第一種住居地域とは?家を建てる前に知りたいメリット・デメリットと建築制限をわかりやすく解説

第一種住居地域は、住居系用途地域の中でも住環境と利便性のバランスが取れた土地を見つけやすいエリアです。
駅や商業施設の近くなど、程よい利便性があり、暮らしやすい土地に設定されているケースもあります。
ただし、近隣に3,000㎡以下の店舗やホテルなどが建つ可能性があり、静かな住宅街とは違う一面もあります。
そこでこの記事では、第一種住居地域のメリット・デメリットから建築制限、土地選びのポイントまで順に整理します。
マイホームを建ててから「思っていた環境と違った」とならないよう、ぜひ土地選びの参考にしてみてください。
第一種住居地域とは|住宅を中心に店舗や事務所も建つ地域

第一種住居地域は、都市計画法において「住居の環境を保護するため定める地域」と規定されています。
住居系用途地域の中では、住環境と利便性のバランスを取りやすいと言われることが多いです。
第一種住居地域に建てられる建物、建てられない建物をまとめました。
| 区分 | 主な建物 |
|---|---|
| 建てられる建物 | 住宅、共同住宅、学校、病院、老人ホームなど
床面積3,000㎡以下の店舗・飲食店・事務所・ホテル |
| 建てられない建物 | カラオケボックス、パチンコ店、マージャン店
劇場・映画館、ナイトクラブ 作業場が50㎡を超える工場 |
第一種住居地域では、住宅に加えて、3,000㎡以下の店舗・事務所・ホテルなども建築可能です。
近隣にスーパーマーケットや飲食店などができる可能性があるため、商業施設が制限される住居専用地域より利便性は高い傾向があります。
こちらのコラムで、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域について詳しく解説しています。
また、カラオケボックスやパチンコ店などは建てられず、住環境が守られているのも特徴です。
家を建てる土地選びは重要な要素の1つで、なかでも用途地域は住環境に大きく影響するポイントです。
13種類の用途地域全体の解説についてはこちらのコラムをご覧ください。
第一種住居地域に家を建てるメリット

第一種住居地域に家を建てるメリットは、住環境と利便性のバランスが取りやすい点と、3階建てで土地を活用しやすい点の2つです。
住環境と利便性のバランスが良い土地を見つけやすい
第一種住居地域には、駅や商業施設に近く、住環境も程よく守られた土地が見つかりやすい傾向があります。
住宅を中心にしながら、店舗や事務所も建つエリアのため、生活に必要な施設が徒歩圏に集まりやすいのが理由です。
毎日の買い物や通勤にかかる時間が短くなれば、共働きや子育ての時間に余裕が生まれます。
一方で、カラオケボックスなどの娯楽施設は建てられないため、夜遅くまで騒がしいエリアにはなりにくい傾向があります。
3階建てで土地を有効活用しやすい
第一種住居地域は、低層住居専用地域に比べて3階建てを検討しやすく、限られた土地を有効に使いやすい点が魅力です。
低層住居専用地域では建物の高さが10mまたは12mまでに抑えられますが、第一種住居地域に絶対的な上限はありません。
3階建てを視野に入れることで、限られた敷地面積でも延床面積を確保しやすくなり、十分な居室数や収納スペースを計画しやすくなります。
ただし、実際に3階建てが建てられるかどうかは、建ぺい率・容積率・斜線制限・日影規制などの条件によって変わります。
3階建ての詳細については、こちらのコラムもご覧ください。
第一種住居地域に家を建てるデメリット

第一種住居地域に家を建てるデメリットは、日当たりや風通しが周辺の建物に左右されやすい点と、場所によって人や車の往来が気になる点です。
日当たりや風通しが悪い場合もある
第一種住居地域では、高さの上限がないため、隣に高い建物が建つと日当たりや風通しが悪くなりやすい点に注意が必要です。
例えば、南側に背が高いアパートやマンション、ホテルなどができると、日当たりや風通しが大きく変化するリスクがあります。
土地を購入する前のチェックポイントについて詳しくは後述します。
場所によっては人や車通りが気になることもある
第一種住居地域内には大型の店舗や事務所も建てられるため、近隣の人や車の往来が気になる場合もあります。
3,000㎡以下の店舗なら、駐車場を備えたドラッグストアや飲食店が建つ可能性があり、時間帯によって交通量や騒音などが大きくなる可能性も考えられます。
近くに店舗や事務所が多いエリアでは、通勤時間帯に渋滞が発生しやすくなることも。
交通量が多くなることで、事故のリスクが高くなるのも注意すべきデメリットです。
静けさを優先するなら、幹線道路や商業施設から少し離れた区画を選ぶのが理想的です。
第一種住居地域の建築制限
建てられる家の階数や大きさに影響する、建築制限についてもチェックしておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建ぺい率 | 50%・60%・80%のいずれか |
| 容積率 | 100〜500%の範囲で指定 |
| 絶対高さ制限 | なし |
| 道路斜線 | あり(前面道路の反対側の採光を確保するため、建物の高さを斜めに抑える) |
| 隣地斜線 | あり(20mを超える部分に適用。一般的な戸建てでは影響しにくい) |
| 日影規制 | 高さが10mを超える建物が対象(条例で指定された区域のみ) |
| 北側斜線 | なし |
第一種住居地域の建築制限は、建ぺい率・容積率・道路斜線・隣地斜線・日影規制が中心で、絶対高さと北側斜線の規定はありません。
建ぺい率や容積率は、都市計画で土地ごとに決まるため、同じ用途地域でも場所によって異なります。
建ぺい率と容積率の詳細や計算方法についてはこちらのコラムもご覧ください。
第一種住居地域の土地を選ぶときのチェックポイント

