意外かもしれませんが、木は鉄よりも丈夫なのです。建築材料の強さを測る目安に比強度という値があります。これは同じ重量での強さを比較するもので、鉄とアカマツで引っ張り強度を比べてみると、アカマツは鉄の約4倍もの比強度を備えています。 このため同じ強度の住宅を造る場合、木の家は鉄骨の家よりも軽くでき、地震や台風時に受けるエネルギーが少なくてすみます。また一方で、木は火災に弱いという誤解があります。鉄が540℃くらいから軟化しはじめ、時間と共に急速に強度が落ちていくのに対し、木は表面が炭化すると内部への酸素供給を抑え燃えにくくなるため、より長い時間強度を維持できます。そのため、万一火災になっても急激に倒壊しにくい住宅をつくることができるのです。

※1 出典:(財)日本木材備蓄機構 「木材利用啓発推進調査報告書(衝撃編)」(1989)
参照:(財)日本木材総合情報センター 「木の香る快適な学習環境」

世界最古の木造建築とされる法隆寺(西院伽藍)は、実に1300年以上の歳月に耐え、いまもしっかりとした姿で私たちを迎えてくれます。 このことからもわかるように、木は非常に耐久性の高い建築材料です。木は伐採された後も乾燥とともに強さを増し、 数百年にわたって強度を維持できるという他の材料にはない特性を備えているからです。木造建築の寿命を縮める原因となる腐朽菌は、 水分・温度・酸素・養分の4つの要素が活性化することが条件であり、十分な通気性を確保する設計を行い、適正な湿度(20%以下)に 維持管理することで、この発生を防ぐことができます。また、現在は防腐剤を注入した建材を使用するなどの対策も進歩しており、 木の耐久性を活かした長寿命の住まいを実現することができます。




木の住まいは居心地がいい。その理由の一つに断熱性の高さがあります。木は細胞内に多くの空気を含んでおり、それが断熱材の役割を果たします。だから住宅を木で覆うことで、冬でも暖かい家がつくりやすいのです。木の熱伝導率はコンクリートの約1/15、鉄の約1/330と低く、気温の低い冬場に触れても肌から熱が奪われず、心地よい温もりを感じられます。 また、木は湿度が高くなると湿気を吸収し、低くなると水分を放出する性質もあります。木を建築材料とすることで、鉄やコンクリート構造の住宅に比べ室内の湿度を安定させることができます。優れた断熱性と調湿作用を発揮する木造住宅は、季節による温度や湿度の変化が大きい日本の気候風土に適した、住む人にやさしい住まいといえます。

※2 出典:「木材工業ハンドブック」丸善(1982)
参照:(財)日本木材総合情報センター「木の香る快適な学習環境」


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