坪前後の土地で家づくりを検討するとき、よくある質問にまとめてお答えします。

Q.土地が広いと建築費も高くなりますか?

A.基本的には、敷地面積は建物の建築費に直接影響しません

建物の建築費は延床面積や仕様で決まるため、敷地面積の広さによって高くなる可能性は低いです。

同じ延床面積と仕様の家であれば、60坪の土地に建てても80坪の土地に建てても、建物本体の価格は同じです。

地盤改良が必要な場合も、対象となるのは建物が載る範囲に限られるため基本的には変わりません。

ただし、外構や配管工事など、建物以外の費用は敷地面積に応じて増える可能性があります。

Q.広い土地は売却しにくいですか

A.70〜80坪であれば売却時に不利になる可能性は低いです

広すぎる土地は売却時に買い手が見つかりにくいと言われることが多いですが、70~80坪前後なら戸建て需要の範囲に収まります。

売却が難しいとされるのは、個人が住宅用地として購入するには総額が大きすぎる数百坪規模の広大地です。

70〜80坪は郊外の分譲地で一般的に流通している面積帯のため、買い手が極端に限られる可能性は低いです。

まとめ

70~80坪の土地が広すぎるかどうかは、エリアや予算、どのような注文住宅を建てたいかなどの要素で変わってきます。

敷地面積の過不足を判断するためには、建物の形と延床面積、駐車台数、庭の使い方など複数の要素を検討する必要があります。

ご自身にとってちょうど良い広さの土地を見極めるためには、契約前の段階でハウスメーカーに相談するのがおすすめです。

候補地で注文住宅の概算プランをつくれば、土地と建物を合わせた総額で予算を組み立てられるため、契約後に予算オーバーになるリスクを回避しやすくなります。

また、間取りプランをつくることで、敷地がどれくらい残り、どのように活用できるのかといったイメージもしやすくなります。

クレバリーホームでは、土地探しの段階からご相談を承っています。

70〜80坪の敷地に建てた施工事例も多数ございますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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