第一種住居地域の土地選びでは、周辺の将来像と、建てたいプランの日当たりの2つを確認しておくと、後悔を防ぎやすくなります。
周辺の空き地・駐車場・古い建物から、将来何が建つか考える
3,000㎡以下の店舗や商業施設、ホテルなどを建てられる第一種住居地域では、将来の変化を見据えた土地選びが必要です。
例えば、空き地や月極駐車場などのまとまった土地が近くにある場合、将来アパートやマンション、店舗などができる可能性があります。
逆に、南側に公園や広い道路がある土地なら、将来日当たりが変化するリスクが小さくなります。
将来の変化を完全に予測するのは難しいですが、なるべく長期的な視点で住環境をチェックしましょう。
建てたい間取りや階数で日当たりを確保できるか確認する
どの土地にも当てはまることですが、購入前に建てたい間取りや階数を実現できるか確認するのも家づくりを成功させるポイントです。
その土地の敷地面積で延床面積や部屋数を確保できるか、希望の階数や間取りを実現できるか、住まいづくりのプロに確認してもらうのが理想的です。
特に周囲に大きな建物がある場合は、日当たりを確保する間取りをつくれるかなども事前に確認しましょう。
1階だと日当たりを確保しにくい場合は、2階リビングを採用するなどの対策もあります。
こちらのコラムで2階リビングの特徴や間取り実例をご紹介しています。
第一種住居地域の家づくりでよくある質問

実際に第一種住居地域の土地で家づくりを検討するとき、疑問に感じやすいポイントをピックアップしてご紹介します。
Q.3階建てやマンションが建って日当たりが悪くなったら対処できる?
A.後からの対処は難しいため、事前の回避が理想的です
建築基準法の範囲内で建てられた建物には、法的に対抗しにくいのが実情です。
建築基準法などの法令に適合していれば建築確認が下りるため、計画の変更を求めても、応じてもらえる可能性は低いです。
裁判で日照権が認められるのは、受忍限度を超える被害がある場合に限られ、ハードルは高いとされています。
だからこそ、入居後に対処する前提ではなく、土地選びとプランの段階で先回りするのが現実的です。
土地単体ではなく、周辺状況もチェックしたうえで購入を判断しましょう。
Q.夜遅くまで営業する飲食店が近くにできる可能性はある?
A.居酒屋やバーが近くにできる可能性はあります
第一種住居地域では、カラオケボックスやナイトクラブ、マージャン店は建てられません。
ただし、用途地域そのものは飲食店の営業時間を制限していません。深夜に酒類を提供する居酒屋やバーは、都道府県の条例で住居系地域での営業が制限されていることが多い一方、酒類を出さない24時間営業の飲食店などは建つ可能性があり、就寝時間によっては騒音が気になる可能性も考えられます。
夜間の周辺環境が気になる場合は、昼間だけでなく夜や平日・休日など時間帯を変えて現地周辺を歩き、人通りや店舗の営業状況を確かめておくのがおすすめです。
駅前の商業地域に近い土地なら、防音性の高いサッシを採用し、寝室を道路と反対側に置く間取りも選択肢になります。
まとめ
第一種住居地域は、住宅を中心に店舗や事務所も建つため、利便性と住環境のバランスを取りたい方が検討しやすい用途地域です。
一方で、周辺の建物による日当たりや風通しの悪さ、店舗による人通りや騒音などが気になりやすいデメリットもあります。
土地を選ぶ際は、理想の家を建てられるかという事前確認にくわえて、周辺環境も含めて住まいづくりのプロと確認するのがおすすめです。
クレバリーホームでは、全国のモデルハウスとWEBで、土地探しからの住まいづくりをお手伝いしています。
ご検討中の土地の確認やアドバイス、概算プランニングやお見積もりなどもサポート可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。




